結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年12月22日(火曜日)

「2021年度予算案」と新年度予算づくりの「無知と楽観」

あと10日。
「コロナ年」が終わる。
N

今年の1月元旦に、
商人舎標語を発表した。
「世のため、人のため。」
202001_message

するとこの新型コロナウイルス禍。

エッセンシャルワーカーたちは、
まさに「世のため、人のため。」に、
働き続けた。

そこにはスーパーマーケットや、
ドラッグストア、コンビニの人たちもいた。

朝日新聞「折々のことば」
第2030回。
私たちは
自分の仕事を
全うするだけですので
感謝の言葉は要りません
ただ看護に
専念させて欲しいのです
(日本看護管理学会)
日本看護学会
12月10日付の声明、
「日本看護管理学会より国民の皆さまへ」から。
kanngokanrigakkai
コロナ禍対応に疲弊する医療現場。

看護学会は訴える。
「感染患者に
顔をすり寄せるようにして聞き、
看護にあたるスタッフは、
緊張と過労以上に、
時に家族にすら
業務の実態を隠さざるをえない、
社会の”偏見”に追いつめられている」

「欲しいのは理解と協力なのだ」

私の母も看護師だった。
だからこの声明はわかる。

仕事を全うしたい。
その気概こそが、
エッセンシャルワークを支える。

これは小売業もサービス業も同じだ。

毎日新聞巻頭コラム「余禄」
感染力が7割も強まった変異種が、
イギリスを襲い、ヨーロッパに広がる。

「まるでウイルスに狡猾(こうかつ)な悪意が
潜んでいるかのようだ」

同感だ。

「新開発のワクチン接種が始まったら、
すぐさまウイルスの変異による
感染力アップである」

「実のところ
ウイルスの悪意や狡知(こうち)と
見えるものの正体は、
自然の摂理に暴かれる
人の無知や楽観にほかなるまい」

我々の無知と楽観が、
ウイルスに付け込まれる。

菅義偉内閣が閣議決定した。
2021年度予算案
000072379
一般会計総額が約106兆6097億円。
過去最大を更新。
これが日本国の1年間を決める。

新聞各紙の社説から、
まず読売新聞社説の見出し。
「借金頼みの財政膨張は危うい」

「感染拡大が長引けば、
再び歳出圧力が強まりかねない。
査定の甘い補正で、
予算の増大を招く事態には注意が要る。
政府は、借金頼みの歳出増が
持続可能ではないことを、
肝に銘じるべきだ」

比較的、自民党政権に優しい読売も、
借金頼みの歳出増に警鐘を鳴らす。

日経新聞社説の見出し。
「財政規律の緩みを隠せぬ

「一般会計の総額は当初予算で
過去最高の106兆円超となり、
新規国債の発行で4割を賄う。
コロナ禍の克服と成長基盤の強化に
焦点を当てたのはいいが、
財政規律の緩みは隠せない」

こちらも財政規律の「緩み」を指摘した。

朝日新聞社説。
「財政規律のたが外れた」

いきなり言い切る。
「財政規律のたがが
外れてしまったと言うほかない」

「政府がきのう閣議決定した
来年度当初予算案と、
先週決めた今年度3次補正予算案である」

20年度の第3次補正予算と来年度予算案。
「たがが外れた」と糾弾した。

毎日新聞社説。
「コロナに乗じた野放図さ」

「新たに発行する国債は40兆円を超す。
今年度の当初予算より10兆円以上も多い。
国と地方の債務残高は1200兆円を上回り、
借金漬けが一段と深刻になる」

「暮らしを守る支出は
惜しむべきではない。
だからといって財政規律を
緩めていいわけではない」

「歳出を野放図に増やすと、
将来世代に重いつけを負わせる」

毎日は「野放図」と切り捨てる。
SbpS
先週木曜日の日経新聞。
「大機小機」
日経の看板コラム。
その中でも正論を吐くコラムニスト追分さん。
「経済対策規模、正しい議論を」

「政府は財政支出40兆円、
事業規模73.6兆円という
経済対策を決定した」

これが第3次補正予算案となった。

「これに関係し、
需給ギャップを目安にして
対策の規模を決めようという
議論が出たのには、
驚いた」

「需給ギャップは、
潜在的に実現可能な国内総生産(GDP)と、
現実のGDPとの差を測定したものである」

「7~9月期のGDPの一次速報値の公表後に
内閣府が推計した需給ギャップは、
約34兆円の需要不足となっていた」

「需要不足を政策的に埋める必要があるから
“34兆円程度の経済対策を”という
議論が出てきたようだ」

これにコラムニストは、
驚いた。

なぜこの議論が不適当か。
コラムニストは3つの観点から整理した。

⑴需要不足の全てを
財政で補うことは不可能だし、
目指すべきでもない。

「経済の大部分は民間の力で動いており、
まずは民間需要の自律的な回復が
どの程度かを考えるべきだ」

「大まかに考えて、
需給ギャップが大きい時には
景気対策に力を入れるべきだとは言えるが
要するに景気が悪いから、
というだけの話であり、
わざわざ需給ギャップを
持ち出す必要はない」

⑵参照すべき数値としても不適当だ。

「需給ギャップは
実質GDPについての議論で、
34兆円も実質値なのに
経済対策に登場する金額は
全て名目値である」

「また、34兆円の数値は
年率換算(実際のギャップの4倍)である。
これほど大きなギャップが
1年間続くはずはなく、
年率で議論する意味は乏しい」

⑶経済政策の効果と
34兆円の需給ギャップは
全く対応していない。

「そもそも
対策の効果が表れる頃に
需給ギャップは
異なったものとなっているはずだ」

「現に、7~9月期の二次速報は
GDP規模が上方修正されたので、
ギャップは14兆円程度に修正されるだろう」

「34兆円というギャップは
もはや存在しないのだ」

「さらに、日本経済は今後しばらく
潜在成長率を上回るスピードで
成長すると見込まれており、
需給ギャップはもっと
小さくなっていくはずだ」

これは心強い読みだ。

「また、
今回決定された経済対策の中には、
基金や予備費など、
いつ使われるのか不明のものや、
投融資のように、それが実行されても
需給ギャップの縮小には
つながらないような事項が
たくさん含まれている」

最後の言葉。
「GDPギャップの金額と経済対策の規模を
直線的に結びつけるという乱暴な議論は、
今回限りにしてほしいものだ」

コロナ禍に乗じて、
こんな乱暴な議論がまかり通った。

これが読売の「危うい」であるし、
日経の「緩み」であるし、
朝日の「たがが外れた」や、
毎日の「野放図」であろう。

「今回限り」などとは言っていられない。

しかし会社が新年度予算を決めるときに、
こんな「需給ギャップ」のごとき論議が、
持ち出されていないだろうか。

参照すべき数字は、
適切だろうか。

経済効果と矛盾してはいないだろうか。

「世のため、人のため。」となっているか。

何事も無知と楽観が、
付け込まれる原因である。

〈結城義晴〉

2020年12月21日(月曜日)

コロナ変異種によるロンドン・ロックダウンと全員共闘

Everybody! Good Monday!
[2020vol51]

2020年の第52週、12月第4週。
あと11日間で、
「コロナウイルス年」が終わる。

しかしCOVID-19の感染拡大は、
終わらない。

むしろ日本の場合、
第三波が過去最速のスピードで、
感染を広めている。

イギリスの首都ロンドン。
三度目のロックダウンとなる。

ロンドンが含まれるイギリス南部で、
感染力の高い変異種が広がっている。

ロンドンとその周辺の都市は、
「グレーターロンドン」と呼ばれる。
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この大ロンドンでは、
小売店舗の営業ができなくなる。
スーパーマーケットなどを例外として。
規制地域外への移動も禁じられる。

イギリスは12月2日に、
全国的な都市封鎖を解除した。

しかしその後、急速に感染が広がった。

この背景に「変異種」の拡散がある。
ボリス・ジョンソン首相がコメントした。
「古い型よりも最大70%感染力が高いとみられる」The Prime Minister Boris Johnson Portrait
しかし感染力が高ければ、
毒性は弱まるのが定説。

この変異種が、
重症化につながるエビデンスはないらしい。

しかしイギリスでは、
クリスマス特別措置も撤廃される。

ジョンソン首相。
「ウイルスが、
攻撃の仕方を変えるのであれば、
我々は対策を変えなければならない」

その通りだ。

しかしヨーロッパをはじめ世界中が、
イギリスからの変異種の侵入を、
食い止める措置を取り始めた。

日本ではまだ確認されていない。

コロナウイルスとの闘いは、
次々に新しい局面を迎えている。

日本にもいずれ入ってくる。
このことを前提として取り組まねばならない。

最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

来年もこのリスクマネジメントの手綱は、
緩められない。

ただしそのイギリスでも、
ワクチンの接種が始まった。
ファイザーとビオンテックが開発した。
これまでに35万人が接種を受けた。

ファイザーはアメリカの大手製薬会社、
ビオンテックはドイツの製薬ベンチャー。

イギリスの大手製薬会社アストラゼネカが、
オックスフォード大学と共同で、
ワクチンを開発している。

それもイギリスでは大いに期待されている。

感染力の強い変異種と、
ワクチンの開発。

コロナウイルス対人類の闘いは、
2021年も続けられる。

この闘いに私たちも参画している。
高い意識を持ち続けたい。

ワクチン開発は一部のエリートの闘いだが、
感染防止は大衆の、全員の共闘である。

コロナ年に人類が学んだことは、
その共闘の尊さであるはずだ。

さて今日は至。
北半球では最も昼が短い日。

これから少しずつ昼が長くなっていく。
その意味で期待が膨らんでいく前の、
底の日と考えていい。

今日は午後から東京駅。IMG_10500

東京駅前の丸の内側広場。IMG_10490

今年は暖かかったため、
丸の内の銀杏の葉はまだ散っていない。IMG_10450

大手町プレイスウエストタワーでも、
地下1階にクリスマスツリー。IMG_10470
私はこのビルの大手町プレイス内科で、
毎月、検査と診察を受けている。
主治医は田嶼尚子先生。
東京慈恵会医科大学名誉教授。

今日はちょっと、
検査の数字がよろしくないので、
先生から注意を受けた。

田嶼先生から叱られると、
私は俄然、やる気になる。

このところ、
集中力に欠けるところがあった。
それも体調に影響を受けたのだろう。

食事をしっかり管理し、
運動をして体の調子を整える。

年末年始の私の課題である。

私はマンスリーの目標を定めて、
それをクリアしていくのが得意だ。

月刊雑誌を45年も編集し続けて、
そんな習慣がついた。

しかし田嶼先生からはいつも、
的確な課題をいただける。

心から感謝している。

店頭での年末商戦は、
これからが本番だろう。

今週木曜のクリスマスイブと、
金曜のクリスマス。

そして土日曜の26日、27日から、
28日、29日、30日、31日と、
怒涛の年末際の商戦。
202011_kibun11
今年はとくに26・27の土日が鍵を握る。

三密を避けつつ、
ソーシャルディスタンシング。
マスクと手洗い。

COVID-19との世界レベルの共闘。
高い参画意識を持ち続けたい。

では、みなさん、今週も、
全員共闘で、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2020年12月20日(日曜日)

[日曜漫歩]自由が丘の花屋と陶器屋

日曜日の東京・自由が丘。IMG_10440

クリスマスツリーが飾られている。
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東京は12月17日に、
「年末年始 コロナ特別警報」が発せられたが、
人出は少なくない。
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いつもの花屋。
monceau fleurs(モンソーフルール)。
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パリで生まれた花屋が、
日本でフランチャイズ展開する。
その本店がこの自由が丘店。

この店でもクリスマスツリー。
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店頭には福袋。
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店内入口のステージは、
華やかにバラで飾られている。
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店舗の奥はこれも華やかなポインセチア。IMG_10380
フランス・パリ17区にあるモンソー公園。
その一角で誕生した花屋。

クリスマスは一年で一番の書き入れ時だ。

その隣に陶器屋。
ARTIFEX GALLARY。
アーティフェックス・ギャラリー。
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この自由が丘と浅草、吉祥寺に3店舗ある。

アウトレットセールを展開中で、
店内はちょっと混んでいる。
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入口のテーブルにはセール品。
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美濃焼の花紋五寸皿。
IMG_10160

左の壁沿いに在庫も陳列してある。
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これもなかなかいい。
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美濃焼のカフェボウル。
カフェオレを飲む器。
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これは米国クレート&バレルの商品。
スタッカート・カップ。
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美濃焼の小皿も美しい。
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大皿2枚と花紋五寸皿を、
衝動買いしてしまった。

大きな利益を生まなくても、
固定客がついていて、
その固定客たちが時々、
衝動買いする店。

そんな店が展開するアウトレットセール、
あるいはポップアップセール。

こんな商売も大いにありです。

〈結城義晴〉

2020年12月19日(土曜日)

「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」とIWBI世界認証

やらねばいけない仕事が山積しているが、
今日は「有志望年ゴルフ」
IDRの有志の皆さんが集まった。
IDRは一般社団法人流通問題研究協会。

名門大宮ゴルフコース。IMG_10020

パーティーは、
私の隣から川崎清さん、
玉生(たまにゅう)弘昌さん、
内田宗司さん。
IMG_09970

寒さと風。
しかし日が射して、
その日に当たっていると、
冬とも思えない陽気。

ゴルフ日和と言ってもいい。
今日は内田さんのホームコースでの開催。
大いにお世話になった。

1日ラウンドして、
新ぺリアの優勝は玉生さんだった。
玉生さんはベストグロスもとって、
良い打ち納めだったと思う。

おめでとうございます。
IMG_10050
私はどういうわけか散々なスコアだった。

防寒着は十分に用意したのだが、
スウィングやプレーにおける寒さ対策が、
必要だと反省した。

暖かいときのような、
フルスウィングをしてはいけない。

渋野日向子の全米女子オープンを思い出した。

さて新型コロナウイルス感染。
全国で2991人の新規感染。

東京都は736人でやはり圧倒的に多い。
全国の4分の1が東京都だ。

神奈川県が315人、大阪府が311人。
玉生さんも私も神奈川県人だが、
幸いにして感染していない。

愛知県が230人、
埼玉県が226人。

その埼玉の上尾からのニュース。

商人舎流通スーパーニュース。
イオンモールnews|
イオンモール上尾のコロナ対策が世界的評価を取得

「WELL Health-Safety Rating」は、
健康ビルディング認証団体のIWBIが、
今年6月に設けた評価システムだ。

IWBIは米国の公益企業である。
「The International WELL Building Institute」

アメリカには「公益企業」の制度がある。
社会のインフラを担うために、
その分野で寡占状態を認められた企業だ。

WELL Building Standardという認証制度は、
2014年にスタートしている。

人々の健康やウェルネスをサポートし、
高めることに貢献することを目的に、
建物・室内空間、コミュニティなどを、
検証し、測定して評価する 認証制度である。

もともとは米国デロス・リビング社が開発し、
それをIWBIが引き継いでいる。

そしてポスト・コロナに向けて、
IWBIが新たに設けたのが、
「WELL Health-Safety Rating」である。

このCOVID-19禍で、
来店者や従業員の健康と安全に配慮し、
どのように施設を管理・運営しているかを、
第三者検証機関によって審査する。
グローバル基準の評価である。

イオンモール上尾は、
国内の商業施設で初めてこの評価を得た。
20201217_aeonageo_02

もうひとつ7月1日のニュースだが、
イオンnews|
「イオン新型コロナウイルス防疫プロトコル」制定

「イオンが6月に制定した仕組みが、
「新型コロナウイルス防疫プロトコル」である。
ionbouekitikai
上尾のモールはこのプロトコルに則って、
施設内での飛沫感染と、
接触感染防止対策を講じた。
各出入口での安全対策や、
施設内の清掃管理体制なども徹底して、
基準に見合った管理・運営を行っている。

それが評価されたことになる。

イオンは日本最大の小売流通企業で、
私はコングロマーチャントと呼んでいるが、
こういった取り組みには必ず参画する。

それはトップ企業としての責任である。
そしてイオンはそれを果たしていると思う。

〈結城義晴〉

2020年12月18日(金曜日)

4月からの「総額表示義務」とヤオコー川野澄人社長の「個店経営」

12月に入って、寒波がやってきた。
関越道上りは雪で立ち往生。

関東地方では不気味な地震も続く。

商人舎オフィスのそばを流れる新田間川は、
横浜駅西口に近くなると、
幸川と名前を変える。IMG_09740

その川沿いの木立。
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葉は枯れて散って、
残った葉はわずか。
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パンジーは花を咲かせる。
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柚は葉の陰に。
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天を衝いて伸びる木々。
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こんもりと輪のように茂る木々。
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冬の空と木々。
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日経MJのダイジェスト記事が、
日本経済新聞本紙に載った。
「4月から総額表示義務」

本体価格表示を認める「特例法」の期限は、
来2021年3月末で切れてしまう。
消費税を含む「総額表示」の義務が生じる。

そこで日経は小売業・外食の47社に、
アンケート調査して32社から回答を得た。

「本体価格をメインに総額を併記する」
この回答をした企業が過半を占めた。

コロナ禍の景気不安によって、
消費者の節約志向は高まっている。

戦争になっても、
天変地異が起こっても、
節約志向は強まる。

日経の分析。
「併記の対応には
総額表示のみに切り替えることで
値上げした印象を持たれることへの
警戒がにじむ」

実際に、普通の営業をしている場合、
本体価格表示を総額表示に変えると、
売上げは落ちる。

総合スーパー、スーパーマーケット、
そしてドラッグストアの12社すべてが
4月以降、本体価格に総額を併記すると回答した。

たとえば首都圏のサミットは現在、
本体価格のみを表記しているが、
総額併記に改める予定だ。

4月からは少なくとも、
総額併記にしなければ、
法律違反となる。

しかし「併記」が全国的な大勢だ。

多分、イオンのコメントだろう。
「コロナ禍の景気不安から
消費者の価格志向が強まっている」

記事による併記が多い理由は、
「総額のみの表記に切り替えると、
値上げの印象を持たれて
消費者の購買行動に影響を与えかねない」

値上げの印象というよりも、
「高売りの印象」だろう。

これは本当に難しいテーマだ。

さて、㈱ヤオコー。
2020年度年末社長記者会見。
川越市の本社を、
ヤオコーではサポートセンターと呼ぶ。
その大会議室。

「密」を避けるように、
2mほどの間隔をあけて
30名ほどの記者が参加。
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私は行かなかった。

川野澄人社長。
45歳。

2020年度第3四半期までの政策を振り返り、
そのあとで2021年度の方針を語った。DSCN00880

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、
外出自粛要請などがあった。
外食産業も営業中止が相次いで、
巣ごもり消費は一段と高まった。

そこで、内食提供業の業態、
つまりスーパーマーケット各社は絶好調。

ヤオコーの既存店も、
4月から9月までは113.4%。
10月は104.1%、11月も108.0%と、
極めて堅調だ。

「当初計画の取り組みよりも、
コロナ対応を最優先にしました」

「来期はウィズコロナから、
アフターコロナへの移行期」

結城義晴はこの時期を、
「キャズム」と名づけた。

月刊商人舎11月号。
「キャズム」のなかの「トレード・オン」
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川野さん。
「若い世帯を中心に、
価格志向はさらに強まります。
一方で、ミドル・シニア世帯は、
ちょっといいものを食べたい
というニーズが強い」

「この2極化への対応が重要になります」

「チェーンストアとしての個店経営が、
ヤオコーの強みです」

この「個店経営」を、
真っ向から否定するコンサルタントも、
まだ、いるけれど。

川野さん。
「個店を強くしていく商売が求められる。
そのためには店長力の引き上げが必要です」

ロピアのように、
店長よりもチーフを、
中核に据える企業もあるが。

「チェーンストアとしては、
デリカ・生鮮センターや物流センターの、
インフラ構築によって、
省人化、省力化をより進めていきたい」DSCN00910

ヤオコーの2020年度は、
新設店5店、改装店10店舗だった。
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2021年度の計画は、
10店舗の新設、1店舗の改装。
新店はヤオコー9店舗で、
傘下のエイヴイ1店舗。

改装が少ない気もするが。

2020年3月期は、
ヤオコー単体では31期連続増収増益だった。
2021年3月期も間違いなく、
増収増益をクリアして32期連続となる。

しかし2022年3月期はまた、
その分ハードルが高くなる。

社内目標の増収増益は、
個店力と店長力のアップと、
10店舗の新店に託されることになる。

それでいいと思う。

しかしキャズムのあとは、
ブレイクスルーの政策が求められる。

〈結城義晴〉

2020年12月17日(木曜日)

日本標準産業分類のエッセンシャルワークと「Go Toトラベル」

東京都の新型コロナ新規感染者は、
過去最多の822人。
昨日の過去最多678人を140人以上、
21.2%も上回った。

このままでは、
1日1000人の大台を超えそうだ。

3日前の検査数は約1万1000件で、
これまで最多。

しかし東京都の担当者のコメント。
「検査数が増えたことだけが要因ではなく、
感染する人自体が増えている」

65歳以上の高齢者は112人。
こちらも過去最多。

全国統計でも、
過去最多の3214人。

東京医科大学の濱田篤郎教授。
「営業時間の短縮要請など
強い対策が取られているが、
人の動きはさほど変わっておらず、
感染が減少する要素が少ないのが現状だ」

商人舎流通スーパーニュースも、
[新型コロナ]のカテゴリーは、
今日だけで感染ニュースが19件。

北海道のコープさっぽろやセコマから、
沖縄のサンエーまで、
全国の店頭で感染者が判明した。

感染の勢いが止まらないと、
現場の感染リスクは増えるばかり。

スーパーマーケットやコンビニ、
総合スーパーやドラッグストアには、
営業自粛要請は来ない。

「エッセンシャルワーク」のひとつと言われる。
すなわち「必要不可欠な仕事」。

しかし農業も漁業も畜産業も、
製造業も卸売業も、
建設業も鉄道業も、
エッセンシャルなワークであると思う。

それなくしては、
たとえばスーパーマーケットも、
店や売場をつくることはできない。

総合スーパーもコンビニも、
ドラッグストアもホームセンターも、
商品を供給してくれる産業あってのものだ。

日本標準産業分類は、
総務省が体系を整理している。

立教大学大学院の講義で、
私はいつもこの産業分類からスタートした。

その大分類は20に分けられる。
⑴農業,林業
⑵漁業
⑶鉱業,採石業,砂利採取業
⑷建設業
⑸製造業
⑹電気・ガス・熱供給・水道業
⑺情報通信業
⑻運輸業,郵便業
⑼卸売業,小売業
⑽金融業,保険業
⑾不動産業,物品賃貸業
⑿学術研究,専門・技術サービス業
⒀宿泊業,飲食サービス業
⒁生活関連サービス業,娯楽業
⒂教育,学習支援業
⒃医療,福祉
⒄複合サービス事業
⒅サービス業(他に分類されないもの)
⒆公務(他に分類されるものを除く)
⒇分類不能の産業

たとえばスーパーマーケットは、
⑼の卸売業、小売業だが、
⑴の農業、⑵の漁業、⑷の製造業から、
商品供給を受ける。

ちなみにわが商人舎は、
⑿学術研究,専門・技術サービス業に含まれる

いま、話題の「Go Toトラベル」は、
主に⒀宿泊業、飲食サービス業を支援する。

しかし感染症拡大を防止し、
国民を守るエッセンシャルワークは、
⒃の医療、福祉であるし、
⑼の卸売業、小売業であるし、
⑻の運輸、郵便業であるし、
さらに⒆の公務である。

Go Toトラベルが、
⒀に焦点を当てているのは、
経済活動のほんの一部であることがわかる。

もちろんほとんどの産業が、
エッセンシャル・インダストリーである。

2020年12月2日の日経新聞。
「FINANCIAL TIMES」
マーティン・ウルフが長文を書いている。
FTのチーフ・エコノミクス・コメンテーター 。

タイトルは、
「人命重視が経済も救う」

新経済思考研究所(INET)の最近の論文。
「経済を救うためには、まず人を救え」
アメリカのシンクタンク。

この論文によると、
各国の新型コロナ対策は2つに分かれた。
①ウイルスを抑制するか
②経済のために一定の死者数を許すか
「大まかに、前者の方が
経済、死者のいずれにおいても
被害が少なかった」

「一方、人命を犠牲にした国は大抵、
多くの死者と大きな経済的被害を出している」

私もそう思う。

さて東急東横線横浜駅。

陶板レリーフ「VIVA YOKOHAMA」
2004年1月、絹谷幸二作。
IMG_08440
鉄道業もエッセンシャルワークだ。

そのとなりに、
「泣くな、絶望するな
守り抜けハマの食!」IMG_08450
「ハマの食」を守り抜くことも、
エッセンシャルワークである。

今日は午後から、
横浜商人舎オフィスで、
対談。

お相手は、片山隆さん。DSCN93320
片山さんは㈱寺岡精工の前社長。
退任して現在、コンサルタント。
RTKデザイン代表。

アメリカやヨーロッパ、
そして中国、日本の小売業について、
2時間近くも話し合った。

実に有意義な時間で、
昨日に続く対談で、
この1年考えていたことが、
どんどん姿を整えてきた。

ありがとうございました。
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「人命重視が経済も救う」
これが現時点の大原則だ。

〈結城義晴〉

2020年12月16日(水曜日)

商人舎1月号の4時間座談会と「勤務初日に抱いた違和感」

月刊商人舎12月号。
お陰様で大好評だ。
202012_contents
その12月号に関して、
Facebook Mailでお便りをいただいた。
㈱平和堂社長の平松正嗣さん。

12月号の記事の中で、
訂正しなければならないことがあった。
そのご指摘だ。

感謝したい。

特別企画
「旗艦店×進化的改革」
「コロナ禍」にもかかわらず難題に挑む
平和堂石山
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50年ぶりの建て替えで
「コンパクト総合スーパー」に挑んだ!

2020年11月12日(木)、
「平和堂石山」がオープンした。
2018年8月19日に旧平和堂石山店を閉鎖し、
2年3カ月かけて建て替え改装された店舗だ。

この記事の最後に、
「結城義晴の述懐」を書いた。

「故夏原平次郎会長の思い入れがこもった
“店番4″の石山の平和堂。
店番1は彦根銀座の創業の店、
店番2は南草津の店、
店番3は長浜駅前の店(現在、閉鎖)」

この店番2の「南草津の店」は、
「草津の店」で、現在は「くさつ平和堂」となっている。
店番3の長浜駅前店に関しては、
「現在、閉鎖」ではなく、
現在はモンデクール長浜である。

訂正して、お詫びしたい。

平松社長のご指摘はこの点だ。

「少し説明させてください。
6年前から、平和堂多店舗化の
1970年代~80年代の駅前多層階店舗の
S&Bを始めています。
現在の商圏を分析し直し、
新しいコンセプトの店にしています」

長浜は、1969年に開店した旧店舗を壊し、
モンデクール長浜として現在、
スクラップ&ビルドされているのだ。
〈写真は中日新聞より〉
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1階は、足元顧客のために、
食品中心のデイリー対応の売場。
2階は、長浜駅デッキに接続していて、
「おうみお土産小路」とカフェを設置した。
黒壁や北国街道などの、
琵琶湖の観光客を迎えるためにだ。

また平和堂米原店も、
スクラップ&ビルドされて、
先々週オープンした。
商圏が薄い地域であるために、
最小規模260坪の小型店となった。

近江八幡店も大津駅前店も、
スクラップ&ビルドした。

平松さん。
「平和堂の成長の原点の店を
自社の最新商圏に合った店として
再開発出来ていることは、
滋賀での平和堂のお客様との
距離の近さに支えられてきた結果と
思っております」

「地域密着を進化させた
“地域共創”の考えのもと、
今まで以上に地域とともに
地域の元気に貢献できる店として
運営してまいります」

「ほとんどが、市町村のまちづくりとも
連動しています」

実に平和堂らしくて、
いい戦略だと思う。

訂正してお詫びしたい。
平松さんともじっくり語り合いたいものだ。

商人舎12月号は単品販売をしている。

以下へお申し込みいただきたい。
lopia_banner_202012

さて今日は、
朝からオンライン会議。
㈱True Dataの取締役会。
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COVID-19感染拡大の中で、
ビッグデータはその重要性を増している。

しかもコロナ禍でも好調な2業態。
スーパーマーケットとドラッグストアの、
ID-POSデータをTrue Dataはベースにする。
お陰様で順調です。

午前中、自宅でオンライン会議をして、
午後は横浜商人舎オフィスに出社。

そして午後3時から、
月刊商人舎1月号の座談会。

なんと4時間以上もディスカッションした。
中断したり、空気入れ替えしたりしながら。

鈴木國朗さんは、
㈱アイダスグループ代表取締役社長。
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関智美さんは、
㈱クレオのマーケティング本部主任研究員。
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そして結城義晴は、
最後にGo! Go! ポーズ。
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司会は亀谷しづえ。
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先週の金曜日に、
群馬県前橋市をクリニックした。
ベイシア、ヤオコー、ベルク、
とりせん、フレッセイ、
そしてツルヤ。

ご協力くださった企業には、
感謝したい。

その膨大な情報を整理しつつ、
丁寧に詳細に議論した。
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私はこの座談会の中から、
極めて重要なことをつかんだ。

ツルヤの大繁盛の秘密だ。
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長々と話し合うことも、
こういった時には効果を出してくれる。

パネラーの皆さんに心から感謝したい。

それは月刊商人舎1月号で公開する。

座談会のあとは、
商人舎オフィスの裏のインドカレー店。
「Spice Garden」
IMG_09680
ありがとうございました。

なお、写真撮影の時には、
全員が一瞬、息を止めて写っている。

ご心配なく。

最後に今日の「折々のことば」
第2024回。

私は教師らしくない教師、
ジャーナリストらしくない
ジャーナリストたることを
わが処世術と心得ている
〈林達夫『十字路に立つ大学』より〉
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これ、同感です。

つまりは、
アカデミズムのようなジャーナリズム、
ジャーナリズムのようなアカデミズム。
私もこの処世術でやってきた。

「大学は
頭でっかちな教育の理想像に縛られ、
文化装置としての賢さを
確(しか)と発揮しえていない」

だから林達夫は、
「仕事の場をアマチュア精神で行く」。

1896年生まれ、1984年没。
東洋大学教授や立教大学講師を務め、
平凡社の編集責任者でもあった。

プロフェッショナルであることは、
極めて重要だ。

しかしアマチュア精神を、
忘れてはいけない。

編著者の鷲田清一さん。
「会社でも役所でも病院でも、
勤務初日に抱いた違和感を
持ち続けられるかどうかで、
そののちの仕事の質も決まる
と言えそう」

勤務初日に抱いた違和感。
これが大事だ。

〈結城義晴〉

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流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

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