結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年04月19日(金曜日)

USMHにいなげやが参画して1兆円を目指す時の「気概」

1年で一番快適な4月の一日のはずが、
風が強く吹いた。

そのうえ、
黄砂が東日本や関東を覆った。

午前中は新横浜へ。
横浜労災病院。
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午後、商人舎オフィスに出社。

商人舎流通SuperNews。

U.S.M.Hnews|
11/30付でいなげやと経営統合/関東SM1兆円構想に前進

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱。
略称U.S.M.H。

㈱マルエツ、㈱カスミ、マックスバリュ関東㈱。
そのホールディングカンパニー。
スクリーンショット 2024-04-20 185445

ここに㈱いなげやが加わった。

株式交換契約を締結して、
U.S.M.Hが株式交換完全親会社となり、
いなげやを株式交換完全子会社とした。

もちろんイオン㈱傘下の、
関東スーパーマーケット連合。

U.S.M.Hニュース
23年度営業収益7067億円0.3%減・経常利益6.0%増

営業収益は7067億円、
前期比0.3%減。

営業利益が69億円、
8.2%増。

一方、3月期決算のいなげやは、
第3四半期の通期予想で、
営業収益2590億円(前期比4.2%増)、
営業利益24億円(同26.3%増)。

単純合算すると、
年商9657億円、営業利益93億円。

両社は2023 年4月25 日付けで、
「関東における1兆円のSM構想」を掲げて、
経営統合に向けた基本合意書を締結した。

2024年度はその構想が実現する。

イオンが2023年10月に公開買付けを実施して、
2023年11月30 日時点で、
いなげやの株式の51.0%を保有した。

株式交換契約は、
U.S.M.Hといなげや、両社の定時株主総会で承認され、
株式交換の効力発生は11月30日の予定。
11月28日にいなげやは上場廃止となる。

昨年の日本スーパーマーケットランキング

①ライフコーポレーション:296店舗 7654億円
②西友:326店 7209億円
③USMH:529店 7087億円
④アークス:373店 5662億円
⑤ヤオコー:199店 5645億円

USMHはいなげやの参画によって、
第1位に躍り出る。

私には感慨深い。

1877年に商業界に入社して、
首都圏のスーパーマーケットを取材し始めた。

西友は総合スーパー主体のチェーンストア、
東急ストアも総合スーパーの「とうきゅう」と、
スーパーマーケット業態の東急ストア。

だからSM専業チェーンは、
マルエツ、いなげや、プリマート、
サミットストア、とりせん、カスミなどなど。

マルエツは高橋八太郎さんが陣頭指揮を執り、
いなげやは三代目社長の猿渡清司さんが、
社長就任したばかりだった。

マルエツは1978年にプリマートを併合し、
2014年にはカスミとともにUSMHをつくり、
このたび、いなげやまで傘下に入った。

その背景にイオンがある。

残ったのがサミットととりせん。
オール日本スーパーマーケット協会の同志企業。

ベルクやマミーマート、エコスなどは、
当時はまだまだ目立たなかった。

ヤオコーやオーケーはむしろ後発のチェーンだ。

そしてロピアはもっともっと後から出てきた企業だ。

関東・首都圏も栄枯盛衰は激しい。

そのなかでUSMHが、
首都圏のチェーンが合同して、
日本で一番規模の大きなスーパーマーケットとなる。

ただし、企業の成長には、
2つのパターンがある。

第1は企業統合による拡大、
第2は自前出店による拡大。

アメリカでは前者の代表がクローガー、
後者はウォルマートである。

USMHとアークスがクローガー型、
ライフ、ヤオコーがウォルマート型。

いなげやは経営が停滞していた。
しかしイオンが株式の大半をもち、
USMHに参画すると決まってから、
不思議なことに成績が上がってきた。

後れを取ってはならない、といった意識が、
全社に浸透しているのだろうか。

コロナ禍明けという環境も、
最近のいなげやに追い風となっている。

それでもいなげやの頑張りは目立つ。

私がいつも言うけれど、
「商人の本籍地と現住所」を忘れずに、
いなげやらしさを追究してもらいたいものだ。

日経新聞「大機小機」
「ドラッカー氏の扉たたいた経営者」

70年前の1954年、ニューヨーク。
ピーター・ドラッカーを、
ソニーグループの創業者・盛田昭夫氏が訪ねた。
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まだ30歳代の盛田氏との最初の出会いを、
ドラッカー自身が後に明かしている。

盛田氏がドラッカーに語ったのは「ビジョン」だ。

トランジスタの可能性、
日本社会がコミュニケーションを求めていること、
グローバルな資金調達など。

「正直にいって、
『ずいぶんと野心的なことを言うなあ』
くらいにしか思っていなかった」

ドラッカーは振り返っている。

54年はドラッカーの代表的著書『現代の経営』が
刊行された年にあたる。
(日本版は56年刊行)
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「ビジョンを掲げ、
懸命に知見を築いていく中で
盛田氏は第一線の経営学者の
オフィスの扉をたたいた」

コラムニスト。
「体当たりで新市場に挑む盛田氏のような風景は
今も世界中で起きているに違いない。
次世代の主役を狙う企業は胎動している」

いなげやにもUSMHにも、
それ以外の企業にも、
「体当たりで新市場に挑む」気概が必要だ。

その時期だと思う。

〈結城義晴〉

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