結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2025年02月04日(火曜日)

「米国の世紀の終わり」と「耳は大なるべく 口は小なるべし」

立春が過ぎても、
寒さは続く。

北極方面から寒波が、
対をなして二方向へ流れ込んでいる。

一方はカナダ東部方面へ、
そしてアメリカ北部へ。

もう一方がユーラシア大陸から、
日本列島へ。

私は今週木曜日からニューヨークに出張する。
16日間。

最低気温はずっと氷点下だ。
思いやられる。

しかし冬のニューヨークは、
いつもこんなもの。

覚悟はできている。

さてそのアメリカ。

日経新聞の経済欄エッセイ「大機小機」
「米国の世紀の終わり」
コラムニストは与次郎さん。

この欄は学者・ジャーナリストなどが、
匿名で書いているから、
ズバリと指摘する。

今回も納得できる。

1月20日、米国の第47代大統領に、
ドナルド・トランプが就任。

「米国の黄金時代が今始まる」と宣言した。

アメリカの1人当たりのGDPは、
1899年にイギリスを抜いた。

19世紀に大英帝国が世界に君臨した。
それに代わって米国が世界1位の経済大国となった。

しかしアメリカも、
「直ちに国際政治の表舞台に躍り出たわけではない」

2つの大戦に挟まれた1930年代、
世界は大恐慌に陥った。

経済学者キンドルバーガーは指摘した。
大恐慌の理由の一つは、
「経済大国となった米国が国際政治において、
しかるべきリーダーシップを
発揮しなかったからだ」

「しかし第2次世界大戦の終結時、
米国は自他共に認める国際社会の
リーダーとなっていた」

第2次大戦末期の1944年。
米国の避暑地ブレトンウッズで会議が開かれた。

イギリスは経済学者ケインズが率いていた。
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アメリカはこのケインズとともに、
関税を下げて自由貿易を推進する、
戦後のレジームを提唱した。

「ブレトンウッズ体制」である。

大恐慌の30年代に各国は、
自国産業を守るため高い関税を課し、
結果として世界貿易を縮小させて
対立の時代を招いた。

それへの反省があった。

「米国はこうした理念を実現すべく、
リーダーとしての役割を果たした」

ケネディ大統領が提唱して、
関税貿易一般協定(GATT)の交渉で、
各国の利害を調整して関税の引き下げを実現させた。
「ケネディ・ラウンド」と呼ばれる。
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これが大戦後の自由貿易体制の成果だった。

その後、米国は変容し、
日米貿易摩擦も起こした。

それでも、世界貿易機関(WTO)が、
十分には機能しないなかで、
地域的な貿易協定を進めるなど
自由貿易の旗を降ろさなかった。

しかし2期目のトランプ大統領の再登板で、
「自由で開かれた世界」のリーダーであった、
米国の時代は終焉した。

米国第一主義を唱えるトランプが、
最も重視する手段は関税だ。
「国際社会は一気に、
100年ほど前に戻ることになる」

そう、100年前に後退する。

国際政治学者ジョセフ・ナイ。
「米国の強さは経済力だけでなく、
『ソフトパワー』によって支えられている」
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コラムニスト。
「確かに、かつての米国には
そうした無形の魅力があった。
だから各国は『米国の世紀』を受け入れたのだ」

しかし、突然。
グリーンランドは自国のものであるべきだなどと、
米国大統領が公言する。

この不躾(ぶしつけ)に、
世界は眉をひそめた。

コラムニスト。
「こうして、米国は、
ソフトパワーも失うことになった」

「内向き」になろうとするアメリカは、
どう変わっていくのか。

もちろん米国チェーンストアの先進性は、
すぐに失われるものではない。
私たちはそれを実感しに行く。

大統領選挙のあと、
若いアメリカ人が言っていた。
「われわれの政治は、
スポーツのようなものだ」

勝ったり負けたりのスポーツか。
そんな軽いものなのか。

わかる気はする。

しかし「米国の世紀の終わり」が、
世界を変えることは確かだ。

朝日新聞「折々のことば」
第3333回。

耳は大なるべく
口は小なるべし
(ことわざ)

「情報は広範囲から得るのがよいが、
それを人に語るのは控えめにしたほうがいい」

ことわざとドラルド・トランプは正反対だ。

『新明解故事ことわざ辞典』から。
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くわえて「耳の楽しむ時は慎むべし」
(甘いことを言われるとつい判断を誤るから、
何事も慎重に)

サム・ウォルトンのことば。
Keep your ear to the ground!
〈地に耳をつけよ〉
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ウォルマートはずっと、
そうあってほしいと思う。

〈結城義晴〉

2025年02月03日(月曜日)

立春の「愚の上の愚」とヨーク・ホールディングスの「売却先」

Everyone, Good Monday!
[2025vol⑤]
2025年第6週。

立春。

それなのに横浜は寒い。

何事もなくて春たつあしたかな
〈井上士朗〉

「あした」は「朝」のこと。
何事もなく立春をむかえる朝である。

それもいい。

もう一句は、小林一茶。
還暦の年に詠んだ。
春立つや愚の上に又愚にかへる

立春は旧暦の正月に近い。
新しい年が来た。

一茶は愚の上にまた愚にかえる。
自虐的なようでいて、
達観したようでもある。

私は今日も横浜商人舎オフィス。
一日中、原稿に手を入れ、
あるいは自分で書く。

そして入稿。

じっと座ってばかりはいけないので、
例によってスクワット。IMG_0462 (002)
⑴深くゆっくりしゃがむスクワット35回。

⑵スロートレーニング20回。
深く、しっかりしゃがんで、
そこからゆっくり立ち上がってきて、
完全に立ち上がりきらずに、
またしゃがむ。

⑶しゃがんでから速く立つスクワット10回。

ああ、しんどい。
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れでも毎日3セットずつやっているので、
慣れてきて、楽しくなる。

さて日経新聞電子版。
「イトーヨーカ堂など売却交渉、
ヒューリックがKKRと連携」

㈱セブン&アイ・ホールディングス傘下の、
㈱ヨーク・ホールディングス。

イトーヨーカ堂、ヨークベニマルを中心に、
セブン&アイ・フードシステムズ、ロフト、
赤ちゃん本舗など31社。

2月末に売却の方針が出ているが、
米国投資ファンドのKKRが、
不動産会社のヒューリックと組んで、
買収提案をしたらしい。

KKRは西友の85%をもつ筆頭株主だが、
その西友株を売りに出して、
その売却益でヨークを買うようだ。

ヒューリックは、
ディベロッパー系の不動産会社として、
日本で6番目の規模の企業だ。
旧富士銀行(現みずほ銀行)系の不動産会社。

日経の情報網に入った。

ほかにはベインキャピタルと、
日本産業パートナーズが手を挙げている。
前者は米国投資ファンド、
後者は日本の投資ファンド。

昨年の1次入札を通過した3社が、
1月末までに応札した。

セブン&アイは各社の正式提案をもとに、
春までに1社に優先交渉権を与える予定。

いずれにしても投資ファンドが、
ヨーク・ホールディングスを買おうとしている。

嫌な気分だ。

会社は誰のためにあるのか?
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いつも書くけれど、
イトーヨーカ堂やヨークベニマルの幹部・社員は、
どんな気持ちなのだろう。

イトーヨーカ堂は業績不振だが、
ヨークベニマルは問題はない。

ただセブン&アイの子会社になってしまった。
それだけで勝手に売り買いの対象にされている。

ドナルド・トランプ大統領が、
さまざまな大統領令に署名して、
カナダ・メキシコ・中国などの関税を上げる。

カナダ・メキシコは25%、
中国は10%の追加関税を課す。

アメリカ自身を加えて、
関係する4カ国でGDPが目減りする。
年間90兆円規模。

そのうち半分は米国自身が負う可能性がある。
これも日経の記事だが、
世界経済に波乱が巻き起こる。

それが日本の株価まで下げている。

ファンドにとって、
会社という商品を買いやすい状況が生まれる。

それも大いに迷惑だ。

一方で、西友の売却期限も迫っている。

何事もない立春ではなくて、
愚の上に愚にかえる立春である。

それでもわれわれはいつも、
顧客を向いて仕事をしたい。

ちいさな喜び、つくります。
ささやかな幸せ、ご提供。
あすへの希望、つむぎます。

では、みなさん、今週も、
あすへの希望を。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2025年02月02日(日曜日)

節分「恵方巻・手巻き寿司」と藤井聡太「神の手」/原稿用紙の「効用」

2025節分。
明日は立春。

今年は2月2日のゾロ目の日曜日となった。

けれど今冬一番の寒気が、
日本列島に南下してきた。

ライフ中原井田店。

鮮魚売場は手巻き寿司セットを売り込んだ。
円形のトレーは1380円。
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四角い大型トレーは1680円。IMG_0455 (002)

惣菜売場は寿司コーナーを2倍に広げた。
そして平ケースは恵方巻。
1本ものとハーフを半々くらい。

恵方巻と手巻き寿司。
徹底して売り込んだ。

今日は朝から、
第50回将棋棋王戦。
その第一局。
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藤井聡太棋王に増田康宏八段が挑む。
持ち時間それぞれ4時間の1日制の対局。
5番勝負の第一戦。

ときどきパソコンとスマホで、
AbemaTVを開いて観戦。

手が進むたびに覗いた。

藤井棋王は22歳。
現在、タイトル七冠。

2023年に史上初の全八冠独占。

叡王のタイトルだけ、
同年の伊藤匠に奪われて、
今、七冠。

棋王戦は2022年度に、
当時の渡辺明棋王に挑戦。
3勝1敗で破ってタイトル奪取。
今期は3連覇に挑む。

増田八段は27歳。

「藤井が西の天才、増田は東の天才」
そう呼ばれたこともある。

東京都昭島市出身。

2024年度に順位戦のA級にランクイン。

棋王戦参戦10期目となる今期、
タイトル初挑戦を決めた。

注目の一戦だ。
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角換わり相腰掛銀の戦型。
増田が新工夫を見せて、
中盤までリードした。
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しかし終盤、増田にわずかに緩い手が出ると、
藤井が逆転して一気に優勢に持ち込む。
そしてそのまま藤井曲線で勝利。
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読みの深さが他を圧している。

今、藤井聡太と同時代に生きている。
大谷翔平とも井上尚弥とも。

それは幸せなことなのだと思う。

さて1日中、とびとび将棋観戦。

一歩も外に出ず、
原稿執筆に勤しんだ。

日経新聞夕刊「あすへの話題」
作家の荻原浩さんの1月30日のエッセイ。
「原稿用紙、1枚2枚」 

「昔の文豪のポートレートでは
万年筆を手に
原稿用紙に向かっている姿を
よく目にするが、
私は文豪ではないし、
いちおう昔の人というほどでもないので、
原稿はパソコンで書いている」

私も。

「ほとんどの小説家が
キーボードを叩いて文章を書いているのに、
小説の世界では、なぜか、
文字の分量を表す単位は、
いまだに原稿用紙換算だ」

原稿料の支払いも。

「20字×20行の400文字が1枚で、
何枚を書くとか、書いたとか、
というやり取りをするのが、普通」

私も自分の名前の入った商人舎の原稿用紙に、
何枚書いた、とやっていた。
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「著者渾身の大作、1200枚!!」
「一挙150枚掲載」

このときの「枚」は原稿用紙の1枚2枚。

萩原さん。
「新聞の連載小説は、1日分が原稿用紙2枚半弱。
週刊誌連載は経験上は毎週15~17枚。
月刊小説誌の場合、50~60枚をメドにしている」

「こういう枚数って、書きはじめる時には、
『○枚かあ。ずいぶん多いな』
と思うのだが、書き進めるうちに、
なぜか毎回、文字数がオーバーしそうになるのだ」

「このコラムも気づけば、
ああ、残り1行。また来週」

このエッセイ。
ネタがないときの常道。

いわゆる原稿用紙ネタ。

わかる‼

私は今「何枚」を卒業した。

「何文字」

ブログは今年の初めに、
1000字から1500字と宣言した。
2000字を超えることもある。

1000字は原稿用紙2枚半。
やはり短い。

1500字は3枚と4分の3。
2000字は5枚。

雑誌に書くときは、
4ページで5000字くらい。
原稿用紙にすると12枚ちょっと。

いい具合だ。

以前は1本1万字くらいだった。
原稿用紙で25枚。
雑誌原稿では大作だ。

思い返せば、
立教大学院で指導した院生の修士論文が、
最少で4万字だった。

結城ゼミでは、
10万字を書き連ねた豪の者がいた。
そのころから私も「原稿用紙何枚」を卒業した。

20代から30代のころは、
原稿1枚について会社から500円が支給された。
毎月100枚書けば5万円だった。

私は少なくとも年間に1000枚以上は書いた。

原稿料が欲しかったわけではない。
取材したり座談会を開いたりして、
それを原稿にして雑誌に載せたら、
自然にそうなった。

万年筆かボールペンテルで、
筆圧強く、原稿用紙に書き込んでいく。

中指にペン蛸ができた。

1時間に4、5枚。
2時間で8枚から10枚。
3時間で1本。

そんなペース。

原稿書きの仕事は、
本来、出来栄え管理なのだが、
原稿用紙に書いていくと、
出来高管理の気分になる。

それはそれで、
「やったー」「書いたー」の心持ちになって、
いいもんだった。

原稿用紙には効用がある。

出来栄えという「質」の仕事と、
出来高という「量」の仕事。

「量と質」には、
単純には言い表せない、
不思議な関係があるのだ。

〈結城義晴〉

2025年02月01日(土曜日)

「正答」という値札は豆の中に埋まっていていい。

2月1日。

如月や値札ふかぶか豆の中
〈中村草田男〉

節分の豆の販売だろうか。
量り売りなのだろう。
値札が深々と豆の中に埋まっている。

もう一句。
約束はひかへ目にして如月は
〈稲畑汀子〉

2月の約束は控えめに。

私は2月6日(木)からニューヨーク。
帰国は21日(金)。

だから約束も控えめだ。

その前に月刊商人舎2月号を仕上げる。
だから今日も出社して原稿執筆。

今月は現場の問題に取り組んだ。
なかなかいい特集になってきている。

いつもいつもモノづくりには、
「これでいい」という限界はない。

「もっともっと」と上を目指す。
時間はいくらあっても足りない。

夜食はパスタハウス。

大いに満足。
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疲れも癒される。
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朝日新聞「折々のことば」
第3325回。

真理はひとつ、これだ、と言って
自分の中にあるものを示す説き方に、
私はうたがいをもつ。
〈鶴見俊輔〉
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鶴見俊輔は、
1922年(大正11年)生まれ。
ダイエーの中内さんと同じ年。

リベラルな立場で論壇を牽引した。
2015年に93歳で亡くなったが、
そんなに長生きだったのかと思ったりする。

「生徒が誤った答えをした時、
間違いを指摘し、
唯一の正答へ導こうとする教師と、
そこに『別の問題への芽ばえ』を感じ、
問いの別の途(みち)を
ともに歩もうとする教師がいる」

「問いはいろいろな形に成長し、
枝分かれしてゆくもの」

「真理を囲い込まずに、
間違いをどう活かすか考えるほうが
望ましい」

『教育再定義への試み』から。
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同感だ。

とくに仕事や商売の場合、
「唯一の正答」などない。

「問いはいろいろな形に成長し、
枝分かれしていく」

だから私は、
「チェーンストアはこうでなければならない」
という言説に疑いをもつ。

メーカーはこうでなければならん。
商社は、問屋はこうあるべきだ。

そんなことにも疑いをもつのがいい。

もちろんそれらは、
仕事の「原理原則」を、
無視してよいということではない。

「真理」を囲い込んではならない。

そしてこの「疑い」をもつところから、
ポジショニング戦略が生まれてくる。
ポジショニングは様々でいい。

「それぞれのドラッカー」でよろしい。

意外かと思われるかもしれないが、
鶴見さんは漫画「がきデカ」を評価した。
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「『がきデカ』の主人公は、
ムキダシの欲望であばれ回る少年です」

「自分の欲望に従って生きようという
がきデカが増えたことが
ファシズムの防波堤になる、と思う」

「簡単に、命令一下の体制に
追い込むわけにはいかないですよ」

1994年には、
コンビニエンスストアも認めた。
セブン-イレブンは1万3923店だった。

「私はコンビニに期待する。
単なる消費者民主主義というが、
たいしたもんです」

セブン-イレブンに限らず、
チェーンストアは言葉そのままに、
消費者民主主義でなければならない。

これにも同感だ。

「真理」や「正答」という値札は、
豆のなかに埋(うず)まっていて、いい。

2月も私はそう考えていたい。
そういう原稿を書き続けたい。

〈結城義晴〉

2025年01月31日(金曜日)

日本小売業協会賀詞交換会の「消費者の脱デフレマインド道半ば」

1月最後の日。

月刊商人舎の入稿も佳境に入った。
朝からデスクに向かって、
ひたすら執筆。

悩みに悩んで、
方向性が決まってくると、
集中して一気呵成に終わりまで書ける。

それでもずっと椅子に座っていると、
足の先からふくらはぎにかけて、
冷たく感じるようになってくる。

そこで始めるのが、
谷本道哉式スクワット。
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⑴奥深くしゃがむスクワット33回。
⑵スロートレーニングを15回。
⑶しゃがんでから速く立つスクワット10回。

時間がないときには⑶は省く。
もっと時間や気力がないときには⑵も省く。

けれど⑴は必ず1日に3セットやる。IMG_0420
三度目には⑴を34回。
そうすれば1日100回となる。

毎日、1回ずつ増やしていく。

昼過ぎにスクワットして、
夕方の3時ごろに原稿を1本仕上げた。

そして3時45分に会社を出て、
東京・丸の内の東京會舘へ。
ちょっと恥ずかしいけれど、
駅のホームでもスクワット。

一般社団法人日本小売業協会、
賀詞交換会。
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野本弘文協会会長のごあいさつ。
東急㈱代表取締役会長。IMG_0422
2025年の情勢を分析して、
協会の活動を報告した。

来年10月には、
第22回アジア太平洋小売業者大会が、
東京で開催される。
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野本会長はこの大会に力を入れている。

来賓ごあいさつは
日本商工会議所会頭の小林健さん。
三菱商事㈱相談役。IMG_0427
日商でも今年は賃上げの話題がもちきりだ。
小林さんは指摘する。
「防衛的賃上げが6割を占める。
消費者の脱デフレマインドは道半ば」

その通りだ。

乾杯のご発声は、
好本達也協会副会長。
J.フロント リテイリング㈱取締役。
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好本さんがアジア太平洋大会の委員長。

元気に「乾杯!!」

それから懇親。

まず山本慎一郎さん。
小売業協会のCIO研究会座長。
㈱カスミ前社長で、
USMH㈱執行役員経営戦略本部長兼デジタル本部長。
ゴルフ「立心の会」の仲間だ。IMG_0435
日本小売業協会は商品マスターの整備に取り組む。
その中心となって活躍している。

㈱ライフコーポレーションの森下留寿さん(中)。
取締役専務執行役員 。
江口法生さん(左)は、
日本スーパーマーケット協会専務理事。IMG_0439
森下さんとはライフの繁盛店の話をした。

日本チェーンストア協会会長の尾﨑英雄さん。
㈱フジ代表取締役会長。IMG_0443
チェーン協会長の大役、
ありがとうございます。

玉生弘昌さんは昨年10月に、
㈱プラネット会長をご退任。
そこで名前だけの名刺をいただいた。
1枚1000円也の高級名刺。
一般社団法人流通問題研究協会会長、
㈱True Dataの取締役。IMG_0437
3月になったらゴルフしましょう。

矢野靖二さんは、
㈱大創産業社長。
3ブランド複合出店が絶好調。
「DAISO」「Standard Products by DAISO」、
そして「THREEPPY」。IMG_0441
矢野さんには私なりの経営の考え方をひとくさり。

泉田幸雄さんは協会副会長で、
日本ボランタリーチェーン協会名誉会長。
小林英文さんは日本小売業協会専務理事。IMG_0449

そしていつもお若い増井徳太郎さん。
全国スーパーマーケット協会副会長。IMG_0452

㈱伊藤園フードサービスのお二人。
唐沢進治社長(中)と山下一秀さん(左)。
山下さんは営業本部副本部長。IMG_0446

小池百合子東京都知事も駆けつけて、
淀みなくスピーチした。IMG_0445

最後の最後は野本会長とツーショット。IMG_0451
商業界の二月ゼミでは基調講演をしていただいた。
福岡の原田政照さんが運営委員長のときだ。

原田さんは惣菜の㈱MHホールディングス会長で、
野本さんとは小学校から高校まで同窓。
実家は同じ商店街で商いをしていた間柄。

日本小売業協会は、
1978年に設立された。
初代会長には永野重雄さんが就任。
新日本製鐵会長で、
経済同友会代表幹事・日本商工会議所会頭。
財界四天王と呼ばれた。

1984年に就任した第2代会長は、
五島昇さんで、これまた、
財界四天王のおひとり。
日本商工会議所会頭、東急電鉄社長・会長。

日本小売業協会は、
凄い人たちがつくった協会なのだ。

第3代は三越会長だった市原晃さん。

そして第4代会長はジャスコ会長の岡田卓也さん。
チェーンストアからの会長だった。

第5代は伊勢丹社長の小柴和正さん、
第6代は再び三越会長の中村胤夫さん、
百貨店からの会長が続いた。

そして第7代がサークルKサンクスの土方清さん。
コンビニエンスストアからの会長。

第8代会長は故清水信次さん。
スーパーマーケット協会会長、
日本チェーンストア協会会長など歴任。
もちろんライフコーポレーション会長。

野本さんは第9代会長だ。
第2代の五島さんの系譜といえる。

毎年、この日本小売業協会賀詞交歓会で、
業界の新年会が幕を下ろす。

閉会してから東京會舘下のタリーズで、
流通科学大学教授の白鳥和生さんと、
さまざまな情勢について語り合った。
とくにM&Aの情報交換は意義があった。

二人とも一応、「情報通」なのだ。
ただし、内容は秘密。

明日から2月だ。

最後に朝日新聞「折々のことば」
第3331回。

できるはずだと
思い上がるから、

行き詰まるんです。
〈篠田桃紅(とうこう)『これでおしまい』から〉
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「永遠にやったって、
できないに決まっていること」を、
自分はやっているから、
行き詰ることがないと、
107歳のときの書家は言った。

御意。

〈結城義晴〉

2025年01月30日(木曜日)

2025日本惣菜協会賀詞交歓会と惣菜の「Mass Customization」

朝から東京・自由が丘。
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並木道の木々も葉が落ちて「裸木」。
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いつもの花屋。
モンソーフルール。
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花屋のマーチャンダイジングは、
季節感が最大テーマだ。
それが完璧にできている。
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さて、ちょうど1週間前の1月23日の報告。

日本惣菜協会2025年賀詞交歓会。
会場は東京會舘。

私は大阪で万代知識商人大学修了式に出ていた。
だから山本恭広編集長が参加した。

いまや市場規模10兆円を超える中食産業。
産業の中心となる協会は2024年12月時点で、
正会員、賛助会員、協力会員、
合わせて710社となった。

伸びる協会。
市場の伸びがそれを支えている。

私は1995年から、
農林水産省「中食市場動態調査研究会」に参加した。
故田内幸一先生を座長とした専門委員会だった。

田内先生は一橋大学を定年退官して、
日本大学商学部教授に就任されていた。

内食と外食に対して、
中食市場が拡大するとの結論だった。
それがどう成長するのか、
どんな問題が待ち構えているのか。

そんなことを議論した。

この研究会で岩田弘三さんと親しくなった。
ロック・フィールド会長。

それから30年。

中食市場と惣菜マーチャンダイジングは、
想像を超えた発展をした。

中食産業に関しては、
月刊商人舎7月号で特集した。
「惣菜センター革新」
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日本惣菜協会専務理事の清水誠三さんには、
11兆円を目前にした中食産業について、
丁寧に語ってもらった。shoninsha2407

フルックスグループ代表の黒田久一さんには、
実務家の視点から惣菜の潮流を語ってもらった。
協会副会長。
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交歓会会場は東京會舘3階のローズ。sozai_party

開会あいさつは協会会長の平井浩一郎さん。
㈱ヒライの社長。
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熊本県中心に福岡・大分・佐賀の各県で、
弁当・惣菜店137店舗をチェーン展開する。
昨年からのコメ価格の問題に触れつつ、
ますます高まる中食産業の役割の重要性を強調。

祝辞は林芳正官房長官。hayashi

それから斎藤健自由民主党衆議院議員。
農林水産大臣、法務大臣、経済産業大臣を歴任し、
常に協会に関わってきた。
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時期総理と目される政治家までやってきて、
協会への期待の大きさが感じられる。

祝辞のあとは新入会員企業の紹介。newmenber

正会員、賛助会員合わせて35社が登壇して、
1社ずつ紹介された。

乾杯の挨拶はキユーピー㈱社長の高宮満さん。kewpie
「仕事や商品を通じて、
感動を伝えていきましょう」
とてもよかった。

成長産業、伸びる産業には人が集まる。

商人舎の[特集のまえがき]に書いた。

プロセスセンター「是々非々論」
惣菜・デリのイノベーション・ベクトルを整理する
202407_maegaki

――「3S1C」は、
インダストリアリズム(産業化)の、
基本コンセプトであり、
それがチェーンストアに導入された。

単純化(Simplification)、
標準化(Standardization)、
専門化(Specialization)、
そして集中化(Centralization)である。

惣菜やデリカテッセンの
マーチャンダイジングにおいても、
この大原則を崩すことはできない。
崩してはならない。

今回は惣菜の集中化がテーマとなる。
しかし集中化が目的ではない。
それは手段である。

目的はおいしい惣菜を、おいしいままに、
顧客に供与することである。

したがって集中化によって、
おいしさが削がれてしまったら、
集中化は否定されねばならない。
標準化も単純化も専門化も同じである。
「3S1C」そのものが手段なのである――。
202407_maegaki2

惣菜と中食には、
「マス・カスタマイゼーション」が必須である。

「店舗ごとに、あるいは顧客ごとに
異なるニーズに合った惣菜やデリをつくりつつ、
単品大量に近い生産性を獲得する」

「マス・カスタマイゼーションは、
『トレードオン』の考え方だが、
ここでも困難な課題が浮上している。
しかしそれを可能とすれば、
模倣困難性を体内化できるのだ」

「ベンダーやメーカーから提供される
“キット製品”をバックヤードでひと手間加えて、
見栄えの良い惣菜売場をつくる。
味は他人任せ、売上げも他力本願。
そして同質化の深みにはまっていく。
これは『非』としなければならない」

惣菜で3S1Cを語る時代になった。
それがマーケットの成長を証明している。

ただし膨張であってはならない。

〈結城義晴〉

2025年01月29日(水曜日)

イオンリテール営業企画本部長interviewは米国研修同窓会!

今日は千葉県の海浜幕張。
毎日、なんだかんだで飛び回っている。

イオンタワーアネックス。
IMG_5228

2階のロビーにいたら、
鈴木哲男さんと遭遇。IMG_5231
 お元気、大活躍。
商人舎2月号に寄稿していただいた。

ありがとうございます。

それから写真を撮り忘れたが、
笹川譲さんから声をかけられた。
㈱明治屋商品事業部の関東支店副支店長。

立教大学大学院ビジネスデザイン研究科で、
私の講義を受けてくれた。

2004年度の3期生だ。

懐かしい。

まだ商業界社長の時代、
毎週土曜日に講師をしていた。
「ホスピタリティマーケティング」

頑張ってほしい。

イオン本部に来ると、必ず誰かに会う。

目的はインタビュー。

イオンリテール㈱営業企画本部長。
伊藤竜也さん。
IMG_5237

2018年の7月に、
イオンリテールの米国研修があった。
私がコーディネーター。

今、当時のブログを見返してみても、
ほんとうに中身の濃い研修だった。

伊藤さんも参加して、
グループ発表では準優勝だった。
当時は浦和美園店店長。
IMG_5660.JPG2
伊藤さんにとっては初めての米国旅行で、
それが原点となったと言ってくれた。

2021年に営業企画本部長に就任して、
現在の4大フェアなどをつくった。

立て板に水のような語り。
実にいい内容のインタビュー。
IMG_5240

途中から間渕和人さんも参加してくれた(右)。
執行役員経営企画本部長。

広報部長の森拓也さんも加わって、
和やかな座談会のようになった。

みんなアメリカ研修の修了生。
IMG_5670.JPG2
伊藤さんの営業企画革新の考え方に、
私も目から鱗だった。

いい勉強になった。

インタビューの内容は、
月刊商人舎3月号でお披露目する。
楽しみにしてください。

最後に全員で写真。
私の隣から間渕さん、伊藤さん、森さん、
そして広報部の関本彩佳さん。
撮影は山本恭広編集長。IMG_5252
ありがとうございました。

帰りの電車のなかでも思った。
いいインタビューだった。

イオンにやってくると、
いつも同窓会のようになる。

それは嬉しいことだ。

さて日経新聞の記事。
「セブン、発注システム刷新」

セブン-イレブン・ジャパンが、
店舗の基幹システムを全面改革。

今年の春から順次、ストコンを廃止する。
そしてタブレット端末やスマートフォンに変える。

アメリカでは当たり前のようになっている。
それをセブン-イレブンの2万1000店が、
業界の先陣を切って始める。

ストコンは「ストアコンピューター」。
スーパーマーケットやチェーンストアでは、
必須のシステムだ。

従業員の勤怠管理や廃棄商品の登録、
商品の販売動向などの情報を一元管理する。

セブンは1978年に、
発注端末機「ターミナルセブン」を導入。

システムの刷新を執拗に繰り返してきた。
それはセブン-イレブンの独壇場だった。
鈴木敏文の執念ともいえるシステム構築だった。
なによりも「単品管理」を支えた。
seven

現在も店舗ではNEC製のストコンをはじめ、
発注用、検品用の専用端末を使用している。

今後はタブレットとスマホが、
それらを兼ねた機能を備える。

1店舗に平均4、5台ずつ本部から貸与される。

ストコンに入っていたデータや、
独自のネットワークは、
クラウドで管理される。

これまでは発注や販売データ分析などは、
事務所に戻って端末で作業した。

これからは売場で働きながら、
ブレットやスマホでそれができる。

従業員が事務所と店内を行き来する回数は、
1日当たり4割程度減る見込みだ。

現在は複数店を経営するオーナーが増えている。
新システムでは複数店の実績を、
同時に比べることもできる。

勤怠管理も簡単になる。

さらに商品やイベントに関しても、
事前設定によって、
関連情報が定期的に端末に配信される。

レジは全国で約4万5000台稼働している。
これも26年度中に新システム対応の、
小型サイズのタブレット端末に切り替えられる。

レジの刷新は17年以来約9年ぶり。
小型化によってレジスペースは30%以上空く。

そのスペースを使って、
カレーパンや焼き菓子、スムージーなど、
レジ横商品を増やす。

新レジは英語、中国語、韓国語の表記も可能。
増加するインバウンド客への対応も強化する。

セブン&アイにとっては久しぶりに、
明るいニュースだ。

加盟店のためのシステム刷新は、
フランチャイズビジネスの最重要案件だ。

その現場のためのシステムは、
鈴木敏文の思想を受け継いでいる。

セブンもイオンも、
日本小売業のリーダー企業として、
革新を続けている。

嬉しいことだ。

〈結城義晴〉

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