結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年04月29日(月曜日)

危機の中の日常の「昭和」と失われた30年の「平成」

昭和の日。

祝日法で定めるのは、
「激動の日々を経て、
復興を遂げた昭和の時代を顧み、
国の将来に思いをいたす」

世界的な戦争を起こし、
最後には原爆を落とされて敗戦し、
そのあと劇的な復興を遂げた昭和である。
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戦争の中では平和を希求し、
その平和の中で繁栄を享受した。

昭和は平和の裏と表を知っている。

2025年は昭和100年。
別の意味でコンピュータ問題もあるけれど、
しっかりその意義を考えたい。

政治や議員主導で特別の祭典をやる必要はない。
国民が全体に昭和の意味を知り、
問い直す必要がある。

世界は昭和の時代から、
あまり進んではいない。

悲しいことだ。

私はその昭和を37年間生きた。
しかし昭和の劇的復興には、
それほどお役立ちできなかった。

私は昭和64年1月1日付で、
食品商業編集長の辞令をもらった。

そして7日後に平成となった。

しかし平成時代は、
ほとんどが「失われた30年」を含んでいる。

「失われた30年」はいい言葉ではない。
けれど、バブル経済崩壊後の1990年代初頭から、
コロナ禍の2020年代初頭までを示す。

私に様々なことを教えてくれた人たちは、
例外なく昭和の復活を担った。

尊敬し、感謝しなければならない。

私が本格的に社会貢献できるようになったら、
「失われた30年」に入ってしまった。

それはいつも思っている。

ただしこの時期、
かつての重厚長大と金融は、
「失われた」ときだったかもしれないが、
軽薄短小と小売業は、
発展と成長を果たした。

そのことに少しだけ貢献したか。

昭和の日にそんなことを思う。
「平成の日」の祝日がないのは、
失われたからなのか。

朝日新聞「折々のことば」
第3071回。
「平凡な日常」とは、
フィクションでしかないのだ。
(松村圭一郎)

「コロナ禍のような非常時には、
ケアや運送、ごみ処理といった
“エッセンシャルワーク”が、
労働条件が劣悪なまま社会全体を
支えてきたことが露(あら)わになる」

「社会的支援が不十分な人たちが
まっ先に苦境に立たされる」

「危機の中で顕在化する
構造のほうが”ふつう”で、
“何事もない日常”こそ
例外的であることが判明する」

『人類学者のレンズ』から。
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松村は1975年(昭和50年)生まれの、
文化人類学者。
熊本出身、京都大学大学院博士、
岡山大学准教授。

エチオピア西南部のコーヒー栽培農村を調べて、
博士号をとった。
フィールドワークを主体に研究をする。

「危機の中で顕在化する構造」が、
日常そのもので、
「何事もない日常」は、
例外的である。

昭和は危機の中の「日常」だった。
平成は何もない「日常」だった。

何もない日常が、
失われた30年をつくった。

かといって、
危機の中の日常に戻ればいい、
というわけではない。

そこが悩ましい。

しかし何もない日常だからこそ、
小売サービス業が貢献した。
その意味でエッセンシャルな産業なのだろう。

だからこそ、
凡事徹底、有事活躍なのだ。

〈結城義晴〉

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