結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2024年04月04日(木曜日)

京都マツモトの店舗訪問と絶品料理&夜桜の「卓越」

今日は東海道新幹線で京都へ。

あいにく富士は厚い雲の向こう。
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マツモトの取材と講演。

京都府亀岡に本部を置くマツモト。
業容は25店舗・売上高575億円。

売上げの7割は京都市内の店舗が、
ドミナントを築いて稼ぐ

京都市内の旗艦店はマツモト五条店。
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木曜の今日はセール日。
午後2時に店に到着したら、
次々に顧客がやってくる。
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社内研修の「北水会」の実施日で、
マツモト幹部が勢ぞろいしている。
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「北水会」はもともと、
オール日本スーパーマーケット協会の中の、
特別に濃いメンバー企業の勉強会だった。

当時の関西スーパーマーケットの、
北野祐次社長と水谷久三専務を中心に、
メンバー企業の店舗を視察して、
侃侃諤諤(かんかんがくがく)、意見を交換した。

北野さんは会長になり、
水谷さんも最高顧問になった。

そしてお二人とも亡くなられた。
それでも北水会は続けられた。

残念ながら新型コロナウイルス感染拡大で、
この北水会は中断した。

そこでマツモトでは、
この活動を自社内で行うことにした。

今年は第5回「社内北水会」となった。

その北水会の対象となった店を私も訪れた。

売場にはマツモトらしさがあふれている。

バイヤーの顔写真入りPOP。
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京都の名物「ちりめん山椒」。
目利きの達人の写真入り。IMG_3392

それからブランド化した、
「まごころ牛」
実によく売れている。IMG_3383

さらに京菓子の島陳列。
これも大人気となった。IMG_3385

マツモトだから取り扱える商品。IMG_3386

京風だし巻き玉子やにしんの昆布巻き。
今日のおばんざいだ。IMG_3396

自慢の惣菜はすべて、
店内加工。
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さば寿司と巻き寿司。
マツモト名物のセットアイテム。
買って食べた。
肉厚の鯖がのったさば寿司も、
かんぴょうと玉子が入った巻き寿司も、
優しい味で美味かった。IMG_3401

天ぷらコーナー。
カボチャのてんぷらのこの厚み。
おやつとして食べられることもあって、
よく売れている。
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マツモトがどんどん進化している。
それを見てうれしかった。
案内してくれた幹部の皆さんと写真。IMG_4669
グリーンのジャンパーがマツモトの幹部の皆さん。

右から松本隆文会長、松本健司社長。
私の左隣は村田五条店店長、堀内智之部長。
加茂晶一店舗運営部ブロックマネジャー。
堀内さんは第一商品部で青果と海産を担当。

そしてレンゴーの皆さん。
右から山本麻依子さんと勝村佳代さん、
そして縄田幸男さん。

レンゴーは段ボール什器を、
マツモトの店頭で実験している。
今日はその取材だが、
デザインマーケティングセンターから
三人が同行してくれている。

次に向かったのは、
マツモト西小路御池店。IMG_4673

青果売場。
レンゴーの段ボール什器を効果的に使用している。IMG_4687

海産売場のテーマは「まんぷくの春」。
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鮮魚では辻昌幸店長と鮮魚担当者が説明してくれた。
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京都産生乳100%の京都農協牛乳。
マツモトでは大人気。
地元の商品開発が進んでいる。IMG_4723

レジ前島陳列の米売場は京都産米がメイン。
京都丹波産こしひかり。

買って帰りたかった。IMG_4736

ご案内くださった辻店長初め、
西小路御池店の皆さんと写真。IMG_4733
右から二人目は小谷真也さん。
営業企画部長で今回の取材のアテンドをしてくれた。

皆さん、ありがとうございました。

京都市から亀岡市のマツモト本部へ。
今年初めに改装を終えた。

故松本定市前会長の部屋を応接間にした。
窓から眼下に亀岡市内が見える。IMG_4741

4階のホールで、結城義晴の講演。IMG_4750

マツモト社内北水会のメンバーとして、
経営トップから部長、マネジャークラスの人たちが、
全員参集。
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事前に私の新著『チェーンストア』が、
全員に配られていた。
商人舎ミドルマネジメント研修会や、
US研修会ベーシック編などに、
マツモトからは幹部やミドルマネジメントが、
多く参加している。

理解度テストなどのS級獲得者の比率は、
極めて高いレベルだ。

だから私は講義がしやすい。
伝えたい内容はすでに勉強済みだ。

つまりマツモトは「学習する組織」なのだ。
そうすると講義や講演は、
理解度が飛躍的に高まる。

そこでチェーンストア1.0と2.0、3.0の解説。IMG_4758

とくに2.0の「業態チェーンストア」時代に、
関西スーパーが果たした役割は極めて大きい。
マツモトは北水会などを含めて、
徹底的に関西スーパーに学んだ。
そして業態の確立を実現させた。
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そのうえでフォーマットの時代となった。
チェーンストア3.0である。

このフォーマットは、
業態としての関西スーパー方式に、
マツモトらしさのポジショニングを加えることで、
完成に近づく。

3.0は関西スーパー方式の徹底と、
マツモトらしさの貫徹によって成し遂げられる。
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もっともっとマツモトらしさを極めてほしい。
アウトスタンディングな、
模倣困難なマツモトらしさ、
京都らしさ。

それがマツモトのポジショニングとなる。

最後は祈り。
変えられるものは変える勇気を、
変えられないものは受け入れる心の静かさを、
それらを見分ける英知をお与えください。

何度も拍手をいただいた。
ご清聴、感謝したい。IMG_4768

講演が終わると、
ふたたび京都市内へ。

大井川が流れる嵐山付近。IMG_3410

河畔にある「天ぷら松」。
松本会長の大学の先輩が創業した店。

ここで松本会長、松本社長、
そして松本幸男専務との会食。
亀谷しづえ商人舎ゼネラルマネジャーも。IMG_3415

車で送ってくれた八田茂徳さん。
店舗運営部チーフマネジャー。
この嵐山に住んでいるそうで、
観光名所ではゆっくりと走ってくれた。IMG_3416

「天ぷら松」の料理は言葉に表せないくらい、
素晴らしかった。

まさにアウトスタンディングだった。
卓越した料理だった。

まずはビールで乾杯。
講演で乾いたのどに染み渡った。
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先付けの青豆とキャビアのおかゆには、
いきなりびっくりさせられた。
先付けでおかゆさん、
しかも、超美味。

次々に趣向を凝らした料理が出てきた。

松葉蟹を目の前の炭火で焼いてくれる。IMG_4780

そのままいただくのかと思いきや、
丁寧に身をほぐしてくれて、
カニの甲羅に蟹肉と湯葉を詰めてあげた天ぷらに、
ほぐした身をこんもりとのせて、
絶品の蟹みそソースをかける。IMG_4787

食べると蟹のさまざまな味が楽しめる。
絶品。
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京都は筍の産地だ。
朝獲れの新鮮な筍は、
糠を入れずにお湯だけで炊き上げる。
それで十分らしい。
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まず茹でただけの筍の本体。
これが素朴で筍本来の味で、
素晴らしかった。
新鮮な筍はトウモロコシの香りがする。
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さらに筍の穂先を叩いた木の芽と一緒に、
塩だけでいただく。
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大ぶりの伊勢エビは、
しっかり掴んでおかないと、
飛び出すほど新鮮だ。IMG_3425

白みそ仕立てで出てきた。
器は螺鈿細工入りのお椀。IMG_4795

食べ終わると絵柄が現われる。

この店は器に凝っている。
古い器、著名な作家の器を、
惜しげもなく使って、
おいしい料理を提供してくれる。IMG_3428

本まぐろと琵琶湖産うなぎの小ぶりな丼。
ご飯もおいしい。
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ホタルイカを目の前のまな板で調理。IMG_4802

熱々の器にホタルイカを入れ、
茶碗蒸しのスープを注いで、
ふうふう言いながらいただく。IMG_4805

最後にフキノトウやエビ、
新タマネギの天ぷら。
天ぷら屋の絶品の天ぷらが、
最後の詰めの料理だ。IMG_4807

最後の最後に締めのうどん。

私はフグの煮込みうどん。IMG_3442

こちらは梅うどん。
自家製の氷の器で供される。IMG_4808

デザートはわらび餅とアイスクリーム。
写真を撮り忘れたメニューもあった。
おいしいおいしいと言いながら、完食した。

地元のお酒と素晴らしい創作料理に、
大きな感動を覚えた。

今夜の食事は一生忘れない。

食事の後は、夜桜見物。

円山公園にある祇園枝垂れ桜。
正式名称は「一重白彼岸枝垂桜」

スポットライトに照らされたその姿は、
神々しいばかり。
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枝垂れ桜は二代目。
初代は昭和22年に枯れた。
樹齢220年だった。
その初代の種子から育てられたのがこの桜。
樹齢約80年の大木に成長した。IMG_3447

枝垂れ桜の周りを一周する。
若芽の木々とのグラデーションもいい。IMG_3451

多くの外国人が訪れていた。
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そして白川沿いの桜。IMG_4814

ここでも外国人の姿。
日本の桜を愛でている。
うれしいことだ。
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枝垂れ柳と桜。
日本らしさ、京都らしさ。IMG_3472

長いながい一日だった。

アウトスタンディングな店、
アウトスタンディングな学習する組織。

そして卓越した料理と桜。

自分たちらしさを発揮する仕事こそ、
お客様と地域に貢献するために、
もっとも必要なことなのだ。

〈結城義晴〉

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