ヨーカドー物件跡の「ロピア花巻」と「イオンスタイル竹の塚」

東北新幹線で北へ。
そして福島。
ヨークベニマルの牙城だが、
郡山も福島も駅前や駅地そばには、
イトーヨーカ堂の大型店があった。
それがなくなって、
少し寂しい。
駅構内の鹿踊り(ししおどり)の横で写真。
岩手県の無形民俗文化財。
花巻駅舎。
JR釜石線の起点でもある。
市内の花巻城跡の隣の敷地に、
イトーヨーカドー花巻店があった。
1988年11月16日開業。
売場面積1万3337㎡、駐車場796台。
小ぶりのバスターミナルもある。
その店が今年1月26日に閉店して、
そのあとをシーナシーナが受け持った。
そして明日6月27日、ロピアがオープンする。
店に入るとイトーヨーカドーです。
入り口スペースが広い。
今は「オイシーナ、タノシーナ、
ウレシーナ」のロゴが目立つ。
中央部のエスカレーターで2階に上がる。
イトーヨーカ堂の平場はすっからかんで、
一番奥に「キャンドゥ」が営業している。
まだ白い幕がかかった1階のロピアの売場。
案内されて中に入る。
惣菜部門の壁面には大リーガー。
大谷翔平が地元花巻東高校出身だから、
テーマは野球か。
ピザ売場には新しい、楽しい仕掛けがある。
惣菜部門はとくに派手な売場づくりだ。
それはとてもいい。
すぐに試食を出してくれて、食べる。
もちろん新しい味覚で美味い。
相川博史さんに売場を案内してもらって、
丁寧に説明を受けた。
㈱Firsto社長兼ロピア東北・北海道営業本部長。
意欲的なゾーニング。
明日の顧客の流れと売れ行きを見ればわかる。
私は高く評価した。
北上に戻って、ホテルにチェックイン。
彼らの邪魔をしてはいけないので、
別々に食事をしたが、
私も大いに満足した。
明日の朝が楽しみだ。
何人の顧客が並ぶのだろう。
一方、東京では、
イオンスタイル竹の塚が、
オープン。
山本恭広編集長が取材に行ってくれた。
実はこの物件も、
イトーヨーカドー竹の塚店だった。
1977年6月開業。
今日は、
「旧イトーヨーカドー」の日か。
この店舗は東武線竹ノ塚駅から徒歩10分。
竹ノ塚駅は2024年5月に高架化が完了して、
東西の往来が自由になった。
駅高架下には商業施設「エキア」が営業して、
飲食店やドラッグストア、雑貨店が並ぶ。
イトーヨーカドーは、
一昨年2023年3月に閉店した。
建物は解体され、
約2440坪の跡地は、
ヤマダホールディングスが確保した。
そして「Tecc LIFE SELECT」が、
明日6月27日に開業する。
地上6階の建物で3階までが商業エリア。
全体の売場面積は1990坪。
2階、3階がヤマダ電機。
1階のイオンスタイルは今日、
混乱を避けるために一足先にオープンした。
売場面積913坪。
スーパーマーケット業態での出店。
開店前には店舗周囲に、
顧客約500人が列をつくった。
開店前にセレモニーがあった。
足立区長の近藤やよいさんをはじめ、
地元の警察署長、消防署副署長、
地域の商業関係者が来賓として出席。
㈱ヤマダホールディングス山田昇会長が挨拶。
ヤマダにとって足立区初出店であり、
通常の2.5倍の売場面積で出店した。
82歳とは思えない力強い言葉で、
力の入った店舗であることを強調した。
イオンリテール㈱の古澤康之社長は、
「店をひと回りすれば、
日常のくらしに対応できる、
ジャストサイズの店」と言った。
開店と同時に顧客が入店する。
鮮魚売場の目玉の一つはうなぎかば焼き。
顧客が飛びつく。
精肉売場には黒毛和牛入りのお楽しみ袋。
イオンスタイルのオープン販促の定番だ。
冷凍食品「FROZEN」は売場中央に配置される。
平型オープンケースとリーチインケースで、
核売場の機能を果たす。
惣菜売場はには対面ショップが入る。
量り売りの「REWARD KITCHEN」、
焼きたてピザの「ピッツァ デリソラ」。
開店から間もなく記者会見が開かれた。
南関東カンパニー東東京事業部事業部長の大友大助さん。
そして店長の平野良一さん。
大友さんはヤマダの集客力に期待しつつ、
足元商圏からの支持を得る決意を語る。
平野さんは出店にあたって、
地域住民との対話を重ね、
売場づくりに取り入れたことを強調した。
東北は岩手花巻のシーナシーナとロピア。
東京は竹の塚のヤマダとイオンスタイル。
かつて繁栄を極めたイトーヨーカドーが、
姿を消して、新しい商業が登場する。
この、時代の趨勢を、
「娑羅双樹(しゃらそうじゅ)の花の色、
盛者必衰の理(ことわり)をあらわす」で、
片づけてしまうことはできない。
〈結城義晴〉