結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年06月28日(日曜日)

モーツアルト、ピカソ、そして藤井聡太。棋聖戦完勝。

藤井聡太。

17歳。
将棋プロ棋士。
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私たちは2020年6月の今、
本物の天才を目の当たりにしている。

コロナ感染が世界中に拡大していようと、
天才は天才として成長している。

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト。
1756年、オーストリアのザルツブルクで生まれた。
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父親のレオポルトは、
宮廷ヴァイオリン奏者で、
宮廷室内作曲家・宮廷楽団の副学長。
クラヴィコードという銀盤楽器の名手だった。

モーツアルトには姉のナンネルがいて、
彼女のクラヴィコードの稽古を聴きながら育った。
モーツアルトは3歳から、
クラヴィコードを遊びで弾いていた。
コップの音程も聴き分けた。

4歳になると父親が本格的に教え始めた。
そしてめきめきと上達していった。

4歳のころのこと。
父親の音楽仲間が集まって、
弦楽三重奏の新曲を練習していた。

モーツァルトはそばで聴いていたが、
ヴァイオリンのパートが弾きたいと、
駄々をこねた。

そこで弾かせてみると、
それまで聴いていただけで、
習っていないはずのヴァイオリンを、
見事に弾いてしまった。

5歳頃には譜面も書いていた。

6歳のころには父とともにウィーンを旅した。
この際、マリア・テレジアの前で演奏し、
ひどく評判をとった。

7歳のときにはパリへ行って、
ルイ15世の前で演奏した。

8歳にはロンドンに渡って、
クリスチャン・バッハに指導を受けた。
そして14歳でローマ教皇から、
黄金拍車勲章を贈られた。

藤井聡太を見ていると、
モーツアルトの年少期を思う。

パブロ・ピカソは、
1881年スペインのマラガで生まれた。

ピカソが赤ん坊のころから、
言葉を覚えるより先に絵を描いた。

初めて喋った言葉は「ピス」。
スペイン語では鉛筆を「ラピス」というが、
その略語の幼児用語である。

父親は画家で美術教師。
ピカソは7歳からその父に、
ドローイングや油絵を本格的に教えられた。

ピカソが9歳で描いた絵。
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タイトルは「ル・ピカドール」

ピカドールは闘牛士。
馬に乗って槍で牛を刺す英雄。

色彩が素晴らしい。
ピカドールと馬のバランス、
馬の筋肉などが、
見事に描かれている。
バルセロナのピカソ美術館所蔵。

ピカソ12歳のドローイング。
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ピカソの父は繰り返し繰り返し、
石膏デッサンや巨匠の模写をさせた。

天才も真似から育つ。

13歳のころ、ピカソは、
鳩のスケッチを描きかけていた。
それを父が見つけて、
わが子の画力が自分を超えたと感じた。
そして父は絵を描くことを止めた。

そんなピカソの10代を伺うように、
私たちは藤井聡太を見ている。

その藤井聡太は、
2007年、愛知県瀬戸市に生まれた。

5歳のころ将棋を覚えた。
駒に動かし方が書いてある将棋セットがある。
それを祖母が買い与えた。

祖母と初心者同士で指したのが最初の対局。
しかしすぐに祖母を卒業し、
祖父が相手となったが、
数カ月後、地元の将棋教室に通い始めた。

父はサラリーマンで、兄が1人。
両親とも将棋は初心者。

将棋教室では詰め将棋を解き、
駒落ち定跡を覚えた。

藤井もこのころ字を覚えていなかった。
字を書くよりも先に将棋を指した。

幼稚園の誕生日カードには、
「名人になりたい」と書いた。

小学校1年の3月、
アマ初段で東海研修会に入会。
小学校3年のアマ四段のとき、
小学生名人戦の愛知県予選大会に出場、
決勝で敗れて号泣。

小学校4年の9月に、
プロへの登竜門の関西奨励会へ入会。

詰将棋解答選手権という全国大会がある。
日本将棋連盟と朝日新聞社が後援。

2004年に第1回が開催され、
プロもアマも参加する。

第10回大会までに、
宮田敦史七段が6回も優勝して、
将棋界で詰将棋の名人として名高い。

藤井聡太は8歳で初めて出場し、
13歳の5回目の参加で優勝した。
第12回大会である。

それ以降、現時点まで、
5連勝を成し遂げている。
13歳のころから、
プロたちも藤井にはかなわなくなった。

そして2016年、奨励会を卒業し、
史上最年少の14歳2カ月で、
四段に昇段し、プロ棋士となった。

プロ入り後は、
無敗のまま公式戦最多連勝記録を樹立、
29連勝の快挙だった。

中学生棋士としては史上5人目。
加藤一二三、谷川浩司、羽生善治、
そして渡辺明現三冠(36歳)。
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その渡辺明と棋聖戦第2局。
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後手番藤井の第1手は8四歩。
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この将棋でも妙手を2つ。
矢倉戦の5四金。棋聖戦妙手
解説の藤井猛九段も、
立会人の屋敷伸之九段も、
控室にいた佐藤康光将棋連盟会長も、
舌を巻いた一手。

さらに3一銀。
誰も予想しなかったし、
コンピュータもこの手は軽視した。
それが後になってみると、
燦然と輝きだす一手だった。棋聖戦2妙手

超天才の渡辺明棋聖も、
なぜか藤井の前では精彩を欠く。
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朝9時からこうして二人で向かい合って、
夕方の6時半過ぎまで。

互いのことが嫌というほどにわかってしまう対局。
渡辺は藤井の90手で投了した。
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藤井は今回、和服で臨んだ。
師匠の杉本昌隆八段(51歳)のプレゼント。
母親と師匠とで選んだ。

濃紺の着物に黒の羽織、
袴は仙台平(せんだいひら)。
若々しくて実にいい。
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私たちは今、
本物の天才を見ている。

モーツアルトのような、
ピカソのような、
藤井聡太。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2020年06月27日(土曜日)

「可処分時間・時間経済」と「幸せの”時間管理”」

アメリカのCOVID-19感染者数。
完全に第二波を迎えている。

ジョンズ・ホプキンス大学の集計では、
25日(木曜日)の1日で、
過去最多の約4万人が新規感染。

全米50州のうち、
カリフォルニア州やフロリダ州など、
29州で感染が拡大している。

重要なことだが、
「経済再開を急いだ州で拡大が目立つ」
日経新聞の野村優子さんが、
ニューヨークから報告している。

米国疾病対策センターのレッドフィールド所長。
「米国は新型コロナ感染者の
10%しかカウントしていない」

テキサス州のグレッグ・アボット知事は、
「経済再開の計画を一旦停止する」と発表。
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カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、
「我々は依然として、
パンデミックの第1の波にいる」
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ドナルド・トランプの集会など見ていても、
誰ひとりマスクをしていない。

甘~い。

一方、日本国内の感染者は、
午後9時時点で新たに92人。
死者は1人。

アメリカと比べると、
沈静化しているかに見えるが、
まだまだ油断はできない。

全国の感染者数は累計1万8471人、
死者は計972人。

東京都は57人、神奈川県は4人。
大阪府は2人。

東京は5月の緊急事態宣言とその解除、
そして東京アラートとその解除と、
営業自粛のステップ2から3へと、
都民を揺らしてきた。

人々の心が揺れてはいけない。
揺らしてはいけない。

さて日経新聞の「Deep Insight」
「時間経済」は商機か受難か
中山淳史コメンテーターが書く。

パーソル総合研究所が、
6月2日までの5日間に、
就業者2万人に調査。

在宅勤務の実施率は全国で約26%、
しかし継続希望者はそのうち、
7割近くにも達した。

そこでコメンテーター。
可処分所得ならぬ、
“可処分時間”

情報技術が発達し、
何時間もかかってやってきた煩雑な仕事を
コンピューターが代替する。

時間は絞り出され、
自由に使えるようになった。

月刊商人舎 2019年2月号特集は、
幸せの「時間管理」
タイムマネジメントとMHコントロール
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コロナ禍がそれをさらに顕著にした。

コメンテーターは移動の時間を推計する。
総務省の調査。
就業者の往復の通勤時間は
全国平均で1日約60分、
首都圏では90分。

会社に着いたあとも、
交通機関で移動する。
例えばタクシーの利用は、
首都圏は1人当たり平均30分前後。

これに会議など社内での移動時間がある。
すべて総計すると、
他の仕事に回せるようになる移動時間は、
2~3時間に上る可能性がある。

チェーンストアの本部スタッフやバイヤーも、
移動時間をどう活用するか。

さらにインターネットでのデータ交換で、
飛躍的に時間が節約された。
米アカマイ・テクノロジーズによると、
「日本国内の4月のデータ通信量は
前年同月に比べて58%増えた」

コロナがそれを助長した。
「地殻変動のけん引役は”時間”だ」

「長さや用途で多様な時間が生まれた」
つまり「細切れ時間」が生まれた。

そこで新産業が誕生する。
主役に躍り出た企業は、
Zoomのズーム・ビデオ・コミュニケーションズ。
さらにマイクロソフト、
ネットフリックス、
ウーバーテクノロジーズ、
アマゾン。

「時間経済」あるいは、
「時間資本主義」などと、
勝手に名づけられているが、
つまりは「細切れ時間」に、
1時間単位の「かたまり時間」も加わる。

ピーター・ドラッカーは言っている。
「時間をまとめよ。
かたまりにせよ」

それが可能となる。

ただしコメンテーター。
「時間経済がもたらすのは
福音だけではないかもしれない」

「便利な技術は今後も進歩し、
可処分時間が増える。
だが、その時間は
人間をより忙しくする可能性もある」

その通り。
それが、
「コロナは時間を早める」正体だ。

ここでコメンテーター。
「エクセルを思い出そう」。

計算業務は簡略化され、
可処分時間も増えたが、
人は計算から解放された一方で、
今まで問われることのなかった能力を
別の場所で発揮するよう、
求められることになった。

社会学者リチャード・フロリダ。
「ホワイトカラーは陳腐化し、
“クリエイティブ・クラス”という
新知的労働者層が台頭する時代が来た」
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ここでいう「クリエイティブ」とは、
「機械や陳腐化に負けない能力」という意味だ。

「増える可処分時間を使って
人は創造性をどう高めるか。
それが見えないと、
仕事をどんどんのみ込む情報技術革新の荒波を
生き残るのは難しい」

だからこそますます必須となるのは、
「タイムマネジメント」と、
「マンアワーコントロール」である。

「幸せの”時間管理”」である。

最後に[Message of February]
時間よ、止まれ!b
“Time is money”
〈アメリカ建国の父/ベンジャミン・フランクリン〉

「賢い人間は
時間を無駄にすることに
最も腹が立つ」
〈イタリアの詩人・哲学者/ダンテ・アリギエーリ〉

しかし、こんな言葉もある。
「珠玉の時間を無為に過ごさないようにと、
注意を受けたことがあるだろう。
そうなのだが、
無為に過ごすからこそ
珠玉の時間となるときもある」
〈イギリスの劇作家/ジェームス・マシュー・バリー〉

時間はなぜか二面性を持つ。
それが時間の特徴だ。

「労働は適時にはじめること。
享楽は適時に切り上げること」
〈ドイツの詩人/エマヌエル・ガイベル〉

「一番多忙な人間が、
一番多くの時間をもつ」
〈スイスの神学者/アレクサンドル・ビネ〉

これは真理だ。

私たちは誰もが、
「時間」の中で働き、学ぶ。
「時間」の中で休み、眠る。
「時間」で生きて、
「時間」で死ぬ。

「幻でかまわない
時間よ とまれ
生命のめまいの中で」
〈作詞家/山川啓介・作曲家/矢沢永吉〉

時間とは一生、付き合わねばならない。
その時間が止まった瞬間、
死が待っている。

だからこそ時間との向き合い方に、
ある種の決着をつけておきたい。
自分なりの羅針盤を携えておきたい。

仕事の時にもプライベートの時にも、
時間に対するマネジメント哲学をもって、
生きていきたい。

〈結城義晴〉

2020年06月26日(金曜日)

タモリの「絶対! 信用しない」とヤオコーの「おかげさまで連続増益」

タモリ。
「ワンチームだとか、
ウィンウィンだとか、
俺、絶対、信用しないんだよ」
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テレビ番組の「タモリ倶楽部」で、
森田一義がつぶやいた。
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「何者にもなろうとしなかった男」と、
称されるだけあって、
へそ曲がり。

しかし、タモリの発言、
実によくわかる。

何事も、
きれいごとだけで済ませてはいけない。

ワンチームもウィンウィンも、
結果として実現されると、
これ以上ないパワーを発揮する。

しかし口先だけでそれを唱えても、
なんの意味もない。

「店は客のためにある」
この標語も全く同じだった。

スローガンや名言といったものは、
例外なく、それだ。

だから私は、名言は嫌いだ。

ドラッカーの言葉を引用するときには、
もうドラッカーそのものは、
いつも書いているから、
それほど説明はいらないが、
それでもその文章を書いているときの、
背景や周辺の状況を説明しつつ、使う。

それ以外の人の言葉の場合は、
その人のことを説明してから、使う。
写真なども探して紹介する。

新聞などに書かれていた言葉は、
新聞記事に付け加えて解説する。

言葉だけ抜き出して使うのは、
これもたいてい、
我田引水やポピュリズムのときだ。

今年5月31日のこのブログ。
トランプの”looting⇒shooting”

ドナルド・トランプのツイート。
“When the looting starts, the shooting starts”
「略奪が始まれば、銃撃が始まる」
“looting”――略奪すること、
“shooting”――銃撃すること。
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1960年代のフロリダ州マイアミ。
人種差別的傾向が強い白人警官が、
黒人に対してどのような姿勢で臨むかと、
問われたときに答えたフレーズだが、
その後、公民権運動家たちから、
強く非難されてきた言葉だ。

それをトランプが使った。

それが現時点の世界の、
「人種差別」抗議デモにつながった。

ごろのいい言葉や、
ネットや本に書かれている名言を、
それだけ抜き出してくる文章は、
タモリではないが、
「俺、絶対、信用しないんだよ」

さて今週の日経新聞。
火曜日の記事「決算ランキング⑹」
連続増益・ヤオコー断トツの28期

㈱True Dataの株主総会でも、
一部取締役の間で話題になった。

というか、他の取締役から、
私に質問があった。

「平成不況、
リーマン・ショック、
東日本大震災、
新型コロナウイルスまん延――。
これら日本経済の危機を乗り越えて
連続増益を遂げてきた企業群がある」

日経新聞が[3月期決算の上場企業]を対象に、
連続増益のランキングを作成した。

「ヤオコーが断トツだった。
2020年3月期まで、
28期にわたって増益が途切れていない」
これは連結決算の統計だ。

2位の企業は14期連続だから、
ヤオコーは連結でも、
それら優秀企業の2倍の長さである。

リーマン・ショックがあったのは、
2009年3月期の決算だ。
この期を含む連続増益は、
ヤオコーとカカクコム、
イー・ギャランティの3社だけ。
イー・ギャランティは、
売掛債権の保証会社である。

商人舎流通SuperNews。
ヤオコーNews|
63期経常利益12.2%の31期連続増収増益

㈱ヤオコーは単体決算では、
31期連続増収増益なのだ。

1989年決算からの連続という快挙。
つまりバブル崩壊以降、
減収や減益がない。

日経の記事。
「同社の成長を振り返ると、
少子高齢化、労働力不足、
人口の都市集中といった
社会構造の変化を先取りして、
それぞれ”個食対応””外国人採用”
“都市型店開発”などに結びつけた
不断のカイゼンが見て取れる」

ヤオコーの5月の既存店売上高は、
前年同月比で19%増。
株価は上場来高値を更新。

それでも川野澄人社長は、
この会社の歴代社長と同じで、
29期連続の増益を楽観していない。
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そしてコメント。
「収入減少や将来不安から
節約志向が一気に強まることが想定される。
品ぞろえや提案を磨かなければ
生き残れない」

来年の決算期に、
このコロナ禍をはねのけて、
連続増益の記録を伸ばす企業は、
どのくらいあるのだろう。

連続2期以上の増益をした336社では、
「増益見通し」を発表しているのは、
69社と約2割にしかならない。

私は取締役会で質問されて、
自分のことのように誇らしかった。

しかし、振り返ってみると、
平成不況から、
リーマン・ショック、
東日本大震災、
新型コロナウイルスまん延――。
この間の連続増益はすごいことだ。

月刊商人舎2017年10月号。
特集は「中計病」の処方箋
川野幸夫会長にインタビューした。
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川野さんは最後に語った。
「ヤオコーの基本理念である”おかげさま”が、
やはりおおもとにあります。
つまり人は一人で生きているのではなく、
多くの方のお陰で生かされている。
だから、”おかげさまで”と
言われるような生き方をすることが
とても大切なのだと思います」

「おかげさまで」と言う言葉こそ、
口先だけで言っても意味はない。

「よくリベラルアーツと言われますが、
人間はそういうものが真に
備わっていないとだめです」

リベラルアーツは、
立教大学の信条でもある。

「ただ単に
商売のノウハウだけが勝っていても、
長い年月を考えると、
企業としても経営者としても、
みんながついてきてくれる
ということにはなりません」

「ノウハウを唯一
と思っている人にとっては
無駄なことに見えるかもしれないけれど、
哲学書や小説を読んでみることも必要です。
人間性をつくってくれます」

私は、それらを総称して、
「知識商人」と表現する。

タモリじゃないけど、
「おかげさまで」も、
口先だけなら、
「俺、絶対、信用しないんだよ」

そしてそれでは、
連続増益は実現できない。
数字が示してくれる。

〈結城義晴〉

2020年06月25日(木曜日)

「読む人・聞く人」「話す人・書く人」&「心地よい要素・真実な要素」

今日は一日中、
「聞くこと」に徹した。

もちろん聞いてから考えて、
それに答えて話す。

ピーター・ドラッカーは問う。
「自分が読む人間か、
それとも聞く人間か」
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理解の仕方に関する二つのタイプ。

「世の中には読み手と聞き手がいる。
しかも、その両方であるという人は、
ほとんどいない」

小売業やサービス業は、
聞く人が多いように感じられる。
実際に、聞く訓練ばかりしているから、
聞く人が多くなるのかもしれない。

しかしマニュアルが好きな人は、
読む人間だ。

スマホやメールで情報を得るのが好きな人も、
実は読む人間だ。

ドラッカーは書いている。
「講義、書物いろいろある。
大切なのはいかに学ぶかだ。
書物から学べない人がいる。
講義から学べない人もいる。
私の知る中には講義、書物ともに
学べない人さえいる」

つまり読む人でも聞く人でもない人。

この後が傑作。
「実は私もそうだ」

「私は教えることによってしか学べない」

「読む、聞く」が、
情報や知見のインプットの方法だとすれば、
「話す、書く」は、
アウトプットの方法だ。

コミュニケーションは、
この4つの方法で行われる。

「話すことと書くこと」に関しては、
ブレーズ・パスカルが「パンセ」に書いている。
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「話はうまいのだが、
書くのがへたな人というのがいる」
〈断章四七〉より。

私もずいぶんそういう人と出会ってきた。

「それは、話す場所があり、
聴衆がいることが、その人を熱くし、
その人の精神から多くを引きだすからだ」

話す人にとっては、
聞く人が必須なのだ。

誰も聞く人がいないのに話すのは、
落語家の稽古だ。

「ところが、話す場所や聴衆がいないと、
その人は熱くなれないので、
精神から何も出てこないのである」

しかし話す人は、
訓練次第で書く人になれる。
一定以上の書き手には、
誰でもなれる。

そして書く人も、
訓練次第で話す人になれる。

私は経験を通じて、
固くそう信じている。

パスカルは「雄弁」についても書いている。
「雄弁――
聞いていて心地よい要素と、
真実な要素の両方がなくてはならない」

「しかし、心地よい要素とは、
それ自体、真実な要素の中から
生まれてくるものなのだ」
〈断章二五〉

聞く人か読む人か、
書く人か話す人か。
書けて話せる人か。

自分がどちらの人間か、
あるいはどちらでもないかを、
知っておく必要がある。

自問自答してほしい。
それが仕事の成果を左右する。

私に関しては、
最近になって気づいたのだが、
「教えることによって学ぶ人間」だった。

ドラッカーには及びもつかないが。

さて、柳沼克彰さんとともにヒアリング。
つまり聞く人間となった。

柳沼さんはKMW㈱ユニットマネジャー。
ナレッジ・マーチャントワークス。DSCN94560
対象は近畿地区のブロックマネジャー4人。

しかし聞きつつ、
教えている自分に気づかされた。

サミット㈱本社を訪れて、
インタビュー。

加藤豊さん(中)。
総務部総務グループマネジャー。
広報室/社長秘書の植川肇さんが、
付き添ってくれた。DSCN94510
ここでは聞くことに徹したが、
やはり聞きつつ、話す。

とてもいい内容で、私は感動した。
ありがとうございました。DSCN94530
詳細は月刊商人舎7月号。

最後は㈱紀文食品本社へ。DSCN94580
緊急事態宣言が解除され、
東京アラートも停止されて、
久しぶりに情報交換。

私の隣から副社長の弓削渉さんと、
常務執行役員営業本部長の國松浩さん、
営業企画本部営業企画部部長の林直人さん。DSCN94590
ここでも聞いて、話して、
その相互の交換。

ありがとうございました。

COVID-19禍で、
「三密」を避けなければならない。
マスクをして、
会話はできるだけ控える。

これが続くと、
コミュニケーションは、
「読む」「書く」のサイドに、
ちょっとだけシフトするかもしれない。

もちろん、
オンラインでのcommunicationは、
「話す」「聞く」要素を補完してくれる。

しかしインターネットも、
読む・書くである。

動画が入ってくると、
話す・聞くもあるが。

確かなことが一つだけある。

それは、
コミュニケーションが、
変質してくることだ。

しかし変化したコミュニケーションも、
「心地よい要素」と「真実な要素」の、
両方がなくてはならない。

そして「心地よい要素」とは、
それ自体、「真実な要素」の中から
生まれてくるものなのだ。

〈結城義晴〉

2020年06月24日(水曜日)

柳井正さんの「京大基金」とそれぞれの”ノブレス・オブリージュ”

家を出て、
最寄りの駅のホームに立ったら、
スマホを忘れたことに気づいた。

取りに戻る時間もないし、
電話連絡しようにもその道具がない。
駅のホームには公衆電話がない。
しかたないと思った。

しかし行先までのルートと時間を、
あらためて確認しようと思ったら、
それもできない。

いつものように電車の中で、
スマホの新聞を読もうとしたら、
それもできない。

メールもできない。
写真も撮れない。
録音もできないし、
録画もできない。

取材や編集の仕事にならない。

日課の日々の詰将棋4題でもやって、
時間をつぶそうとしても、
それもできない。

何か調べ事をしようと思っても、
わざわざパソコンを出さねばならない。

私の携帯電話はiPhoneだが、
この道具に頼り切っていた。

いつからなのだろうと考える。

今回のCOVID-19禍で、
いつからなのだろうと、
振り返ることが多かった。

今日は㈱True Data株主総会。
第20回定時株主総会。

創業してから20年を経過する。
もと元の社名は、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱。
考えてみると私はこの会社に、
12年も関わっていることになる。

㈱商業界の代表取締役社長を退任して、
翌年に非常勤取締役として、
お招きいただいた。

それからの12年間でも、
ビッグデータマーケティングは、
産業社会の主流となった。

株主総会の場所は、
東京・浜松町の貿易センタービル。
カンファレンスセンター。

コロナ禍で株主の参加も少なく、
取締役も監査役も、
全員が総会会場に参列することもなく、
略式で総会は終わった。

その後、役員会。

もう21期がスタートしているが、
コロナの影響も少なくて、
トランスフォーメーションに取り組む。
困難なことはいつでも、
私たちに降りかかってくる。
頑張ろう。

その後、昨日と同じ、
コンサルティングへ。
今日は近畿地区のゼネラルマネジャー。

さて、柳井正さん。
㈱ファーストリテイリング会長兼社長。
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京都大学に総額100億円の寄付をする。

京大はこの資金をもとに、
「柳井基金」を設立。

本庶佑特別教授のがん免疫研究。
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山中伸弥教授のiPS細胞実用化研究。
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柳井基金から支援がなされる。

お二人ともノーベル賞受賞者だ。

本庶さんも柳井さんも、
ともに山口県出身で、
県立宇部高校の先輩後輩。

柳井さんは記者会見でコメントした。
「医学の最大の問題は、
がんとウイルスではないかと思っている。
今後、京大と一緒に研究できればうれしい」

「ノブレス・オブリージュ」
“noblesse oblige“はフランス語だが、
もともとはラテン語。
“Honos habet onus”
「ホノース・ハベト・オヌス」
直訳すれば「名誉は、重荷を、持つ」

塩野七生さんの「ローマ人の物語」に、
詳しく書いてある。

古代ローマでは、
皇帝や元老院議員などが、
道路や建物などの建築費を自腹で支払った。
つまり社会のインフラストラクチャー整備を、
持てる者が身銭を切って請け負った。

ユリウス・カエサルをはじめとして、
アウグストゥスもポンペイウスも、
ほとんど例外なく、
ホノース・ハベト・オヌスをした。

それがヨーロッパの貴族たちに引き継がれ、
さらに現代の成功者たちにも受け継がれた。

柳井さんの京大への寄付は、
ノブレス・オブリージュそのものだ。

イオン㈱名誉会長の岡田卓也さんも、
㈱イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さんも、
同じようにノブレス・オブリージュを、
自ら実践している。

㈱ヤオコー会長の川野幸夫さんも、
財団をつくったり美術館を設立したりして、
ノブレス・オブリージュをする。

柳井さんの、
がんとウイルスの研究への寄付は、
現時点で世界的に有意義なことだ。

率直に敬意を表したいし、
商売を仕事にしている人の代表として、
誇りにしたい。

一方、日本の政治家はと見ると、
自分の選挙のために政党助成金をばらまく。
自ら贈賄行為をしなくとも、
それを黙って見ている態度は、
同じ次元のものでしかない。

見事に対照的だ。

しかしノブレス・オブリージュは、
成功者だけのものではないと思う。

自分の身の丈に合った社会活動をする。
それもノブレス・オブリージュの精神だ。

恵まれない人たちに、
わずかでも募金をする。
これもノブレス・オブリージュだ。

東日本大震災で被災した子どもたちに、
チャリティー活動を行う。
これもノブレス・オブリージュだ。

毎週、駅のトイレ掃除をする。
これもノブレス・オブリージュだ。

私はどうも、
お金を稼ぐことに関しては、
意欲も才能も乏しいようだ。

そのかわりにわずかな知識や情報を、
ささやかに提供したいと思っている。
これもノブレス・オブリージュになるか。
胸を張れるほどのことではないけれど。

[今年の商人舎標語]
世のため、人のため。

ひとつひろえば、
ひとつだけ街が美しくなる。

1本植えれば、
1本だけ地球がよくなる。

ひとつ売れば、
ひとつだけ喜びが生まれる。

ひとつつくれば、
ひとつだけ価値が生じる。

ひとつ運べば、
ひとつだけ経済が回る。

世のため、
人のため。

客のため、
店のため。

街のため、
国のため。

母のため、
父のため。

子のため、
孫のため。

妻のため、
夫のため。

愛する人のため、
未来の人のため。

2020年代の初頭、
令和2年のはじまりに。

ひとつひろえば、
ひとつだけ街が美しくなる。

1本植えれば、
1本だけ地球がよくなる。

ひとつ売れば、
ひとつだけ喜びが生まれる。

世のため、
人のため。

客のため、
店のため。

己のため。2020_01tobira-448x292

新型コロナウイルスは、
「世のため、人のため」の精神も、
私たちに教えてくれた。

〈結城義晴〉

2020年06月23日(火曜日)

“Integrity/真摯さ”とチェーンストア現代化の作法

今週から商人舎も、
急に仕事が動き始めた。

昨日の月曜日は、
商人舎オフィスに、
鈴木國朗さんがやって来てくれた。IMG_73290
スーパーマーケットに関しては、
当代一の一流コンサルタント。
顧問先企業に対して、
極めて真摯に対応する。

ピーター・ドラッカーは、
マネジャーに必要な資質は、
Integrityであると言いきっている。

Integrityとは、
「高潔、誠実、清廉、完全な状態」。
英語ではHonestyをさらに突き詰めたもの。

故上田惇生先生は、
ドラッカーのIntegrityを、
「真摯さ」と訳した。

その「真摯さ」とは、
「まじめでひたむきなこと」

倉本長治先生は教える。
「損得より先に善悪を考えよう」
これはIntegrityである。

商業界の編集長のころ、
3年に1回くらいの頻度で、
特集を組んだ。
「コンサルタントの活用の仕方」

故川崎進一先生に、
メインの原稿を書いてもらった。
川崎先生も真摯さのない者は、
コンサルタントになってはいけないと、
強く指摘した。

故藪下雅治先生も、
コンサルタントの心得帳を書いた。
要約すれば「真摯さをもて」。

みんな故人となってしまったが。

それがないコンサルタントは、
詐欺師以下の存在だ。

ドラッカーの『マネジメント』より。
「インテグリティの欠如した者は、
人間という最も重要な資源を破壊し、
組織の精神を損ない、
業績を低下させる」

マネジャーやコンサルタントに限らない。
政治家も役人も、医者も科学者も、
アーティストもジャーナリストも、
Integrityがなければいけない。

その鈴木さんと、
真剣に論議した。
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私はコロナの中で生やした髭をいじりながら、
考えては話した。
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対談というのは、
インスピレーションのキャッチボール。
自分がもともと考えていたこと、
その考え方にひらめきが加わっったもの、
それらが次々に現れる。
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ソーシャルディスタンシング。
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全部終わってみると、
3時間くらい話していた。
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心から感謝。
月刊商人舎7月号。
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楽しみにしてください。

今日は朝から、
ZOOM会議。

㈱True Data社長の米倉裕之さん。
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そして外山敬晃さんと岡本佳子さん。

米倉さんや若い人たちから、
新しい時代の新しい事業について、
いろいろなことを教えてもらい、
そのうえで意見を交換した。

有意義だった。
感謝したい。

紫陽花の花が美しい。IMG_73900

今日は午後から、東京・神田。
コンサルティング。

私はあまりコンサルティングはやらない。

しかしヒアリングを繰り返して、
組織をどう改善するかの提案はする。

ドラッカーは、
オーストリアからイギリスにわたり、
アメリカにやって来て最初に、
ゼネラルモーターズを
コンサルティングした。

それは聞くことから始まった。
それが第3作目の著作となった。
『企業とは何か』
“Concept of the Corporation”
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私のやり方も同じだ。

ゼネラルマネジャー、
ブロックマネジャー。
合計で8人のマネジャーたちと、
ゆっくり話し合った。

古典的なチェーンストア理論は、
会社を急成長させるときには、
確かに役立った。

しかし会社が大きくなったり、
上場したりすると、
そこにほころびが出てくる。

ドラッカーは書いている。
「ある程度の規模や複雑さに達するや
摩擦が随所にみられるようになる。
急速に誤解と反目を生み、
やがて帝国と化す」
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そのほころびは、
ほとんどの大企業に共通している。

特別なことは少ない。
だからどう処方すればいいかは、
たいてい同じだ。

社内では標準化至上主義が、
声高に標榜されているのに、
その標準化が、実はできていない。

誤解の激しい「標準化」の意味が、
組織内で理解されていない。
認知されていないし、
納得されていない。

そして世界を見渡せば、
新しいチェーンストアの方法がある。
新しい「標準」の考え方がある。

鈴木敏文さんはそれを、
「脱チェーンストア」と言った。
㈱セブン&アイホールディングス前会長。

柳井正さんは、
「超チェーンストア」と呼ぶ。
もちろん㈱ファーストリテイリング会長兼社長。

そして川野幸夫さんは、
「チェーンストアとしての全員参加型個店経営」
㈱ヤオコー会長。

アメリカのトレーダー・ジョー。
コストコホールセール。
そしてスペインのメルカドーナ。

Harvard Business Reviewが評価した、
世界の「好循環小売企業」

これらのチェーンストアには、
日本の古典的チェーンストアにない、
現代化のManagementがある。
ドラッカーと上田惇生は、
「ポストモダンの作法」と称した。

私のこれからの役割の一つは、
旧いチェーンストアのほころびを、
繕って歩くことにあるのかもしれない。

〈結城義晴〉

2020年06月22日(月曜日)

柳井正「生活感が変わった」と倉本長治「高い値打ちと低い値段」

Everybody! Good Monday!
[2020vol㉕]

2020年第26週。
6月第4週。

昨日の夏至が過ぎ、
6月もあと1週間と2日。

中国・武漢のCOVID-19が、
WHOに報告されたのが、
昨年の大晦日だから、
もう半年が経過しようとしている。

夏至から小暑、大暑と、
ほぼ15日間ずつに区切られて、
季節が移っていく。

その間、
コロナの新規感染者を減らそう。
重病患者を救おう。
死者をなくそう。

フィジカルディスタンシングを、
堅守しよう。

マスク、手洗いの励行を続けよう。
自ら免疫力を高めよう。

そして秋以降の第二波があると想定して、
それに備えよう。

今日の日経新聞朝刊の「ニュース一言」
柳井正さんが登場。
㈱ファーストリテイリング会長兼社長。photolib_portrait13l
「新型コロナウイルスで、
生活感が変わった」

生活信条だとか、生活哲学といわれるものだ。

「これまでは服そのものが
ライフスタイルと思われていた」

だから衣料品分野は、
「ファッション」と呼ばれた。
㈱商業界のアパレル分野の雑誌は、
『ファッション販売』だった。

柳井用語の「服」そのものが、
流行を示すものだった。

「今後は自らのスタイルに合わせて
服を着る時代になっていく」

これを「ライフスタイル」という。

在宅勤務などが定着することによって、
「普段の生活を大事にする人が増える」

「ファッションも高価に着飾ることより
“家の中や外で自然に着られる服”が選ばれる」

だからユニクロは、
「生活に身近な究極の普段着を
追求していく」

倉本長治の88の言葉を集めた
『あきないの心』
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10番目の一節のタイトルは、
「商店への至上命令」

「黄金やダイヤモンドが貴重だとする
人間の考え方に何か
間違いがあるのではないか」

ズバリ、問題提起する。

「私には、空気や水の方が、
それらの稀有金属宝石などよりも、
人間にとって貴重だと思われるのだが、
誰もその空気や水に
高い値段を払うような人は
おらぬようである」

「モノの値打ちと値段が別なのがわかる」
その通りだ。

「ということは、値段の高い品、
めったに手に入りにくい品ほど、
人間の生活にあまり深刻な関係が
ないものだという意味に通じ、
その考えをよく考察すると、
商店というものが、
繁盛する一番の早道が
見つかるのではあるまいか」

「それは空気や水のように
誰でもが必要とし、
人間にとっての価値は高いが、
値段の低いモノを売ることだと
断じられそうである」

「すべての人にとって、
“高い値打ちがあり、
誰にも買える低い値段”
ということが、
人間すべての願望である以上、
これこそ商店経営者への
至上命令なのだと言えよう」
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柳井さんが目指す、
「生活に身近な究極の普段着」は、
これである。

チェーンストアが、
スーパーマーケットが、
真に追及し続けるものも、
「すべての人にとっての高い値打ち」と、
「誰にも買える低い値段」である。

それが「至上命令」である。

儲かる品ばかり追いかけてはならない。
至上命令を日々、探求しているうちに、
自然に儲かるものなのだ。

コロナはこの至上命令を、
あらためて教えてくれたと思う。
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では、みなさん、今週も、
「至上命令」を追求しよう。
Good Monday!

〈結城義晴〉

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