結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年01月02日(日曜日)

「一粒の麦」と「一つのテーマ」を大地と市場に蒔く年にしたい。

去年(こぞ)今年貫く棒の如きもの

正月を迎えるといつも思い出す。
高濱虚子の句。

昨年も今年も貫かれている、
棒のごときものがある。

その一本の棒が自分だ。

それぞれの人が、
それぞれの棒をもっている。

それがいいんだな。

今日は商人舎オフィスに出て、
諸々の郵便物や電話の留守録をチェックした。

一人のオフィスもいいもんだ。IMG_99161

ただし、右の歯がまだちょっとだけ痛い。
ずいぶんよくなったが、まだ染みる。IMG_E99231
正月のテレビで、
芸能人格付けチェックを見ていたら、
郷ひろみが何種類もの歯ブラシを使って、
15分もかけて歯を磨くという話が出た。

それも試食程度に食べたのに。

なるほど。

こうまでしなければ、
歯の健康は保てないのか。
納得。

私も丁寧な歯磨きをします。

歯と足は健康にとって、
極めて大事な器官であり、部位である。

さて、[Message of January]
2022-1Message
テーマを資源化せよ!!

よくよくあなたがたに言っておく。
一粒の麦が地に落ちて死なない限り、
それはただの一粒のままである。
しかし、もし死んだならば、
豊かに実を結ぶようになる。
( 「ヨハネによる福音書」第12章24節)

一粒の麦はテーマである。
テーマは資源とみなされない限り、
それはただの一粒のテーマである。
しかし、もし資源化することができれば、
豊かに実を結ぶことになる。

コロナ禍パンデミック3年目の2022年。
大きく変わったことは目の前に横たわっている。
変わらなかったことも同じく目の前にある。
私たちはこの感染症の蔓延によって、
変わり続けていくテーマを知らねばならない。

消費意識と消費行動はどう変質するのか。
マーチャンダイジングはどう変貌するのか。
店やフォーマットはどう変革されるのか。
会社は、組織は、経営はどう変容するのか。
そしてあなた自身はどう変身するのか。

ドゥ・ハウス創始者の小野貴邦さんの言葉。
「過去から押しても怪獣は動かない。
未来から今日を引っ張ってやれば、
怪獣は動いてくれる」
怪獣は社会であり、経済であり、消費である。

コロナ禍の断絶によって、
過去から怪獣を押す必要はさらになくなった。
だからテーマの資源化を原動力にして、
未来から今日を引っ張ってやろう。
消費や市場という怪獣は必ず動き出す。

よくよくあなたがたに言っておく。
一粒の麦が地に落ちて死なない限り、
それはただの一粒のままである。
しかし、もし死んだならば、
豊かに実を結ぶようになる。

一粒の麦はあなたの観察であり着想である。
この一粒をテーマ資源化しない限り、
それはただの一粒のテーマである。
しかしもし資源化し、掘り起こすことができれば、
それは仕事に商売に豊かな実をつけることになる。
IMG_E98791
冒頭の段落は、
「ヨハネによる福音書」第12章24節。
ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」で、
一番最初に引用されている一句。

それをモチーフにした。

一粒の麦はそのまま食べてしまえば、
一粒の麦に過ぎない。
けれど一粒の麦を大地に蒔いて育てれば、
それは多くの麦を実らせる。

イエスはこの麦のことを語るとともに、
自分が人々のために死ぬことの意味も、
暗示的に伝えた。

私という一粒の麦は、
十字架にかかって死ぬことによって、
多くの麦を実らせるのだ、と。

私はこの一粒の麦を、
ひとつのテーマと見立てた。

その一つのテーマが、
市場という大地に落ちて資源となる時、
大きな成果という果実を実らせる。

資源とは、
人間の生活や産業などの活動のために、
利用可能なものである。

かつて産業は天然資源によって成立した。
さらに社会は資本を資源とした。
次に労働力が資源となった。

ピーター・ドラッカーは、
知識を資源とする時代がやってきたと指摘した。

その知識のなかの中心となる問題、
人間の生活の主題となるものこそ、
最大の資源である。

たとえばSDGsは、
持続可能な開発目標であり、
17の大きな目標で構成される。
この目標こそテーマであり、
それは人類の資源である。

それらを達成するための具体的な、
169のターゲットも資源である。
sdgesimage

今年はテーマを資源化しよう。
それを掘り出すことができれば、
豊かな成果を生み出すことができる。

新型コロナ禍の断絶から、
今年こそ抜け出すことができる。

もちろんコロナウイルスとは、
動的均衡のなかで共生することになる。

その時に私たちは、
一粒の麦のことを考え続けねばならない。

誰もが一粒の麦をもつ。
あるいは自分が一粒の麦である。

その一粒の麦をそのまま食べてしまえば、
一粒の麦に過ぎない。
一粒の麦として一生を終えれば、
それも一粒の麦に過ぎない。

けれど一粒の麦を大地に蒔いて育てれば、
それは多くの麦を実らせる。

今年も私たちに、
その決断が突きつけられている。

〈結城義晴〉

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