結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年01月16日(土曜日)

ファミリーマートとコープさっぽろの業務提携に思う

日経新聞の『私の履歴書』
今月は小椋佳。

もう16回まで連載が進んできたが、
なぜか、おもしろくない。

文体というか、
文章のタッチというか。
視線というか。

作詞家でもあるので、
自分で書いているのだろうが、
どこかもったいぶっていて、
鼻につく。

文章を書くのは、難しい。

今月の連載は面白くはないが、
経済面では今日、スクープ。
「ファミマ、コープさっぽろと提携」

ファミリーマートはコンビニ第3位。
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生活協同組合コープさっぽろは生協第2位。
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両者が「業務提携する方針」を固めた。

北海道の競争状況。
コンビニの店舗数を、
二つの側面から整理しておこう。

まず、スーパーマーケットの側面。
ここには総合スーパーも含めて考えてよい。

総合スーパーが限りなく、
食品スーパーに近づいているからでもある。

コープさっぽろは、
北海道の28市、18町に、
スーパーマーケットを108店舗。

年商は2015年3月期で2583億2390万円。
もともと生協にしては、
店舗事業が強くて1767億1764万円。

宅配事業は32万世帯に752億3175万円。
こちらはネットスーパーや移動スーパーが、
おおいに可能性を見せる昨今、
将来性のあるビジネスモデルである。

しかし北海道では、
イオングループとアークスが、
しのぎを削る。

前者はイオン北海道とマックスバリュ北海道。
昨年9月にダイエーの店舗を、
それぞれに事業継承して、
規模を拡大するとともに効率化を図る。

後者はラルズを中心に、
福原、道南ラルズ、道東ラルズ、
ふじ、東光ストアなどが統合。

この2社にコープさっぽろが絡んで、
三占状態。

消費生活協同組合法の第5条では
「組合は、都道府県の区域を越えて、
これを設立することができない」とある。

この5条には但し書きがある。
「職域による消費生活協同組合であつて
やむを得ない事情のあるもの
及び消費生活協同組合連合会は、
この限りでない」

つまりコープさっぽろは、
北海道以外のエリアに、
成長を求めることができない。
そのなかで店舗事業は赤字が続く。

この状況打開のために、
コープさっぽろは、
ファミリーマートと組んだ。

もう一方の側面は、
コンビニの競争。

第1位が地元資本のセイコーマート。
最多の約1100店を展開する。

第2位はセブン-イレブン・ジャパンの937店。

第3位はローソンの619店。

そのあとは、サークルKサンクスの188店。

ファミリーマートは、ぐっと下がって46店。
㈱北海道ファミリーマートが担当している。

この㈱北海道ファミリーマートは
2006年2月に設立された。
ファミリーマートと当時の㈱丸ヨ西尾との、
合弁会社という形式だった。
これでファミリーマートは、
全国47都道府県への進出を果たした。

丸ヨ西尾はセイコーマートの親会社の問屋。

ところが昨年3月、
北海道内に75店舗を展開していた同社は、
合弁を解消して、
46店が北海道ファミリーマートに残り、
27店がセイコーマートに移った。

その理由の一つが、
今年9月のファミリーマートと、
ユニーグループの経営統合。

この統合が完結すると、
ファミリーマートには、
サークルKサンクスが傘下に入る。
仮に両者を合わせると、
北海道で234店となる。

それでも、北海道ファミリーマートは、
セイコーマートやセブンの4分の1以下で、
ローソンにもはるかに及ばない。

つまり北海道において、
ファミリーマートはコンビニとして、
大きく後れをとっている。
コープさっぽろは成長に限界を抱える。

両者のニーズが一致して、
今回の提携となった。

まずは「商品開発、物流」で協力が始められる。
つまりマーチャンダイジングのコラボレーションだ。
やがて「店舗開拓」や「フォーマット開発」で、
共闘戦線が展開される。

具体的には、「北海道の地元食材」を使って、
加工食品や惣菜の開発をするところから開始。

なにしろ、コンビニとスーパーマーケット。
業態が異なるから、すぐには、
店舗間の連携や統合はできない。

それはファミリーマートとユニーも同じ。

ただし、コープさっぽろとは、
生協法によって、資本提携には進めない。

かくてファミリーマートは、
ユニーグループとコープさっぽろの、
両睨みの連携を組むことになる。

もちろん、ファミリーマートは、
Aコープやドラッグストア、
スーパーマーケットなどと連携して、
様々なコンビニ併設型フォーマットを、
開発している。

それがうまく運んだかどうかは、
まだ結論が出ていないのだろうが、
セイコーマートとの合弁解消の一件を見ると、
あっちこっち食い荒らしの観は否めない。

セブン-イレブンが独自路線を崩さないから、
余計にそれが目立つ。

「成長と膨張とは異なる」
故田島義博先生の言葉が、
思い出される。

業務提携は規模の膨張ではないけれど、
手つなぎ鬼のように連携を広げても、
それが深まらねば意味はない。

〈結城義晴〉

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