結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年01月05日(土曜日)

平成最後の大学スポーツ異変と岩崎高治の「公平公正な競争」

平成最後の正月三が日が過ぎて、
1月7日、七草の人日(じんじつ)へ。

一月、往ぬる、
二月、逃げる、
三月、去る。

この感覚は、
元号が変わっても、
多分、変わらないだろう。

関東地方の今日の5日は、
春の陽気。

しかし明日6日は、
「寒の入り」
二十四節気の「小寒」の日。

寒の入りの明日から、
「寒中見舞い」となる。

小寒から節分までの1カ月ほどを、
「寒」(かん)という。
1年で一番寒い季節である。

二十四節気は1年を24区分する。
その冬への並びは「立冬」から始まって、
「小雪」「大雪」から「冬至」、
そして「小寒」「大寒」から「立春」と続く。

今年の小寒は1月6日、
大寒は1月20日、
立春は2月4日。

1月が寒いか、
2月のほうが寒いのか。
2月が一番寒いという思い込みがある。

しかし二十四節気の「寒」は、
1月が26日間、
2月が3日間。

その2月の3日間も春めいてくるから、
1月こそ一番寒い月となる。
まあ、二十四節気の暦の話だが。

今年の私のスケジュール。
その1月に15日から19日にシアトル、
2月は9日から19日までニューヨーク。
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私の場合、ますます、
一月、往ぬる、
二月、逃げるが、
早まりそうな気分だ。

しかも寒さは横浜以上。
どうなることやら。

しかしそれでも仕事に邁進。
できる限り現役を続けます。

「あしたのジョー」の矢吹丈のように、
「まっ白に…燃えつきた…」なんて、
キザなことは言えないが、
自分にできる限り、頑張る所存。

それは変わらない。
よろしく。

しかし平成最後の正月に、
大学スポーツ界の異変。

恒例の箱根駅伝は、
青山学院大学の5連覇成らず。
東海大学が逆転の優勝。
それでも青学は往路の6位から、
復路は首位で、総合2位に入った。
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大学ラグビー選手権は、
昨年まで9連覇の帝京大学が、
準決勝で天理大学に敗れた。
こちらは10連覇成らず。
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もう一方の準決勝は、
明治大学と早稲田大学。
この試合は「対抗戦」の雪辱を果たして、
明治が勝った。

今年の天理大学は、
ナンバーエイトにファウルア・マキシ、
ロックにアシペリ・モアラ、
センターにシオサイア・フィフィタがいた。
いずれもトンガ人留学生。

マキシは日本代表として2試合に出ていて、
2キャップを誇るラガー。

もちろん帝京大学にも、
マクカラン兄弟など、
ニュージーランドからの留学生がいる。

ラグビー界では2018年4月以降、
外国人同時出場枠が、
2名から3名に拡大された。

今年のラグビーワールドカップ日本開催の影響だ。

早稲田、明治、慶応などには、
外国人留学生ラガーがいない。

それが大学ラグビーに変化をもたらした。

大学駅伝においても、
東海大には「黄金世代」の3年生たちがいる。

2015年度の全国高校駅伝で、
「花の1区」を走った上位6人のうち、
5人が東海大学に進学して、
「黄金世代」と呼ばれている。

青学の原晋監督のコメント。
「陸上界もドラフト制度を
設けたほうがいいんじゃないか」
原晋
青学にも実力高校生ランナーが、
大量に入学しているから、
冗談のような口ぶりだが、
「仕入れで全て決まるんだ、
という話になったら、
全然おもしろくない」

スポーツ界でも、
選手という素材の仕入れやソーシングが、
根本的に変わってきている。

日経新聞の昨日の「ニュース一言」
岩崎高治さん、登場。
㈱ライフコーポレーション社長。
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「消費増税に伴う唯一の懸念は、
色々な景気対策で業種業態によって
競争環境がゆがめられることだ。
スーパーマーケット業界としても
アゲンストになりかねない」

これは昨年12月18日の記者会見の発言。
月刊商人舎1月号に趣向を凝らして、
一言一句残らず掲載。

「増税に合わせて政府は、
ポイント還元策を導入する。
還元率は中小企業で5%、
コンビニなどで2%となる予定だが、
現状で大手スーパーは対象外」

岩崎さんが強調するのは、
「くれぐれも
公平、公正な競争は

維持してほしい」

これはアマチュアスポーツ界にも、
大いに当てはまると思う。

1月3日の朝日新聞「折々の言葉」
第1334回。

国はまるで
積荷のゆるんだ
大型貨物船のようである
船が傾くと
荷物が全部片より
船は沈んでしまう
(E・F・シューマッハー)

シューマッハーはケインズの弟子。

1973年に発刊した本が、
『スモール イズ ビューティフル』
エネルギー危機を予言して、
第一次オイルショックを的中させた。
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この言葉は、その書からの引用。

「経済が国境を呑み込み、
経済以外のおよそ人間的な観点を
封じてしまうと、
社会内のまとまりが崩れ、
その構造が脆く、不安定になる」

「組合、地域団体、結社、大学など、
国家と個人の中間にある勢力がしぼむと、
個人も浮草のように市場にもてあそばれる」

国家にも企業にも、
産業界にもスポーツ界にも、
シューマッハーの言葉は当てはまる。

岩崎高治の「公平、公正な競争」は、
「人間的な観点」そのものである。

ドラフト制や選手の「仕入れ」も、
人間的な観点を逸脱してはいけない。

〈結城義晴〉

2019年01月04日(金曜日)

ジジの命日と五木寛之の「ポスト平成は露骨な時代」

1月4日は、
ジジの命日。
我が家の愛猫。
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2016年1月4日、午前11時49分。
自宅のリビングに敷いたタオルの上で、
みんなに囲まれて、息を引き取った。

誕生は2005年3月7日。
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11年2カ月の短い一生だった。

このブログをはじめてから、
日曜日は【ジジの気分】と題して、
ジジの生活を描いた。

そして毎年の正月に、
ジジと一緒に写真に納まった。

2008年元旦。
2008

2009年。
2009

2010年。
2010

2011年元旦。
この年、東日本大震災が起こった。
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2012年。
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2013年。
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2014年。
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そして2015年。
もう腎臓が悪化していた。
網膜剥離も患っていた。
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そして2016年、
あちらの世界に行った。
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「ほぼ日」の糸井重里さんも、
ブイヨンという愛犬を亡くした。
昨2018年3月21日午後3時16分。

私もブイヨンは大好きで、
犬派、猫派など関係なく、
応援していた。

糸井さんたちの気持ちはよくわかる。

いま、糸井家には、
ブイコというブイヨンの妹分がいる。

しかし私はまだジジの弟や妹を、
家に入れようとは思わない。
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時々【猫の目博物誌】など、
書いている。
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今日はそんなジジが、
そばにいるような気持で、
一日を過ごすことにしよう。

合掌。

さて、日経新聞電子版に、
五木寛之さん、登場。
86歳となった。
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処女作は1966年の『さらばモスクワ愚連隊』、
67年の『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞。
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同年の『海を見ていたジョニー』
『青年は荒野をめざす』など、
初期の作品を読み漁ったし、
もちろん1970年からの『青春の門』
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1976年の『戒厳令の夜』など、
追っかけのように読んでいた。
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いつ頃からだろう、
五木を卒業したのは。

1977年に社会人となって、
徐々にフェイドアウトした。

しかし、五木寛之の視点や考え方は、
いつも気にかけていた。

だから2010年からの『親鸞』などは、
購入して読んだ。
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インタビューのタイトルは、
「ポスト平成をよむ」

まず、平成とはどんな時代だったか。

「平成の30年間には、
大きな事件が繰り返しあったのに、
昭和に比べると、どこか
希薄な感じのする時代だった」

「昭和には、
米ソや左右の陣営が激しく対立し、
労使の対立も激化して、
大きな労働争議やゼネストが
時代を揺るがした」

「それに比べると平成には、
両者の強烈な対立がなくなり、
曖昧な時代になった」

その平成の後の問題点。

「近年の異常な気候変動を見ても、
地球温暖化の問題は、
深刻に進みつつあるし、
原発の問題も長く尾を引くだろう」

「現在73億人を超える世界の人口は、
30年余りで100億人近くになる」

「しかも先進国では若者の人口が減って
高齢層が増え続けている」

「瞬発的な大激動はそれほどなくても、
重い長患いが続いている時代ではないか」

ここからたとえ話。

「ダムに水がたまって
強烈な圧力がかかっている。
次の時代は何かの形で、
その結果が顕在化してくるはずだ」

どんな時代か。

「露骨な時代になる。
曖昧にしていた本質が、あらわになって、
改めて激しい対立や激動が起こると思う」

「貧富の格差にしても、
若者と高齢者の対立にしても、
米ロなど大国間の対立も、
これまでより大きくなるだろう」

露骨な時代。
五木らしい。

なぜ、そうなるのか。

「平成の時代、
国は負債がいくら膨らんでも、
減らそうとはしなかった。
様々なつけを後に回してきた」

「平成とは、問題をなし崩しに
先送りしている中での
相対的な安定期だったのではないか」

そしてまた病気にたとえる。
「様々な病患を抱えながら、
その場その場の鎮痛剤で済ましてきた」

移民の問題。

「今は、難民の時代でもある。
移民や難民が押し寄せて、
それをどう扱うかで
国民国家の存立が問われている。
その影響で、米国でも欧州でも
新たなナショナリズムが台頭している」

ポピュリズム政治家の人気をどう見るか。

「人間とはそんなに利口ではないな、
とつくづく思うことがある」

「第1次世界大戦で
1千万人以上もの人が死んだというのに、
またすぐに
第2次世界大戦を起こすというのは、
どう考えても納得がいかない」

「人間は決して理性的な存在ではなく、
情念とか衝動に流されやすい生き物だ
と思うほかない」

戦争に対する考え方。

「僕は、戦争は一日にしてはならず、
と言っている」

「人心を戦争の空気に染めるには、
50年から70年はかかる。
営々とした教育が必要で、
そう簡単には戦前とはならない」

ポスト平成の大きな問題は。

「人生100年時代といわれ、
希望があるようにいう人もいるが、
全体としてみたら、
必ずしも明るい時代ではない」

「50歳以上の世代が
世の中にあふれてくるのだから」

そこで起こること。
「若者と高齢者の間の緊張感は募るだろう」

「だからいつまでも成長の時代、
登山の意識だけでは、いられない。
いかに上手に下山をするのか。
どのように下山に楽しみを見つけるか
が大切だ」

なるほど「下山の楽しみ」

そのためどうするか。

「高齢者は、身の回りのことは、
できるだけ自分でやり、
自分で養生をすることが大切」

五木寛之はどうするか。
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「自分としては、
過去に執着するつもりはない。
むしろ、新たに起こるだろう激動を
見てみたいという好奇心が強い」

「米国の覇権はこの後どうなるのか、
資本主義は、どう変容するのか。
その新たな変化へ、
老いたる胸をときめかしている」

露骨な時代に、
若者と高齢者の緊張が高まる。

これは会社組織の中でも起こる。

特に年長者は、
登山の意識を捨て、
それを若者に押し付けず、
下山の楽しみをみつける。

新たに起こるだろう激動に、
胸をときめかす。

年をとっても、
この好奇心が必須だ。

しかし戦争だけは、
起こしてはならない。

〈結城義晴〉

2019年01月03日(木曜日)

初売りの「ネタばれ福袋」と夏井いつきの「添削」

1月3日。
三が日は年賀状。
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今日午後6時10分、
熊本県熊本地方を震源とする地震。
最大震度6弱、マグニチュードは5.0、
震源の深さは約10キロ。

佐賀県や長崎県、大分県、宮崎県でも、
震度3を観測した。

正月早々、地震列島に地震。
お見舞いしたい。

今年もまた、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

さて、
2019年の初売り。
平成最後の初売り。

百貨店や総合スーパーは、
「おおむね活況」で「前年並み以上」

日経新聞が取材して報じた。

1日から営業開始した、
イオンリテール。
全国400店の売上高は前年比10%弱。
肌着や子ども向け商品、化粧品の福袋。
家電の5万円、10万円均一セールは、
昨年の2倍の売れ行き。

ワインの販売額も、
昨年比で10%弱の増加。

トイレや風呂などの「リフォーム袋」は、
10万~70万円の価格帯だが好調。

当然ながら、「消費増税を先取り」需要だ。

イオンは続けて「リフォーム祭」を開催。
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イトーヨーカ堂も、
元旦から営業。
しかし売上げは前年並み。
衣料品が伸び悩んだが、
鮮魚と精肉が約20%増。

百貨店の多くが、昨日の2日に初売り。
ほとんどが前年並みの売上げ。

三越日本橋本店の売上高は、
目標を2桁上回り、
前年実績も超えた。
高島屋も東京・大阪の主要5店舗で、
前年並みを確保した。

高島屋日本橋店には、
午前10時の開店前に5200人が並んだ。
昨年を1000人上回った。

松屋銀座店も2日、
2019円の福袋150袋が、
約30分で売り切れた。
ただ、全体的な単価はやや下がった。

阪急うめだ本店も、
2日の開店前に、
7500人が列をつくった。

池袋西武百貨店は元旦に、
約40万人が詰め掛けた。
福袋は15万個準備された。
前年比2%増は他の百貨店が、
元旦休業だったからか。

そごう・西武では、
元日初売りが毎年最も売上げが多い。

顧客が福袋を目当てにする店舗は、
元旦や2日から営業開始。

そうでない企業は3日や4日から。
それぞれでいいと思う。

朝日新聞「天声人語」

「中身は買ってのお楽しみ。
それが福袋かと思っていたが、
近頃はどうも趣が違う」

「衣類でも雑貨でも、
内容が表示されたものが目立つ。
「透明のビニール製の福袋もあった」

「わくわく感は減りつつあるか」

素直な疑問だ。

中国新聞巻頭コラムの「天風録」
お題は「ネタばれ福袋」

「”中身は開けてのお楽しみ”は今や昔。
のぞけたりふくろが透けて見えたりして、
買う前に確かめられるのが
当たり前になった」

「今どき、客の背中を押すのは、
お買い得感なのだろう。
ちょっと味気ないようにも思える」

大抵の福袋や福箱は、
お買い得になるようセットされている。
それでももっともっとお買い得が欲しい。
顧客の心理はそうなる。

ドキドキ感をさらに失わせるものがある。
それはネット上の「ネタばれ」情報。

「閲覧回数を競うユーザーが
人気の福袋の中身を知らせ、
前年と比べてお得かどうかを
値踏みしている」

コラムニスト。
「お得かどうかだけが
福袋の値打ちとは限るまい。
持ち帰り、家族や友人と
一緒に開けてみる」

「普段なら目に留めぬ品に
巡り合うこともあるだろう。
それがまた、お正月の思い出や
笑い話の種になる。
そんな福もいい」

私自身はと問われれば、
申し訳ないけれど、
福袋も宝くじも買ったことがない。

おいしいものは大好きだし、
宝探し的な買物も、
嫌いではないけれど。

宝探しと福袋は全然違うと思う。
人それぞれではあるが。

福袋商戦は、
企業や店のロイヤルティや、
商品のサプライズ感が高まらない限り、
少しずつ衰微していくのだろう。

しかしネットによる福袋は、
そのサプライズ性にも工夫が効く。

最後に俳人の夏井いつきさん。
世界文化社刊『超カンタン俳句塾』より。
夏井いつき

しかもりさんという小売業の俳人。
初商い声掛けねばと福袋

夏井さんがアマチュアの句を添削する。
声張って売る福袋三百個

元気が出てくる。
よろしい。

今日のTBSテレビ特番「プレバト!!」
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お題は「結露」で、
この番組の「名人」梅沢富美男が一句。

万華鏡
めける結露や
初明かり

ん~、名人ながら5位。
そこで夏井さんの添削。

万華鏡めく
結露の初明かり

素晴らしい。

夏井いつきさんを見ていると、
いつも思う。

先生も教授も師匠も、
編集者もコンサルタントも、
それぞれの専門分野で、
あの「添削」ができなければならぬ。

〈結城義晴〉

2019年01月02日(水曜日)

ドラッカーから谷川俊太郎までの「いま、生きる」

三が日は年賀状でご挨拶。2019年-年賀状_決定版
今年の標語、
「リスクを冒せ。」

昨日の元旦のブログで、
ピーター・ドラッカーを引用した。
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同じ『マネジメント』第10章の中で、
ドラッカーは未来を語る。

翻訳の上田惇生先生は、
言葉を大切にする俳人でもあって、
ドラッカーの原文は美しく訳される。

「未来は、
望めばその通りに起こるわけではない。
未来を築くには、
いま決定を行わねばならない。
いまリスクを負わなければならない。
いま行動しなければならない。
いま資源を割り当てねばならない。
特に人材を割り当てねばならない。
いま仕事をしなければならない。」

明日、目的を達成するためには、
今日、何をしなければならないか。
それを考え、行動する。

そしてその考察の真ん中に今年は、
「リスクを冒せ。」がある。

ドラッカー。
「明日を実現するための第一歩が、
昨日を廃棄することである」

この言葉に倣って、
毎日更新宣言ブログは、
12月31日に終了し、
元旦に更新宣言することにしている。
今年の宣言で12回目となった。

1年のご愛読をお願いしたい。

さて暖かい快晴の横浜。
今年の気分はことさらに爽快だ。

昨年、やるべきことはやった。
もちろんまだまだ、
やるべきことはある。
それは今年、やればいい。

山陽新聞巻頭コラム「滴一滴」
1月1日の冒頭で詩を引用。
詩人の新川和江さんの作品。
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元旦

どこかで
あたらしい山がむっくり
起きあがったような・・・

どこかで
あたらしい川がひとすじ
流れ出したような・・・

どこかで
あたらしい窓がひらかれ
千羽の鳩が放たれたような・・・

どこかで
あたらしい愛がわたしに向かって
歩きはじめたような・・・

どこかで
あたらしい歌がうたわれようとして
世界のくちびるから
「あ」ともれかかったような・・・

コラムニスト。
「新年を迎えた。
きょう元日は、大みそかとは
1日違うだけなのに異なる趣がある。
新しい何かが始まる予感と期待」

静岡新聞の「大自在」は松尾芭蕉の句。
門松やおもへば一夜三十年

「大みそかの騒がしさが明け、
一夜で30年の歳月が流れたような静寂。
気持ちを新たにすれば、
これまでの人生は一夜の夢のようだ」
芭蕉

高濱虚子の句。
去年今年貫く棒の如きもの

昨年も今年も貫かれている、
棒のごときものがある。
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大晦日と元旦。
1日しか違わないけれど、
30年も時が流れたような静寂がある。
1日が平成の30年間のような

それでいて、去年、今年を、
貫くようなものがある。

したがって、
いらなくなった昨日のものを捨て、
明日のために必要な昨日のものを残す。

拙著『お客様のためにいちばん大切なもの』から。41mATIqae-L._SX338_BO1,204,203,200_
「生産的でなくなった、
過去のものを捨てる。
何が残るか。
生産的な過去のもの。
それが『文化』です。
明日につながる昨日のもの。
それが『文化』です」

私はそれを組織文化と考える。
そして組織文化を大切にすることは、
経営を合理化することと矛盾しない。

最後に東京新聞「筆洗」が、
谷川俊太郎の「生きる」に触れた。
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2連目と3連目を引用しよう。

生きる

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎていくこと――

谷川俊太郎、87歳。
現役の詩人です。

私もそのように、
率直に純粋に、
「いま」を生きたい。

〈結城義晴〉

2019年01月01日(火曜日)

謹賀新年の商人舎標語「リスクを冒せ!」と日本のPositioning

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新年、おめでとうございます。

しかし、今年こそ、
めでたさも中くらいなり
でしょうか。
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だから2019年の標語。
リスクを冒せ。

4月末日、今上天皇が退位され、上皇へ。
翌5月1日、徳仁皇太子が天皇に即位し、
新元号が始まる。
新しい時代がやってくる。

この新天皇の即位に伴って、
4月27日から5月6日までが、
10日間の超大型連休になる。
新しい価値観と生活スタイルが生まれる。

6月にはフランスで、
FIFA女子ワールドカップが開催される。
9月20日には日本で、
ラグビーワールドカップが開幕する。

そして10月1日、
消費税率が10%に引き上げられ、
残念ながら軽減税率が導入される。
幼児教育・保育も一部無償化される。

翌2020年7月24日から8月9日まで、
東京オリンピックが開催される。
続いて8月25日から9月6日まで、
パラリンピックが開かれる。

日本社会は大きく変容していく。
消費も商売も、商品も売場も店も大きく変質する。
想像を絶するスピードで変革されていく。
背景に世界的ポピュリズムの進行もある。

時代が大きく変わるときに、
仕事にも経営にも求められるものがある。
それはリスクを恐れないことだ。
リスクを冒すことである。

「経済活動とは、現在の資源を未来に、
すなわち不確実な期待に賭けることである
経済活動の本質とは、
リスクを冒すことである」

このピーター・ドラッカーの言葉は、
大きく変貌を遂げる2019年に、
心と頭と体に自覚させておかねばならぬ。
――リスクを冒せ。
〈結城義晴〉

ピーター・ドラッカーは、
その著『マネジメント』の中の、
第10章「戦略計画」で語ります。
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「経済活動の本質とは、
リスクを冒すことである」

これに以下の文章が続きます。

「ベーム=べバルクの法則によれば、
生産手段が経済的な成果をもたらすのは、
不確実性すなわちリスクの試練を
受けた時だけである」

「たとえリスクを
皆無にすることが不毛であり、
最小にすることが疑問であるとしても、
冒すリスクは冒す価値のあるものに
とどめなければならない」

「実は、計画が成功するということは、
より大きなリスクを
負担できるようになることである」

「より大きなリスクを
負担できるようにすることこそ、
企業家としての成果を向上させる、
唯一の方法である」

「しかしそのためには、
冒そうとしているリスクを、
理解しなければならない」

「いくつかのリスクから
最も合理的なものを
選ばなければならない。
勘と経験に頼ることはできない」

今年1年間の商人舎の提案は、
この意味での「リスクを冒せ」です。

昨年の日経新聞電子版。
「経営者ブログ」で、
二人のブロガーが、
同じような心配事を指摘しています。

伊藤忠元会長の丹羽宇一郎さん。
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「カレンダーを見ると
気になることがあります。
年末年始や成人の日の連休で、
この1カ月は半分近くが
全国一斉に休みになります。
世界が激変するなかで
日本だけが2日に1回も休んでいて
大丈夫でしょうか」

「世界から置いてけぼりに
なるのではないかと心配になります」

5月のゴールデンウィークは、
10日間の大型連休となる。

「休日はマーケットが休みになります。
日本の株式市場や外国為替市場は
海外の投資家の影響が大きくなっています。
日本だけが休んでいると、
そっぽを向かれてしまう恐れがあります。
外国企業と取引をしている企業も、
休んでばかりいると
中国や韓国の企業に
仕事を奪われかねません」

「日本が休んでいても
世界が通常通りに動いたら、
日本は無くてもいいことに
なってしまいます」

もう一人の鈴木幸一さんも、
同様の予測をする。
IIJ会長で日本インターネットのグル。
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「世界の金融・証券市場は動き続けている。
日本だけクローズのままでいるのは、
何かあったらどうなるのだろうかと
心配である」

「オフィスの仕事であれば、
どうしてもという場合は、
休日出勤で対応をすればいいのだが、
日本のマーケットだけが、
長いお休みということの不安は
大きいはずなのだが、
そんな議論もほとんどないようだ」

鈴木さんのIIJも機動的に動く。
現在の商人舎だって、
何かあったらすぐに動く。

「ふとしたきっかけで、日本の休日を
“狙い撃ち”といったことだって、
まったくないわけでもない」

「何事についても、
平和が常態となっている日本では、
心配をすることそのものに
違和感をもたれてしまうようだ」

丹羽さんはライフライン機能についても、
考察を巡らせる。

医師や看護師、患者にも、
本来、休日はない。
警察・消防のライフラインを担う人々にも
一般のような休日はない。

商業も同じだ。

「時間給で働いている人も
休日が増えると十分に
収入を得られなくなります」

「一斉にみんなが休むというのが
問題だと思います。
個人的に適宜休みを取る
といった対応が必要です」

つまり小売業やサービス業のような、
休暇の取り方が日本全体に求められる。

「国際情勢は混沌としており、
主要国のトップもおちおちと、
休んでいられない状況です」

「日本の政治家は年末年始に
外遊やゴルフに出かけますが、
日本だけが悠々と
休んでいて良いのでしょうか」

そのとおり。

「日本は大きな借金を抱えながら、
2019年度の当初予算案で
過去最大の支出を決めました」

一般会計予算の閣議決定は、
初めて100兆円を超えた。

「財政は非常にシリアスな状況です。
外国人労働者の受け入れを拡大する
改正出入国管理法も強行採決されました」

「中国の名目国内総生産はこの30年で
ドルベースで30倍超、
米国も3倍強になりましたが、
日本は1.6倍にとどまります」

「日本経済は米国や中国に規模で劣り、
過去の勢いも感じられません」

鈴木さんは情報通信分野を心配する。
「中国の主要都市で5Gサービスが始まる」

5Gは英語で5th Generation、
第5世代移動通信システム。

「5G対応の通信機器では、
ファーウエイが一歩先に進んでいる」

「国家の情報機密の面から、
中国製機器の使用が難しくなった」

日本企業は欧州メーカーに頼るしかない。
明らかに中国に後れを取る。

ファーウエイは国家の支援のもとで、
10万人を超える研究開発部門を抱える。
日本の民間企業では太刀打ちできない。

丹羽さんの主張。
「19年が新しい時代の夜明けとすれば、
今のままで良いわけがありません。
世界の中の日本の立ち位置を自覚して、
真剣に日本の将来を
考える時ではないでしょうか」

全面的に賛成だ。
この立ち位置こそ、
「ポジショニング」である。

そしてそのためにこそ、
国も企業も個人も、
「リスクを冒せ!」である。

〈若き日のドラッカー〉
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だからこそ、
「冒そうとしているリスクを、
理解しなければならない」

「いくつかのリスクから
最も合理的なものを
選ばなければならない」

「勘と経験に頼ることはできない」

元旦から、やや力こぶを入れて、
2019年の毎日更新を宣言する。

よろしく。

〈結城義晴〉

2018年12月31日(月曜日)

「さらば平成三十年」の毎日更新宣言ブログ終了宣言

湯に入(いり)て我が身となるや年の暮
〈小林一茶〉

今年の疲れも、
ゆっくり湯に入るととれる。
わが身となる気がする。

大晦日である。
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北海道新聞の巻頭コラム。
「卓上四季」

「1988年12月は、結果的に、
“昭和”で最後の歳末となった」

1989年1月7日に、
昭和天皇が崩御され、
昭和が終わった。

その年の暮れ。
「毎日伝えられる昭和天皇の病状は重く、
世間には自粛ムードが広がっていた。
半面、バブル経済は衰えず、
東京株式市場は大納会で
平均株価の終値が3万159円ちょうどと、
史上最高値を更新した」

私的なことで恐縮だが、
私は1989年1月1日付で、
㈱商業界の食品商業編集長に任命された。

昭和から平成へと変わる節目の時期。
しかしバブル経済の真っただ中だった。

それからちょうど30年。

「平成最後の今年の株価は、
押し詰まってからの乱高下の末に、
2万14円77銭で引けた」

ちょっと不思議な気もするけれど、
日経平均株価は、
30年間に約1万円下がった。

高度成長からバブルへの、
「例外時代」が崩壊して、
平成は、混迷する普通の時代になった。
株価が1万円下がった30年だった。

東京新聞巻頭コラム。
「筆洗」

「明治ハイカラ」「大正モダン」「昭和元禄」。
元号にはニックネームがある。

平成にどんな愛称が似合うか。
「とんと浮かばぬ」
「それも複雑な平成ゆえか」

そこでコラムニストは思い出す。
「”平成バブル”とはあまりにも陳腐だが、
はじけて消える泡やしゃぼん玉の
イメージが頭から離れぬ」

「高い経済成長は見込めぬ。
高齢化、人口減。
戦争はなく明日のコメにも困らぬ」

「それでも消えぬ先行きの不安は
しゃぼん玉がしぼんだ後、
次の道が見えぬという
心細さのせいかもしれぬ」

「平成はそういう決して明るくない
分岐点に立っていた気がする。
さらば平成三十年。
なんだかおまえが
いたわしい」

しかし流通をモニタリングしていると、
変化の方向はよくわかった。

レース型競争の時代から、
コンテスト型競争の時代へ。

マスマーケティングの時代から、
ポジショニングの時代へ。

そして今上天皇が述懐された。
「平成が戦争のない時代として
終わろうとしていることに、
心から安堵しています」

アメリカでは2001年に9・11があった。
日本では2011年に3・11が起こった。

それでも世界大戦は避けることができた。
だから平和産業の小売流通業は、
発展したし、次の展望をもった。

昨日の産経新聞巻頭コラム。
「産経抄」
吉田兼好の『徒然草』から、
「筆のしくじり話」を取り上げる。

おもしろい。

「雪の降る朝、
知人に用件のみをしたため
手紙を出したところ、
返事が来た。
雪に一言も触れぬ、
ひねくれ者の言うことを聞けましょうか」

「口をしき御心(みこころ)なり」。
――情けないお心ですねと、手厳しい。

兼好法師も自分が情けなかっただろう。

「雪の風情に、
筆が寄り道するくらいの
ゆとりはお持ちなさい」

「要点のみの無味乾燥の文面も、
季節の風物に触れた一筆を添えるだけで
気の利いた便りになる」

「慌ただしい年の瀬を迎え、
人ごとではない筆の粗相である」

しかしこれは商売に通じる。
用件のみ、要点のみの商売。
つまり価格だけの商売。
安さだけのマスの商売に、
季節の風物に触れた一点を添えるだけで、
気の利いた売場になる。

ウォルマートは、
そんな季節の風物を、
ことさらのように大切にする。

沖縄タイムス。
「大弦小弦」

「本土に出掛けると、
駅のエスカレーターで遭遇する。
急ぐ人のために
片側を空けるのが暗黙のルール。
ところが、立ち止まって乗る側に
押すな押すなの大行列ができている」

あるある。

「片側を空けるのが
効率的とも言い切れない」

一番いいのは、
2列とも立ち止まって利用する。
急ぐ人は階段を歩いてもらう。

私は歩く。

コラムニスト阿部岳さんの主張。
「弱者も移動しやすい手段として
登場したはずのエスカレーター。
いつの間にか、強者の論理が
支配していたのではないか」

「強者だけが
先を急ぎやすい仕組みから、
多様な全員が安心して
前に進める仕組みへ」

これがコンテスト型競争だ。

「駆け足でなくても、
立ち止まって乗るエスカレーターのように
ゆっくりでもいい」

これがファストフードに対する、
スローフードの考え方だ。

“Please Do Not Run”
ウィリアム・マクエルチュラン作。
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平成は、そのことに、
気づかせてくれた時代だった。

悪い時代ではなかった。
しゃぼん玉のような時代でもなかった。

もちろん次の時代も、
依然としてマスは必要だし、
ファストも必須だ。

しかし同時に、
ポジショニング競争とスローな考えが、
どんどん広がっていくことを、
私たちは知らねばならない。

平成の30年間を振り返って、
つくづくとそう思う。

そして今年も、
いろいろなことがあった。

次の時代に向けて、
Go! Go! ポーズ
を、
取り続けた。

Amazon Goでポーズ。
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万代知識商人大学でポーズ。
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ディスカッションでポーズ。
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ホノルルのワイキキビーチでポーズ。46514633_1817991204989846_169265155056599040_o

富士を背景にゴルフコースでポーズ。36425283_1625140720941563_2071501716573913088_o

AI時代が来た。
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講演もした。47396390_1836823166439983_3715565569135607808_o

ゴルフにも生涯で一番、打ち込んだ。suingu388

では2018年12月31日、大晦日。
結城義晴のブログ[毎日更新宣言]、
これにて終了。

これまでのご愛読を心から感謝したい。

〈結城義晴〉

2018年12月30日(日曜日)

日曜版【猫の目博物誌 その70】お節料理

猫の目で見る博物誌――。
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もうお正月がやってきます。
お正月にはお節料理。
五節句や五節会で供された料理です。

五節句(ごせっく)は、
季節の節目の行事。

人日(じんじつ)1月7日。
上巳(じょうし)3月3日、
端午(たんご)5月5日、
七夕(しちせき)7月7日。
そして重陽(ちょうよう)9月9日。

五節会(ごせちえ)は、
奈良時代から続く宮廷の行事。

元日(1月元旦)、
白馬(あおうま、1月7日)、
踏歌(とうか、1月16日)、
端午(5月5日)、
そして豊明(とよあかり、11月新嘗祭翌日)。

これらの節句や節会に料理が出された。
それが「御節料理」の始まり。

そのなかで一番ポピュラーになって、
庶民も楽しむようになったのが、
正月元旦の「お節料理」。

〈写真は紀文のおせち三段重〉紀文おせち

正月のお節料理には、台所を休ませ、
女性を家事から解放する意味があって、
私はそれが好きだ。

歴史と伝統があるから、
「おせち」には形式と分類が生まれた。

懐石料理と同じようなコース料理である。
第1に「祝い肴(三つ肴)」
第2に「口取り」
第3に「焼き物」
第4に「酢の物」
第5に「煮物、煮しめ」

祝い肴は主に関東と関西で異なる。
関東では黒豆、数の子、田作り、
関西では黒豆、数の子、たたきごぼう。

「黒豆」は、邪気払いの料理、
さらに黒く日焼けするほど、
マメに働けるようにとの願い。

「数の子」はニシンの腹子、
子孫繁栄を願う縁起物。

関東の「田作り」は、
カタクチイワシの稚魚を、
干して飴炊きにした料理。
カタクチイワシを肥料として使うと、
田畑が豊作になった。
ここから五穀豊穣を願う料理となった。

関西の「たたきごぼう」は、
地中深くに根が入っていくごぼうは、
家の基礎が堅牢であることを願う。

口取りは、かまぼこや伊達巻、きんとんなど。

「紅白かまぼこ」は、おめでたさを表す。
赤には魔除け、白には清浄の意味がある。

「伊達巻き」は、形が巻物に似ている。
知識が増えるように。

「きんとん」は漢字で「金団」、
金運を呼ぶ縁起物。

酢の物の代表は、「紅白なます」。
「水引」をかたどっている。
水引は祝儀・不祝儀の際に、
贈答品の包み紙などにかける帯紐。

平安や平和を願う意味。

焼き物はまず「鯛の姿焼き」。
恵比寿様が持つ魚として、
ハレの食卓の魚。
「めでたい」の語呂合わせもある。

それから「鰤(ぶり)の照り焼き」は、
出世魚で立身出世を願う。

「車海老艶煮(つやに)」は、長寿の願い。
エビは、腰が曲がる。
お年寄りのように、
腰が曲がるまで長生きを、との思い。

煮物では、「煮蛤(にはまぐり)」が、
左右の貝がピッタリ合って、
夫婦円満を願う。

「昆布巻き」は、
「よろこぶ」に通ずる料理。

「筑前煮」は土の中で根を張る根菜を煮る。
末永い幸せを願う料理。
レンコンは穴があるから見通しがきくし、
里芋は小芋をたくさんつけるから子孫繁栄。

これ以外にもお節料理には、
いわれや願いが込められている。

そのおせち料理は、重箱に詰める。
先の敗戦の後に定着してきた。

「幸せを重ねる」という意図がある。
正式な段数は四段とされる。

「三」は、完全な数を意味する。
その「三」の上にもう一段重ねた四段。
「一の重」「二の重」「三の重」と呼び、
「四」は「死」を連想させるから、
「与の重」と書く。

「一の重」には祝い肴と口取りを詰める。
「二の重」には 焼き物。
鯛や鰤、海老などの海の幸を詰める。
「三の重」には酢の物の紅白なますなど、
「与の重」には煮物。

「三段重」にする場合は、
一の重に祝い肴と口取り、
二の重に焼き物と酢の物、
三の重に煮物。

二段重の場合は、
一の重に祝い肴と口取りを詰め、
二の重に煮物を並べる。
残りは好みで振り分ける。

五段重もあるけれど、
その5番目は神様に捧げるとか。

重詰めの基本は、
一つのお重の品数は奇数とする。
日本では奇数が「吉」だからだ。
ちなみに中国では偶数が吉とされる。

詰め方には形式がある。
格子模様の「市松」、
円形を4分の1ずつ交差させた「七宝」、
さらに「八方」「段取」「升詰」「隅取」など。

最後にお節に関連した俳句。
「食積」(くいつみ)はお節料理のお重のこと。

重詰や隅に残りし蛸の足
〈村山故郷〉

昨今はタコも高くなったけれど、
ユーモアのある一句。

「食ひ倒れ」てふ大阪の重詰は
〈河本 和〉

大阪はお節も食い倒れ。

最後に巨匠も。
食積のほかにいささか鍋の物
〈高浜虚子〉

わかる、わかる。
今年はおでんです。

おせち料理、意味を知りつつ、
食べたいものです。
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でも今年のおとうさんは喪中で、
飾り立てたおせち料理はありません。
悪しからず。

(『猫の目博物誌』より by yuuki)

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