結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年07月04日(火曜日)

安倍一強の「驕れる者久しからず」とイオンリテール米国研修出発

風が変わった。

「驕れる者久しからず
ただ春の夜の夢の如し」
平家物語の冒頭。

「安倍一強」の日本の政治情勢のことだ。

日経新聞巻頭コラム「春秋」
日経の論調も変わってきた。

藤井聡太四段の30連勝ならずと、
東京都議選の自民党歴史的惨敗とを、
比較しつつ、違いを明らかにした。

超天才藤井聡太は、
「負けました」
しかし安倍首相からは、
「負けました」の宣言もないままだった。

〈コワモテ一方の政権運営。
「加計学園」問題で見せた不遜なふるまい。
二階幹事長は新聞をやり玉に挙げて
「私らを落とすなら落としてみろ」と毒づいた〉

秋葉原の街頭演説のシーン。
私には安倍晋三の感情的な態度が、
ひどく印象に残った。

〈投票日前日には、
街頭で「帰れ」コールを浴びた首相が
「こんな人たちに負けるわけにいかない」
といきり立つ。少なからぬ有権者が、
もう愛想を尽かしたのである〉

一国の元首が、自分の国民に対して、
「こんな人たち」と言ってはいけない。

〈新たな夢をひらく藤井四段の負けと違い、
おごりと慢心が招いたこの大敗は
誰が見ても内容が悪い〉

そして将棋の大棋士・升田幸三の言葉。
木村義雄名人、大山康晴名人と、
死闘を尽くした名棋士。
「難局はこれ良師なり。
負けることはありがたい」

春秋の結論。
〈かように謙虚につつましく、
こんどの負けを糧にできるのかどうか〉

さらに経済コラム「大機小機」
「安倍カレンダー」の誤算

コラムニストはペン尻さん。
手厳しい。

都議選前に安倍首相は、
「政権運営のカレンダー」を組み立てた。
しかしそれが、首相自身の足かせとなる。

〈今年5月3日〉
「20年に新憲法を施行」と首相が表明。

その後のカレンダー。
〈2017年〉8月、内閣改造。
秋ごろ、国会に自民党の憲法改正案を提出。
〈18年〉6月? 国会で改憲発議。
9月、自民党総裁選で3選を決める。
年末、改憲を問う国民投票と、
衆院解散・総選挙のダブル実施。

〈最大のポイントは、衆院解散を
来年終盤に設定した点だ〉

〈改憲に必要な衆院3分の2を失う前に、
悲願を達成しようというわけだ〉

〈ここに落とし穴がある〉とペン尻さん。

〈18年末は衆院議員の任期満了で
解散の先送りはできない。
つまり解散権を封印したのと同じだ〉

〈解散しない首相に本来の強さはない〉

つまり〈安倍1強を前提にした戦略にこそ、
おごりと誤算が潜んでいた〉

安倍カレンダーはもう一つ前提をもつ。
それは「解散まで円安基調が続く」
この見通しだ。

〈円安による株高は、アベノミクス批判を抑え、
内閣支持率を下支えする最後のとりで〉

〈都議選ショックだけなら
底力を出しそうな安倍政権も、
来年末までに円相場が変調をきたせば、
おそらく打つ手なし、だ〉

日経コラムにこんなコメント。
朝日や毎日ならばわかるが。

風は変わった。

そして驕れる者久しからず。

さて私は今日、午前7時半には、
成田国際空港第2ターミナル。

今日7月4日から7月10日まで、
イオンリテール㈱のアメリカ視察研修。
ダラスとニューヨークを訪問する。

イオンリテールで7度目。
その前にワーカーズユニオンで2度。
だから都合、9回目になる。

空港の会議室で結団式。
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総勢40名。朝から、みんな、元気だ。
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結団式は、吉田元さんが進行役。
人事部マネジャー。
吉田さんは昨年の秋に渡米。
今回は見送り役。
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その後、メンバー1人ひとりの自己紹介。
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4人の新店開設委員長と、
ほぼ全商品部勢ぞろい。
今回は力が入っている。

団長は西松正人さん。
代表取締役副社長。
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西松さんも4年ぶりの米国訪問。

4年前のホールフーズと
Amazonに買収された後の同社、
その変化を楽しみにしている。
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添乗員の土生和広さんが、
渡米の手続きをガイダンス。
いつも帯同してくれる良きパートナーだ。
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そして結城義晴の出発前の講義。
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11時間のフライトで、
ダラスに着くとすぐに視察。

そこでダラスの競争環境と、
ウォルマート、クローガー、
HEB、ホールフーズなど、
視察先のポイントを説明。
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今日の独立記念日から、
9月4日のレイバーデーまで、
アメリカで展開されるのが、
「バック・トゥ・スクール」商戦。
その切り替えのすごさ、意味付けなど、
レクチャー。

ダラスはアメリカの縮図。
イオンが学ぶべきところは実に多い。
見て、聞いて、ともに学ぼう。
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吉田さんに見送られて、
ゲートイン。
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ラウンジで原稿書きをして、
10時に73番ゲートへ。
今回はアメリカン航空です。DSCN8310.JPG-7

フライト直前に全員写真。
力が入っている。DSCN8311.JPG-7
では、行ってきます。

「驕れる者久しからず」

平家はもちろん、
安倍政権もトランプ政権も。
ウォルマートもホールフーズも、
もちろんアマゾンも。

そしてイオンもセブン&アイも。

「かように謙虚につつましく」
学んできます。
(つづきます)

〈結城義晴〉

2017年07月03日(月曜日)

東京都議選の「勝手にこけた」と流通IT革新の「安・速・柔」

Everybody! Good Monday!
[2017vol27]

2017年第27週にして、
7月の第2週。

それにしても東京都議選。

7月は選挙の月。
21世紀に入ってからも、
参議院選はずっと7月。

2001年第19回参議院選が、
7月29日。
2004年の第20回参議院選は、
7月11日。
2007年の第21回は7月29日。
2010年第22回が7月11日、
2013年の第23回が7月21日、
2016年の第24回は7月10日。

さらに昨年の2016年7月31日は、
東京都知事選で、
小池百合子知事が誕生している。

そして今年2017年は、
昨日の7月2日に、
東京都議選。

今回の都議選は、
都民ファーストの会が圧勝。
公明党も勝利。
共産党も健闘。

自民党と民進党、つまり、
既成二大政党が惨敗。

日経新聞一面で、
編集委員の大石格さんが主張。
「対決型政治に限界」

「要するに、自民党が、
勝手にこけたのだ」

同感。

塩野七生さんの言葉。
「ローマ人の物語」から。

「勝利とは、自ら、
勝ち取るものではない。

敵に恵んでもらうものだ」

「いまの自民党はむしろ
積極的に敵をつくり出すことで、
自らの存在価値を
印象付けようとする政党だ」

つまり「小泉劇場の成功体験」を広げた。

そしてこの成功体験の問題点をズバリ。
「この攻撃的な戦略を続けると、
言動をどんどん過激にしていかないと
効果が薄れていく」

「“歯切れのよさ”は、
10~20代の心には刺さったが、
穏健な自民党を覚えている世代は
『いいかげんにしろ』と思い始めていた」

つまり政治が幼児化している。

そこに一連の不祥事が起きた。

「理屈の話ならば、
政権も打つ手があろう。
だが、ひとの行動を、
最後に左右するのは感情だ」

「昨年、あるカリスマ経営者が
業績が悪いわけでもないのに突然、
地位を追われた」

鈴木敏文さんのことだ。

「身びいきがあったとかなかったとか。
誰が見ても明らかとまでは
言い切れない問題の当否は難しい。
それでも反乱は起きるのだ」

「勝ちに不思議の勝ちあり、
負けに不思議の負けなし」

江戸時代の松浦静山の言葉。

「安倍政権が
『たまたま小池劇場にうまくしてやられた』
などと思っているのであれば、
いよいよ下り坂が見えてくる」

日経としては、
かなり思い切った警告だ。

自民党の石破茂。
前地方創生担当大臣。
NHKニュースWEB。
「歴史的な大敗だということを
率直に認めるべきだ」

「国政の影響をたぶんに受けた選挙であり、
一地方の選挙だということはありえない」

そして日経と同じ発言。
「都民ファーストの会が勝ったというより、
自民党が負けた選挙だ」

しかし自民党もひどいが、
民進党はもっと悲惨だ。

自民党はまだわかる。
安倍晋三首相の森友・加計学園問題や、
稲田朋美防衛大臣の失言、
それから一番打撃だったのが、
豊田真由子衆議院議員の秘書問題。

しかし民進党は理由もわからないまま、
ずるずると惨敗。

蓮舫民主党代表は、
昨年の都知事選候補に名前が挙がった。

そして「もし」はないけれど、
蓮舫が出馬していたら、
小池百合子に勝ったかもしれないし、
そうしたら今回の都議選で、
都民ファーストの存在はなかった。

民進党ももうちょっと、
良くなっていたかもしれない。

風鈴の修羅からひとつ選びけり
〈日光市 渡辺全朗〉

(長谷川櫂選評)
涼しげに鳴る風鈴にも修羅があるのだ。
修羅とは業のもたらす果てしない争い。

昨年の蓮舫代表、修羅からひとつ、
選ばねばならなかった。

石塊(いしくれ)の動きて蟇(ひき)となりにけり
〈大月市 中村照子〉

石の塊、動いたと思ったら、
ヒキガエルだった。

小池は動いて、殿様蛙になった。

さて、都民ファーストだけではない。
藤井聡太四段が負けた。

佐々木勇気五段を、
褒めるべきだろう。

「壁になることができて
よかった」

佐々木の言葉もいい。

さらにロシアのサンクトベテルブルグ。
FIFAコンフェデレーションズカップ。
来年のモスクワワールドカップの前哨戦。
決勝でドイツが見事な勝利。
ヨーロッパ最強のチームが、
現在の南米トップのチリを破った。

ドイツ代表監督のヨアヒム・レーヴ。
1960年生まれの57歳。
かっこいい。

それから全米女子プロゴルフ。
宮里藍は今年で最後の出場。
イーブンパーの36位。
それでも18番のチップインバーディには、
本当に宮里の心がこもっていた。

久しぶりの日曜日。
私は疲れ切って、少し熱を出した。
ずっと寝ていて、すぐに回復した。

さて今日は、1日中、
月刊商人舎7月号の入稿仕事。

夕方、成田空港に向かう。
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成田エクスプレス。
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第1ターミナルから、
定宿のエクセル東急ホテルへ。
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明朝の集合が早いので前泊。

明日からダラス、ニューヨーク。
ダラスは33℃、ニューヨークも30℃。

帰国して10日後、
7月20日、2017特別セミナー。
小売業の情報技術革新
大久保恒夫・當仲寛哲・結城義晴が、
世界潮流からマネジメント活用までを、
語りつくす。
2017 - 7- 20
大久保恒夫さんは、
「AI流通革命」の本質を、
経験に基づいて解き明かす。

當仲寛哲さんは、
安い、速い、柔らかい、
仕組みの神髄を、
実例を盛り込んで教授してくれる。

もちろん私も、
流通IT革新に関して、
欧米の動静も絡めながら、
わかりやすく解説する。

ドイツの小売業を見てきて、
そのことを強く感じるものだ。

7月20日木曜日。
13時~18時。
東京・エッサム神田ホール。
参加費用1万円(税込み1万800円)
定員は100名。

情報システムの構築と改革は、
トップの仕事だ。

だから今回は特に、
トップマネジメントに参加してほしい。

メーカーや卸売業、IT産業など、
サプライチェーンの情報システムを、
改革しようとする人たちにも、
参集してほしい。

少なくとも産業の将来を、
見通すことができる人間が集まって、
知恵を出し合いたいと思う。

では、みなさん、今週も、
勝利を。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2017年07月02日(日曜日)

日曜版【猫の目博物誌 その44】桜桃

猫の目で見る博物誌――。
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猫の目は季節を読み取る。

赤い。くだもの。
初夏の味。桜桃。
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生きるという事は、たいへんな事だ。あちこちから鎖がからまっていて、少しでも動くと、血が噴き出す。
私は黙って立って、六畳間の机の引出しから稿料のはいっている封筒を取り出し、袂につっ込んで、それから原稿用紙と辞典を黒い風呂敷に包み、物体でないみたいに、ふわりと外に出る。
もう、仕事どころではない。自殺の事ばかり考えている。そうして、酒を飲む場所へまっすぐに行く。
「いらっしゃい」
「飲もう。きょうはまた、ばかに綺麗な縞を、……」
「わるくないでしょう? あなたの好く縞だと思っていたの」
「きょうは、夫婦喧嘩でね、陰にこもってやりきれねえんだ。飲もう。今夜は泊るぜ。だんぜん泊る」
子供より親が大事、と思いたい。
子供よりも、その親のほうが弱いのだ。

桜桃が出た。
私の家では、子供たちに、ぜいたくなものを食べさせない。子供たちは、桜桃など、見た事も無いかもしれない。食べさせたら、よろこぶだろう。父が持って帰ったら、よろこぶだろう。蔓を糸でつないで、首にかけると、桜桃は、珊瑚の首飾りのように見えるだろう。
しかし、父は、大皿に盛られた桜桃を、極めてまずそうに食べては種を吐き、食べては種を吐き、食べては種を吐き、そうして心の中で虚勢みたいに呟く言葉は、子供よりも親が大事。
〈太宰治「桜桃」より〉

桜桃(おうとう)はサクランボ。
バラ科サクラ属サクラ亜属。
その果樹「実桜(ザクラ)」の果実。

産地で生産者は「桜桃」と呼ぶ。
店頭に並ぶと「サクランボ」となる。

サクランボは「桜の坊」
「桜の実」という意味。

赤い坊があかんぼになった。
これと同じ。

ミザクラには二つの類型がある。
東洋系とヨーロッパ系。

日本で栽培される桜桃のほとんどは、
ヨーロッパ系である。
品種数は1000種を超える。

果実は丸みを帯びた赤い実。
品種によって黄白色もある。
葡萄の巨峰のような紫色もある。

「核果類」。
種子が1つある。

生食用のサクランボは、
「甘果桜桃」
セイヨウミザクラで学名Prunus avium。
イラン北部からヨーロッパ西部にかけて、
野生していたし、
有史以前から食べられていた。
甘い。

調理用には、
「酸果桜桃」
スミミザクラで学名Prunus cerasus。
原産地はアジア西部のトルコ辺り。
こちらは酸味が強い。

ほとんどの甘果桜桃は、
「自家不和合性」がある。
つまり「他家受粉」

一方、酸果桜桃はすべて、
自家和合性がある。

古代ローマのプリニウスの「博物誌」
執政官ルクッルスが桜桃の木を見つけた。
第三次ミトリダテス戦争で駐屯したのが、
黒海南岸のケラソス(Kerasos)。
そこでサクランボに夢中になった。

それをローマに持ち帰った。
だから学名Cerasusは、
ケラソスのラテン語表記となった。

それが後年、ヨーロッパ各国に伝わり、
イギリスでcherryとなった。
アメリカ大陸には17世紀に持ち込まれた。

セイヨウミザクラは明治初期に、
日本に伝えられた。

ドイツ人のライノルト・ガルトネル。
プロイセンの貿易商が、
北海道の開墾の際、桜桃を植えた。
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主な桜桃の種類。
佐藤錦(さとうにしき)。
国内で最も多く生産されている品種。
大正時代の1912年から16年をかけて、
後述のナポレオンと黄玉を交配してつくられた。
交配育成したのは山形東根の佐藤栄助氏。
その名をとって、
1928年(昭和3年)に命名された。

ナポレオン。
名前はナポレオン・ボナパルトに由来。
死後ベルギー王が命名した。
ヨーロッパ各国で栽培されている品種。
粒は大きめで、ハート形をしている。
完熟した果実は、極めて美味。
「ロイヤル・アン」のブランド名で流通。
佐藤錦の受粉木として、
一緒に栽培されることが多い。

ビング(Bing cherry)。
米国西海岸産のアメリカンチェリー。
アメリカの代表品種で、
日本への輸出量の9割を占める。
果皮が黒っぽい濃赤色。
粒が大きくて、酸味が少なく、
甘味が強い。
価格は国産に比べて手頃。

高砂(たかさご)。
アメリカ原産で、1872年(明治5年)に、
日本に伝わった。
元名はロックポートピカロー。
受粉樹として栽培される。
果肉は乳白色で果汁が多い。
適度な酸味とほどよい甘さがある。

早生種は、高砂、紅さやか、紅ゆたか、
香夏錦、正光錦、日の出、
そしてフランス原産のジャボレー。

中生種はサクランボの代名詞の佐藤錦、
北光、天香錦、夕紅錦など。

そして晩生種は、ナポレオン、
紅秀峰(べにしゅうほう)、紅てまり、
大将錦、月山錦など。

2014年の国別生産量順位。

1位トルコ 44万5556トン
2位アメリカ 32万9852トン
3位イラン 17万2000トン
4位 スペイン 11万8220トン
5位 イタリア
6位 チリ
7位 ルーマニア
8位 ウズベキスタン
9位 ロシア
10位 ギリシャ

フランスは15位、ドイツは16位。
中国は17位で、日本は21位。

トルコが圧倒的に多い。
そしてアメリカ。
これが二大産地。

日本の輸入先は4カ国。
1位はアメリカ4844トン、
52億円5843万円。
2位はチリ31トン、3329万円。
3位がオーストラリア 29.6トン、
4197万円。
4位はニュージーランド 19.5トン、
3157万円。

輸入はアメリカが圧倒的に多い。

日本国内の生産量は、
山形県が全国の7割を占める。
1万トン台の半ばまで。
つづいて北海道、山梨県だが、
一桁低い1000トン台。
農林水産省の統計。

1位 山形県 1万4500トン
2位 北海道 1430トン
3位 山梨県 1190トン
4位 青森県 605トン
5位 秋田県 364トン
6位 福島県 337トン
7位 長野県 278トン
8位 群馬県 118トン
9位 新潟県 104トン
10位 岩手県 29トン

桜桃はいろいろなところで栽培される。
しかし、どうやら生産力は、
どこかに集中するらしい。

世界ではトルコ、アメリカ。
日本では山形、それも東根。

雨ふれば梅雨と呼ばるる桜桃忌
〈山口青邨〉

桜桃忌(おうとうき)は、
「桜桃」の著者・太宰治を偲ぶ日。
6月19日。

1948年6月13日、太宰は、
愛人の山崎富栄と、
玉川上水に入水自殺した。
しかし遺体が上がったのは、
6日後の6月19日だった。
奇しくもこの日は、
太宰の誕生日でもあった。

雨男雨女かな桜桃忌
〈村山故郷〉

この雨男は太宰、雨女は富栄か。

カリフォルニアチェリー氾濫桜桃忌
〈百合山羽公〉

その通りです。

梅雨のサクランボ。
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太宰さんはなぜ、
命を投げ出したのでしょう。

「大皿に盛られた桜桃を、
極めてまずそうに、
食べては種を吐き、
食べては種を吐き、
食べては種を吐き」
かわいそうな人なのでしょう。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

2017年07月01日(土曜日)

「小売業の情報技術革新」セミナーと「文春砲」の「ファクトで武装」

2017年7月1日土曜日。
映画サタデーナイト・フィーバーは、
ジョン・トラボルタの出世作。

しかし、近頃は、
そんなこともない。

それでも今年の後半が始まる。

私の7月は、
4日の独立記念日に、
アメリカに入る。
10日にはもう帰国して、
11日、12日と大阪。

13日の木曜日は、朝から、
伊藤園大陳コンテスト最終審査委員会。
そして午後、商人舎web会議。

14日は何もないけれど、商人舎オフィス。
そのあと、本当に久しぶりの三連休。
最後の7月17日は海の日の祝日。

18日は第一屋製パン㈱取締役会。
19日はゴルフ名人会。

そして7月20日。
2017特別セミナー
小売業の情報技術革新
大久保恒夫・當仲寛哲・結城義晴が、
世界潮流からマネジメント活用までを、
語りつくす。
2017 - 7- 20

話題の大久保恒夫さんが、
「AI流通革命」の本質を、
丁寧に解き明かしてくれる。

當仲さんはmode1とmode2を分析し、
実際の展開例、展開手法を解析する。

當仲さんの思想の基本。
「コンピュータとシステムとは違う」

「コンピュータは道具です。
例えば包丁のような道具です。
良い包丁は、よく切れる包丁。
値段が高い包丁がいいのではないし、
ブランドが付いた包丁がいいのではない」

當仲さんは、コンピュータ活用に対して、
三つの条件をあげている。
①やすい
②はやい
③やわらかい

まず低価格。
計算や記録が迅速。
柔軟に使いこなせる。

一方、システムとは何か。
それは人がする仕事の仕組みのこと。

その仕組みこそが大切であり、
その仕組みこそが企業組織の個性であり、
その仕組みで競争は展開される。

道具はあくまで、
安くて、速くて、柔らかいもの。

みなさんの会社の情報システムは、
安くて、速くて、柔らかいか。

私は日本の小売業やチェーンストアが、
ガラパゴス状況に陥らないよう
そして抜本的な生産性改革がなされるよう
そのことを願って、
この特別セミナーを実施する。

今回が第1回のつもり。
ケーススタディなどを増やしつつ、
連続的に開催して、
産業を挙げた業務の生産性アップに、
貢献したい。

ドイツの小売業を見てきて、
そのことを強く感じるものだ。

7月20日木曜日。
13時~18時。
東京・エッサム神田ホール。
参加費用1万円(税込み1万800円)
定員は100名。

情報システム担当者はもちろんだが、
トップマネジメントに参集してほしい。

情報システム改革はトップの仕事だ。

メーカーや卸売業など、
サプライチェーンに関係する人も、
お集まりください。

今後のケーススタディに、
登場してもらいます。
今回はそのキックオフセミナーです。

さて今日は、横浜商人舎オフィス。
巨匠・鈴木哲男さん来社。DSCN9455.JPG-7
そして2時間を超える対談。

月刊商人舎7月号でご披露します。

そのあと、鈴木さんから、
面白い話を聞いた。
「100マイル地元食」DSCN9454.JPG-7
三つのルールがある。

[メインルール]
自分から100マイル内の食べ物だけを、
食べる。

自分を中心に、
半径100マイル(160.934㎞)の範囲内で、
生産、採取、捕獲、加工、
調理された食品だけを食べる。

[サブルール]
最初の1週間は、
家に残った食材を消費する。

チャレンジ最初の1週間は、
残った食べ物を食べても良い移行期間。
足りなくなった食材は、
100マイル範囲内のものを買う。
1週間経っても余ってしまった食べ物は、
実家に送ったり、友人に配ったり、
無駄にならないようにする。

[例外ルール]
仕事関係の食事の時は、
範囲外の物も食べる。

このルールにはmodelがある。
「The 100-Mile Diet」
A Year of Local Eating
(Random House)
Alisa Smith and J.B. MacKinnon。

2007年3月にカナダで出版。
いわゆるドキュメンタリーの単行本。

そして「100マイル地元食」と翻訳し、
日本で一家で実践しているのが、
鈴木俊介さん。

奥さんと3人の子どもとともに、
北海道で生活する35歳。

伊藤忠商事で9年間働き、
退職してこの生活に入った。

思い切ったものだ。

そして鈴木俊介さんこそ、
鈴木哲男さんのご長男。

私からも、
ご支援、ご協力を、
お願いします。

さて7月1日で、
「AJSネットワーク」到着。DSCN8281.JPG-7

宮崎遵さんが登場。
エバラ食品工業(株)社長。DSCN8281.JPG-77
宮崎さんの経営の信条。
「大きさよりも強さ」
そして「体格よりも体質」

すばらしい。

私の連載は「辛口時評」DSCN8280.JPG-7

もう連載第115回。
月刊誌だから9年と7カ月。

今回のテーマは、
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さて、明日が東京都議会議員選挙。
半夏生の日。

自民党の二階俊博幹事長。
昨日の30日、国分寺市の応援演説。
朝日新聞などが報じた。

取材に来ていたマスコミを評して、
「マスコミがあんなに来ているが、
言葉ひとつ間違えたらね、
すぐいろいろなところへ話になるんだ。
選挙弱かったら落とされちゃうよね」

「私らを落とすなら、
落としてみろって」

「あんたらどういうつもりで
書いているか知らんが、
我々はお金払って(新聞を)買ってんだよ。
買ってもらっていることを
やっぱり忘れちゃダメじゃないかな」

石原伸晃経済再生大臣。
これも都議選の応援演説。
「中央のほうで、
余計なことを言う人がいたり、
暴力ふるう女性が出てきたり、
本当に申し訳ないと思います」

「権力を持つ側は、絶えず、
謙虚でなければならない。
これは政治のいろはでございます」

それに対して、マスコミの代表。
「週刊文春」新谷学編集長。
1964年生まれ。東京都出身。
早大卒業後、89年に文芸春秋に入社。
「Number」「マルコポーロ」、
そして「文芸春秋」編集部などを経て、
2012年から現職。

「私たちは安倍政権の
敵対メディアでもないが
応援団でもない」

私はAJS機関誌上は、
スーパーマーケットの応援団です。

新谷さんは昨年、特ダネを連発。
「文春砲」という流行語まで生んだ。

それは極めてわかりやすい話で、
安倍首相の代わりがいないからです。

現場の記者に言い続ける。
「あなたたちの使命は
スクープを取ることだ」

安倍政権に「親」でも「反」でもなく、
「書くべきことは書く」

「1強政権を前に、
新聞やテレビの側が
自主規制や事なかれ主義に
流されているのではないか」

辛口だ。

「権力に対してメディアは、
明るいアナーキズムをもっていた方が
世の中の風通しはよくなると思います」

その通り。

「首相が理念型の政治家なので、
メディアも鮮烈に
親安倍と反安倍に分かれる」

「その一方で、横並び的な紙面作りは
昔と変わっていない」

「政府の発表したものを報じる
発表ジャーナリズム」
またまた辛口。

「大取材班を組んで、
大きな話から小さな話まで
ファクトを掘り起こし、
徹底的に調査報道をする新聞が
あってもいいのでは」

最後はここの一言。
「ファクトで武装して
戦うのが
報道機関です」

今日の対談。
鈴木哲男さんも結城義晴も、
事実(ファクト)で武装して評価した。

それが私たちの誇りだ。

〈結城義晴〉

2017年06月30日(金曜日)

日本スーパーマーケット協会総会の懇親と「時代を超える言葉」

2017年6月最後の日。
つまり今年の半分が終わる日。

2017年元旦の、
「結城義晴フィードバック分析メモ」
ピーター・ドラッカー先生の方法。

箇条書きに目を通してみる。

体調は想定通り、
風邪ひとつひかなかった。
これは私の強み。

月刊雑誌は充実した。
これも強み。

しかし、しかし。
多くのことが実現されず。

ああ。

あと半年、気持ちを入れ直して、
全力投球、全力疾走。

いざ。

想定しなかったことも、
始めてしまった。

商人舎流通SuperNews。
これが意外に好調。

今日のSuperNews。

ドンキnews|
ハワイのQSIタイムズ・スーパーマーケット24店舗買収

買収したのは日系のスーパーマーケット。
かつてのスターマーケットも、
もうドンキグループ。

第1四半期決算が発表されている。

DCMnews|
第1四半期はくろがねやの連結効果で微増収経常増益
ケーヨーnews|
7%減収なるも販促費の削減で営業利益42%増
スギHDnews|
第1四半期は6施策で売上高1125億円・粗利益8.9%増

そして新店・改装店情報。
沖縄に行ったらドンキを訪れたい。

ライフnews|
「鶴見下野谷町店」522坪の標準型で7/5開業
ユニバースnews|
東青森店改装でクッキングサポート・キッズスペース
ドンキnews|
沖縄初の生鮮4品扱う「MEGAドンキ名護店」950坪開設

セブン‐イレブンnews|
国内外3.6万店で「気候変動対策キャンペーン」
ミニストップnews|
コンビニ初「業務用SOFC燃料電池システム」実証実験
5月家計調査統計|
消費支出15カ月連続減・衣食住すべて減・食料10カ月減

さて、今日は東京・日比谷。
DSCN8223.JPG-7
帝国ホテル・孔雀の間へ。

日本スーパーマーケット協会。
平成29年度通常総会。
そのあとの懇親パーティ。
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日本スーパーマーケット協会は、
通常会員企業87社。
その年商は8兆3368億円。
総店舗数6835店。
スーパーマーケットの協会では、
最大規模を誇る。

賛助会員は457社。

協会会長の川野幸夫さんの挨拶。
㈱ヤオコー会長。
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日本の産業界に今、
大きく横たわる人手不足の問題、
消費増税問題、軽減税率問題に対して、
正々堂々、協会の意志を主張した。

川野さんは、自分の言葉を持つ。

今回の定時総会で、
新たに2人の副会長が選任された。
㈱カスミ会長の小濵裕正さん
㈱サンエー社長の上地哲誠さん

引き続き、副会長職を担うのが、
㈱エコス会長の平富郎さん
㈱オークワ会長・大桑堉嗣さん
全日本食品㈱会長・齋藤充弘さん
㈱平和堂会長の夏原平和さん
㈱ラルズ社長の横山清さん

そして名誉会長は清水信次さん、
㈱ライフコーポレーション会長。
DSCN8270-1

そばにはいつも井上淳さん。
日本チェーンストア協会専務理事。
DSCN8271-1
来賓の与党政治家の挨拶の後は、
田中茂治さんが乾杯のスピーチ。
㈱日本アクセス会長。
DSCN8252-1
政治家のように原稿を見ることもなく、
しかしよどみなく、
最新の世界情勢を分析し、
そのうえで製配販の連携を提案した。
私と対談した時の「流通革命」にも、
ちょっと触れてくれて、
素晴らしいスピーチだった。

田中茂治さんも、
自分の言葉を原稿なしで語る。

その田中さんの音頭で乾杯。

そして懇親。

㈱ヤマザワ会長の山澤進さん。
来年のお取引会での講演をお約束した。
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夏原平和さん。
5月に平和堂会長にご就任。DSCN8264-1

国分グループ本社㈱國分勘兵衛会長。
DSCN8260-1

そして國分晃さんが3月31日、
社長執行役員経営統括本部長に就任。
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産業のために頑張ってください。

㈱ヤマナカ社長の中野義久さん。DSCN8229-1

全日本食品㈱社長の平野実さん。
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田尻一さんは、昨日、
小泉進次郎代議士と対談した。
オール日本スーパーマーケット協会会長で
㈱コプロ社長。
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京都での食事会を約束した。

そしてヤオコー社長の川野澄人さん。DSCN8267-1
イタリア・ミラノのフィンイーペルを、
ちょっと熱く紹介した。
絶対に見ておかねばならないですよ。

サミット㈱社長の竹野浩樹さん。
今、サミット全店で展開中の「総菜選挙」
その話で盛り上がった。DSCN8274-1

旭食品㈱副社長の竹内信夫さんと、
三井物産㈱部長補佐の小林将人さん。DSCN8263-1

そして㈱伊藤園の皆さん。
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私の左は社長の本庄大介さん、
右隣は会長の江島祥仁さん、
常務の相馬藤嗣さん。
左端は松井康彦アドパイン代表、
商人舎エグゼクティブプロデューサー。

最後は川野会長と懇談。
ドイツの食品産業の生産性と、
それへの産業挙げての取り組みを話した。
IMG_3507-1

最後の最後は、江口法生さん。
今日の総会で協会専務理事に就任。
DSCN8268-1
頑張ってください。
応援します、協力します。

協会人事の流通SuperNewsは、
このブログに変えることで、
お許しを。

最後に、日経新聞社説。
「イロハのイが分かっていない」
「お粗末というしかない。
行政の政治的中立性を逸脱した
稲田朋美防衛相の発言である」

ああ、情けなや。

東京都議選の応援演説で、
「防衛省・自衛隊として、
防衛大臣としても、
自民党としても、
お願いしたい」

憲法15条。
「すべて公務員は全体の奉仕者であって、
一部の奉仕者ではない」

自衛隊法61条。
「選挙権の行使を除いて、
自衛隊員の政治的行為を制限する」

公職選挙法136条の2。
「公務員の地位を利用した、
選挙運動を禁じる」

まさに「イロハのイ」が分かっていない。

さらに豊田真由子衆院議員。
秘書への暴言・暴行が、
テレビで繰り返された。

人を人とも思わない言動。
国会議員として失格というより、
人間失格だ。

アメリカでは相変わらず、
ドナルド・トランプ大統領が、
テレビのキャスターに罵詈雑言のツイート。
「低IQでCrazyなミカ」
「Psycho(精神病質者)のジョー」

ミカ・ブレジンスキー女史と、
ジョー・スカボロー氏。

ニュース専門局のMSNBC。
「今日は米国にとって悲しい日だ」

「大統領が仕事をするのではなく、
いじめやうそつき、
つまらない個人攻撃に
時間を費やしている」

14歳の中学三年生の、
爪の赤を煎じて飲ませねばならない。
藤井聡太四段。

朝日新聞「折々のことば」
How many deaths will it take till he knows that too many people have died?
[Bob Dylan]

「いったいどれだけの人が死ねば、
あまりに多くの人を亡くしたと
悟るのだろう」

編著者の鷲田清一さん。
「半世紀経っても、
今を歌っているかのよう」

ノーベル文学賞の言葉は、
時代を超える。

政治家も経営者も、
学者もジャーナリストも
時代を超える言葉を
もたねばならない。

ああ、2017年の半分が終わった。

〈結城義晴〉

2017年06月29日(木曜日)

「商売は科学だ」とカルビー松本晃の「経営幹部の育て方」

朝、目覚めたら、
目の前に堺の港。
IMG_1968.JPG-7

ここはどこ?
私は誰?

出張ばかりで、
そんな感覚を実感する。

ホテル・アゴーラリージェンシー。

朝食を摂って、
タクシーを呼んで、
新大阪へ。

そして新幹線。
京都、名古屋、静岡を過ぎて、
富士川を渡ったら、
雲のはるか上に、
うっすらと富士の頂。IMG_1971.JPG-7

しかしその姿はすぐに消えて、
黛ジュンではないけれど、
「霧のかなたへ♬」
詞はなかにし礼だったか。IMG_1973.JPG-7

緑の水田と雲がかかった丹沢山系。IMG_1981.JPG-7

横浜に戻ってから、
久しぶりに商人舎オフィス。

もう、月刊商人舎7月号の、
締切りが迫っている。

思い返せば2013年の4月。
月刊商人舎プレ創刊号をつくった。

次の5月号が第1巻第1号、
通巻第1号だった。
20130510173403.JPG
特集「ニッポンCRM元年」

その巻頭言。
月刊商人舎の一番初めのメッセージ。
[Message of May 2013]

商売は科学だ。

リテールをサイエンスせよ。

いや、商売は勘と経験だ。
あなたは、どっち派?

現代の消費社会と情報社会を鑑みれば、
明らかにサイエンス派が有利に見える。

しかし、多くの小売り現場では、
まだまだ「勘と経験」や変な「人間力」が幅を利かせている。

この時、最も人間臭いゲームの「第2回将棋電王戦」において、
コンピュータソフトが、天才プロ棋士たちをなぎ倒してしまった。

そして人間の天才たちは述懐した。
「コンピュータを使ってでももっと強くなりたい」

だとすると商売も「強くなる」ために、
徹底的に科学しなければいけない。

心底、お客のためにと思い詰めるならば、
サイエンスしなければならない。

そして「商売は科学だ」と胸を張らなければならない。

この境地に至って初めて、
「勘と経験」も最高のレベルで活かされるのである。
〈結城義晴〉

あれから4年。
懐かしい。

しかし、創刊号の巻頭言で、
将棋電王戦のことを書いていた。
コンピュータソフトを話題にした。

それから通巻50号を数えた、
先月号の2017年6月号。

特集「流通IT革命の透視図」

巻頭の提言記事。
「鉄人28号から鉄腕アトムへ」

私は次のように書いた。

――日本の将棋界ではこの5月20日に、
第2期電王戦二番勝負において、
現役の最高峰・佐藤天彦名人が
コンピュータ将棋ソフト「PONANZA」に、
2連敗した――。

4年前はまだまだ、
緒に就いたばかりだった。
藤井聡太は10歳の子どもだった。

それが4年後は、
より現実に近くなる。
聡太はプロになって、
29連勝の新記録を打ち立てた。

私自身も、
商人舎スタッフも。

本当に無理をして、
雑誌をつくってきた。

けれど、
こんな時代の変遷を、
描き出すことができた。

よかった。

そう思って、
また無理をしつつ、
編集仕事に精を出す。

ああ。

さて今日、
新幹線の中で読んだ「Wedge」
2017年7月号。

特集は「日本型人事への最後通告」
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その中の松本晃さんがいい。
カルビー会長兼CEO。

松本流の経営幹部の育て方。
シンプルに概括しよう。

まず第1にトップ自らが、
既得権を捨てなければならない」

第2に、
「権限を委譲された人たちが、
自ら考えて決断すること」

経営者候補が身につけるべき13の項目。
カルビーと松本さんは掲げている。

経営者はゼネラリスト。
だから13項目が必要となる。

ピーター・ドラッカーは、
大工道具に例える。
それをみな、身に着けよと。

①アカウンティング(会計)。
計数と言い換えてもいい。
数字が読めなければ仕事にならない。

②リーガル(法律)。
これは本当に必須。
「水素水」に関する、
「薬機法」違反のようなことが起こる。

③英語。
これはカルビーのような会社だから必要。
流通業では必ずしも必須ではないと思う。

④人事
⑤情報技術、つまりIT
⑥財務
⑦製造
⑧品質
⑨営業
⑩総務

ここからが面白い。
⑪プレゼンテーション
⑫一般教養(特に歴史)
⑬マーケティング

この13項目は、
松本さん自身の考えもあろう。

しかし、「一人ひとりが、
人生の『究極のゴール』を掲げ、
そこから逆算して今、
何をすべきか考えて行動せよ」

「学びて思わざれば、
則ち罔(くら)し、
思いて学ばざれば、
則ち殆(あやう)し」

第3に、経営者を育てるためには、
とことん競わせること。
会社の中に競争がないと
人は伸びないし、企業も成長しない。

競争をさせて経営者を育てるためには、
第4に、
環境と制度を整えておくこと。

そのキーワードは3つ。
⑴分権化
⑵簡素化
⑶透明化

第1の分権化は、権限委譲。
「権限を与えると、
人は活力が出て成長するものだ」

しかし権限を委譲する代わりに
与えた利益目標に対しては、
全責任を負わせる。

さらに評価制度。
「commitment & accountability」
「約束と結果責任」

年に一度、全員が直属の上司と面接し、
前年度よりも高い目標を設定している。

この目標の達成度合いで
厳格に成果を査定し、
賞与に反映させている。

ここでのポイントが第2の「簡素化」。
目標設定の際は、
数値化が難しい部門であっても、
必ずデジタルに設定させている。

また、役職者らの目標と成果は、
社内データベースで公開している。
社員なら誰でも閲覧できる。
第3の「透明化」をはかり、
公平・公正な評価ができるような
環境を整えている。

こうした環境の中で、
部長以上はトーナメント方式で競わせる。
目標を達成すればアップ(昇進)、
達成できなければアウト(降格)。

ただし、第5に、1回だけ、
敗者復活を認めている。
幹部候補は他にもおり、
チャンスを平等に与えることが大事だ。

最後は、
企業のビジョンを実現するために、
ベクトルを合わせ、
一番成果を出した者が、
トップまで上りつめることになる。

松本さんは毎月、
全国の職場を巡りながら
社員に説いて回っている。
「正しいことを正しく」
「勉強しろよ」

ただし、本当に正しくないといけない。
そうでない者が、とかく、
「正しく」と言いたがるものだ。

〈結城義晴〉

2017年06月28日(水曜日)

「総合は専門の集合」と万代ドライデイリー会欧州視察報告講演

「2016年度小売業調査」
日経新聞から発表された。
非上場企業もアンケート回収して、
総合調査となっている。

1位 イオン
2位 セブン&アイホールディングス
3位 ファーストリテイリング
4位 ヤマダ電機
5位 三越伊勢丹ホールディングス

日経新聞が、
一面トップ記事で強調したのは、
6位 アマゾンジャパン
年間販売額1兆1747億円で、
前年比17.5%増。

7位 J・フロントリテイリング
年商1兆1085億円。

アマゾンは初の1兆円。
J.フロントを抜いて躍進。

このまま2ケタ増を続ければ、
来年度は三越伊勢丹を抜いて、
トップ5に入る。
そしてそれは確実だ。

売上高上位20社のうち、
5割の10社が減収。

イオンは334億円の増収。
次点のセブン&アイは2100億円の減収。

増収額ランキングでは、
ファーストリテイリング、
ツルハホールディングス、
ニトリホールディングスなどが、
上位を独占。

総合小売業が衰退。
ネットと専門店が躍進。

その意味で業態専門化が、
現在の潮流であることが、
改めて明確になった。

もう総合小売業は、
専門業態の集合体への
道を
歩むしかない。

そんなことさえ考えられる。

さて、今日も朝一番で、
東海道新幹線。

雨模様で富士の姿は、
お見せできない。

その代わりに日本の水田。
IMG_1957.JPG-7

そして大井川。
IMG_1958.JPG-7

そしてまた緑の水田。
IMG_1962.JPG-7

新大阪に到着して、
タクシーで堺へ。
ホテル・アゴーラリージェンシー。
IMG_3450-1

万代ドライデイリー会総会。
ドライデイリー会は、
(株)万代の取引先で組織される。

6月6日から12日まで、
この会のメンバーとともに、
ドイツ・フランクフルトと、
イタリア・ミラノを訪問。

実に面白い小売業を視察した。

その視察報告会での講演。

はじめに万代の中長期計画が、
阿部秀行社長から発表された。
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そして報告会は、
欧州視察の5つの班から発表。
DSCN8105-1

第1班には今津龍三さん(左)と、
東尾里江さん(中)の姿。
DSCN8107-1
今津さんはドライデイリー会会長で、
㈱今津社長。
東尾さんは人事部マネジャーで、
万代知識商人大学事務局担当。

1班は、合理化をドイツに学び、
演出をイタリアに学ぶ。

第2班は、
ドイツからは定番POP拡充と、
バーコード多面化を、
イタリアからはイートインの拡充を、
それぞれ学習した。
DSCN8136-1
1000名ほどの前で発表する。

視察で学んだことを万代に提案する。
それが報告会の狙い。

第3班のタイトルは、
「店頭オペレーションの効率化追究」
DSCN8150-1

万代の戦略や政策、
マーチャンダイジング、
プロモーションなどに、
どう活かしていくのか。

第4班は「楽しみ・学び」提供を提案。
DSCN8151
効率的なドイツと、
非効率なイタリア。
その対照的なお国柄の、
対照的な小売業。

その違いから店づくりも
運営方法も異なる。

最後は第5班。
「青果カット商品」の提案。
DSCN8167-1
5つの班が、いずれも独自の視点で
よくまとまった報告をし、
提案をしてくれた。

そして私の総括講演。
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アメリカに学ぶことと、
ヨーロッパに学ぶことの違い。
とくにドイツ・イタリアに学ぶことは、
今、とても意義がある。

プロローグは、
シュンペーターのイノベーション。DSCN8185-1

ヨーゼフ・シュンペーターは、
オーストリアの経済学者。
不断のイノベーションを提唱する。DSCN8190-1
それが今、ヨーロッパの小売業の、
現場に現れている。

現地視察をしていない人にもわかるように、
スライドを多用しながら、
ドイツとイタリアの小売産業を整理し、
主要企業の動静を解説。
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グローバルトレンドのオーガニック、
そしてスローフードの市場動向も、
コンパクトにまとめて語った。
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地球イータリー化現象は、
「フィンイーペル」という、
新しいスターを生んだ。

最後のまとめは、
小さなヤカンと大きなヤカンのたとえ話。

ドイツとイタリアは対比的で、
それが私たちに深い考察を要求する。

私自身、大いに考えた。
ご清聴を感謝したい。

堺の港に陽が沈む。
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その後、商品別分科会が行われ、
6時半からは着席スタイルの懇親会。

乾杯のあいさつは、
ドライデイリー会副会長の寺町豊さん。
㈱日本アクセス執行役員西日本営業部門長代行近畿エリア統括。
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そして乾杯。
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懇親に次ぐ懇親。
おいしいビールとワイン。
隣の加藤徹会長との会話。
あっという間に2時間が過ぎた。

中締めは 木村敏弘さん。
加藤産業㈱専務。
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最後は、恒例、
大阪締め。

万代トップも登壇。
右から阿部社長、木村さん、
黒田久徳取締役、加藤会長。
私も飛入り参加。
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「打ーちまひょ」
「もひとつせ」
「祝うて三度」
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パン! 締まりました!
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最後は役員幹部の皆さんと、
バーでのお疲れ様会。
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全員揃って記念写真。
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そして万代幹部の皆さんと。
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ドイツの合理性とイタリアの創造性。
どちらも欲しいところだが、
果たして日本は、
単なる折衷型でいいのだろうか。

少なくとも、小さなヤカンで、
ドイツ・イタリアを真似てはいけない。

大きなヤカンは、
水を満たすのも熱するのも、
時間がかかる。
しかし、熱くなったら、
なかなか冷めない。

大きなヤカンで学び続けたい。

〈結城義晴〉

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