米国の「絶対価格・相対価格」とIran/Israelの「双方勝利宣言」

やっと梅雨らしくなった。
大手町の銀杏の緑が、
生き生きとしてきた。
いつもの田嶼尚子医院長の内科。
血液検査と尿検査。
そして先月の結果を聞きながら、
アドバイスを受ける。
今回は6月2日から16日までの、
血糖値センサーの結果グラフを見ながら、
さらに細かい指導をしてもらった。
食事のとり方はよくなった。
だからグラフは理想的になってきた。
あとの詰めは食後の運動。
ウォーキングが一番いいらしい。
私はデータを見ながら成果を出すことに、
異常に燃える。
ヘモグロビンA1cは6.6。
まだ高いけれど私の歳ならば合格。
グルコースは84、尿酸値は4.6。
中性脂肪も格段に少なくなった。
血糖値センサーはほんとうによかった。
今年の10月にダラスとニューヨークに行く。
その時には再びセンサーを着けて、
海外出張の際の食事と運動の方法を学習する。
商人舎スペシャルコースは、
6月末から7月初旬まで募集中です。
ちょっと贅沢な旅だけれど、
ご参加ください、ご検討ください。
今回の勉強の対象のひとつは、
ウォルマートの「未来型店舗」
店内イメージは刷新される。
最新のレイアウト、最新のサービス、
それに最新のテクノロジー。
生鮮食品売場はさらにFreshを強調する。
アパレル改革には力が入った。
価格表示など電子棚札が使われる。
またQRコードが表示されている。
ウォルマート・アプリの進化も著しい。
この店の平均客単価は約35ドル。
あれだけの量を買って、この低単価。
驚くべき商品力だ。
ホールフーズマーケット。
オーガニックのトップランナーは健在。
2017年にアマゾン・コムの傘下に入った。
H.E.Bセントラルマーケット。
都市型のアップスケール大型店。
売場面積は2000坪。
ワンウェイの両サイドに、
精肉&鮮魚対面売場。
日本でもどこかのチェーンが実験しないかなぁ。
トレーダー・ジョー。
例外なく、大人気の店ばかり。
10月はハロウィン一色。
このプロモーションはすぐに採用できる。
そしてテキサスの雄H.E.B。
もっともっと日本の人たちに学んでほしい。
ウォルマート、クローガーに、
真っ向から挑んでポジショニングを構築する。
しかし最新潮流は逃さない。
このほかにも、
スプラウツファーマーズマーケット、
ウィンコフーズ、トムサム、
さらにアルディ、クイックトリップなど、
必須の店舗が控えている。
スペシャルコースは、
ダラスからニューヨークに移動して、
「とんがり★こだわり」のフォーマットを、
次々に学ぶ。
こうやって店のことを書いているだけで、
興奮してくる。
そのうえトランプ関税に対して、
米国チェーンストアがどう対処しているか。
それが激しい競争の中で鮮明になる。
絶対価格が高止まりするとき、
相対価格をどう下げるか。
「安さイメージ」をどう顧客に訴求するか。
それが目下の大課題である。
それを必死で勉強する旅だ。
楽しみです。
ご一緒しましょう。
さて、
イランとイスラエル。
米軍がイランの核施設に、
バンカーバスターを14発撃ちこんで、
トランプ大統領が「停戦」を宣言した。
面白いことに、
イラン・イスラエル、
双方が「歴史的勝利宣言」。
どちらも内向きな応酬なのだ。
自国民、自分の支持者たちに、
見えを切っている。
その双方勝利宣言で一応、
一時的な停戦が受け入れられた。
三者ともに、やめたい理由があった。
トランプはバンカーバスターの空爆を、
「広島や長崎の例は使いたくはないが、
あの戦争を終わらせた点で、
本質的に同じことだった」
この発言。
怒りで、言葉はない。
それに停戦もいつまで続くかはわからない。
世界的なテロの危機は一段と増した。
日経新聞の巻頭コラム「春秋」
「詩集が贈り物の定番になっている国に、
イランがある」
14世紀ペルシャの詩人ハーフィズの詩は、
だれもが口ずさめるらしい。
元駐イラン大使の齊藤貢さん。
「イラン人は、その高い知性の故に、
理性と論理を重んじる傾向が非常に強い」
〈『イランは脅威か』より〉
「イラン人は議論をとことん理屈でやり合う。
外交官もタフネゴシエーターで知られるが、
この性格は時に弱点になる」
「相手にも理性と論理があると、
思い込みがちなのだ」
「かつてトランプ氏との応酬で
思わぬ十倍返しに遭った」
齊藤元大使。
「イランはチェスを指している、
と思っていたのに、
米国はポーカーだった――。」
今回はどうか。
朝日新聞「折々のことば」
第3427回。
人間は、常に分裂し、
自分自身に反対している。
〈ブレーズ・パスカル『パンセ』から〉
「人間には、理性と情念のように
相容(あいい)れないもの、
強く対立するものが併存していて、
いつも『内戦』状態にある」
納得できるし、自覚症状もある。
「誰しも身に覚えがあろうが、
人は不快なものに惹(ひ)かれたり、
憎んでいる人を愛したり、
苦痛を与えるものに
それと知って近づいたりと、
理に適(かな)わないこと、
矛盾することばかりしている」
為政者が頻繁にそれをやっていては、
自国も隣国も、世界もたまらない。
ただしトランプの心の中に、
「内戦」があるかどうかはわからない。
〈結城義晴〉