結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年01月12日(火曜日)

群馬県高崎市のヤオコー・ベルク・とりせん三者三様の競合

日本上場企業の株価。
年明けしてから、
6日連続で下がり続けた。

日経平均が初めて算出されたのは、
1950年(昭和25年)のことだが、
それ以来初めてのこと。

日経新聞はやや大騒ぎの観あり。
だが、その理由は二つ。

第1は中国の株安。
それが発端となって、
世界市場が混乱する。

第2は、歯止めがかからない原油安。
ドバイ原油は12日午前、1バレル26.50ドル。
12年2カ月ぶりの安値。

大胆な金融緩和で、
円安・株高の状況を生み出したのが、
アベノミクス。

しかし次の手が打てないまま、
株価も混沌。

年明け早々、
視界不明瞭。

さて、本日、
月刊『商人舎』2016年1月号発刊。
こちらは視界良好。

巻頭には、
[Message of January]

人をつくる、人を残す。young group jumping and happy new year 2016 concept

会社は人が集うところ。
店は人が群がるところ。
売場も人が寄ってくるところ。

2016年をとおして、
会社も店も売場も、
人々が好んで集まるところとなりたい。

金を残すは下なり、
事業を残すは中なり、
そして人を残すは上なり。(後藤新平)

そのために人を集め、
人を育み、
人を残す。

もちろん金がないと人を雇えない。
事業がないと人に仕事を与えられない。
それらがないと人を育てられない。

だから金も儲ける。
事業も栄えさせる。
そして人を伸ばす。

2016年をとおして、
社長は社員を愛でる。
店長は店員を育てる。

リーダーは仲間を励まし、
会社はパートタイマーを大切にする。
それらすべてが顧客を喜ばせる。

2016年は人で決まる。
人が好んで集まるか否かで決まる。
2020年まで人で決まる。

人の強みを生かすこと。
一人ひとりの個性を花開かせること。
それがマネジメントの本質である。

金を残すは下なり、
事業を残すは中なり、
そして人を残すは上なり。

そのために人を集め、
人をつくる。
人を残す。

2016年をとおして、
会社も店も売場も、
人々が喜び勇んで集まるところとなりたい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

これは今年1年の商人舎標語でもある。
だから12月まで、
「人をつくる。人を残す」の事例を、
追いかけ続けたい。

さらに巻頭には、
[New Year's Impression 2016]
成長も生き残りも、原動力は人にあり。
人手確保と人財養成に活路を求めるための「モノの考え方」

そして新春特集は、
WAON/nanaco & Beyond
電子マネー・ポイントカードによる日本列島改造論

「キャッシュレス」時代は急速に進行する。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは
海外からどっと人々が訪れる。
それに向けて、日本の電子決済市場は、
さらに飛躍的に膨張する。
ポストペイのクレジットカード、
ジャストペイのデビットカード、
プリペイドの電子マネー。
それぞれに特性を持ちながら、
3割のマーケットを形成する。
なかで、流通業が主導するのが、
ポイントシステムと融合したプリペイド方式の電子マネーだ。
イオンのWAON、セブン&アイのnanacoが東西の横綱。
交通系電子マネーはそれなりの領域を確保するだろうし、
楽天Edyやソフトバンクが提携したTマネーなど
IT系も伸びるだろう。
それ以外のbeyondの動きからも目が離せない。
まるで電子マネーが日本列島改造論のごとく、
市場を覆い尽くし、マーケットを色分けする。
それはリアル店舗ネットワーク競争を、
水先案内人のごとく先導する。

結城義晴の「特集のはじめに」

電子マネーと共通ポイントの
融合現象を俯瞰する

This is WAON !
「オープン化と地域貢献」で
「地域産業イオン」の最有力先兵となる

That is nanaco ‼
セブン-イレブン決済の2割を占め、
「敵は現金決済」

And Beyond!!!
リージョナル&ローカルチェーンの
サバイバル戦略と電子マネー戦略

[Case Study]
マツヤスーパーの「楽得マプリ」物語

[Monthly 連載] は7本。
白部和孝の売場の計数の使い方Q&A
[第26回・最終回]

この先のウェザーMDのチェックポイント
2016年の天候を占う

関智美のマーケティング・アイ
「二十四節気と現代人の生活行動」⑨初春編
「食卓写真調査からわかる初春のメニュー」

朝川康誠「経済心理学の世界へようこそ」
2015中国・厦門の現場から(後編)

相楽・長咲の「労務&人事」最新講座(22)

嶋内仁の〈ポスト・モダン〉チェーンストア組織論
4つの価格――シチュエーション・マーケティングという考え方

白部先生の連載は最終回。
ぜひ読んでください。

マーケティング・アイは、
いつも実務の2本立て。

さて今日は、急に思い立って、
群馬県高崎市へ。
まず、とりせん群馬町店。
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昨年12月4日オープン、
店舗内装・外装を一新した
「新コンセプト店」2号店。

1号店は、昨年8月にオープンした、
茨城県古河市の小堤店。

コンセプトは「お客様との『信頼感の醸成』」

高崎市内では6店舗目で、
とりせんは全59店。
群馬県28店、栃木県18店、茨城県10店、
そして埼玉県に3店舗。

安全です! 新鮮です!
と・り・せん♪

関東地区では、ラジオ宣伝していて、
私もこのメロディは耳に残っている。

総敷地面積は1万3807㎡、
売場面積2064㎡。
駐車場は店舗の前面に327台で、
実に理想的な店づくりとなった。
IMG_7585-5 - コピー
もともとこの地にあった既存店を、
完全にスクラップしてビルド。

敷地内には、スギ薬局とそうごう薬局、
婦人服のレディースランド・ココ、
クリーニングやベーカリーを誘致した。

商圏内世帯数と人口は、
一次商圏の1㎞圏内で、
3747世帯、9368人。
二次商圏の1~3㎞圏で、
2万3125世帯、5万5103人。

これまた悪くはないロケーション。

しかし、競合は激しい。

全ての熱源を電気にしたオール電化店舗で、
CO2削減に取り組む。
DSCN8995-5 - コピー
青果部門は、手前が低くなっていて、
奥に行くにしたがって高くなる、ひな壇方式。

なかなかよい。

中嶋農法農作物を取扱っているし、
近郊生産者の地場野菜コーナーも設置。

精肉売場は、群馬県のブランド「上州和牛」、
「群馬産もち豚」「東北味彩鶏」など、
鳥屋から始まったとりせんらしい。

鮮魚部門も、
バックヤードが見えるシースルー方式を採用。
長らく生鮮強化を図ってきた同社の、
特長を前面に出す。

新しいフォーマットの「新コンセプト店」。
周辺の競合の中で、
どう、ポジショニングを確立するか。

とりせん群馬町店から5分ほどで、
スーパービバホーム高崎店。
IMG_7613-6
総敷地面積 4万6936㎡、
総売場面積 1万2043㎡、
総駐車台数 約980台。

2010年オープンのショッピングセンターで、
ベルク高崎大八木店が入っている。
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隣の敷地にはカワチ薬品大八木店。

ベルクは超ベーシックな品揃えで、
イオンの持分法適用会社だから、
トップバリュなど適度に配置して、
安さにも対応している。
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それでも、最新のモデルになっていて、
とりせんとはガチンコ勝負。

2015年2月期決算で、
年商1611億2500万円、
経常利益75億4100万円。
経常利益率4.68%の優良企業。

昨年、原島功会長が急逝したが、
店は変わりなく、いい状態。

そしてヤオコー高崎飯塚店。
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ショッピングセンターはウニクス高崎、
オープンは2008年11月27日。
敷地面積1万9256m²、
延床面積9970m²、
駐車場は350台。
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テナントは22店入居して、
ヤオコーはマーケットプレイスのフォーマット。
スギ薬局 高崎飯塚店、
ザ・ダイソー ウニクス高崎店、
ブックマンズアカデミー高崎店など。

ヤオコー高崎飯塚店は、
右サイド入口から青果部門と惣菜部門併設型。

2003年に川越南古谷店で開発して、
その後の路線を決めたダブルトラック方式。
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部門配置、カテゴリー構成、
そして商品づくりも、
ヤオコーの実力を十二分に発揮して、
やはり独自のポジションを築いている。

オープンは、
ヤオコー高崎飯塚店2008年、
ベルク高崎大八木店2010年、
そしてとりせん群馬町店2015年。

ヤオコーが明確に、
ライフスタイルアソートメントを志向すれば、
ベルクは、どちらかといえば、
コモディティディスカウントを目指す。

そのなかでとりせんは、
生鮮食品を強みに、
惣菜の強化を図り、
「顧客との信頼感の醸成」を標榜して、
新コンセプト店を開発した。

三者三様の競争。
強い企業同士の競合。

そのコンテスト型競争の中で、
いかに自らのポジショニングを確立するか。

後出しジャンケンのとりせんは、
「新コンセプト」を磨き続けて、
さらに立ち位置を鮮明にしなければならない。

〈結城義晴〉


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