結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年05月07日(金曜日)

緊急事態宣言延長の「二度あることは三度ある」

夕方から、菅義偉首相の記者会見。20210507_kaiken_04
新型コロナウイルスの緊急事態宣言は、
その対象に愛知・福岡の両県が加えられる。

東京・大阪・京都・兵庫の4都府県は、
11日までの期間が5月末までに延長される。

まん延防止等重点措置は、
北海道と岐阜・三重両県が加えられ、
宮城県が外される。

神奈川・埼玉・千葉首都圏3県と、
愛媛・沖縄の両県は5月末まで延長。

5月末まで、
緊急事態宣言が6都府県、
まん延防止重点措置は8道県。

結局、5月11日では短すぎると、
各所から批判が出ていたが、
やはり延長となった。

緊急事態宣言は3回目。
1回目は昨2020年4月、
2回目は今2021年1月。

1回目の緊急事態宣言は全国に対して、
4月7日から、
5月6日までの1カ間だったが、
延長されて、最後に解除されたのは、
首都圏1都3県と北海道の、
5月25日。

2回目は、
まず東京都と埼玉・千葉・神奈川3県を対象に、
1月8日から、
2月7日まで緊急事態宣言発出。

次に14日から2月7日まで、
大阪・京都・兵庫・愛知・岐阜・福岡・栃木の7府県。
こちらも延期されて、最後に、
首都圏1都3県が解除されたのは、
3月21日。

そして3回目は3月21日に解除されて、
1カ月後の4月25日に発令。

それが3回目の延長となった。
5月31日まで。

「二度あることは三度ある」
同じミスを三度繰り返した。

とても科学的な考察や態度とは言えない。20210507_kaiken_06
記者会見では、
質問に答える立場の尾身茂先生まで、
検査数の少なさを菅首相に詰め寄った。

首相は最後に
「国民の皆さんのご理解とご協力を、
心からお願いします」と、
頭を下げた。
20210507_kaiken_03
しかし残念なことだが、
私にはまったく説得力が感じられなかった。

それでも私たちは一人ひとりが、
感染拡大を防ぐために、
全力をあげなければならない。

ただし、大型商業施設への協力金は、
事業規模に応じて支給される。

休業した施設には、
営業面積1000㎡ごとに1日20万円。
1万㎡(3000坪)ならば200万円。
テナントには100㎡ごとに同2万円。
宣言開始の4月25日に遡って適用される。

弥縫策そのものだが、ないよりはいい。

さて今日は午後から、
大越鉄夫さんが、
商人舎オフィスにやって来てくれた。IMG_30091
「てっちゃんの店長日記」の、
スーパーマーケットの元店長。

6月からコンサルタントに転身する。
私たち商人舎はそれをお手伝いする。IMG_30161
今日はビデオ撮影。
お疲れ様でした。

最後に単行本にサインと署名。IMG_77451

いつものように左手に筆をもって書く。IMG_77461

本にサインするとき、
色紙に何かを書くとき、
私は母の指導の通りに左手で書く。IMG_77471

出来上がりました。IMG_30171
ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。

最後に昨日の日経新聞夕刊。
「読書日記」
詩人のカニエ・ナハ。
『エイヴォン記』

詩人は語り掛ける。
「”読書”はどこから始まるのだろうか?
本のページを開いたところからだろうか、
それとも最初に手にした瞬間からだろうか?」

読むのは庄野潤三著『エイヴォン記』
「読書日記」の体をとった本。

「ユニークなのは、
作者がお気に入りの短篇小説の
あらすじを語ることを軸にしながら、
山積みになった蔵書のなかから
本を探しだすところや、
見つけた本の表紙が
やぶれかかっていること、
初めて手にしたときの思い出、
読書している机に飾られている花のこと、
その花を届けてくれた隣人がしていった話、
そして本を読んでいる内に
訪れる幼い孫娘のことなどが、
並行して描かれていること」

「それらみなひっくるめて
“読書”なのだと云うように」

これには同感だ。

だから今度の私の本は、
装丁から表紙や背のデザインから、
章立てや構成まで、
これまでの「小売流通の本」や、
これまでの「ビジネス本」とは、
まったく違った造りになっている。

地味な造りだ。

しかし持っているだけで、
「何となく気分がいい」といった本にしたかった。
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私は、月刊雑誌には、
「まえがき」や「あとがき」を書く。
いつも雑誌を単行本のように編集している。

しかし今度の単行本には、
「まえがき」も「あとがき」もない。

いきなり本文に入る。
もちろん「序章」と「終章」はあるが、
それはあくまでも本文だ。

小説には通常、
まえがき、あとがきはない。
詩集にもそれはない。

そんな風なビジネス書に仕立てた。

味わっていただけたら幸いだ。

〈結城義晴〉

2021年05月06日(木曜日)

「ニトリダイニング みんなのグリル」の「お、ねだん以上」

ゴールデンウィークが明けると、
一般の人たちは、
日常に戻っていく。

4月30日と今日、明日に、
休暇を入れていれば、
11連休となる。

だから5月10日の月曜日から、
完全に通常の生活サイクルが戻ってくる。

日刊新聞は5月2日の日曜日から、
5日のこどもの日まで、
夕刊の休刊が続いた。

そして今日の5月6日は朝刊が休刊。

新聞記者や新聞社の社員にも、
ゴールデンウィークが用意されている。

しかし小売業、サービス業の就業者には、
黄金週間の休暇はない。

将棋界では5月4・5日に、
名人戦七番勝負の第3局が指された。
愛知県名古屋市の亀岳林万松寺。
渡辺明名人(37歳)が、
挑戦者の斎藤慎太郎八段(27歳)に快勝。
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渡辺は棋王と王将のタイトルを併せもつ三冠。
現在、おそらく最強の棋士だ。

シリーズ成績は2勝1敗で、
渡辺リードとなった。

この名人戦に、
藤井聡太王位・棋聖が登場するとしても、
最速で再来年である。

自ら高校を中退した藤井をはじめ、
将棋のプロ棋士にも黄金週間はない。

もちろん、
コロナ患者を受け入れている病院にも、
その医師や看護師の皆さんにも、
黄金週間はない。

警察官や消防署員、
鉄道・バスなど公共交通機関の運転士。
飛行機の操縦士。
宅配便のドライバー。

コロナ禍がなくても、
エッセンシャルワーカーの人たちは、
土日祝日も盆も正月も、
黄金週間もない。

感謝しなければならない。

商人舎流通スーパーニュースも、
連休中は配信を停止していた。

今日から再開したが、
コロナ感染ニュースが、
溜まっていた。

セブン&アイnews|
4/23~4/29グループ店舗・施設で50人の感染者

ヤマダデンキnews|
4/1~5/2に社員や委託先従業員など58名感染

ライフnews|
4/25~5/5に首都圏17名・近畿圏29名が感染

感染リスクの中で仕事する人たちに、
敬意を表したい。

日経電子版の記事。
「ニトリ、外食参入」

ニトリホールディングスが外食事業に参入。

バナーは、
「ニトリダイニング みんなのグリル」
低価格ステーキハウス。
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店舗運営は子会社の㈱ニトリパブリック。

まず2店舗を開設。
3月13日に東京都足立区に、
「環七梅島店」
二トリ梅島ショッピングセンター別棟。

4月27日に「相模原店」
神奈川県相模原市。

ニトリのホームファッション店に併設した。

当面はニトリの集客力を活かして、
相乗効果を狙う。

しかし最終的には、
外食事業単独で利益が出せる経営とする。
そのために規模の拡大を狙う。

主力アイテムは500円のチキンステーキ。
ハンバーグ700円、リブステーキ990円。
持ち帰りサービスにも対応する。
品質の伴った低価格商品は売れる。
「利は売りにあり」
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第1に食材は卸を通さずに調達する。
「利は元にあり」

将来は家具と同様に、
生産から販売までの一貫体制を目指す。

そのために多分、
ニトリは食肉製造業のスペシャリストを、
積極的にスカウトしているだろう。

ただし食材の調達は、
そう簡単に、短期間で、
うまくはいかない。

時間がかかる。

第2に店舗では、
ニトリの家具や食器を使って、
投資コストを下げる。

第3に低価格を実現するために、
ニトリのノウハウを活用する。
外食店舗の内装工事は、
社内のリフォーム事業専門部署が担う。

第4に不動産コストを下げるために、
全国約450店のニトリの敷地を活用する。

いずれも、
「利は内にあり」

ニトリは2021年2月期も34期連続で最高益更新。

外食店をニトリに併設すれば、
顧客には便利だし、滞在時間が伸びる。

イケアのフードサービス併設と同じ。
コストコのファストフードと同じ。

外食業界は新型コロナによって、
苦境のどん底にあると言ってよい。

しかしローコストオペレーションで、
損益分岐点を下げれば収益力は担保できる。

拙著『コロナは時間を早める』では、
第四章で「小売業態地殻変動」を整理した。
その結論の節は「食」を中核とした地殻変動で、
タイトルは「ティファニーで朝食を?」

図らずもニトリは、
ノンフードの強いフォーマットに、
フードサービスを、
コンバイン(結合)させる戦略を採った。

ニトリは将来的には、
アパレルの出店拡大も検討する。

その底流にあるのは、
エブリデーローコストであり、
エブリデーロープライスである。
「お、ねだん以上。」である。

似鳥昭雄さんの哲学が貫徹されれば、
成功への軌道を描いていることは確かだ。

〈結城義晴〉

2021年05月05日(水曜日)

こどもの日に思う「待つ」ことと「導く」ことのバランス

こどもの日。

祝日法の趣旨は、
「こどもの人格を重んじ、
こどもの幸福をはかるとともに、
母に感謝する」

その母の日は、
5月第2日曜日。
今年は5月9日。

だから今週は、
子どもと母の1週間だ。

これは毎年、書いている。

今日は風が強い曇天。
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新緑が美しい。
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朝日新聞「折々のことば」
昨年のこどもの日は第1807回だった。

子供たちには
過去も未来もない。
で、これは我々には
殆(ほとん)どないことだが、
現在を享楽する。
(ラ・ブリュイエール)

1645年から1696年の人。
フランスの啓蒙主義の先駆者。

著書『カラクテール』
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子どもたちには過去はない。
大人は子どもには未来が開けていると言うが、
彼ら自身の視野には、未来もない。

「子供は現在を享楽する」
それが子どもだ。

編著者の鷲田清一さん。
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「とすれば、
それがなくなるかもしれないという
喪失の不安こそ、
子供が子供でなくなる
最初の一歩なのか」

昨年、私も考えた。

COVID-19パンデミックは、
世界中の子どもたちを、
子どもでなくしてしまうかもしれない。

それが怖い。
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いや、しかし、どんなときにも、
子どもは今を楽しむことを、
知っているのかもしれない。

それが子どもだからである。

ほぼ日刊イトイ新聞。
5月3日の「今日のダーリン」

「待つ」を考える。
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「待つっていうのは、
とても大事なことでさ。
しかも、とても
むつかしいものなんだよねー」

「たとえば、親が、子どもの
なにかするのを待つこと」

「子どもは、いかにも
寄り道をしているようにも見えるし、
そっちへ行っても永遠に
できっこないほうに行くし、
途中でやる気を失ったりもするし、
そもそもはじめから
やる気がないかもしれないし」

子どもは現在を享楽しているからだ。

「どこかの分岐のところで、
代わりにやってしまうとか、
もういい、とか言って
やめさせちゃうとか、
早くしなさいと急き立てて
置き去りにしちゃうとか、
まぁ、子どもにしてみたら
理不尽なことを、
わりとやったりもしているよね、
親って、一般的に」

「”待つ”ことと、導くことの
バランスは実にむつかしい」

同感。

私も会社勤めの若い管理職のころ、
待つことと導くことの問題で苦しんだ。

どうしても部下を導くことに偏った。

「企業なんかでも、
ある程度の成果をあげることと、
人が成長してくれることと、
両方を期待しているから、
手や口を出したくなるようなことは、
もちろん多いよね」

「”待つ”ことを方法として
身につけている上司のほうが、
きっと長い目で見たら
いい結果を出すんだろうなと、
そういうことも言われてるんだけど、
簡単じゃぁないよ」

「”待つ”は、その場でのいい結果を
見せてくれないから、
それを学ぶっていう機会が、
なかなかないのだ」

しかし糸井は、
「これは”待つそのもの”だ」を、
唐突に発見する。

それは「あらゆる表現物」

例をあげると、
「表現物=本」

本はすでにそこに「ある」
そして、黙っている。

「おい、それはちがうぞ」とか、
「もっと、こうだよ」とか、
まったく言うことはない、
書いてあること以外言わない。

「読み手、受け手が
迎えにいったことだけが得られる」

「受ける側から
“学びにいった”ぶんだけが
経験になる」

しかし最近の本は、
手取り足取り教えたがる。
そんな本が実に多いし、
そんな本が売れる。

糸井さん。
「誤読も曲解も含め、本は
読み手に注意のひとつもしない」

「それなのに、本が
どれだけの人にものを伝えたろうか」

「”待つ”を学ぶのは、
そこからじゃないかと思ったんだ!」

同感だ。

手取り足取り教えたがらないから、
本来の本には意味がある。

「表現物」から「待つ」ことを学ぶ。

若くても「待つ」ことを知る者は、
表現物によく触れている。

だから若い上司、若い教師、
若い親たちも、
失敗ばかりはしない。

私もそうだったと思う。

糸井さん。
「たぶん、迎えに行きたくさせるのは
人の仕事なのだろうな」

それが仕事だ。

こどもの日から、
母の日へ。

「待つ」ことと、
「導く」こと、
そのバランスを知っていたい。

〈結城義晴〉

2021年05月04日(火曜日)

高原豪久と松下幸之助とサム・ウォルトンの凡事徹底

みどりの日。

書に倦(う)めば水遣(や)りに出てみどりの日
〈宮岡計次〉

読書にあきたら、
庭の木々に水をやる。
そんなみどりの日。

昭和天皇が崩御された1989年から、
祝日法改正の2006年までは、
旧天皇誕生日がみどりの日だった。

つまり4月29日。

それが改正祝日法によって、
4月29日は昭和の日となって、
みどりの日は5月4日に移動した。

みどりの日風もみどりでありにけり
〈小林草吾〉

日経新聞電子版の経営者ブログ。
高原豪久ユニ・チャーム社長。

今回で200回を迎えた。
高原さんはのペースは、
1カ月に1本くらいだから、
16年以上の連載だ。
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4月29日の唱和の日のテーマは、
「凡事徹底が非凡を生む」

その高原さんが今年の新入社員に行ったこと。
「成長しやすいひとの特徴」。
①しつこい
②可愛(かわい)げがある
③素直

わかる。

①の「しつこい」を高原さんは、
「凡事徹底」に置き換える。

「凡事徹底」は「凡事継続」ではない。
「徹底」とは「神は細部に宿るが如く」
こだわり尽くすこと。

「漫然と同じことを継続していても
それは単なる繰り返しであり、
“非凡”な成果には必ずしもつながりません」

「しっかりと具体的な計画を立て、
成果が出るまで試行錯誤を
地道にくり返す努力こそが、
“非凡な成果”につながるのです」

「しつこい」は、
継続すること。
できるまでやめないこと。
一番前に来ているほどに、
とても大切なことだ。

「凡事徹底」は、
平凡な仕事を日々、
徹底すること。

私は「徹底」を定義している。
詳細に、厳密に、継続すること。
こまかく、きびしく、しつこく。

サム・ウォルトンは言う。
「平凡な人間を集めて、
平凡な仕事をして、
非凡な成果を上げる」
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人間はだれも、
平凡だ。

そんな人が、
平凡な仲間とともに、
平凡を徹底したら、
非凡になる。

そして②の「可愛げ」は、
松下幸之助に通じる。

「私は学歴がないから、
多くの人の知恵を借りる」

可愛げがあった。
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③の「素直」には著者の注釈がある。
「斜に構えず、何事もポジティブにとらえる」

これも松下幸之助が言っている。
「私は学校に行けず幸運だった」

負け惜しみではない。
ある種のパラドックスである。
学校を出ていない幸之助は、
わからないことばかりだった。
それを補うためには、
人に聞く以外にない。

これが「素直」である。

しつこい。
可愛げがある。
素直。

高原豪久さんは、
幸之助やサムことを、
言っているように聞こえる。

その幸之助とサムは、
誰もできないことをやり遂げた。

みどりの日風もみどりでありにけり

〈結城義晴〉

2021年05月03日(月曜日)

憲法記念日の田淵由美子「フランス窓便り」

Everybody! Good Monday!
[2021vol⑱]

2021年第18週。
ゴールデンウィーク真ん中あたり。
5月3日の憲法記念日。

毎年、憲法について考える。

昨年のブログは特に詳しく書いた。
憲法記念日の第二章「戦争放棄」と第九章「改正」
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読む気せず憲法記念日の社説
〈井出和幸〉

そこで各社の社説タイトル。

読売新聞。
「憲法記念日 新たな時代へ課題を直視せよ」

主張は最後の一文。
「与野党は、早期に改正案を成立させ、
本格的な憲法論議に着手すべきだ」

朝日新聞。
「コロナ下の記念日 憲法の価値
生かす努力こそ」

「憲法に忠実に従い、
日々の政権運営に生かす。
それこそが首相に課された責務である」

日経新聞。
「人権と公共の福祉をどう均衡させるのか」

「個人の自由と、
社会の平穏のバランスを
どう取ればよいのか。
コロナ禍での憲法記念日に
法制度のあり方を考えたい」

ここでもトレード・オンがテーマだ。

毎日新聞。
「コロナ下の自由と安全
民主社会の力を示したい」

「”自由か、安全か”の二者択一でなく、
“自由も、安全も”を追求する世界を
いかに実現するか。
民主社会の力が試されている」これもトレード・オンだ。
「読む気せず」か。

日経新聞の巻頭コラム
「春秋」

不思議な人をテーマにした。

「白塗りの洋館を借り
優雅に共同生活する3人の女子大学生――」

漫画家の田渕由美子。
1976年に発表した『フランス窓便り』
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少女漫画「りぼん」で活躍したのが、
陸奥A子、田渕由美子、太刀掛秀子。
私はみんな好きだったな。

しかし実は、
この「由美ちゃん」は、
私の親しい友人だ。

大学の童謡研究会の1年後輩。
1977年の「林檎ものがたり EPISODE II」では、
主人公に「結城君平」の名前を使ってくれた。

「フランス窓便り」は、
「今で言うシェアハウスを
先取りした作品だった」

「早稲田大学の現役学生だった
田渕さんの作品には、
キャンパスライフの描写が多い」

「古い校舎、並木道、喫茶店、
サークル活動」

このサークルがわれらの「童研」。

「おしゃれで優しい男女の学生が
対等に政治や映画を語り恋を楽しむ」

全然おしゃれではなかったけれど、
核マル派の友人はいた。
付き合いは薄かったが。

「読者である女子中高生の
早稲田人気を押し上げたそうだ」

そうか由美ちゃんはそんな貢献をしたか。

「現実の田渕さんの下宿は5畳の和室。
古い日本家屋で壁はベニヤ板だった」

笹塚のアパート。

私も招かれて行ったことがある。
そこで関西風の手料理をご馳走された。

少女漫画家の大スターだったが、
地味で堅実な生活ぶりで、
それでいてよく勉強していて、
頭もよかったし、
言うことは鋭かった。

観察力は抜群で、それが、
田淵由美子ワールドの底辺に流れていた。

コラム。
「80年代、現実は、
漫画を追うように変わった。
少女漫画調の白い喫茶店が増え、
90年代にはバブル崩壊で家賃が下落、
部屋にゆとりができ
インテリア・生活雑貨の
新興チェーン店が成長した」

ニトリや良品計画。

「昨年来のコロナ下でも
家具や部屋着の会社は好調だ。
在宅時間が増えたからと説明されるが
もっと大きな変化が底流にあったわけだ」

アル・ライズの言葉。
「波は短期的に
動揺と混乱を引き起こすが、
長期的には
波の下にある潮流のほうが
ずっと重要である」

「特に厳しいのが百貨店で
軒並み赤字に悩む」

「”百貨”の店なら
家具や家電で稼げばいいはずだが、
実は有力店ほど近年、
利益率が高い流行の服に
頼る構造が続いていた」

ここにはカテゴリーキラーの存在があった。
百貨店を少しずつ削り取られて、
狭いところに追い込まれた。

結局、デパ地下とブランド品の店となった。

「そこを外出自粛に直撃されたが、
大きな流れに目配りしていれば、
今ごろしゃれた机や便利な掃除機を
売ることもできた」

「選択と集中の怖さともいえる」

ん~、そうとも言い切れない。

商売は総合と専門の間で、
行ったり来たりする。

選択と集中は、
ドラッカーとジャック・ウェルチが唱えた。

自らの意思決定でするものだが、
百貨店は追い込まれていって、
「二貨」を選択せざるを得なくなった。

いま、東京文京区の弥生美術館で、
「田淵由美子展」が開催されている。

2月11日から6月6日まで。
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私も連休が明けたら行ってみようと思う。

では、みなさん、
ゴールデンウィークはもう少し。
今週も、コロナは時間を早める。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2021年05月02日(日曜日)

お菓子屋さんの「仲良き事は美しき哉」

2021年ゴールデンウィーク。
とても「ゴールデン」とは思えない。

このところ毎日のように書いている。
新型コロナウイルス新規感染者数。
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大阪府が1057人。
東京都が879人。

日曜日の発表にもかかわらず、
これだけ増えている。

大阪府を含む関西の2府4県の合計は、
1931人となった。
日曜日の発表として過去最多。

兵庫539人、京都164人、
奈良98人、和歌山39人、滋賀34人。

全国では5898人の新規感染者。
重症者は1050人。
過去最多を更新。

商人舎では、
ミドルマネジメント研修会を、
6月上旬に再開しようと考えていた。

会場も予約しておさえ、
先生方にも日程を空けていただいて、
準備は終わっている。

受講してくれる企業にもお知らせし、
一般にも公開して告知していた。

しかしこの連休が明けたら、
決めなければならない。

多分、今回も延期ということになる。

残念なことだ。

もちろん感染拡大防止が第一。
人の命が何よりも大切だ。

その命を守り、
命を育む活動を大前提にして、
他の活動をトレード・オンしていく。

だから商人舎は、
紙の媒体と網のメディアで、
研修の代わりをしていく。

今日の日曜日も、
月刊商人舎5月号の最終責了。

1日延びてしまった。

最近はなぜか、
疲れが溜まっている。

さて、糸井重里の「ほぼ日」
今日のダーリンはその巻頭エッセイ。

糸井さんが毎日書く。
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4月最後の日のエッセイに、
六花亭の小田豊さんの話が出てくる。

10年ほど前に糸井さんが、
六花亭を取材した。

小田豊さんは、
六花亭の二代目。

初代は小田豊四郎さんで、
商業界のエルダーだった。
つまり故倉本長治の愛弟子で、
商業界全国同友会の重鎮だった。

人格者だった。

その小田豊四郎さんが、
2006年8月に90歳で逝去され、
小田豊さんが亭主となる。

ほぼ日の糸井さんは、
この小田豊さんと交流してきた。

私ももちろん商業界のころ、
小田さんには大いにお世話になった。

糸井さん。
「小田さんと話していると、
いろんなお菓子屋さんの名が、
わりと自然によくでてくるのだ」

「世の中のいろんな業界では、
ぼくの知ってる限りでは
同業他社のことはあんまり
口に出さないように思う」

「だが、お菓子業界では
口に出すとか出さないとか以上に、
互いのお店や工場に
ご子息が修業に出ていたり、
他のお菓子屋さんの
見事な製造技術について、
敬意を込めて語ってくれたりする」

その通りです。

「これは、六花亭さんばかりでなく、
虎屋さんや、一六タルトさんやらと
話しているときも同じなのだった」

一六タルトの一六本舗当主は玉置泰さん。
こちらも商業界で学んだ会社だ。

「一六」の由来は、
明治16年創業だから。

スーパーマーケットも経営している。
愛媛県のセブンスター。

「7つの星」は、
「一六」の1と6を足し算して、
命名された社名、店名。

六花亭は、
「北海道なら雪だ。
雪なら六角だから六花だ」
ということで決まった。

小田さんに質問する糸井さん。
「お菓子屋さんどうしは、
仲がいいんですねぇ」

小田さんの答え。
「それぞれのお菓子が
別だからいいんでしょうかね」

糸井さん。
「どんなに人気のお菓子があったとしても、
日本中の人が一社だけのお菓子を
求めるはずはない」

「あれも、これも、みんなあるから
お菓子はたのしいのだ」

つまり、
「”競合して勝ち負けを繰り返して
独占に至る”…というようなことが
なかったというわけだ」

私の言葉で言えば、
こういったお菓子は、
「ノンコモディティ」だから、
レース型競争はない。
コンテスト型競争だ。

「お菓子で日本一になりたい」
という野心を持っても、
あちこちにいくつもの
“日本一”が存在してしまう」

「お菓子の世界は、
敵を食いつぶすことがなさそうなのだ」

もちろん工場で大量に製造される菓子は、
コモディティ化するから、
そんなことはない。

糸井さん。
「これ、ずっと、
なにかのヒントだ
と思って覚えている」

「もしかしたら、
甘いものばかりじゃなく、
日本酒の世界も?」

これも大量生産の酒はコモディティ、
日本名門酒会などの清酒はノンコモディティ。

しかし日本の商業の世界は、
全体に仲が良かったと思う。

倉本長治先生が、
「和を以て貴しとなす」を貫いた。
商業界ゼミナールがそれだった。
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その弟子ともいえる渥美俊一先生は、
ペガサスクラブをつくって、
クラブ会員同士を大いに交流させた。

私も商人舎も、
来る者は拒まず、
去る者は追わず。

仲良き事は美しき哉。
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今のようなチェーンストアとなる前は、
商業、小売業はもともとローカルな機能だった。

だから直接的な競合はなかった。

それでも意欲的な商人は、
地域を越えて学ぼうとした。

だから地域を超えて交流した。
アメリカやヨーロッパにも学んだ。

競争が激しくなってくると、
不思議なことに、
コモディティ中心の領域にも、
コンテスト型競争時代が訪れた。

「大和鶴間の陣」では、
イトーヨーカ堂とイオンが、
共同チラシを打つまでになった。

六花亭には社歌がある。
1988年3月 28日に発表された。
作詞・谷川俊太郎、作曲・:林光。
六花亭社歌

お菓子をつくろう 
力をあわせて
よもぎ わらび粉 桜の葉
くず粉 きいちご ふきのとう
大地のいろどりを
うつして 春から夏へ

手はえらび 手はまぜる
手はのばし 手はつつむ
手から手へ伝える安らぎの時

谷川さんの観察が細かい。
いい歌だ。

六花亭の工場では、
ごく一部の工程だけを機械が担当する。
基本的には、人の手でつくられる。

これは農業型ノンコモディティだ。

ゴールデンではない連休。
お菓子やお酒を楽しもうか。

〈結城義晴〉

2021年05月01日(土曜日)

夏も近づく八十八夜(♪)の「キャズム下の3つの教訓」

2021年の5月に入った。

一月、往ぬる。
二月、逃げる。
三月、去る。

早かった。

そして、
四月、しくじる、
だったか。
緊急事態宣言を発令せずを得なかった。

しかし私にとっては、
四月、仕上げる。

『コロナは時間を早める』を上梓した。
今、売り出し中。
covid19-banner_280x250px
今日の新型コロナウイルス新規感染者数。
東京は1050人ととうとう1000人を超えた。
大阪は1262人で過去最多。

五月は、いったいどうなるか。

今日も横浜商人舎オフィス。
車でやって来て、車で帰る。

月刊商人舎5月号の最後の詰め。
この雑誌を参照しました。
月刊販売革新2002年7月号。
IMG_29921
2002年2月・3月期の決算特集号。
つまり2001年度の実績。

21世紀がスタートしたときの、
日本の小売業やチェーンストアの全貌が、
克明に数字で記されている。
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もちろん編集長は結城義晴。

そして私は、
先に示したこの年の1月号で、
予言めいた巻頭言を書き、
それが20年を経過して、
今、現象化している。

その模様は商人舎5月号に書いた。

原稿を書いたり、
ゲラを読んだりすると、
どうも肩がこる。

そんなときはジーパンに、
ボーダーのバスクシャツ。
それが楽だ。
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シャツはセントジェームス。
パブロ・ピカソが愛したボートネック。
私も愛用している。

首回りがボートのような形。
ざっくりとした着心地で、とてもいい。

今日は「夏も近づく八十八夜♪」
立春から88日目に当たる。

文部省唱歌「茶摘み」

夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘ぢやないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠

㈱伊藤園特別顧問の江島祥仁さんから、
新茶が贈られてきて、
昨日、それを紹介した。
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八十八夜を目途に送ってくださる。
ありがたい。

さて、日経新聞「大機小機」
コラムニストは墨田川さん。
多分、正義感の強い学者。

テーマは、
「コロナ下の経済政策、3つの教訓」

実にいい。

昨年、実行されたものの、
最近ではほとんど、
議論の対象にならない政策。
その3つ施策を解析。

1つ目は、
「経済の落ち込みに対して、
需要追加型の景気対策を取ること」

2020年4~6月期の国内総生産(GDP)は、
大幅に減少した。

それを受けて、昨年12月には、
超大型の経済対策が打ち出された。

今年5月に発表されるGDPは、
再び大幅なマイナスになる。

しかし今回は、
「景気浮揚策を求める議論は出ていない」

2つ目は、「給付金の支給」

昨年4月、安倍晋三政権のもと、
全国民への一律10万円給付が決定された。
しかし、今年になってからは
給付金を配布すべきだとの議論は
ほとんどない。

3つ目は、「Go Toキャンペーン」
旅行産業・外食産業の救済対策として、
昨年7月以降、展開された。

菅義偉政権の目玉政策。

しかし、今年に入って、
Go Toキャンペーンの再開は、
議論に上らない。

なぜか。

「これらの政策は一見すると、
うまい政策に見えるものの、
コロナ下では必ずしも
適切ではなかったからだ」

そこで3つの教訓。

第1は、
「コロナ下の景気減速に対しては、
通常の需要刺激策は使えないことだ」

「無理に需要を拡大させると、
感染拡大リスクを高めるからだ」

だからこそ、
「トレード・オン」の考え方が必要だ。
これは小売流通業の実務にも当てはまる。

「結城義晴コロナ本」の主な提案のひとつだ。

第2は、
「できるだけデータを踏まえて、
どの程度の政策効果があるのかを
事前に検討しておくことだ」

内閣府の発表。
昨年4~6月期の家計貯蓄率は21.8%、
同7~9月期も11.3%。

かつてない高水準。

「10万円給付の大部分は
貯蓄されただけに終わった可能性が高い」

同感。

第3は、
「経済学の基本を踏まえた対応」

「コロナ危機下において、
旅行や外食需要を政策的に高めることは、
感染リスクを高める」

これは、
「”外部不経済”を生み出している経済活動に
補助金を出しているのと同じであり、
経済学の原理に反している」

PPM分析の「負け犬(dog)」に、
追加投資するようなものだ。

昨年末の景気対策のための約40兆円、
10万円給付の約12兆円、
Go Toキャンペーンの約1.7兆円。

いずれも財政資金が投じられた。

コラムニストは断じるが、優しい。
学者らしい。

「高い授業料を払ったのだから
その教訓は大切にしたい」

コロナ禍の「キャズム」期の政策は、
単純ではない。
つまりトレード・オフではない。

政治も経営も同じだ。

あちらを立てて、こちらも立てる。
トレード・オンである。

〈結城義晴〉

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流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

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