小晦日のロピア「聖蹟桜ヶ丘店と東急SC店」の「享楽円」商売

2月30日。
小晦日(こつごもり)。
あと2日。
朝8時に待ち合わせて、
ロピアの店舗視察。
毎年の年末際には、
ストアウォッチングする。
これは20歳代から始めた。
当時は先輩の故高橋栄松さんと、
関西に出かけた。
主に関西スーパーマーケットを見た。
ニッショーストアにも行った。
ダイエーやイズミヤを訪れた。
高橋栄松さんはその後、
販売革新編集長となった。
「原稿用紙に向かったら、
必ず原稿を書ける」
そう言っていた。
私は食品商業に移って、
「打倒高橋」の心意気で雑誌をつくった。
そして食品商業編集長となった。
今日はOICグループの福島道夫さんと一緒。
東京の京王電鉄。
京王線聖蹟桜ヶ丘駅前。
京王電鉄㈱本社を始め、
京王グループの本社がずらりと揃う。

左が京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンター、
京王ストアが入っている。
右が「VITA MALL SEISEKI(ヴィータモールせいせき)」。
その前は「聖蹟桜ヶ丘オーパ」だった。
こちらの地下1階に、
ロピア聖蹟桜ヶ丘店が入った。

オーパ(OPA)はダイエーのショッピングセンター企業だった。
ダイエーがイオン傘下となり、
オーパはイオンモールの物件となった。
「聖蹟桜ヶ丘オーパ」は今年8月31日に閉店し、
その運営を㈱ザイマックスが引き継いだ。
そして10月31日リニューアルオープン。
地下1階にはコモディイイダが入っていたが、
入れ替わってロピアが12月12日(金)に開業。
私は長野に出張していて、
開業の取材には来られなかった。
ロピアの多摩市出店は初めて。
多摩川の北側に府中市があり、
多摩市は南側にある。
右隣が稲城市、左隣りが日野市。
南は神奈川県の相模原市と町田市。
商人舎流通SuperNews。
OICグループnews|
オーパ跡の施設に「ロピア聖蹟桜ヶ丘店」12/12出店
ロピアはコモディイイダの店を、
大胆にレイアウト変更した。
居抜き出店には変わりないが、
ロピアは以前のままには使わない。
入り口を逆にした。
だからエスカレーターの昇降を逆にした。 
写真の向こう側が商業施設の入り口だ。
地下1階のスーパーマーケットには、
その入り口から自然に誘導するように、
エスカレーターが設置されていた。
ロピアは、ぐるりと回る写真手前に、
エスカレーターの降り口をつくった。
そして地下1階に降りると、
惣菜売場が広がる。
「GOCHISOU MARCHE」(ゴチソウマルシェ)。
駅前立地で即食を求める顧客が多いからだ。

右手の青果部門は「アキダイ」がテナント出店。
秋葉弘道社長のアキダイは今、
OICグループ傘下にある。
よく頑張っている。
ロピアの「八百物屋あづま」と、
そっくりの八百屋にはなっていない。
アキダイらしさを出している。
そのアキダイらしさを出せなければ、
ロピアの店の青果部門を担当することができない。
ロピアより品目数が多い。
小分け商品も多い。
アキダイから鮮魚部門に入ると、
ワンウェイコントロールの動線となる。
今年もずいぶん、お世話になった。
10月にはアメリカにも一緒に行った。
来年も頑張ってほしい。
午前8時から恒例の朝礼が始まった。
精肉部門の「肉のロピア」売場に、
全員が集まった。
福島さんに案内されて、
売場を一巡りした。
けれど商品が縦陳列で「面」展開され、
視認性が高くなっている。
レジ前にはファストフード売場。
「MTO(Made To Order)」。
タイ焼きは税込み100円。
「ただいまたいやき練習のため
この価格にしています!」
駅前立地で駐車場利用率も少ない。
だからロピアとしては普通の売上げになる。
しかし京王ストアの中核店舗と、
堂々の競争を展開している。
それから車で移動して、
横浜市港北区へ。
港北 TOKYU S.C.。
昼前に到着した。
アキダイではなくロピアの「八百物屋あづま」
鮮魚の「日本橋魚萬」は、
聖蹟桜ヶ丘と同じように、
ワンウェイコントロール。
精肉から日配品、冷凍食品、
そして加工食品売場につながる。
ロピアが飛躍を遂げた象徴店舗が、
この東急SC店だ。
80億円に迫る売上げを記録している。
港北ニュータウンで必須の商業施設となっている。
1年間の集大成が年末際の商戦である。
それがこの店によく表れていた。
月刊商人舎2023年2月号。
[特集]年末年始の「凄い売り」
「享楽円Merchandising」のための「ハレの方程式」
目次。
[Message of February]で書いている。
同じお客がハレとケのなかで生活する。
同じカスタマーが節約と贅沢を求める。
コモディティとノンコモディティを欲する。
同じ顧客が禁欲円と享楽円を使う。
コロナ禍を経て、
両者の落差はひどく大きくなった。
徹底した禁欲と驚くべき享楽。
二兎を追う両利きの商売である。
晦日は享楽円商売の時だ。
〈結城義晴〉






























