結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年11月23日(土曜日)

勤労感謝の日の「一日の仕事の終りには一杯の黒麦酒」

勤労感謝の日。

飛鳥時代に始まったといわれるのが、
新嘗祭「にいなめさい」。
「しんじょうさい」ともいわれる。

飛鳥時代の女帝、
皇極天皇の時代。

この時代に最初の「元号」ができた。
それは「大化の改新」の「大化」。

農業国家には、
収穫物に感謝する祭がある。
例外はない。

飛鳥時代に始まった新嘗祭は、
天皇が収穫されたばかりの、
主要な作物を神に供え、
自らこれを食べ、
その年の収穫に感謝する祭。

この主要な作物を「五穀」という。

日本で一番古い歴史書『古事記』では、
五穀は稲・麦・粟・大豆・小豆だった。
次に古い『日本書紀』では、
稲・麦・粟・稗・豆となった。

古事記は元明天皇に献上された。
この元明天皇は皇極天皇の8代あとの天皇。
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したがって最初の新嘗祭では、
皇極天皇は稲・麦・粟・大豆・小豆の五穀を、
供え、食し、謝した。

ちなみに天皇が即位の礼の後に、
初めて行う新嘗祭を、
特に「大嘗祭」と称する。

今上天皇即位のあと、
今年11月14日と15日に行われた。

この新嘗祭は天皇行事として、
現在も続く。
niinamesai
その日程は、明治時代以降、
太陽暦が導入され、
11月23日となった。

そして大正、昭和と時代が流れ、
第二次世界大戦の敗戦後、
連合国軍最高司令官総司令部によって、
新嘗祭は「勤労感謝の日」となった。

この総司令部は、
英語で「General Headquarters」と書く。
その頭文字をとってGHQと略される。
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ダグラス・マッカーサー率いるGHQは、
天皇が「国の象徴」となったこともあって、
新嘗祭の日を国民の祝日として、
天皇の国事行為から切り離した。

多分、欧米のサンクスギビングデーと、
時期が近かったことも頭にあっただろう。

どちらも起源は収穫祭だから、
北半球ならば時期は同期してくる。

1948年(昭和23年)の「祝日法」で、
正式に11月23日が、
「勤労感謝の日」の祝日となり、
「勤労をたつとび、生産を祝い、
国民たがいに感謝しあう」と、
その趣旨が規定された。

大化の改新までさかのぼって、
収穫祭・感謝祭であることを知れば、
その本質に近づけるだろう。

日経新聞朝刊の巻頭コラム。
「春秋」が取り上げた。
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ちなみに全国の新聞コラムで今日、
「勤労感謝の日」をテーマにしたのは、
日経本紙と西日本新聞だけだった。

どちらも「春秋」とタイトルしているが、
中身は全く違う。

その日経の「春秋」。
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茨木のり子さんの詩を引用する。
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第二詩集『見えない配達夫』(1958年)、
「六月」

どこかに
美しい村はないか

一日の仕事の終りには
一杯の黒麦酒

鍬を立てかけ 籠を置き
男も女も大きなジョッキをかたむける

どこかに
美しい街はないか

食べられる実をつけた街路樹が
どこまでも続き
すみれいろした夕暮は

若者のやさしいさざめきで満ち満ちる

どこかに
美しい人と人との力はないか

同じ時代をともに生きる
したしさとおかしさと
そうして怒りが

鋭い力となってたちあらわれる

コラム。
「ひたむきな労働と、
おおらかな休息の
すがすがしさを描いて
間然するところがない」

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

コラムは現実に目を移す。
「かけ声だけはすっかり耳慣れた
“働き方改革”の行方が見えぬ」

「長時間労働を追放する。
女性やシニアの活躍を促す。
多様性を重んじる。
働く場所を柔軟にする」

「大いに結構だが、
さて具体的にどうするか、
いつまでに何を実現するのかは曖昧だ。
形式は整えたものの、
意識はどれほど変わったことか」

同感だ。

「詩人のうたった共同体には
遠いニッポン社会である」

日経電子版の目次は、
この「春秋」の後が、面白い。
nikkei2
●きょうの夕刊休みます

座布団一枚!

このブログで何度か紹介しているが、
最後に、
「働くこと」
(結城義晴著『Message』より)
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「働くこと」への、
深い理解が求められている。

働くことの中身。
働くことの実態。
働くことの動機。
働くことの目的。
そして働くことの喜び。

どんな環境の中で働くか。
どんな時間帯に働くか。
どんな制度の中で働くか。
どんな会社で働くか。

そこからどんな働き甲斐が
生まれてくるのか。

私たちは誰もが、
このことに対して、
自分なりの解答を
用意しておかねばならない。

それなくしては、
企業活動も、
組織運営も、
日常生活も、
まっとうできない。

経営者は従業員に、
上司は部下に、
会社はパートタイマーに、
明快な「働くこと」の意味を
示さねばならない。

そして従業員は経営者に、
部下は上司に、
パートタイマーは会社に、
同じように
明快な「働くこと」の意志を
伝えねばならない。

働くことを通じた意思疎通は、
「労働」への
深く、謙虚な理解から
生み出されるのである。

〈結城義晴〉


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