結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年05月04日(水曜日)

「アンパンマン」のやなせたかしさんが示した「正義とは困っている人を助けること」

みどりの日。
20110504113607.jpg

「自然にしたしむとともに
その恩恵に感謝し、
豊かな心をはぐくむ」

これが祝日法2条に定められた趣旨。

私が『食品商業』編集長に就任したのが、1989年(平成元年)。
この年に、「みどりの日」は定められたが、
それは昭和天皇崩御を受けた、前天皇誕生日の4月29日だった。

2007年から4月29日を「昭和の日」とし、
みどりの日は5月4日にスライドした。

考えてみると昭和天皇の誕生日は「昭和の日」そのもので、
みどりの日は、新緑の季節ならばいつでもいい。

だから3連休を確定するために、5月4日となった。
これで「飛び石連休」というおつな名称も消えた。

自然に親しみ、その恩恵に感謝し、
豊かな心をはぐくみつつ、
今日こそ、グリーンを楽しみたいところだが。

『ほぼ日刊イトイ新聞』の巻頭言「今日のダーリン」。
私もこのくらいのブログにしたいのだが、
そうはいかないところが、「男はつらいよ」。

糸井重里さんが書いていた「アンパンマンのこころ」。
それはNEWS ポストセブン 5月3日(火)配信の記事のこと。

漫画家のやなせたかしさんがインタビューに答えている。
タイトルは「日本人の正義とは困った人にパンを差し出すこと」

やなせさんは今年92歳。
ご存知、「アンパンマン」の作者。
「アンパンマンのマーチ」は東日本大震災後、
多くの人々を元気づけた。
[youtubeID:BUGh-7Y5kZA]

やなせさんの第一声。
「『アンパンマン』を創作する際の僕の強い動機が、
『正義とはなにか』ということです」

「正義とは実は簡単なことなのです。
困っている人を助けること」
これ、商売に通じる。
正しき商いそのもの。

「ひもじい思いをしている人に、
パンの一切れを差し出す行為を
『正義』と呼ぶのです」

震災後、マイヤが、マルトが、ヨークベニマルが、
そして多くの商人たちが行ったこと。
それこそ「正義」だった。

「なにも相手の国にミサイルを撃ち込んだり、
国家を転覆させようと大きなことを企てる必要はありません」

「アメリカにはアメリカの“正義”があり、
フセインにはフセインの“正義”がある。
アラブにも、イスラエルにもお互いの “正義”がある。
つまりこれらの“正義”は立場によって変わる」

「でも困っている人、飢えている人に食べ物を差し出す行為は、
立場が変わっても国が違っても『正しいこと』には変わりません」

「絶対的な正義なのです」
商売・商業は、正しく行う限り、
絶対的な正義なのだ。

「うん。だから正義って相手を倒すことじゃないんですよ。
アンパンマンもバイキンマンを殺したりしないでしょ。
だってバイキンマンにはバイキンマンなりの正義を持っているかも知れないから」

「それに正義って、
普通の人が行うものなんです。

政治家みたいな偉い人や強い人だけが行うものではない。
普通の人が目の前で溺れる子どもを見て
思わず助けるために河に飛び込んでしまうような行為をいうのです」

「ただし普通の人なので、
助けに行って自分が代わりに溺れ死んでしまうかも知れない。
それでも助けざるを得ない」

「つまり、正義を行う人は、
自分が傷つくことも覚悟しなくてはいけない」

「今で喩えると、
原発事故に防護服を着て立ち向かっている人々がいます。
自分たちが被曝する恐れがあるのに、
事故をなんとかしなくてはという想いで
放射能が満ちた施設に向かっていく。
あれをもって、『正義』というのです」

「怪獣を倒すスーパーヒーローではなく、
怪獣との闘いで壊された街を
復元しようと立ちあがる普通の人々が
ヒーローであり、正義なのです」

ノンフィクション・ライターの神田憲行氏の質問。
「未曾有の国難といわれています。
日本は復興できるのでしょうか」

「(笑みを浮かべて)出来るのに決まってるじゃないか!」

「あの戦争だって日本は焼け野原になって、
原爆をニ個も落とされて
人が何十年も住めないと言われたんだよ。
それがあそこまで復興できたんだから。
日本人は粘り強く、正しく立派に生きている人たちです。
間違いなく復興できますよ!」

「商人よ、正人であれ」
平和堂に対して故成瀬義一先生が残した言葉。

「正しく生きる商人に誇りを持て」
故倉本長治先生の『商売十訓』10番目の最後の言葉。

「困っている人を助けることこそ、
絶対的な正義なのだ」

やなせさんの言葉に、
なぜか目頭が熱くなる。

さて今日、日経MJに広告が出ている流通誌『激流』。
㈱プラネット社長の玉生弘昌さんが特別寄稿。
「本当に恐いのは無知とデマ」

その原稿を、あらかじめ読ませていただいていた。

玉生さんは、浦和高校の高校生時代、
物理部に所属した。
そこで、「霧箱を手作りして、放射線を見た」

科学少年だった玉生さんによると、
「放射線による病症は、
“程度の問題”と“確率の問題”」になる。
その程度と確率をわかりやすく解説している。

「放射線障害には急性症状と晩発性症状がある」
「前者はその日か数日後に皮膚炎や髪の毛が抜けたりする症状」で、
「どの程度の線量を浴びたか」が重要になる。

これはある程度研究が進んでいて解明されているが、
突き詰めると、
「原発の近くにいる人以外は
急性症状を心配する必要はない」

「後者の晩発症状は、数ヶ月あるいは数年後に
ガンになるかどうかの確率が問題となる」

晩発性はガンになるかどうかの問題。

「線量が多いと細胞が死ぬ、
細胞が死ぬと分裂しないためガンになることはない。
細胞が死なずに細胞内のDNAだけが傷ついた場合で、
なおかつ、DNAのホットポイントに当たった場合、ガンになる」

「百万枚の宝くじで10本が当たりだとすれば、
1枚の宝くじを手にしている人はほとんどゼロに近い確率」

「10枚の宝くじを買った人は確率が10万分の1に高まるが、
まだ当たらない確率のほうがはるかに高い」

「非常に低い確率でも、
科学者的表現では『可能性はある』と言う」

「すでに宇宙線や体内のカルシウムが発している放射線によって、
人は日々被曝しているため、以前から『可能性はある』状態なのである」

「つまり、以前から宝くじを持っている状態である。
被曝によって2~10倍の宝くじを手にすることになっても、
まだ確率は低い」

「ニューヨークと東京間の飛行機に乗ると
600マイクロシーベルト(通常の200倍)の放射線を浴びる。
パイロットのガンの比率が高いわけではない」

「宇宙線をさらに多く浴びているはずの宇宙飛行士が
ガンになったことはない。
チェルノブイリでも
大人のガンは増えてはいない」

「1981年のアメリカ人のガンの要因調査によると、
タバコの寄与率がトップで30%、
電離放射線と紫外線あわせて2%となっている」

「放射性ヨウ素やセシュウムの被曝を避けるより
タバコを避けた方がガンになる確率を大幅に下げることができる」

「つまり、喫煙者はすでに30枚の宝くじを持っているのである」

「というわけで、
原発周辺にいる人でない限りは、
急性症状も晩発性症状も
ほとんど心配はない」

玉生さんは断言する。

静岡県知事の川勝平太さんが言うように、
「無知は恐怖の源です」

私は書いた。
「風評被害には、
知識と情報で対抗せよ」

正義とは「困っている人を助けること」
風評被害で困っている人、困っている地域、
それを助けることは普通の人にもできる。

そして「困っている人を助けることこそ、
絶対的な正義なのである」

<結城義晴>

[お知らせとお願い]
5月12日開催のチャリティセミナー
「ひとつになろう! 日本 商人支援プロジェクト」

今日の日経MJ 4面総合欄に、
囲み記事で取り上げていただきました。
「セミナー通じ被災者を支援」

日経MJのデスクには、心から感謝します。

その第1回は大阪。
会場 リーガロイヤルホテル大阪
日時 2011年5月12日(水)
開演 12時受付開始 12時30 ~17時
参加費 15000円

この1人1人の参加費はすべて、
東日本大震災義援金として、
日本赤十字社に寄付されます。

第2回は名古屋。
日時    2011年6月24日(金) 12:30~17:00
会場    名古屋市芸術創造センター

第3回は福岡。
日時    2011年7月12日(火) 12:30~17:00
会場    福岡サンパレス

第4回が東京。
日時    2011年7月13日(水) 12:30~17:00
会場    リーガロイヤルホテル東京

私は5月12日大阪でトップバッターとして講演します。
テーマは「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
「雨ニモマケズ、風ニモマケズ」の精神を語ります。

ご参加のご検討をお願いします。


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