結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年10月30日(月曜日)

ドラッカー著「経営者に贈る5つの質問」の「⑤計画は何か?」

Everybody! Good Monday!
[2017vol44]

1月1日の週を第1週と数えて、
2017年第44週。
そして10月第5週にして、
水曜日から11月第1週。

2020年の東京五輪開幕は、
7月24日金曜日。

昨日は開幕まで1000日の日だった。
だから、今日は999日。

その10月30日の今日、
東京都心で、
「木枯らし1号」。
昨2016年より10日も早い。

気象庁も素早く発表。

木枯らし1号は、
最大風速が8m以上の北寄りの風。
もちろん西高東低の冬型の気圧配置。

都心では早朝の5時半に、
もう最大瞬間風速16.6mの風が吹いた。
しかし正午時点では18.9度の気温。

「木枯らし1号」のイメージの陽気ではない。
変な天気だ。

一方、大阪でも木枯らし1号。
こちらは昨年より1日遅い。

今年の天候は変だ。
それは何より、
肝に銘じておかねばならない。

さて米国メジャーリーグ、
ワールドシリーズ5戦。
またまた乱打戦。

前田健太も3ランを打たれ、
個人の無失点記録が途絶えた。

ロサンゼルスドジャース12点、
ヒューストンアストロズ13点。
ラグビーの早明戦のような得点。

そしてドジャースは、
またしても延長11回のサヨナラ負け。

ああ。

頑張れ、ダルビッシュ、
負けるな、マエケン。

しかし、それにしても、
アストロズのホセ・アルトゥーベ。
3番に座る二塁手で、
身長は5フィート6インチ、167.6cm。
体重は165ポンド、約74.8 kg。
ベネズエラ人の27歳。

メジャーリーグで最も小さな選手。
青木宣親より小さい。
ちなみに35歳の青木は、
身長5フィート9インチ、175.3 cm、
体重180ポンド、約81.6 kg。

愛称トゥ―ベは、
今季204安打で、
打率3割4分6厘の首位打者。
ホームランも24本。

小柄な体で豪快なフルスイング。

今日もマエケンを打ったのは、
このトゥ―ベだった。

こんな選手も応援したくなる。
なぜなら人生のポジショニング戦略を、
しっかりともつ大リーガーだからだ。

さて、
今週のスケジュール。
明日がハロウィーン本番。

そして金曜日の11月3日は文化の日。

先週金曜日の10月27日から、
来週木曜日の11月9日まで。
この2週間が「読書週間」。

毎日新聞巻頭言「余禄」。
「本との出会いは時に心を癒やし、
揺さぶり、人生を左右する」

「古代エジプトの都市にも
図書館があった。
入り口には『魂の診療所』という意味の
言葉が記されていたという」

その読書週間に、
2冊の本が贈られてきた。

上田惇生先生の翻訳、
ピーター・ドラッカーの著作。
「経営者に贈る5つの質問」
その第2版。
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ここでその5つの質問を、
書いてしまう。
中身を読んでほしいから。

第1に、
われわれの
ミッションは何か?
第2に、
われわれの
顧客は誰か?
第3に、
顧客にとっての
価値は何か?
第4に、
われわれにとっての
成果は何か?
そして第5に、
われわれの
計画は何か?

五番目はまさしく、
月刊商人舎10月号特集。
「中計病」の処方箋
「目標による管理」と「計画・仮説・検証」のすゝめ

こちらも読んでください。

その10月号の[Message]
リスクを負って計画せよ!

今日と昨日は異なる。
そして明日も、今日とは異なる。
どんな計画も、どんな中計も、
この差異を前提としてスタートする。

より良い明日を迎えようと思えば、
昨日、今日との差異を、
意図しなければならない。
違いのある明日をつくらねばならない。

そしてその違いこそ、
新しい価値そのものである。
すなわち経済行為の本質は、
この新たな価値を生み出すことにある。

だが、この新しい価値は、
リスクによってしか生じない。
リスクから生まれる成果こそが、
経済活動の目的である。

だからどんな計画も、
リスクを冒すと決意することから始まる。
リスクを負うことこそ、
計画の本質である。

逆に言えば計画は、
リスクを回避する術(すべ)ではない。
計画はリスクを創造し、
積極的にリスクを引き受けるものだ。

したがって計画は、
願望であるはずはない。
そのうえ計画は、仕事として、
具現化されなければならない。

最善の計画でさえ、
仕事としての実行なしには、
良き意図に過ぎないし、
単なる願望と失望に終わる。
(Inspired by Peter Ferdinand Drucker)

もう1冊は、
千葉哲幸著「外食入門」。
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外食記者歴35年のジャーナリスト。
柴田書店の月刊食堂元編集長、
商業界の飲食店経営元編集長。
現フードフォーラム代表。

私の商業界時代の信頼する後輩。
柴田書店を辞めた千葉哲幸を、
私が説得して商業界に招いた。

その35年のキャリアを存分に生かして、
1970年の外食チェーンの誕生から、
2020年の未来展望まで、
50年間の歴史を綴った。

「外食入門」とタイトルするには、
もったいないほどの労作。
千葉哲幸の集大成。

日本食糧新聞社刊の新書、
食品知識ミニブックスシリーズ。

これも手に取ってみてください。

読書週間です。
本は「魂の診療」を、
してくれます。

では、みなさん。
今週も、あなたの計画は何か?
Good Monday!

〈結城義晴〉

2017年10月29日(日曜日)

[日曜漫歩]シカゴ・ブルースのBuddy Guy’s Legends

月曜日に神は、昼と夜をつくり、
火曜日には、天をつくった。

水曜日に海と地をつくり、
植物を茂らせた。
木曜日には、
太陽と月と星をつくった。

金曜日に魚と鳥を、
土曜日にの日に、
動物をつくった。
そしてこの週末に、
自分に似せて、
男と女を創造した。
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日曜日、神は、休んだ。
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旅をしていると、
曜日の感覚がなくなる。

日曜日ではないけれど、
Sundayの気分。

だから夜は、シカゴ・ブルース。
Buddy Guy’s Legends。IMG_3034.JPG7

バディ・ガイは、
シカゴ・ブルースの第一人者。
もう81歳。

そのバディ・ガイの店が、
なんとわれわれのホテルから歩いて、
10分ほどのところにある。
毎晩、ブルースのライブをやっている。IMG_3011.JPG7

受付で10ドル払う。IMG_3013.JPG7

手首にハンコを押してくれる。
これで出たり入ったりできる。IMG_3012.JPG7

すぐにカウンターバー。
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壁にギターが飾ってある。

左がB・B・キングのギブソン。
右はジョン・リー・フッカーのエピフォン。
セミアコースティック・ギターはシブい。IMG_3016.JPG7

左上の黒いギターが、
キース・リチャードのギルド。
勿論ローリングストーンズのギタリスト。

真ん中はトム・ペティのフェンダー。
今年10月に死んだばかり。

右は黒人ブルースのロバート・クレイ。
いずれもフェンダー・ストラトキャスター。IMG_3015.JPG7

店の奥には、
ずらりと名プレーヤーの名器が並ぶ。
みんな、バディ・ガイを崇拝し、
この店にやって来て演奏して、
そのギターにサインして、置いていった。IMG_3017.JPG7

左から、カルロス・サンタナ、
ジェフ・ベック、
スティーヴィ―・レイ・ヴォーン。
そしてエリック・クラプトン。
すごい顔ぶれのすごいギター。
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サンタナはギブソンのレスポール。
これは有名。

ジェフ・ベックはイギリスのギタリストで、
世界三大ギタリストといわれる。
あとの二人はエリック・クラプトンと、
ジミー・ペイジ。

スティーヴィ―・レイ・ヴォーンは、
ダラス生まれのアメリカ人。

そして言わずと知れたクラプトン。

3人はいずれも、
フェンダーのストラトキャスター。

壁にかかったギターを見ているだけで、
時間はゆっくりと過ぎていく。

前座の演奏の間、ギターを観たり、
酒や料理を注文したり。

そして本日はジミー・ジョンソン。
シカゴ・ブルース屈指のギタリスト。
もう、ギターが体の一部のようだ。IMG_3022.JPG7

ブルースは19世紀後半に、
ディープサウス・エリアで生まれた。
直訳すると「深南部」だが、USAの南東部。
ルイジアナ州、ミシシッピ州、
アラバマ州、ジョージア州、
そしてサウスカロライナ州。

アメリカに奴隷として連れてこられた、
黒人たちの音楽。

黒人霊歌やフィールドハラー、
そして、労働歌(ワーク・ソング)が、
混合して発展した。

Field-hollerは、
農場や作業現場のFieldで、
叫んだり、大声でわめいたりするholler。
hollerには不平不満の意味が含まれる。

1965年の南北戦争後に、
奴隷解放宣言が行われた。
そかしその後も、黒人たちの境遇は、
すぐには変わらない。
その嘆きや不満を歌にして、
ブルーノートの独特の旋律とリズムで、
歌い上げる。

Bluenoteは、
基本的には3度と7度を、
4分の1音、もしくは半音、
微妙に下げた音階。

ハ長調でいえば3度はドレミのミ、
7度はドレミファソラシのシ。
CDEFGAHのEとH。

Bluenoteでは、
DとAはほとんど使われない。

Gを4分の1ほど下げる場合もある。

ちなみに日本の「ヨナ抜き音階」は、
「四七抜き音階」と書いて、
四つ目のFと七つ目のHを抜いた音階。
ドレミソラ、CDEGAのこと。

ブルースはEとHを抜き、
日本の民謡や動揺はFとHを抜く。
スコットランド民謡にも、
FとHの抜けた御音階の歌が多い。

Blueanoteのブルースは、
その旋律や歌詞が共感を呼んで、
アメリカの北部にも広がっていった。

当初はアコースティックギターを弾き、
切々と歌った。

ミシシッピ川のデルタから生まれたので、
デルタブルースといわれる。

それがカントリー&ウェスタンと同期して、
カントリーブルースとなった。

さらにアコースティックギターが、
エレキギターに変わり、
セミアコースティックギターや、
ソリッドギターを使い始めると、
ドラムやベース、キーボードが入って、
バンド形式となる。

それがシカゴを中心に発展した、
シカゴブルースだ。
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200㎡ほどの店の中央にステージ。
そのステージを囲んで、
簡素なテーブルと椅子の客席。
100席ほど。

バーカウンターが店の入口と奥にある。
ステージ脇にはビリヤード台が3台。

私たちはステージ袖の席を確保して、
迫力のあるブルースを堪能した。
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そして最後に、御大、登場。
バディ・ガイ。
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白いシャツ、グレーのズボン、
黒っぽい帽子をかぶって、コンビの靴。

今夜はもうギターを弾かず、
ジミー・ジョンソンに伴奏させて、
語りながら、歌った。IMG_3029.JPG7

日曜漫歩にふさわしい歌と演奏。
シカゴ・ブルースの神ともいうべき、
バディ・ガイ。
語って歌って、
私たちを楽しませてくれた。

つまり神はこの晩、
歌って、働いた。

この日は水曜日だった。

〈結城義晴〉

2017年10月28日(土曜日)

大木ヘルスでの講演と「ゆっくり年を取る健康長寿延伸時代」

朝日新聞「折々のことば」第898回。
よしとする 
生きたあかしが 
何もない
〈浅利桂子(73歳))

編著者の鷲田清一さん。
「たいていの人は生きた証しなど持てず、
未練や後悔を抱えつつ亡くなってゆくし、
持てば持ったで後は、
思い出とともに生きてゆくしかない」

「ならばぽんとこう突き放したほうが、
いっそ爽やか」

納得。

そうしてみると、
深い句ではある。

「何かを言い切ることで
得られる軽やかさというのも、
人生への一つの折り合いのつけ方」

「みやぎシルバーネット」9月号の投稿川柳。

日経電子版「経営者ブログ」
鈴木幸一さん。
日本のインターネットの草分けの人。

9月19日に書いたのが、
「ゆっくり年を取る時代」  

「いい年をして、相変わらずの旅烏。
移動ばかりしている」

私も同じようなものだ。

「月日は百代の過客にして、
行きかう年もたびびとなり。
舟の上に生涯をうかべ、
馬の口をとらえて老いをむかふるものは、
日々旅にして旅を栖(すみか)とす」

鈴木さんは、奥の細道を歩んだ、
芭蕉の言葉を思い起こす。

「牙歯半ば落ち 左耳聾(ろう)せり」
半ば歯が抜け落ち、
左の耳は聞こえなくなった。
杜甫が老いを嘆いたのは、56歳のとき。

しかし現代は、長寿の社会になった。
『LIFE SIFT』では100年時代を主張する。

ただし、ただし、
「いくら長寿社会になったからといって、
『老い』と『死』が消えるわけではなく、
それは人が生きるということ
そのものでもある」

然り。

今日は、東京の半蔵門。DSCN9342.JPG7

大木グループ全社員研修会。DSCN9341.JPG7

大木ヘルスケアホールディングス(株)。
1年に2回、上半期と下半期に、
全社員が集まって研修をする。

1658年(万治元年)創業、
医薬品卸売業の老舗。
来年6月に創業360年を迎えるが、
1975年に株式公開し、
決算期としては今期、
136期を迎えている。

その136期の下半期研修会。
500人近くの従業員が、
全国から参集した。IMG_4001.JPG7

私の出番は午後一番。
松井秀夫さんが、
自ら講師紹介をしてくださった。
代表取締役会長兼社長。DSCN9316.JPG7

その松井さんは、
「健康寿命延伸産業」を標榜していて、
大木ヘルスはその中核を担う卸売業に、
進化を遂げなければならないと主張する。

「100年時代」になっても、
健康寿命が伸びねばならない。
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私の講演タイトルは、
「すべての仕事はサービス業化する!」DSCN9320.JPG7

prologueは、
1962年に刊行された『流通革命』。
それから現代の「流通3.0」の時代。
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本論として講義したのは、
第1部「仕事を変えよう」
第2部「サービス産業化しよう」IMG_4005.JPG7
最後は林周二先生が指摘した、
「超卸売業」のことを再び強調した。

2時間10分の講演で、
内容は多岐にわたったが、
「ホッケースティックの関係」は、
覚えておいてほしい。

「間接部門のサービス」も、
コミュニケーションの4つの条件も、
日々、実践してほしいものだ。DSCN9349.JPG7

最後に記念写真。
会長兼社長の松井秀夫さんと、
代表取締役副社長の松井秀正さん。
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このブログの冒頭の鈴木幸一さんは、
心理学者のジーン・トウェンギの言葉を引用する。
ウォールストリートジャーナル誌上で、
スマートフォン世代を描いた記事だ。

「i世代は昔と比べて
大人になるのにも
時間がかかる」

「今の18歳は、まるで、
むかしの15歳のようだ。
彼らはなかなか大人にならないが、
自立や意思決定の経験にも欠ける」

しかし大人になるのが遅いことも、
そう悪いとは思えない。

「大器晩成」というやつだ。

「2000年代と比べると、
2010年代には、
リスクを取りたいとか、
危険な行為にスリルを感じる、
と回答した子供は少なかった」

若者の変化に至る要因を、
トウェンギは分析する。
「コミュニケーションがもっぱら
スマホを通じてなされることで、
お互いが本質的な議論を恐れ、
感情的に安全な場所にいることが
重要になった」

若い世代へのスマホの影響は、
決定的である。

鈴木さんは25年ほど前に、
インターネットの接続サービスを始めた。

「ネットを通じたコンテンツの領域は
果てしなく広がりを見せているのだが、
コミュニケ―ションほど、
膨大な広がりを見せたものはない」

私の今日の講演の最後は、
このコミュニケーションをテーマとした。

「人と人の関係は、
密接であればあるほど、
感情の行き違いが生じたり、
傷付け合ったり厄介なものなのである」

これはコミュニケーションの逆説を意味する。

「それが大きな集合体になることによって
社会が成り立っているのだが、
それを避けている限り、
なかなか大人になれないのである」

鈴木さんは心配する。
「ある意味で、社会全体が
本当の『コミュニケーション欠乏症』に
なっていくのではないか」

だからこそ逆に、
コミュニケーション力のある組織が、
小売りサービス業を制することになる。

〈結城義晴〉

2017年10月27日(金曜日)

バルセロナ独立決議とイオンの取材/デミングの「顧客との壁」

スペイン・カタルーニャ。
バルセロナを首都とする自治州。

スペインには17の自治州がある。
その中のカタルーニャ州議会が、
独立宣言を可決。

それに対して、スペイン議会上院は、
同州に対する自治権の一部停止措置。

国と自治州が決定的に対立。

カタルーニャのFCバルセロナ、
リオネル・メッシが率いるチーム。

対するレアルマドリード。
クリスティアーノ・ロナウドがエース。

この両雄の対決ならばいいが、
国と州の対立は悩ましい。

イギリスのEU離脱といい、
カタルーニャの独立決議といい、
現代の民族問題は、
集権と分権のせめぎ合いの中にある。

1991年のソビエト連邦崩壊はその後、
多くの共和国の分裂、独立をもたらした。

アメリカ合衆国も、
50の州と連邦区から成る連邦国家だが、
そのアメリカのテキサス州は、
「lone star state」と呼ばれる。
「一つ星の州」。
独立心にあふれた別称。

1845年にテキサスは、
メキシコから独立して、
アメリカ合衆国に加盟する。

だから現在も憲法解釈上は、
住民が求めば独立は可能である。

世界の国々で、
地域と自治が見直されている。

そのこと自体は、悪くはない。

会社も組織も、国家も地域も、
分権と集権のはざまで悩ましい。

結城義晴著『Message』
「集権か、分権か。」より。

中央集権か、地方分権か。
本部集中か、個店対応か。

集めると効率が上がり、
分けると能率が下がる、のか。

いや、ムリに集めると、
ムダ、ムリが生じ、

分けると、キメ細やかな対応が
できる、のか。

機能の集中と役割の分散。
責任の集中と無責任の分散。

[結論は出ない。
けれど、見通しは立つ]

権力と機能の集中と分散を、
時と状況に応じて、
スピーディに使い分ける。

カタルーニャに関しては、
自治権の枠組みをさらに拡大して、
緩やかな連合体の中に、
なんとか収めることになるだろう。

その時、メッシらの活躍は、
ひとつの慰めになるだろう。

さて今日は、朝から、
海浜幕張へ向かう。

特急わかしおに乗って、葛西あたり。
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その葛西臨海公園の大観覧車。

海浜幕張に着いて、
イオンタワーへ。
月刊商人舎の取材。

1時間ほど、実に有意義な話が聞けた。
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取材に協力してくれたのは、
イオンリテール(株)のお二人。
営業推進本部マーケティング部所属。
杉山茂人さんと張思思(ちょうすす)さん。
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杉山さんはディレクター、
張さんはマーケティング部催事・インバウンドチーム所属。

好循環の事業は周りを巻き込んで、
好循環を拡大再生産する。

それがいい。

そのままイオンモール成田へ。
ここでも2時間半ほど取材。DSCN9298-1

取材対応してくれたのは私の隣から、
塚本弘美さんと三浦英明さん。
栗本定幸さんと余聖愛(いーしぇんあい)さん。
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塚本さんはイオンモール(株)所属、
イオンモール成田インバウンドマネジャー。
三浦さんはイオンリテール(株)所属、
南関東カンパニーイオン成田店マーケティング課長。

そして栗本さんはイオン(株)所属、
コーポレートコミュニケーション部広報グループマネージャー。
余さんは同コーポレートコミュニケーション部グローバル広報グループ。

こうしてみるとイオンの取材には、
3つの会社の人たちが、
協力してくれたことになる。

その肩書はみんな、めちゃくちゃ長いが。

イオンでも集権と分権は、
最大の組織テーマである。

1日がかりの取材だったが、
おもしろかった。

昨日の日経新聞巻頭言『春秋』

「日本の品質管理活動の父」の話。
W・エドワーズ・デミング博士。
米国の統計学者、コンサルタント。
その名前がつけられたのがデミング賞。

「1950年、日本で最初に開いた講習会には
企業の幹部や技術者ら230人が集まった。
そこで強調した一つが、
顧客との間にある壁を、
取り払え、ということだった」

「昔は洋服や靴を作る人も鍛冶屋も、
自分の顧客を一人一人よく知っていた。
しかし工業化が進んで、
この結びつきは薄れ、
製品が顧客にどう受け止められていて、
どう改良すればいいかが
見えなくなっている――」

これはその講義録。
「危機感がにじむ」

デミングは説いた。
「市場調査などを通じて
製品の使い手と企業との距離を
縮めることが肝要」

「使い手のことを考える姿勢が、
品質管理の基本」

コラムはここから、
神戸製鋼所のデータ改ざんや、
日産自動車の無資格検査に話が進む。

「素材の納入先企業が安全な商品をつくり、
消費者が安心して使えるようにと
本気で思っていたなら不正は
防げたかもしれない」

「顧客との間に壁が
できていた」

だから事業や企業の場合には、
「顧客との間の壁」を埋めるために、
権力と機能の集中と分散を、
時と状況に応じて、
スピーディに使い分ける。

果たして国家の場合には、
どうすればいいのだろう。

国民は「顧客」なのか。
それとも主権在民の「権力」なのか。

国民が顧客になってしまっているところが、
現在の日本の問題である。

バルセロナの人々は、
底抜けに明るくて、
あくまで陽気な、
ラテン人ばかりなのだが、
彼らは顧客ではない。

〈結城義晴〉

2017年10月26日(木曜日)

プロ野球ドラフトの清宮幸太郎とユニクロ柳井正のAmazon No!

日本プロ野球ドラフト会議。
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注目しすぎるとは思うけど、
早稲田実業高校の清宮幸太郎は、
北海道に指名権が与えられた。
日本ハムファイターズ。
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本人も自覚しているようだが、
いいチームに入ったと思う。

東北高校のダルビッシュ有(現在31歳)、
大阪桐蔭高校の中田翔(28歳)、
花巻東高校の大谷翔平(23歳)。

高卒の選手がファイターズで育って、
日本を代表するプレイヤーに成長した。

だが早稲田実業から早稲田大学を経て、
同じようにファイターズに入った、
ハンカチ王子の斎藤佑樹(29歳)。
こちらは伸び悩んでいる。

清宮幸太郎もまずは、
抜群の体力・筋力の養成が急務だろう。
抜群でなければいけない。

頑張ってほしい。

ダルビッシュ有は、
2005年にファイターズに入団し、
7年後の2012年にメジャーリーグへ。
テキサスレンジャーズ。

そして今年7月31日に、
ロサンゼルスドジャースに移籍して、
ワールドシリーズに出場。

ゲームは信じられないほどの熱戦。

ロサンゼルス対ヒューストン。
ドジャース対アストロズ。

ダルビッシュは前田健太(29歳)とともに、
ワールドシリーズ進出の原動力となった。

そのマエケンは、
PL学園高校、広島カープから、
2016年にドジャースに入団。

ちなみにドジャースの日本人選手は、
これまでに8人いる。

1995年入団の、あの野茂英雄を皮切りに、
2002年の石井一久、
2003年の木田優夫、
2004年の中村紀洋、
さらに2006年の斎藤隆と、
2008年の黒田博樹。

そして2016年のマエケンと、
2017年のダルビッシュ。

ちなみに木田優夫は現在、
ファイターズのGM補佐となっていて、
今日、清宮幸太郎のくじを引き当てた。
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何度も言うけれど、
ダントツの体力、筋力をつけること。
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偉そうな物言いだけれど、私もかつては、
ジュニアソフトボール監督として、
横浜市大会で優勝したことがある。

なんちゃって。

さて柳井正さん。
ファーストリテーリング社長兼会長。
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70歳でCEOを退く決意を表明したあと、
今度は、ニューヨークで言い切った。
「Amazon.comには出店しない」
「アマゾンでユニクロの服は売らない」

いわば、
「Amazon No!」

目先の売上げや米国事業の黒字化を、
安易には追いかけないということ。

当然と言えば当然のことだ。
ポジショニングを確立するには、
Amazon No! でなければならぬ。

米国ではミレニアル世代を中心に、
スマホで衣料品を購入する傾向が強い。

リージョナルショッピングセンターも、
その核店の百貨店群も、
だから惨憺たる売場の状態だ。

「Amazon Effect」
アマゾン効果。

そんなこともあって最近は、
ナイキまでAmazonに出店した。

しかしトイザらスは、
Amazonに出店して衰退が始まった。

シアーズのケンモアブランドは、
会社が危なくなってから、
目先の売上げ欲しさに、
Amazonのネットに店舗を開設した。

ユニクロは2006年11月に米国進出。
国際旗艦店「ソーホー ニューヨーク店」
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2011年10月には、
グローバル旗艦店「5番街店」
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さらにメガストア「34丁目店」

この3店舗は二桁増収が続く。
実際にZARAやH&Mにも負けていない。
GAPやForever21は打倒している。

すでに12年が経過して、
現在、45店舗の展開。

しかしその米国事業は連続の赤字状態。
16年8月期には合計74億円の損失、
17年8月期はそれを半減させたが、
それでも台所は苦しい。

そこで今年、自動販売機を設置し始めた。
空港やモールなどにセットして、
ヒートテック14.9ドル、
ウルトラダウンジャケット69.90ドル。

ヒートテックは円筒状の缶入り。
ウルトラライトダウンは箱詰め。
その箱に窓が開けられていて、
商品の素材や色が見える。

ロス近郊のショッピングモール、
クイーンズのショッピングモール、
ヒューストン空港など。
今のところ、全米の10カ所ほど。

柳井さんは言う。
「アマゾンが全ての市場を
独占するわけではない。
恐れる必要はない」

「自社でもっと良い、
物流機能を持たないといけない。
そのために提携すべきところは
アマゾン以外にたくさんある」

これはアメリカでも、
独自のオムニチャネルと物流機能を、
確立する決意の表明だ。

その原動力が、
「有明プロジェクト」
顧客情報から、商品企画、生産製造、
そして物流まで全てのデータを、
ITで一元化する。

例えば顧客がサイズや色、デザインを、
ネットやリアル店舗で注文すると、
「10日間で自宅に届ける仕組みを構築する」

柳井正のコンセプトは、
「情報製造小売業」

今日の商人舎流通SuperNewsでも、
ユニクロnews|
スマホで贈れる「ヒートテックeギフトサービス」開始

この柳井さんの心意気は、
Retailのワールドシリーズに、
出場しようとするようなものだ。

清宮幸太郎もそこまで目指してほしい。

しかし何よりも今は、
体力づくりと筋力づくりだ。

小売業でいえばそれは、
商品力と販売力である。

清宮幸太郎にとって、
情報力や経営力は、
まだ先の話である。

〈結城義晴〉

2017年10月25日(水曜日)

「Jet Lag」と万代知識商人大学講義Strategic Management

「Jet Lag」

症状が顕著な場合には、
「時差症候群」と呼ばれる。
あるいは「非同期症候群」。

私の場合、それほどではないし、
ボケた感じもない。

しかし夕方になると、
ひどく眠くなる。

ビールなどちょっとでも飲むと、
すぐに寝てしまう。

そして早朝3時、4時に目が覚める。

それはそれで、
有益な時間として活用できる。
仕事する。

周囲で発生している外因性リズムと、
身体に刻まれている内因性リズムに、
同期のずれが生じる。

この同期のずれが修正されるまでの期間、
身体に不調状態が発生する。

このずれが解消される期間には、
個人差・地域差がある。

一般的には若い人、体力のある者の方が、
解消される時間は短い。

それから、東から西へ移動した場合は、
西から東へ移動した場合よりも、
2割ほど早く、時差ぼけが解消される。

つまり、米国から帰国するときの方が、
日本からアメリカへ行くときよりも、
2割がた時差ぼけしている時間は少ない。

人間の体内時計は、
24時間を超えた長いリズムに、
対応する傾向があるらしい。

アメリカから日本に帰って来ると、
1日が長くなる。
だから時差ぼけも少ない。

私はもう、若くはない。
しかし体力はある方だと思う。
そしてニューヨークから、
東京、大阪へと移動した。

だから無性に眠くなる以外は、
直接的な被害はない。

明け方の時間に仕事ができるし。

さて大阪マリオット都ホテル。
あべのハルカスの47階の部屋から、
大阪市内を見下ろす。

夜が明けてきた。
IMG_3135.JPG7

7時近くになると、
大阪の全貌が明らかになる。
DSCN9042.JPG7

曇り空。

それでも眺めは素晴らしい。
太閤秀吉がここに城を築いて、
日本の中心にしようとした意味も、
わかる気がする。
DSCN9044-1

風の色束ねて千草の色となる
〈朝日俳壇より 神戸市・藤井 啓子〉

(大串章選評)
風は北から南から強く弱く吹く。
様々な風を束ねて千草の色となった。

今、そんな時だ。

あきばれやそうじせんたくものわすれ
〈同 静岡県松崎町・佐藤 良一〉

(金子兜太選評)ついでに漢字も忘れたか。
試みや良し。

こちらは時差ぼけではない。

朝食を済ませて、
タクシーで東大阪市渋川へ。
㈱万代本社。

今日は万代知識商人大学。

いつものように朝9時に授業を開始。DSCN9045-1

第7回目の今日のテーマは、
Strategic Management。
DSCN9046-1

第1講義は私が担当。
DSCN9050-1

講義は3月6日に、
ミッションマネジメントから始まった。
そして実質的には今回が最終回。

来月の第8回は、
サンフランシスコへの修了旅行。
これまでの講義内容を、
アメリカで総括しつつ、
アクションプランをつくる。

そして修了論文の提出を経て、
来年の1月に総括講義と修了証授与式。DSCN9049-1

今回は経営戦略の意味、
そしてそのフレームワークや、
代表的な戦略論などを講義する。
DSCN9052-1

2期生に質問を交えながら、
難しいテーマをわかりやすく、
解説していく。
DSCN9055-1

故井上ひさし。

むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをおもしろく
おもしろいことをまじめに
まじめなことをゆかいに
そしてゆかいなことを
あくまでゆかいに 

私は林廣美先生直伝。
難しいことを易しく。
易しいことを面白く。
面白いことをより深く。 

千宗屋「もしも利休があなたを招いたら」。
わかりやすさというのは
親切なように見えて、
実は非常に不親切なこと
なのかもしれません。

同感。

だからポピュリズムは、
非常に不親切なことなのだ。

第2・第3講義は、
万代の代表取締役副社長のお二人。
万代の経営戦略を改めて講義してもらう。

はじめに不破栄さん。
コーポレート部門トップとして、
内部環境に基づく経営戦略を講義。
DSCN9059-1

不破さんの語り口はソフトで、
そのうえ、実に的確でわかりやすい。

まず、「経営」とは何か。
受講生に質問する。

「経営とは『経』理と『営』業だ」
なるほど。

イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊さんは、
「算盤と商才」と表現する。
まさに経理と営業だ。
DSCN9064-1

不破さんは、
企業経営の本質から始めて、
現在の万代の取り組みや、
ヤオコーと万代の財務内容の比較、
さらに将来の長期経営計画まで、
90分間の講義。
DSCN9068-1
2期生にとっては、
実に贅沢な講義となった。

不破さんこそ、知識商人だと思った。
DSCN9070-1

昼食をはさんで第3講義は、
下岡太市さん。
営業部門を統括する副社長。DSCN9072-1

下岡さんは、まず、
消費の変化から市場環境までを整理した。
そのうえで万代が採るべき営業戦略を、
丁寧に事細かに具体的に講義した。
DSCN9077-1

下岡さんは、
社員やパート社員全員の、
名前と顔を覚えている。
そして能力や適性を見極めて、
人事を行う。

これが万代の人づくりの底辺にある。

だから最後に人づくり、商品づくり、
そして売場づくりの方針を説明したあと、
「人づくり」の大切さを強調した。
これこそが万代の長期経営計画の本質だ。
DSCN9085-1

講義のあとのQ&A。
DSCN9086-1

それに対しても的確に即答。
DSCN9081-1

ときに笑いを誘った軽妙な語り口。
下岡さんらしい講義だった。DSCN9091-1

万代の経営戦略を、
管理部門と営業部門の両副社長が語る。
企業内大学の最も優れた特性である。

引き続いて第4・第5講義は私が担当。
経営戦略立案のための、
代表的な環境分析手法を説明する。DSCN9095-1
ピーター・ドラッカー、
ヘンリー・ミンツバーグ、
フィリップ・コトラー、
そしてジェイ・バーニーと、
マイケル・ポーター。
さらにW・チャン・キム&レネ・モボリュヌ。

マネジメントの大家たちの理論と、
そのフレームワークの使い方を、
2時間45分の集中講義。DSCN9097-1
Strategic Managementは、
理解したうえで使ってみて、
さらに試行錯誤しなければ意味がない。

だからわかりやすすぎることは、
不親切だし、危険ですらあるのだ。

3月からスタートした第2期も、
いよいよ佳境に入った。

11月にアメリカの流通を学ぶ。
何を学ぶのか。

その視点を改めて強調して、
講義を終了。
DSCN9102-1

Jet Lagなど何のその。
64歳の習近平総書記が、
中国共産党第19回党大会で、
3時間半の長い演説をしたというが、
65歳の結城義晴も4時間の講義ができる。

いつもより、いい出来栄えだったと思う。

最後に事務局の東尾里江さんが、
グループ分けと視察課題を提示。
人事部教育マネジャー。

グループ分けは単純明快。
くじ引き。
DSCN9106-1

2期生30名が新たに6班に分かれる。
そして3班ずつが、
松岡組と加藤組に分けられる。

統率するのは、この二人。
松岡俊行さん(左)と加藤健さん(右)。
松岡さんは第3運営部エリアマネジャー、
加藤さんは執行役員第4運営部エリアマネジャー。
DSCN9109-1

これまた、くじ引き。
DSCN9110-1
そして加藤組と松岡組が決まった。

11月のサンフランシスコ視察のあと、
12月にアクションプランの報告会が、
経営幹部の前で行われる。

松岡組と加藤組がその内容を競い合う。DSCN9111-1

それを評価し、総評し、
勝敗をつけ、表彰する。

審査員は加藤徹会長・理事長、
それに阿部秀行社長、
学長の結城義晴。
DSCN9113-1

最後の最後に、阿部社長のスピーチ。
2期生に向けての激励。DSCN9120-1

アメリカ小売業で学んだことを、
万代の営業にどう活かすか。
DSCN9138-1

収穫を期待された2期生。
DSCN9129-1

引率する私ももちろん、
東から西への時差ぼけを乗り越えて、
頑張りたい。

そして最後は、いつもの通り、
今日の受講レポートを書く。
DSCN9149-1

それを見守る。
DSCN9150-1

万代知識商人大学。
2017年第2期もいよいよ終盤。

阿部社長とともに、
幹部候補生たちの成長を祈念した。DSCN9114-1
それにしても、
むずかしいことをやさしく
やさしいことをふかく
ふかいことをおもしろく
おもしろいことをまじめに
まじめなことをゆかいに

これです。

〈結城義晴〉

2017年10月24日(火曜日)

日本政治のCommodity化と「ダウンズ理論」のTrading Up

昨日のニューヨーク・マンハッタン。
DSCN9119.JPG7
そのJFケネディ空港から、
東京成田国際空港へ。

そして3週間ぶりの横浜へ。DSCN9140.JPG7

今日は、東京・小平。
第一屋製パン(株)本社。
本部長会議に参加。IMG_3116.JPG7
現場を預かる全本部長が参集し、
忌憚なく意見を交換し、意思決定する。

その一つひとつの意見やその交流が、
マーケティングマインドに、
満ちあふれていなければならない。

夕方、今度は新横浜から、
東海道新幹線。

新大阪に着くと、
ディーン&デルーカ。IMG_3118.JPG7

ニューヨークのソーホーに本店がある。DSCN90757_

本店は面積も2万平方フィートで、
フルラインの大盛況。
ニューヨークデリも存分に楽しめる。
DSCN90857_

まあ、新大阪駅構内だから仕方ないが、
売り物はトートバッグだけのようだ。IMG_3120.JPG7
イータリーもディーン&デルーカも、
原型のコンセプトを崩してはいけない。

原型の中の売れ筋ブランドだけを、
考えて持ってきても、
それほどの成果を上げはしない。

今日は急遽、マリオット都ホテル。IMG_3121.JPG7

同じビルのあべのハルカス展望台へ。IMG_3124.JPG7

60階、地上300mのハルカス300。IMG_3128.JPG7
目がくらみそうな高さ。

あべのハルカス美術館では、
写楽を特集している。
IMG_3126.JPG7

3週間のアメリカでのホテル暮らしが、
まだ続いているような不思議な感覚。

日本の超一流ホテルも悪くはない。
マリオットの系列にはなっているけれど。

さて、日経新聞巻頭の「春秋」

米国政治経済学者アンソニー・ダウンズ、
その半世紀以上前の理論「ダウンズ均衡」
1957年の著『民主主義の経済理論』

「政党間のイデオロギーの差が大きいほど
有権者の投票参加が促される」

近年、ダウンズ説が妥当との研究がある。

日本の今回の総選挙にも当てはまると、
コラムニストが皮膚感覚でとらえる。

「経済分野では主要政党が
有権者に受けのいい政策を掲げるため、
目指すべき国の将来像の違いが
どうもはっきりしない」

だから、「小選挙区の投票率は、
戦後2番目に低い水準」

昨日の日経新聞社説。
タイトルは、
「安倍政権を全面承認したのではない」

帰国して、ほとんど同感の社説を読んで、
納得した。

いきなり、語る。
「この1カ月の大騒ぎは何だったのだろうか」
同感だ。

「降って湧いたような突然の衆院選は、
これまでとさほど違わない
与野党の議席配分で幕を閉じた」

そして原因を解析する。
「いちばんの責任は
民進党の前原誠司代表にある」

有権者からはすぐに、
『選挙目当て』と見透かされた。

「7月の都議選に続くブームを当て込んで
希望の党になだれ込んだ候補者は
いずれも苦戦を余儀なくされた」

小池百合子希望の党代表に対しても、
「都知事選と都議選の連勝によって、
自身の影響力を
過大評価していたのではないか」

立憲民主党に向けては、
「一過性の人気に終わるかもしれない」

そしてこの選挙をひとことで総括する。
「野党の自滅である」

最後に自民党と与党。
「野党よりはややましという
消極的な支持にすぎない」

「取って代われる受け皿さえあれば、
簡単に見限る程度の支持である」

主な世論調査を見ると、
「安倍内閣の支持率は、
選挙戦に入って再び低下した」

「不支持が支持を上回っており、
不支持の理由も引き続き
『首相の人柄が信用できない』が多い」

森友・加計学園問題なども、
「みそぎは済んだなどと
浮かれないことである」

そして忠告。
「政権返り咲きからでも間もなく5年だが、
アベノミクスひとつとっても
道半ば、7合目というばかり」

「生活がよくなった実感が
あまりないという国民が大半だろう」

日経新聞の社説。
私も同感だが、これは、
政党政治のコモディティ化を示している。

だから政党間のイデオロギー格差が、
なくなって同質化している。

共産党まで同質化。

対して欧米の新勢力は、
常識を外れたほどの格差を持つ。

市場のコモディティ化現象は、
寡占化を生み出す。
そしてそれは複占となる。

しかし政治では「安倍一強」現象となる。

ダウンズの説を小売業に当てはめると、
「価格の上限と下限の格差が大きいほど、
顧客の購買が促される」

これはコストコの価格体系に通じる。
ダイヤモンドとトイレットペーパーの、
たとえがそれをよく示す。
DSCN8617.JPG7

両極の商品を一つ屋根の下で売る。

CommodityとNon-commodityを、
見事にバランスさせた品揃えの考え方。

これを「Trading Up」という。

トレーディング・アップは、
意図的に行うことができるし、
現代の革新的な商売は、
それを実行しなければならない。

だからホールフーズも、
この方向に進むに違いない。

目がくらみそうな両極の格差。

そして日本の政治にも、
トレーディング・アップが必要だ。

〈結城義晴〉

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