結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年01月28日(金曜日)

大谷翔平の「ゼネラリストの高み」と「楽しむエネルギー」

オミクロン株と言えど、
新規陽性判明者は増加の一途。

東京が1万7631人。
大阪も1万0013人、
神奈川が6469人。

全国で8万0810人。

ずっと書いているが、
感染症は原則的に、
伝染力が強ければ、
毒性は弱く、
伝染力が弱ければ、
毒性は強い。

14世紀のペストや、
17世紀のインフルエンザ、
18世紀の天然痘、19世紀のコレラ。

感染力が強くて、
毒性も強い場合もまれにある。

それが厄介なのだが、
カミュが描いたペストのように、
突然、静かに去って行くことがある。

これが集団免疫だと思う。

新型コロナウイルスのオミクロン株は、
感染力が強くて、毒性は弱いらしい。
欧米各国でその水際規制が変わってきた。

イギリスではワクチン接種者は、
入国後の検査が不要になる。

アメリカでは接種証明と陰性証明があれば、
入国が容認される。

日本は原則的に入国停止中だが、
全国に適用中の「まん防」が解除されれば、
少しずつ変わるだろう。

ちょっとだけ光明が見えてきたか。

アメリカに行ける日が、
近づいたような気がする。

頑張ろう。

昨日の明治記念館。
ドラッグストアMD研究会での講演。IMG_07482

真っ青な空に飛行機雲が描かれた。IMG_07472

その線が上に向かって伸びた。IMG_07461
ちいさな喜び、
ささやかな幸せ、
あすへの希望。

どんなときにも、
それがあればいい。

小売業もサービス業も消費産業も、
人々にそれを提供する。

昨日も、今日も、明日も。

朝日新聞のコラム「経済気象台」
タイトルは、
「ゼネラリストの高み」

エンジェルスの大谷翔平の話。
アメリカンリーグ年間最優秀選手。
昨年11月に満票で選ばれた。
大谷翔平
コラムニストは海星さん。

「彼は”二刀流”と言われてきたが、
不正確かつ失礼である」

「野球選手は、守備も打撃もこなす
という意味では、本来、二刀流である」

「たまたま投手という
ポジションの専門性が高く、
打撃との両立はプロでは不可能だ
と考えられてきたがゆえに、
注目されたというべきだ」

そこで海星さん。
「むしろ、彼は三刀流である」

年間26盗塁。

走ることにも果敢に挑戦した。

「そもそも野球には、
走攻守という3要素がある。
彼は、それらのすべてで高みを目指した」

普通の場合、投手は盗塁しない。
けがの危険があるからだ。

さらに右投手は左打ちをしない。
右手に死球を受けるリスクがあるからだ。
大谷翔平そのリスクを大谷は背負っている。

投手としての登板の合間にも、
打者として出場し続ける。
コンディションの調整は難しい。

「危険かつ疲労もたまるのに、
なぜ彼は走攻守すべてに
こだわり続けたのか」

コラムニスト。
「恐らくそれは、
楽しいからなのだ」

同感だ。

「走攻守の各魅力を存分に味わって
完全燃焼したかったのだろう」

「その意味では彼は三刀流というよりも、
フル規格のゼネラリストとみなすべきだ」

なるほど。

「勝利数も防御率も、
またホームランも打率も、
1位だったわけではない」

今回のMVP受賞は、
何らかの部門でトップ記録を残すよりも、
幅広い分野で高い能力を示す者に与えられた。

選者たちが無意識にそれを評価した。

つまりスペシャリストより、
ゼネラリストが評価された。

コラムニスト。
「ゼネラリストの高みを目指すのは、
しんどいが楽しい」

理由は、
「いろいろなものが見えてくるからだ」

もちろんスペシャリストも楽しいはずだが、
ゼネラリストはその楽しさが異なる。

「ゼネラリストの生き方を再評価し、
能力が生かせる組織のあり方について
考える良い機会だ」

すべてが平凡で、
全体が見える場合もある。

いずれかの分野で突出する場合もある。

いずれの分野でも突出し、
全体も見える場合が、
大谷翔平だ。

ただし光り輝く期間は、
そう長くはないだろう。

どんな人間にも、
体力の壁という問題があるからだ。

チェーンストア組織では、
スペシャリストとゼネラリストが、
よく話題にされ、問題にされる。

故渥美俊一先生がそれを、
ことさら強調したからだと思う。

それは理想的なトップマネジメントの出現を、
渇望していたからだ。

日本の野球でも米国のベースボールでも、
ゼネラリストは本来、監督である。

組織においても、
ゼネラリストはトップマネジメントだし、
オーケストラでは指揮者だ。

しかし大谷翔平は、
現場の選手でありながら、
ゼネラリストを成し遂げた。

そこが新しいし、
その可能性があることを、
べーブ・ルース以来100年ぶりに示した。

世界中の子どもたちが、
それを目指すことも、
「可能だ」と知った。

少年野球から高校野球まで、
ゼネラリストで突出する選手はいる。

それを最高峰のメジャーリーグで成し遂げた。
そこに意味がある。

しんどいけれど、
楽しい。

いや、
しんどいからこそ、
楽しい。

大谷翔平を見ていると、
この楽しむことのもつ、
無限のエネルギーを感じさせられる。

ゼネラリストやスペシャリストを、
脅迫観念を利用して鍛錬するのは、
現代的ではないし、人間的ではない。

ゼネラリストでもスペシャリストでも、
自ら楽しむことによって生まれるエネルギーが、
いちばん大切なのだと思う。

ありがとう。

〈結城義晴〉

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