結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年10月15日(土曜日)

1ドル148円の「円安の壁・バカの壁」と「禁欲円・享楽円」

1ドル148円80銭台。
瞬間的な為替レートだが、
1990年8月以来、
32年ぶりの円安・ドル高。

これはもう150円を超えるに違いない。

私がはじめてアメリカに行った1978年は、
1ドル195円だった。

その1978年11月、
ジミー・カーター大統領が、
大胆な経済政策を打ち出して、
為替市場への協調介入を強化し、
公定歩合を8.5%から9.5%へ1%引き上げた。

「カーター・ショック」と言われた。

カーター・ショックによって、
1982年11月には278円台までドルが上昇。

しかし1985年の「プラザ合意」で、
ドル高に終止符が打たれた。

プラザ合意はドナルド・レーガン政権下で、
米国と日本、そして欧州5カ国が合意した、
ドル高是正策のことだ。

その舞台は、
マンハッタンのプラザホテルだった。

この国際協働介入によって、
1987年12月にはドルは、
1ドル121円台まで下落。

1995年には79円のドル安・円高になった。

その後、2005年に117円、
さらに2011年に76円。

しかし今、148円となって、
1ドル150円の大台が視野に入った。

感覚的に言えば、
プラザ合意のころまで戻ったことになる。

今、「第2のプラザ合意」という案も出てきた。

財務省のコメント。
「過度の変動が繰り返されるときには
断固たる対応を取る用意ができている」

しかしそれは日本独自の対応では足りない。

日経新聞電子版。
「円安の壁」と「バカの壁」
日経新聞コメンテーターの西村博之さんが書く。

「円安×インフレで
途上国から先進国に来た気分」

海外旅行に行った人の言葉。

シンガポールで入った王将は、
「餃子セットが2000円!」

歯医者では20分話しただけで2万円。

マレーシアでも「物価は日本並み」

「もう以前のようには国外に出られない」

日本という発展途上国から、
アジアの先進国に来た気分になったそうだ。

コロナによる鎖国が解かれたところへ、
「円安の壁」が出現した。

「バカの壁」は養老孟司東大名誉教授の著書。
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表層的な情報によって、
「わかったつもり」になる風潮を戒めた。

西村さん。
「”円安の壁”は”バカの壁”に転じうる」

コロナ禍の影響が一服したアジア地域では、
人々の往来が再開し、
各国の企業に接触したアナリストが、
続々と詳細な報告を上げてきた。

一方の日本。
「最新の技術や市場動向から後れをとり、
それに気付いてもいない」

海外留学した日本の学生の数。
2018年度の約11万5000人から、
20年度は1487人に激減。

「実際に行って、見て、経験して、
“知ったつもり”でない生きた知識を得たい
若者の壁はぐんと高くなった」

小売業の海外視察も同様だ。

「”円安の壁”が長居すれば、
“諦めの壁”に変わりかねない」

日本政府と日銀にどれだけの力があるか。
「頼みますよ!!」

さて、日経新聞本誌の記事。
「小売り・外食、
巣ごもり消費一巡で明暗」

コロナ禍の巣ごもり消費が一巡し、
消費系企業の業績で明暗が分かれている。

その2022年6~8月期決算。

食品スーパーマーケット。

巣ごもり消費の一巡や光熱費の上昇が重荷となり、
12社の純利益の合計は35%減の109億円だった。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス。
純利益は55%減の5億9500万円だった。

藤田元宏社長。
物価高で消費者の節約意識が高まる中、
価格を据え置いた。
しかし、「顧客が競合に流出して
大きな客数流入にならなかった」
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ホームセンターも巣ごもりの反動。
9社の純利益は計151億円と39%減。

百貨店6社の最終損益の合計は、
173億円の黒字に転換。
前年同期は24億円の赤字だった。

高島屋では、
3~8月の高級ブランドの売上げが、
19年比で5割増えた。

第2四半期は81億円の黒字。
前年同期は30億円の赤字。

外食11社の純利益の合計は、
44%増の46億円だった。

吉野家ホールディングスは、
32億円と前年同期の2倍となった。

スーパーマーケットとホームセンターが、
巣ごもりの反動で減益し、
百貨店とフードサービスが
黒字転換、あるいは増益。

明暗が分かれた。

記事は最後に、
イオンの吉田昭夫社長の言葉を紹介する。
「生活防衛意識と価格への感度は
高まっている」
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しかしそれはコロナ前に戻り、
さらに厳しくなった。

ただし高島屋など、
コロナ前以上に高額品が売れた。

「禁欲円」の消費に耐えられず、
「享楽円」が爆発した。
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そしてこれもほんの一部の現象で、
生活防衛意識と価格コンシャスの、
「禁欲円」消費が日本を覆っている。

「円安の壁」は高くて厚いけれど、
なんとか「バカの壁」は避けなければならない。

〈結城義晴〉

2022年10月14日(金曜日)

イオン天王町の「Soft Open」とファストリ・MUJIの本決算

午前中に商人舎オフィスに来客。

㈱ジャパン・インフォレックスのみなさん。IMG_62012
私の隣から社長の西田邦生さん、
専務取締役の八十島幹夫さん、
そして執行役員の牧内孝文さん。

ジャパン・インフォレックスは、
食品産業の商品マスターを登録・管理し、
業界全体の合理化と生産性向上に、
貢献するIT企業だ。

コロナ禍によって、
その商品マスター登録のスピードが上がってきた。

コロナは時間を早める。

そして今、流通業界は、
生産性向上が最大の問題となっている。

「複合危機」によって、
経営コストが高騰し続けているからだ。

ジャパン・インフォレックスの役割は重いし、
貢献度はますます高まる。

11月に講演をすることになった。

午後は東京駅へ。
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丸の内北口。
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その八角形の天井ドーム。
四隅に干支のレリーフがある。
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東京駅前の新丸ビル。
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そして大手町プレイスウェストタワー。IMG_62272

この地下1階の大手町プレイス内科。IMG_62262
毎月の検査と診察。

私の主治医・田嶼尚子先生からは、
食事療法と運動のススメ。

田嶼先生の診察を受けると、
不思議にやる気になる。

ありがとうございます。

ソフトオープン初日夕方の、
イオンスタイル天王町。IMG_6234

生鮮食品のオペレーションも、
無難に進んでいる。
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1階の餃子の王将は、
テイクアウトもするが、
顧客が並んだ。
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スシローも繁盛している。

新しいテナント揃えは、
効果を発揮している。

かつてのチェーンストアは、
グランドオープン方式だった。

オープン初日にすべての力を結集する。
そのためにチラシを何十万枚も撒いて、
集客する。

百貨店の開業方式を真似たものだ。

しかしアメリカのチェーンストアは、
静かにソフトオープンして、
徐々に地域になじんでいくやり方をとる。

日本でそれを始めたのが、
ジャスコであり、イオンである。

私はずっとアメリカ式をお薦めしてきた。

店舗オペレーションにとって、
予行演習的なソフトオープンは、
実にいい考え方であり、やり方だ。

仕事に慣れていない従業員なども、
グランドオープンまでの猶予があれば、
心理的なプレッシャーが少ない。

少し慣れたところで、
グランドオープンを迎える。

イオン天王町ショッピングセンター、
グランドオープンは10月18日である。

さて商人舎流通スーパーニュース。
決算結果が続々と報告されている。

ファストリnews|
22年8月期は売上収益・営業利益とも過去最高を記録

㈱ファーストリテイリングは8月決算だ。
その2022年8月期の本決算。

2021年9月1日~2022年8月31日の営業。
売上収益2兆3011億円で前期比7.9%増。
日本で第4位の小売業である。
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1位セブン&アイ・ホールディングス、
2位イオン、
3位アマゾン・ジャパン。
そしてファーストリテイリング。

営業利益は2973億円で19.4%増。
こちらはセブン&アイの3877億円に次いで2位。
3位のイオンは全体で1743億円、

ただし単体の営業利益は、
ファーストリテイリングが日本一だ。
セブン-イレブン・ジャパンが2231億円で2位となる。
3位はニトリホールディングスの1383億円。

ファストリは円安効果が1143億円計上された。

この結果、税引前利益が4136億円(55.6%増)、
当期利益は2733億円(60.9%増)。

ただし為替の影響を除いても、
12カ月累計で過去最高の利益を達成。

売上収益に対する営業利益率は12.9%。

世界のアパレルチェーンで見ると、
ZARAのインディテックスが、
2022年1月決算で、
277億1600万ユーロ(3兆6136億円)。
前期から35.8%の回復だった。

H&Mは2021年11月期で、
1989億6700万SEK(2兆5468億円)。

ビッグ3の3位だが、
H&Mにはそろそろ手が届きそうだ。

一方、
良品計画news|
営業収益4962億円は過去最高も円安・輸送費高騰で減益

㈱良品計画の2022年8月期の本決算。

営業収益4962億円で前期比9.4%増、
営業利益328億円で22.8%減、
経常利益372億円で18.0%減。

増収減益。

それでも営業利益率6.6%、経常利益率7.5%。

無印良品(ライセンスドストアを含む)の店舗数は、
国内493店、海外579店の合計1072店。

国内では食品スーパーマーケットと、
コラボレーションを進める。

イオンスタイル天王町でも、
無印良品の売場は、
隣接するイオンのホームコーディ売場を、
引き立たせる機能を果たしている。

今や無印良品の導入は、
大型店やショッピングセンターにとって、
先を争う状態である。

それ以外にも商人舎10月号のように、
無印良品500の新フォーマットを始めた。
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コロナは時間を早める。

マイケル・オークショット。
「変化の時代に選びうるのは、
確実な損失か不確実な利益かの
いずれかである」

コロナの変化を前向きにとらえると、
成長は早まる。

〈結城義晴〉

2022年10月13日(木曜日)

イオンスタイル天王町「内覧会」と「SEJ・IYのパートナーシップ」

イオン天王町ショッピングセンター。
10月18日グランドオープン。
核店舗はイオンスタイル天王町。

今日は、その内覧会。IMG_62122

商人舎流通スーパーニュース。
イオンリテールnews|
旗艦店イオン天王町SC(横浜市)10/18オープン

㈱マイカルの前身の㈱ニチイが、
横浜進出を果たしたのは、
1977年である。

偶然のことだが、
私が㈱商業界に入社した年だ。

11月30日、第1号店として、
ニチイ天王町店ショッピングデパートが開業。

この店は1992年に天王町サティに増床転換し、
地域一番の座を堅持し続けた。

さらに2011年3月1日、
マイカルがイオンリテールに吸収合併されると、
イオン天王町店に変わった。

その後、2020年2月9日に閉鎖され、
今回、スクラップ&ビルドされて、
堂々のオープンを果たす。

一方、ニチイは、1978年9月20日、
ニチイ東神奈川ショッピングデパート開業。
この店は現在、イオンスタイル東神奈川となって、
上階に南関東カンパニーの本部がある。

さらに1978年10月6日、
横浜駅西口にオープンしたのが、
ニチイ横浜ショッピングデパート。
この店は横浜ビブレとなっている。

私は横浜に在住しているので、
これらの店を45年間、見続けている。

内覧会のスタートは午前10時。
明日、ソフトオープンして、
5日後の来週火曜日にグランドオープンする。

生鮮食品売場は明日の開業に向けて準備中。IMG_61192
案内と説明は、
中野公現(なかのこうげん)さん。
イオンスタイル天王町店長。
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内覧会に集まったメディアは、
概要の説明を受けてから、
食品売場に入っていく。IMG_61112
そしてこの店の特徴の一つ、
冷凍食品売場へ。
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「アット・フローズン」の商品が導入され、
そこから天王町のマーケットに合わせて、
新しいアソートメントがつくられている。IMG_61132

食品売場の向かいに、
グラン・ビューティークがある。
ドラッグストアだ。
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カウンセリング化粧品売場がある。

さらにイオンリカー。
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イオンの様々な専門店が勢ぞろいしている。

そして1階のフードサービスコーナー。IMG_61202

ここに中華や回転ずし、
そしてマクドナルドなどが誘致された。IMG_61212

2階に上がって、
スポーツウェア×シューズ×フィットネス融合売場。IMG_61252

アスレチックジムも併設された。IMG_61262

赤ちゃん休憩室へ。
個室授乳室が設置されている。
それもジェンダーレス対応である。IMG_61292
2階と3階のフロアを巡りながら、
ポイントとなる新しい売場の説明を受けた。

詳細は月刊商人舎11月号で報告しよう。

最後にバックヤードに入って、
MaI(マイ)ボードの取り組みを説明してもらった。
従業員体験価値向上の取り組みである。IMG_61342

システム企画本部部ストアオペレーション部の、
天池志光(あまいけゆきひこ)部長と写真。
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天池さんとは一緒に米国研修をした。
いい仕事をしたと思う。

ゆっくり話を聞くことにした。

ずっと付き添ってくれたのが、
南関東カンパニー広報の一海徳士さん。IMG_60672

最後の最後にOMOスペース。
「オンラインとオフラインの融合」を測る。IMG_61402
イオンリテールの現時点の取り組み満載。

45年間見続けてきた店が蘇る。
私にとってもうれしいリニューアルだ。

今日は午後から、東京の四谷でも記者会見。
㈱セブン&アイホールディングス。seven&i_hansoku_2
こちらには山本恭広編集長が行ってくれた。

セブン&アイnews|
セブンとヨーカ堂で初の合同販促(第1弾はハロウィン)seven&i_hansoku

ちょっと意外なことだけれど、
㈱セブン-イレブン・ジャパンと、
㈱イトーヨーカ堂が、
初めての合同フェアを実施する。
「#めちゃハピハロウィン」フェア。seven&i_IMG_5216
この合同フェア以外にも、
両社のシナジーの最大化を目指して、
商品やサービス、販売促進、
そして店舗オペレーションなどで協業する。

名づけて「SEJ・IY・パートナーシップ」

商品・サービスは、
顔が見える野菜、ミールキット、
カップデリなどの相互供給。

販売促進は今回のようなフェアの合同開催、
アプリを通じた相互送客。

そして店舗オペレーションは、
7NOWとイトーヨーカドーネットスーパー。
さらに地域包括連携協定など。

セブン-イレブンとヨーカ堂が、
あらためてパートナーシップを結ぶ。

それがセブン&アイの時代の認識である。

イオンもセブン&アイも、
新しい動きを見せる。

「小売業複合危機」への対策とは、
新しい課題に挑戦することである。

マイケル・オークショット。
「変化の時代に選びうるのは、
確実な損失か不確実な利益かの
いずれかである」

〈結城義晴〉

2022年10月12日(水曜日)

TOKYO PACKの「レンゴー」と稲盛和夫の「艱難は商人を鍛える」

今日は東京ビッグサイト。IMG_60692

ここに来るとパリやケルンを思い出す。IMG_E60702
パリのシアル、
ケルンのアヌーガ。

世界二大食品フェア。

シアルはパリノール展示場、
アヌーガはケルンメッセ展示場。

私は1992年から2004年まで、
シアルドールの日本代表委員を担っていた。
だから偶数年は春と秋に、
フランスのパリを訪れた。

その間、奇数年にはドイツのケルンから、
招待されて取材した。

この東京ビッグサイトの国際展示場に来ると、
そのころのことが思い出される。 IMG_60742

1996年の開場。
建築面積約16万㎡、展示面積約11.5万㎡。
日本最大のコンベンションセンター。

しかし、世界で見ると36番目の規模だ。
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TOKYO PACK2022。
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東京国際包装展として、
1966年にスタート、以来、隔年開催。
包装資材・容器、包装機械を中心にした展示会。IMG_61032

レンゴー㈱のブースへ。IMG_60782

2022年3月期連結営業収益は7469億円。
ゼネラル・パッケージング・インダストリー。IMG_60962

デモンストレーション。IMG_60812

New Smart Display Packaging(NSD)の機械。IMG_60832

全自動でふりかけの商品が出来上がる。IMG_60852

段ボールケースをワンタッチで開封して、
そのまま陳列できる。IMG_60882

さまざまな段ボールケース。IMG_60902

細かいゴミが出ない、
片付けが楽。IMG_60912

冷蔵ショーケースでの、
段ボールカット陳列。
フクシマガリレイ㈱とのコラボレーション。IMG_60922

「デジパケ」は、
デジタル印刷活用のパッケージ。IMG_60942

藤井利明さんと岡野香織さん。
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藤井さんはパッケージング部門、
開発本部開発営業第一部次長、
開発営業第一課課長。
岡野さんは、
デザイン・マーケティングセンター、
マーケティング課課長。

山本麻依子さん。
デザイン・マーケティングセンター、
マーケティング課。IMG_E61002

凄い展示会で、
面白いものばかりだった。

会社に戻って、
月刊商人舎10月号を手に取る。
うれしい瞬間。
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今月号もいい出来栄えです。

特集は新フォーマット続々!
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それから「セルコレポート」が届いていた。
私の連載は、
「艱難は商人を鍛える」
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第六回は、
「稲盛和夫の”神の手”」

8月24日に逝去された稲盛和夫さん。
その若いころの艱難の人生を書いた。

朝日新聞「折々のことば」
第2514回にも稲盛さんの言葉。

飛び石を打ってはなりません。
(稲盛和夫)
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「囲碁に喩(たと)えれば、
“石はつないで打つ”のが肝要」

「事業を多角化する時も、
自分が”得手”とする範囲でしか
やってはいけない」

稲盛さんが、
悩める中小企業の経営者らに語る。
NHK・BS1の番組「逆襲のシナリオ」から。

チェーンストアの出店戦略も同じ。

基本は隣接する商圏に、
次々に店舗をつくっていく。
そして商勢圏をつくる。

その意味で、
「飛び石を打ってはいけない」

しかし一定の商勢圏をつくって、
ドミナントエリアが完成したら、
次の商勢圏を求めて、
飛んでもいい。

碁で言えば「地」をつくったら、
飛んでもいい。

稲盛さんの考え方と言葉は、
小売業やサービス業にも、
大いに参考になる。

しかし稲盛和夫の生き様そのものが、
何よりもいい勉強になる。

私の原稿をちょっとだけ紹介。

――家は貧しく、稲盛少年は、
紙袋の行商に勤しむことになります。
「父が内職で作った紙袋を自転車に積んで
市内を売り歩くのである」

――ヨークベニマルの「野越え山越」のようです。
「どこも品薄で飛ぶように売れ、
あまりの繁忙に中学を出たばかりの子を雇った」

――商人としての才能があったのです。
「私の一気の攻勢に
福岡からきていた同業者が撤収したと聞いた。
私の事業の原点はこの行商にある」

やはり稲盛さんは、
技術者であり、商人でもあったのです。

「艱難は商人を鍛える」

あらためて、ご冥福を祈りつつ、
心から感謝しよう。

〈結城義晴〉

2022年10月11日(火曜日)

商人舎10月号特集「新フォーマット続々!!」のポジショニング戦略

月刊商人舎10月号、本日発刊!!

特集は、
新フォーマット続々!

アパレル/ホームセンター/家電ストア/
ワンコインストアのニューエイジ
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[Cover Message]
「ワークマンプラス」の快進撃は止まらない。「職人の店ワークマン」がポジショニング戦略によって突然、「ワークマンプラス」に変貌した。そのワークマンプラスはさらに「#ワークマン女子+WORKMAN Shoes」へと「加速の加速」を見せる。
一方、9月に合併によってアークランズ㈱へと躍進したホームセンター企業は、〈スーパービバホーム+ヤマダテックランド〉の「総合生活提案スクエア」を開発して、新しい競争力を獲得しようとする。
さらにダイソーは「Standard Products by DAISO」を創造し、良品計画は「無印良品500」を出店した。こちらは「ほぼワンコインストア」の進化型である。
人々のライフスタイルは急激に変わろうとしている。感度のいいチェーンストアはそれを捉えて「新フォーマット」を続々と登場させている。
スーパーマーケットが先陣を切った「フォーマット戦略」と「ポジショニング戦略」がNon-Foods Retailerの世界に現れた。

目次。
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今月はケーススタディ特集。

その店舗ケーススタディにも、
結城義晴の「分析や述懐」が入っている。

[特集のまえがき]は、
誰も書かなかった「フォーマット戦略概論」
もちろん結城義晴執筆。
私の持論をこれまでで一番短くまとめた。

ケーススタディ①は、
「ワークマンプラス」の「加速の加速」
「#ワークマン女子+WORKMAN Shoes」開発で群を抜く
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ケーススタディ②
ビバモール多摩美大前のコラボ戦略
スーパービバホーム+ヤマダテックランドの「総合生活提案」
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ケーススタディ③
ヤオコー八王子鑓水店「普通の店の強さ」 
節約とハレのどちらにも対応できる684坪標準店01_front_yaoko

ケーススタディ④
Standard Products by DAISOの「第三の必然」
日本型バラエティストアに新標準フォーマットが登場した!
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ケーススタディ⑤
「無印良品500」の「ほぼ均一価格」のインパクト
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ケーススタディはいずれも、
大量の写真を使って、
ビジュアル構成になっている。

ぜひ、ご覧ください。

特集のほかは年末商戦対策の2本。
提言「複合危機」の年末年始商戦に備えよ 
結城義晴

[特別寄稿]コロナ禍3年目の正月商戦総合作戦
堀内慎也
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そして[Message of October]
売り方を変えれば2倍売れる!

商品は変わらなくとも、
売り方を変えれば、
売れ行きが変わる。

商品は絞り込んでも、
売り方を大きく変えれば、
売れ行きは大きく変わる。

商売は面白い。
商売は奥深い。
商売は不可思議だ。

ワークマンプラスは、
ワークマンの商品1700品目を、
320アイテムに絞り込んだ。

コンセプトを変え、
顧客ターゲットを変え、
ポジショニングを変えた。

そのうえで、
外装を変え、内装を変えた。
什器を変え、陳列を変えた。

マネキンを使い、
プレゼンテーションを変え、
別世界をつくりあげた。

それによって、
売れ行きが爆発的に変わった。
2倍売れた。

商売は面白い。
商売は奥深い。
商売は不可思議だ。

売り方を変えれば、
商品は変わらなくとも、
売れ行きが変わる。

売り方を変えれば、
商品は2倍売れる。
それこそがポジショニング戦略だ。
商人舎10月号目Message

職人の店ワークマン。
商品そのものはまったく変えずに、
1700品目を320アイテムに絞り込んで、
看板を変え、店づくりを変え、
内装も什器も照明も陳列方法も変えた。
POPやマネキンを多用した。
「味もそっけもない作業服の店」が、
「アスレジャー」のカジュアルな店に変わった。

そして売上高は2倍になった。
売り方を変えれば2倍売れる。

それが「ワークマンプラス」。

何とも痛快な商売の話。
それがポジショニング戦略だ。

〈結城義晴〉

2022年10月10日(月曜日)

ロシアのウクライナ爆撃の「悪徳」と首相の「リポート・トーク」

Everybody! Good Monday!
[2022vol㊶]

2022年第41週。
三連休の最終日が、
スポーツの日。
1964年の東京五輪開会式の日が、
10月10日だった。

今でも思い出すけれど、
私は横浜の小学校の6年生だった。

父に連れられて近くの三ツ沢球技場に、
五輪サッカーの試合を見に行った。

この開会式の日は、
2年後に「体育の日」として、
国民の祝日になった。

それが2000年から、
10月第2月曜日に変わった。

ハッピーマンデー制度だ。

2020年から、
「スポーツの日」に名称変更された。

しかし今日の横浜は、
朝から雨模様。

昼頃、雨はあがった。

今年最後の三連休、
商売の成果は上がっただろうか。

その日本のスポーツの日。
ロシアがウクライナに、
83発のミサイルを撃ち込んだ。

クリミヤ大橋の爆発は、
ウクライナが仕掛けたこととして、
それへの報復攻撃である。

何とも言いようのない、
不快なことだ。

ウラジーミル・プーチンは、
70歳になったばかり。
私と同年だが、
権力をもつ者のエゴイズムが、
むき出しになっている。
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ブレーズ・パスカルの「パンセ抄」
「人は悪徳の中で迷子になる。
もはや、
美徳の姿など見えない。

人は完全な徳さえ
批判するようになる」
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気を取り直して、
スポーツの日。

日本プロ野球。
クライマックスシリーズに入って、
パリーグはソフトバンクホークスが、
ファイナルステージ進出を決めた。

ペナントレースを闘ってきて、
そのあと上位の3位までのチームが、
3ゲームのトーナメント方式で対戦する。

まったく論理性のない、
理不尽なアイデアだが、
パリーグは2位のホークスが、
3位の西武ライオンズを破って、
順当にファイナルステージに進んだ。

一方のセリーグは、
3位の阪神タイガースが、
2位の横浜DeNAベイスターズを、
逆転で破って、
ファイナルに進出。
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タイガースのペナントレースは、
68勝71敗4引き分けで、
勝率4割8分9厘。
負け越している。

それなのに、
ファイナルステージに出られる。
それは6ゲームだ。

万が一にもここで勝って、
日本シリーズに進んで、
パリーグの覇者に勝利してしまえば、
1年間で負け越したチームが、
日本一になってしまう。

1年間の闘いは一体、
何だったのか。

論理破綻している。

私はタイガースのファンでもあるから、
それはちょっとうれしいことだが、
論理性のない社会は、
好きではない。

しかしパスカルは言っている。
「二つの行き過ぎ。
理性を排除すること、
理性しか認めないこと」

私も残されたタイガースの試合を、
楽しむことにしよう。

日経新聞の「核心」
「首相に欲しい”話す力”」
原田亮介論説主幹が書く。
1958年、新潟県生まれ。

岸田文雄首相も、
就任1年になる。
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「内閣支持率低下の一因に
首相自身の”聞く力”ならぬ
“話す力”を挙げる声がある」

この「声がある」といった表現は、
論説主幹として少々よろしくないと思うが、
原田さんは問題の所在を探す。

そして東照二ユタ大学教授の言葉を引く。
小泉純一郎元首相の発言分析などで知られる、
社会言語学者である。
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話術には2通りある。
「リポート・トーク」と、
「ラポート(共感)・トーク」

前者は情報を伝える話術。
後者は個人の気持ちを込めて、
情緒で聞き手を引き付ける話術。

「岸田首相に欠けるのはラポート・トークだ」

東教授はラポート・トークの好例として、
安倍国葬の菅義偉前首相の弔辞をあげる。
「個人的なエピソードを多く交えて、
聞き手の記憶に残る弔辞だった」

あんなに棒読み首相と批判されたのに、
首相を降りたあとで、
時間をかけて書いた弔辞なら、
ラポート・トークにもなる。

これに対して、
リポート・トークの岸田首相は、
「話が一方通行になり、
聞き手の共感を得て
心を動かすということにならない」

「首相は度々『国民に丁寧に説明する』というが、
それは1回言えば済む」

東教授は厳しい。

何よりも政策の実行力が問われている。

それを支えるのは、
「国民世論から共感を得る力」である。

首相周辺の人物の発言。
「後ろ盾だった安倍元首相が亡くなったことで
“(元首相と)テニスをやっていればよかったのが、
急にラグビーをやらなきゃいけなくなった」

このネタは面白いが、
原田さんが「核心」として書く内容は、
伝聞情報が多い。

最後の段落。
「どの課題も賛成と反対が分かれ、
最適解を見いだすのは簡単ではない」

「だからこそ首相は
決断への率直な思いや信念を語った方がいい」

「”聞く力”より”話す力”なのだ」

「耳を傾けるだけでは、
効果的なコミュニケーションは
実現しない」

ピーター・ドラッカー。

テニスもラグビーも野球も、
コミュニケーションなしでは、
勝利することはできない。

商人にもラポート・トークは必須だ。

そして独裁者こそ、
コミュニケーションを欠く者だ。

そのために独裁者は、
最後の最後には、
無残な姿で舞台から去って行く。

それは歴史が示している。

では、みなさん、今週も、
ラポート・トークを。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年10月09日(日曜日)

「人生とは飽きとの戦いなのだ」と脱「やらされ感」

ほぼ日の糸井重里のエッセイ。
「今日のダーリン」
10月4日の「飽き」についての考察。
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「いろんなことを、
飽きもせずにやっている」

「ぼくは、実は、
もともととても飽きっぽい」

私も実は飽きっぽい。
周辺からは「三日坊主」だとか、
「三週間坊主」などと言われる。

自分では「三カ月坊主」くらいに思っている。

糸井さん。
「たいていのことは
飽きるのがわかっているし、
飽きないためには
どうしようかばかり考えている」

「だから、やっと飽きないでやれている。
他の人だって、たぶんそうなんだと思う」

「人生は飽きとの戦いだ」

同感だ。

「飽きているのに
やり続けることはつらい。
しかし、飽きはじめてからこそ
身につくこともある」

これにも同感。

「まったく変化がないことに、
人は耐えられないだろう」

「だから飽きているところで、
変化を見つけたりもする。
飽きそうになったとき、
新しい問題を探し出す。
いままでよりも、
難しいことをやってみたくなる」

「難しさに対面することで、
飽きから解放してもらえる。
やったことのない難しい問題は、
つらいことも多いけど、
飽きからは救われたりする」

「人生はつらさとの戦いよりも、
どうやらやっぱり
飽きとの戦いだ、と思う」

子どものころから、
結構、何でもできた。

いや、何でもすぐに、
一定のところまでは、
できるようになった。

しかし、そのあとが続かない。

バイオリンも習った。
習字や絵も習った。

野球もサッカーもバスケットボールも、
仲間内ではうまいほうだった。

勉強も。

だから子どものころからの、
昔の友達に会うと、
「お前は何でもできた」と言われたりする。

自分ではそうでもなくて、
すぐに限界が見えていたのだと思う。

だから飽きやすくなったのかもしれない。

糸井。
「人は小さな子どものころから、ずうっと、
“できるようになりたい、
わからないから知りたい”
ということと付き合ってきている」

「それはもう
子どもにとっての遊びそのものだ。
だけど、これって
大人になっても同じじゃないか」

お孫さんができてから、
糸井さんは子どもから着想することが多い。

「飽きかけているときには、
“できるようになりたい、
わからないから知りたい”が、
どこかに蒸発しかけているような気がする」

そう、そう。

大人になってから始めたゴルフなんか、
難しいことだらけで、
「できるようになりたい」が実に多い。

だから飽きずに続けている。
ゴルフスイング

糸井さん。
「子どもたちが遊んでいるように、
大人たちだって、
毎日の遊びや生活のなかに、
仕事や計画のなかに、
“できるようになりたい、
わからないから知りたい”
があるものなんだと思うよ」

私の場合、
仕事に関しては、
「飽き」はこなかった気がする。

「飽き」との戦いを、
必死でやってきたのだろう。

今はもう、あまり思い出せない。

しかし勉強には、
確かに「やらされ感」があった。
仕事にはそれがなかった。

だから私にとって、
「仕事」は尊いものだ。

糸井。
「じぶん自身が、
飽きとの戦いをずっとやってきて思う。
すべてに飽きたら、
死んじゃうってことだもんねー」

これを「厭世」(えんせい)という。

糸井。
「締めにもう一度言っておこう。
人生は飽きとの戦いだ、と」

若い人たちで、
仕事に飽きを感じたら、
「できるようになりたい」、
「わからないから知りたい」を、
思い出すことだ。

もう一つは、
ライバルをつくることだ。

「あいつには負けない」
「あの連中には負けない」
「あの店には負けない」
「あの会社には負けない」

これが「飽き」との戦いには、
効果があると思う。

ここで私もお決まりの締め。

「商い」は「飽きない」である。

商売には、
「お客さんを喜ばせるようになりたい」、
「もっといいやり方を知りたい」、
「あの店には負けない」がある。

だから「商い」は「飽きない」なのだ。
仕事も「飽きない」なのだ。

糸井さんも結城義晴も、
飽きもせず毎日、
今日のダーリンや毎日更新宣言を書いている。

飽きっぽい二人が、
「飽きない」ことを書く。

そこで一番大事なのは、
「やらされ感」から脱することだ。

大人になって、
自分で稼ぐようになったからこそ、
「飽きない」ようになった。

仕事でも、
「やらされ感」があったら、
「飽き」がくる。

自分で決めた、自分の仕事。
それが「飽き」とは、
無縁の時間をもたらしてくれる。

しかしそんな仕事でもある程度になると、
やっぱり「飽き」がやってくる。

だから人生は飽きとの戦いなのだ。

〈結城義晴〉

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