結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年11月15日(火曜日)

元禄時代の飴売り七兵衛の「千歳飴」と2011年末の「カット野菜」とウェグマンズの「Veggi Market」

今日11月15日は「七五三」
「しち・ご・さん」と読みます。
ちょっと、しつこいけれど。

その七五三につきものの千歳飴。
「ちとせあめ」と読む。
千歳の飴。

七五三の「子供の成長を祝う日」に、
親や祖父母が、子や孫に、
たとえて千歳までの長寿の願いを込めて、
この飴を食べて祝う。

だから細く長い飴。
直径は約15mm以内だが、
長さはなんと1m以内と決められている。

飴の色は紅白で、縁起色。
千歳飴袋も鶴亀や松竹梅などの縁起の良い図案。

この千歳飴、江戸の元禄時代に登場。
浅草の飴売り七兵衛が、長い飴を長い袋に入れて売り出した。
名づけて「千年飴」「寿命糖」。

どんな時代にも他者と異なる知恵を働かせる商人がいた。

それがやがて、
子供の成長を願う「七五三」の代名詞のようになって、
今日に至る。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

それが飴になった。

さて、「明日への希望」と言えば、
日本のスーパーコンピューター「京」。
理化学研究所と富士通の共同開発。

スパコン世界性能ランキング「TOP500」で、再び首位。

史上初の毎秒1京回を超える計算速度を達成。
その数値は1京510兆回。

1兆は1億の1万倍、1京はその1兆の1万倍。

日本の科学技術力は、高い。
嬉しいかぎり。

中央演算処理装置を増設させて連結し、
前回の1.3倍の高速化に成功。

2位は中国、3位は米国。

実用化に関して富士通は、
「京」の改良版で、毎秒2京回の製品を開発し、
年明けの1月から出荷予定。

一方、アメリカのIBMも、
同性能の「セコイア」を2012年中に開発すると表明。
日本が中国、アメリカに追われるの図。
願わくば、政治もそうあってほしい。

その政治に関して、日経新聞のコラム『大機小機』。
コラムニスト夢風氏が、
「危険な『安全運転』」と題して書く。

タイトルがいい。
まさにオクシモロン。

「いまの世界には、共通した病理がある」

「経済がよくない、だから社会不安が高まる。
そこで政治はポピュリズムに走る」

「結果的に経済は良くならずに、財政悪化が深刻になる。
そしてますます、失業や格差といった社会不安が高まる」

「社会不安とポピュリズムの悪循環」。

「世界が注目しているのは、
この悪循環を食い止める強い政治リーダー」の登場。

ちなみにポピュリズムとは、
「情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、
その支持を求める手法
あるいはそうした大衆の基盤に立つ運動」

<『知恵蔵』より>

大阪市長選挙も告示され、
現職の平松邦夫と前大阪府知事の橋下徹の一騎打ち。
ここでもポピュリズムが顔を出す。

コラムニストは嘆く。
「これはもう民主主義そのものの危機になる」

今はむしろ、
『つらいかもしれないがこうしようではないか』と訴え、
国民を説得する点にこそ、リーダーの役割がある」

「野田佳彦首相は目下「安全運転」に徹し、
多くを語らない」

「首相にとっての安全運転は、
実は日本経済にとって非常に危険な運転」

コラムニスト、嘆くことしきり。

日曜祭日など、
高速道路をトロトロと超安全運転で走るドライバー。
後続車や回りの車をやきもきさせて、ストレスを募らせる。
「危険な安全運転」。

経営においても、同じことが言える場合がある。
会社が下降線をたどり続けているにもかかわらず、
なんらイノベーションに取り組まず、
従来通りの業務に終始する輩。

「危険な安全運転」に、
気をつけよ!

さてもう一つの話題。
日経新聞「消費」欄。
このコーナー、ときどきいい記事がある。
「カット野菜派、増える」

食品スーパーマーケットの店頭で、
この秋、カット野菜の売上げが伸びている。

直接の理由は、
9月10月の葉物類の卸価格の高騰。

生野菜の代替品として、
店側はカット野菜を提案した。
価格が安定しているからだ。

この時に購入した消費者が、
引き続き積極的に買い求めている。
記事はこんな分析をする。
背景には、便利さと安全性がある。
パッカーの努力で、
カット野菜工場のクレンリネスや製品の安全性は、
消費者にも浸透してきた。

もちろんあらかじめカットしてあるのだから、
便利な商品であることは間違いない。

1972年、現在の全米第1位のクローガーは、
はじめて「スーパーストア」を出店させ、実験を開始する。
日本では「スーパースーパーマーケット」と呼んだ。
その後、全米のスーパーマーケットは、
店舗の大型化と品揃えの深さを追求し始める。
いわゆる「デプス・アソートメント」。

それが成就するのは1980年代に入ってからだが、
そのプロセスのなかから、1970年代後半、
カット野菜が登場し始めた。

その後、1986年、
ウェグマンズが調理済み食品を扱う実験店を、
先行的にオープン。

1996年、食品マーケティング協会(FMI)が、
「ミール・ソリューション」のコンセプトを発表すると、
カット野菜も全面展開を見せ始める。

現在は、ウェグマンズ、ホールフーズといったアップスケールタイプはもちろん、
クローガー、セーフウェイのナショナルチェーン、
ウォルマートまで、カット野菜は当然の品ぞろえカテゴリーとなった。

アメリカでは小売りベースで、
3000億円を超える市場にまで成長した。

この傾向は、ヨーロッパでも同様。
こちらも1990年代中盤から伸び始めた。
マークス&スペンサー、テスコ、セインズベリー。
「生野菜を食べない」イギリスで800億円市場。

カルフール、オーシャン、カジーノなどの営業強化によって、
「食」にうるさいフランスで1000億円市場。

わが国においてもカット野菜産業全体で、
1000億円程度の規模があると思われる。
これらは農産物流通学研究室の廣津亜矢子さんの調査。

写真はホールフーズのカット野菜コーナー。
20111115161322.jpg
パックと袋物のオーガニック。

カット野菜も充実。
20111115161333.jpg

ウェグマンズは対面コーナー。
20111115161344.jpg
「ベジー・マーケット」と名づける。
「Veggi Market」。

「Fresh cut & pre-washed」とある。
20111115161354.jpg
まったくもって、一味違う「カット野菜」の売り方。

アメリカ人もヨーロッパ人も、
買って帰って再度、洗いはしない。
そのまま調理する。

だから日本以上に、本当の簡便食品。
よく売れる。

ついでにホールフーズのカット・フルーツ。
20111115161407.jpg
日経の記事では、
日本のいなげやと東急ストアを取り上げる。

いなげやの11月1日から9日の直近のカットサラダ、
1パック98円程度の商品の販売額は前年比4%増。
いため物や鍋物向けのカット野菜180円前後の商品は6%増。

東急ストアの10月のカット野菜は、
販売量が前年同月比13%増、
売上高も同比12%増。

林廣美先生の口癖。
「カットするだけで売価3倍。
それが飛ぶように売れる」

カット野菜は生鮮野菜に比べ、
安いわけではない。
しかしあらかじめ商材を手当しておくので、
価格が安定している。

野菜相場が高騰すると、
この時点で、お買い得感が出る。

そのうえ、手軽に調理できる。
安全でもある。

11月から12月の年末商戦。
浅草の飴売り七兵衛のごとく、
「カット野菜」に一段の工夫をすれば、
必ず売れる。

林先生の言葉が響く。
「カットするだけで売価は3倍」
そのうえでお客様は喜んでくれる。

<結城義晴>


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