結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年09月20日(月曜日)

山本耀司「Y’s」の盛衰と「あってあたりまえの店」

Everybody! Good Monday!
[2021vol㊳]

2021年第38週。
9月第4週。

今日は敬老の日の祝日。
三連休の最後の日。

そして秋の彼岸の入り。

今週木曜日が秋分の日の祝日で、
彼岸の中日。

そして次の日曜日の26日が彼岸明け。

今週は彼岸週間。
そして月曜日が敬老の日、
木曜日が秋分の日。

ゴールデンウィークとは比べようもないが、
シルバーウィークと呼ばれる。

今週の私は結構、忙しい。

今日は商人舎オフィスで、
ビデオの撮影。
IMG_67811
2つのテーマで、2本撮影した。
45分と30分。
IMG_67821
私は基本的にテイク1で終わる。
つまり1回撮り。

実際に聴衆がいるつもりで、
真剣勝負で、熱意を込めて話す。

だからテイク1。

テイク2にする場合がないわけではない。

最初の数秒、あるいは10秒くらいで、
噛んだり、言い間違いをしたりする場合は、
テイク2にする。

今日の最初の45分は、
完璧なテイク1だった。

2本目の30分ものでは、
二言目で噛んで、
テイク2にした。

それでも真剣勝負で集中する。
だから、ひどく疲れる。

1日分の仕事は十分にやった、
あるいは90分や120分の講演を終えた、
といった満足感がある。

お疲れ様。
ありがとう。

日経新聞最終面「私の履歴書」
今月は山本耀司さん。
㈱ワイズの創業者で、
ファッションデザイナー。
もう77歳。
山本耀司

慶応義塾大学を出て、
母の衣料店で働きながら、
文化服装学院へ通う。

新人登竜門の装苑賞など受賞して、
ぐんぐんと頭角を現す。
山本の頭文字をとって「Y’s」を創業。
パリにも進出して、時代の寵児となる。

山本耀司のワイズ。
川久保玲のコム・デ・ギャルソン。
同じ「前衛」としてくくられ、
「コインの表と裏」の関係となった。

しかし山本は男であり、
川久保は女である。
そこが違ったし、
互いに切磋琢磨しつつ、
ある意味で補完関係を保った。

山本は女を「格好良く」するために
男の目線から服を作るが、
川久保は女の目線から服を作る。

ワイズとコム・デ・ギャルソンは、
世界のモード界を一変させたといわれた。

そのうねりが日本にも逆輸入された。
「DCブランドブーム」である。

デザイナーズ&キャラクターズ・ブランド。
「1980年代、全国あちこちの街角に
黒ずくめの服装で髪を短く刈り上げた
“カラス族”が出現した現象」

「え、うそだろ。
きっとこれ、何かの冗談だよね?」
山本の驚き。

81年11月13日夜。
東京の田園コロシアムで開いた、
Y’sの野外ショー。

パリのショーをそのまま、
東京に持ってきたイベント。

観客は約8000人、
田園調布駅から会場まで、
長蛇の列ができた。

「おい、すごいなぁ。
ファッションで人がこんなに呼べるなんて
信じられないよ」
演出家の蜷川幸雄さんが、
真顔で感心した。

そのころ私は㈱商業界で、
食品商業の編集記者だった。
それまでの商業界では、
販売革新がトップ雑誌だった。

その販売革新を、
食品商業は急追していた。

しかしファッション販売が、
猛烈に追い上げてきた。

このDCブランドブームに乗っていた。

山本耀司さんや蜷川さんの驚きは、
専門雑誌にも同じような衝撃を与えた。

その後、商業界では、
食品とファッションが中核雑誌となった。
専門の時代である。

DCブームが去ると、
ファッション販売は、
ハウスマヌカンのための雑誌から、
ファッションアドバイザーの雑誌、
さらにショップスタッフの雑誌へと変貌した。

同時にどんどん衰退していった。

その後は、食品商業が、
圧倒的なトップ雑誌となった。

食品商業は「使う雑誌」と称して、
徹底して現場に役立つ雑誌をつくった。

もちろん、
経営理念や経営戦略を解析した上での、
「使う雑誌」である。

自慢話になって恐縮だが、
編集長は結城義晴だった。

山本耀司さんや川久保玲さんは、
あの1980年代のことを、
私に思い出させてくれる。

時代が変わるのは、
バブル崩壊の1991年からである。

その後は、ユニクロの独壇場となる。

さて朝日新聞「折々のことば」
第2150回。
遠くにある好きな店が、
変わらず続いてると、
本当に嬉しい。
そんなこの頃だ。
(井之頭五郎)

ドラマ「孤独のグルメ」
シーズン9・第1話から。
原作は久住昌之、脚本は田口佳宏。

「輸入雑貨商の井之頭は
久しぶりに訪れた学生街で
洋食店が昔のまま営業していて、
なんか嬉しくなった」

「感染症の流行が長引く中、
私たちはこれまで
あって当然だったものが、
愛(いと)おしいほどに
有り難いものだと知った」

「それらが
人びとの寡黙な営みに支えられて
あたりまえであったことを」

スーパーマーケットも、
ドラッグストアも、
ホームセンターも、
コンビニエンスストアも、
そしてファッションストアも、
あってあたりまえの存在だ。

ファッションに流され過ぎて、
去っていく店もあるが。

山本耀司の㈱ヨウジヤマモトは、
2009年10月8日、民事再生法適用申請。

もちろん山本さんは、
個人的にはデザイナーとして、
大活躍しているし、
Y’sもマルチブランド化して、
残ってはいる。

が、「DCブランド」は今や、
死語となってしまった。

では、みなさん、今週も、
流行に流され過ぎずに、
あってあたりまえの店を、
堅持しよう。

ありがたいことだと感謝しつつ。

Good Monday!

〈結城義晴〉


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.