結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年04月23日(火曜日)

ドンキ&ユニーの「合併効果」と万代知識商人大学前夜祭

月刊商人舎4月号の「店舗研究特集」
MEGAドンキ成増店
これは魔境のポジショニング戦略だ!
202404_PPIH (1)
お陰様で大好評の特集となった。

最大級の自転車売場。
202404_donki

「野菜は鮮度」のパネルが効いている。202404_donki_2F-3

精肉売場は担当者の名前を付けて、
「お肉の山さん」202404_donki_2F-8

そしてこの迫力。
決して上品とは言えないが、
若者には響くのだろう。202404_donki_3F-1 (1)

写真は100枚を超える。
ドン・キホーテの売場が網羅されている。

必携の一冊だ。

日経新聞「検証M&A」
「ドンキ流」経営、シナジー100億円

PPIHがユニーを買収して5年が経過した。

2017年11月に買収総額約2400億円で、
㈱ユニーの株式の40%を取得、
19年1月には残りの60%を取得して、
完全子会社とした。

PPIHの財務指標は、
ユニー買収後の約5年で改善した。

1店あたりの営業利益は1億4600万円。
約2割増えた。

固定資産回転率は2.12回、
0.2回転良化した。

総資産利益率(ROA)は、
23年6月期に7.1%。
5年前から0.7ポイント高まった。

イオンは1.7%。
セブン&アイは4.8%。

そのPPIHをユニーが下支えする。
驚くべきことだ。

17年2月期の最終損益は565億円の赤字だった。

それをPPIHは短期間で立て直した。
23年6月期のユニー単体のROAは6.9%。
凄い。

1店あたりの営業利益は約2億1400万円。
これはほぼ倍増。

売上高営業利益率は3.6ポイント上昇。

PPIHの改善策は2つ。
第1にユニーの店舗を「仕分け」した。
一部は「MEGAドン・キホーテ」に転換。
「アピタ」「ピアゴ」など総合スーパーは、
60店減の131店とした。

第2にドンキ流の経営ノウハウを注入した。
1万9000人のパート・アルバイト従業員に権限を与え、
仕入れから棚割り、値付け、
在庫管理まで責任を持たせた。
店員同士で競わせ、
現場のコスト管理の意識を高めた。

本部が主導する一部のセールはやめ、
店舗ごとの独自セールを増やした。
光熱費の使用量も店舗ごとの管理にした。

中央集権の古典的なチェーンストア方式をやめた。

その結果、シナジー効果が出た。
たとえばユニーがもっていた、
生鮮食品と惣菜の調達網がドンキ全体に貢献した。

吉田直樹社長。
「相乗効果は年間で100億円になる。
営業利益への貢献も200億円以上になった」

合併効果の好事例である。
PPIHの経営を前向きにとらえる必要がある。

さて今日は新幹線で新大阪へ。

乗り込むとすぐに、
アメリカ研修会ベーシックコースの
テキストの総仕上げ。
それが終わると原稿執筆。

あっという間に新大阪。

新大阪は小雨模様。

タクシーを飛ばして新今里へ。
IMG_4952

明日は万代知識商人大学9期の開講式と講義。
通称「万代カレッジ」。

毎年30名から32名が受講する。
250名を超える万代の次期幹部候補生たちが、
学んだことになる。

9期生は32名。明日がその初日。

講義の前夜は、
万代幹部の皆さんとの会食が恒例になっている。

今夜はひさびさに、
新今里にある「万代倶楽部」

万代のグループ会社の料亭。

先付けの5種盛りから始まって、
刺身、てんぷら、ステーキ、たけのこご飯、
そしてデザートのフルコース。
IMG_4953

おいしい食事とビールとワイン。

何よりトップとの情報交換が有意義だった。
IMG_4957
私の隣は阿部秀行社長。
後ろは左から、
加藤健副社長、河野竜一取締役、和久正樹取締役。

定宿のシェラトン都ホテル。
送ってくれた阿部社長とツーショット。
IMG_4960

9期も全力を挙げて、
知識商人の養成にあたる。

私のライフワークである。
よろしく。

〈結城義晴〉

2024年04月23日(火曜日)

街のパン屋は減り続けるけれど……パティシエは人気だ。

Everyone, Good Monday!
[2024vol⑰]

2024年第17週。
4月第4週。

来週からゴールデンウィーク。

4月29日の昭和の日が月曜で、
三連休スタートだが、
そのあとは3日間平日。

それから、
5月3日憲法記念日、
5月4日みどりの日、
5月5日こどもの日、
5月6日振替休日で、
4連休。

飛び石連休が懐かしい。

4月30日と5月1日、2日に休暇を取る人は、
最長10連休となる。

小売業、サービス業は、
後半が書き入れ時だ。

月刊商人舎編集部は、
この3日間が最終入稿と責了の日々。

原稿を「書き上げ時」である。

自分で自分に座布団一枚。

今日は午前中に新横浜の労災病院。

午後は東京駅。
IMG_3740 (002)4

丸の内北口の駅舎はシックだ。IMG_3755 (002)4

大手町の新緑が目にまぶしい。
IMG_3747 (002)4

都会的なビルディングの中に、
緑が配置されていて、
気分がいい。
IMG_3746 (002)4

歩きながら思い出すのは、
「人生劇場」二番の前口上。

「滔々たる荒川のほとり、
万緑の河畔あくまで緑。
その緑の中に
一点紅を点ずる者あり。
その名をお袖といふ」

大手町プレイス内科で、
毎月の血液検査・尿検査と診察。IMG_3749 (002)4
中性脂肪の値が少し高かった。
あとはすべて良好。

横浜に戻って、商人舎オフィス裏の遊歩道。 IMG_3758 (002)4

こちらも新緑が心を和ませてくれる。
IMG_3756 (002)4

万緑の中や吾子の歯生え初むる
〈中村草田男〉

草田男は高濱虚子の弟子で、
「ホトトギス」の中心俳人。

万緑と吾子の歯。
この新鮮な取り合わせがとてもいい。

会社に戻ってからは、
原稿の手直しをして入稿。

みんなで夜食を食べて、
「書き上げ時」。

頑張ります。

いい雑誌をつくります。

新聞の朝刊の短いエッセイ。
たいてい看板コラムだ。

全国紙と地方紙の2紙で、
「パン屋さん」の話題が重なった。

一つは毎日新聞一面コラム、
「余録」

「オランダ人常食に
パンというものを食するよし。
何をもて作れるものにや」
「小麦の粉に甘酒を入れ、
練り合わせて蒸焼にしたるもの也」
江戸時代の蘭学者・大槻玄沢(おおつきげんたく)
その「パン問答」

それを学んだのが江川英龍(えがわひでたつ)
伊豆韮山の代官で軍学者。
1842年4月12日に初めて、
兵糧用パンを焼き上げた。

そこから毎月12日が、
「パンの日」となった。

以来180年余り。

日本人の主食の世帯当たり年間消費額。
コメは約2万円。
パンは約3万2000円。

へえ~っと、驚く。

だが昨年度のパン屋の倒産は、
過去最多を記録した。

小麦価格の高騰が痛い。
燃料費も上がった。
経営環境が悪化。

もともと業種店は減り続けている。

小学校の女の子が、
大人になったらなりたい仕事。
パン屋さんと花屋さん。

スーパーマーケットやコンビニ、
ドラッグストアまでが、
パンを目玉に使う。

街のパン屋さんは減っていく。

もう一つは山陽新聞、
「滴一滴」

東京都内に、夕方になると店を開く、
ちょっと変わったパン店がある。
「夜のパン屋さん」

売っているのは、主に街のパン屋で
その日売れ残った商品。

スタッフたちが街を回って集めてくる。

日が暮れたオフィス街の路地の一角。
テーブルにあんパンやクリームパン、
マフィンといった多彩な品々が並ぶ。

スタッフの中には雇い止めなどで職を失い、
困窮した経験がある人も多い。

こちらはパンを焼かない、つくらない。
けれど食品ロスを減らすし、
雇用を増やす。

2021年度の国内食品ロスは523万トンに上る。
国民1人が毎日、おにぎり一つを捨てている計算。

料理研究家・枝元なほみさん。
「夜のパン屋さん」を立ち上げた。
「都合よく捨てられるのは
パンも人も同じです」

私もパン屋さんの一員だ。
工場でつくるパン屋の社外取締役。

それでも小学生の女の子たちが、
大人になったらなりたい職業に、
かつてはパン屋と花屋があった。

第一生命のアンケート調査。
第35回「大人になったらなりたいもの」
最新の2024年3月発表では、
今も第1位はパティシエだ。
洋菓子職人。

第2位は会社員となっているが。

私は「ベーカリー」の商品は、
パンとケーキとクッキーだと言い続けている。
これはひとくくりのカテゴリーだから、
パティシエの仕事も含んでいる。

この仕事に、人気がないはずはない。

それに街のパン屋さんは減って、
夜のパン屋さんなどできているけれど、
スーパーマーケットのパン売場は人気がある。

関西では「明日のパン」は、
なくてはならない家庭の必需品だ。

お母ちゃんがお父ちゃんに言う。
「明日のパン、買うてきて!」

それが多くの家で交わされる会話である。

新聞2紙が言うほど、
パンは落ち込んではいない。

「明日のパン」も欠かせないけれど、
スーパーマーケットで、
女の子たちが憧れるような、
パン売場ができないものか。

女の子たちがうっとりするような、
ブーランジェ(パン職人)やパティシエが、
仕事をしているところを見せられないか。

それをいつも思う。

では、みなさん、今週も。
ゴールデンウィークに向けて、
かっこいい仕事ぶりを見せたい。

Good Monday!

〈結城義晴〉

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