「ロピア花巻店」オープンのワンウェイコントロール方式

岩手県花巻市。
ほんとうに久しぶりに訪れた。
1980年だったと思うが、
協同組合ベルマートを取材して、
連載記事を書いた。
故遠藤須美雄さんに、
何度もインタビューした。
そして商業界の「販売革新」誌上で展開した。
テーマは「協業」だった。
この取材のあとの宴会で私は、
わんこそばを72杯食べた。
東北新幹線は1982年6月に開通した。
私が連載を書いたころは、
まだ新幹線は走っていなかった。
だから羽田空港から、
花巻空港まで飛行機で通った。
花巻空港の上空に来ると、
岩手山からの風で機体がガクンと、
300mほど落ちる。
それが不気味だった。
まだ駆け出しの記者だったが、
いい連載だったと思う。
そのころは、
花巻に泊まったことはなかった。
ただ通過するだけの街だった。
45年ぶり。
今回はシーナシーナ花巻の取材。
ロピア花巻店、
本日オープン。
朝7時過ぎに店に到着して、
搬入口から入る。
売場に行くともうほとんど陳列は終了。
とくに生鮮食品は余裕綽綽(しゃくしゃく)。
新店であっても生鮮食品のオペレーションは、
すでに確立されている。
東北はまだ精肉のセンターがない。
だからほとんど100%が店内加工。
いつものように北海道や東北のロピアから、
腕利きが応援に入っている。
惣菜の売場はド派手。
チーフの加藤君が奮闘して、
実にいい売場をつくった。
生鮮三部門は、
農産の「八百物屋あづま」、
畜産の「肉のロピア」、
そして水産の「日本橋魚萬」。
そのあとに惣菜部門。
名づけて「GOCHISOU MARCHE」
ここまでワンウェイコントロールのゾーニング。
そのあとは「Hungry」と名づけられた。
日配、加工食品、冷凍食品だ。
中々いいネーミングだ。
午前8時から全体朝礼。
いつものように畜産の売場に全員が揃う。
そして相川博史さんの挨拶。
北海道東北営業本部長兼㈱Firsto社長。
実にツボを押さえた簡潔なスピーチ。
その後は部門別にミーティング。
応援員が加わっているが、
人員は豊富だ。
旧イトーヨーカドー花巻店の、
パートタイマーさんたちが、
ほぼ全員残った。
しかも彼女たちの働き方は、
イトーヨーカ堂仕込み。
すばらしい。
ミーティングもテキパキとしていて、
いかにも仕事ができそうなチームだ。
今回はロピア入り口専用ゲートが設けられた。
これはいい。
混雑が緩和される。
8時40分からそのゲートのなかで、
テレビと新聞の取材が始まった。
相川さんが対応したが、
これも本当に慣れてきてきて、
どんな質問にも的確に答えた。
ロピアはもともと岩手県から、
高校生を大量に採用していた。
そういったチーフなどが、
この店に赴任した。
パートさんは岩手のヨーカ堂の人たち。
相川さんはテレビにそのことを訴えた。
地元の人たちで運営する店。
そのうえ全国から商品を集めた。
ロピアは今や全国チェーンだ。
九州産から北海道産まで、
商品が揃っている。
それも相川さんはアピールした。
オープン前の行列は、
北海道や新潟ほどではなかった。
8万7695人の花巻市の人口。
少しずつ広がって、
盛岡市や北上市からも、
顧客を呼び寄せるだろう。
先頭の顧客は朝3時から並んだ。
有難い。
9時きっかりにオープン。
入場を制限しながらゆっくりと店を見てもらう。
テレビクルーは顧客を追いかける。
積極的に試食を仕掛けるが、
それもカメラが追う。
これが放映されて、
人気が人気を呼ぶ。
握り寿司のコーナーも人気だ。
ここに「ポキ」のコーナーが加わった。
ウェグマンズのフードサービスゾーンのようになってきた。
あるいは人気百貨店のデパ地下のようだ。
バックヤードではアイテムの製造が続く。
日配品売場の試食コーナー。
女性客が群がって調理方法を質問している。
ロピア花巻店はワンウェイコントロールを採用。
NYCのスチュー・レオナード、
DallasのHEBセントラルマーケット。
10月の商人舎スペシャル視察研修会では
両店をしっかり学ぶ。
ロピアの幹部はよく勉強している。
そして挑戦する。
花巻店も生鮮三部門から惣菜売場に続き、
その間にはグロサリーはない。
惣菜から一転、日配の長方形の売場になる。
広い通路の両サイドが多段ケース、
中央にお買い得品の島陳列がずらりと並ぶ。
このワイン売場はすべての顧客が通過する。
そして酒売場は左に続く。
再び一転、パンのコーナーからグロサリーへ。
そのあたりは月刊商人舎7月号で、
紹介することになる。
このレイアウトは実に面白い。
もともとのイトーヨーカドーは、
食品売場が500坪ほどだった。
ロピアは名店の売場などを取り払って、
750坪ほどのスーパーマーケットにした。
昼前に店をぐるっと回った。
この取り放題のチョコレートは大人気。
販売するのはユーラスの阿部さん。
2階の休憩室に戻って、
商人ねっとの工藤恵理佳さんと写真。
アメリカ研修など担当してくれる。
次々に出店が控えている。
札幌では豊平で、
ニトリのショッピングセンターに、
ロピアが出る。
このシーナシーナ花巻の2階にも、
ニトリが出店する。
1階にはマツキヨが出ている。
ニトリとロピア、マツキヨ。
強力な組み合わせだ。
相川さんの手腕が冴える。
昼過ぎに私は花巻駅に戻った。
大谷翔平を祝う看板。
大谷は奥州市の出身だ。
それから北上駅へ、
さらに仙台で乗り換えて、
東京に戻った。
車内では講義のテキスト作りに邁進。
ここでは、
日本スーパーマーケット協会の、
2025年度通常総会と記念パーティ。
総会のあと記念パーティに先立って、
パネルディスカッション。
会場には約800人が集まった。
テーマは、
「食品流通の新しいカタチ」
その模様は明日のブログに続く。
乞う、ご期待。
〈結城義晴〉