結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年05月15日(木曜日)

「エコストア・セミナー」田村洋三講演は「環境基準」経営を教えた!

本日5月15日、帰国して席を温める間もなく、
「エコストア開発セミナー」に参加。
エコストア研究会1
午後1時から、埼京線北与野駅前の
「新都心ビジネス交流プラザ」4階会議室A。
主催は、NPO法人「東上まちづくりフォーラム」ビジネス助っ人隊。
㈱商人舎は、ちょっとだけ協力させていただいた。

講師の田村洋三先生は、
商人舎エコストア研究会会長でもある

ヨークベニマル、ヤオコー、
さらにベルクといったスーパーマーケット、
さらに日本生活協同組合連合会、丸広百貨店などから、
ご参加があった。
それ以外にも、エコストアに関心のある専門家、研究家、
コンサルタント、そして協賛メーカーなど。
総数40名ほど。

講演タイトルは、
「エコロジー&サスティナブル・ディベロップメントを目指して」
田村先生
田村さんとは、長い付き合い。
単行本『スーパーマーケット経営技術』(商業界刊)は、
私が担当させていただいた。

さて、田村さんの講演内容。
率直に言って、とても良かった。
うれしかった。
この時期に、この内容が、
日本の小売業、スーパーマーケットに向けて、
真剣に語られたことが。

地球温暖化と食糧需給バランスの崩壊から解き明かして、
環境問題に対する国際的な取り組みの歴史、
京都議定書の概要、
石油浪費と穀物生産、
アメリカ・日本の農業とエネルギー消費問題など、
基本問題認識をわかりやすく解説したうえで、
食品廃棄とメタボ対策、
スーパーマーケットが今できること、
明日できること、
温室効果ガス削減の道筋、
「省エネ法」改正に伴う具体的アクションまで、
最先端の考え方と技術が講義された。

まとめは、
「自ら率先しなければ何も変わらない」として、
ヨークベニマル前社長の故大高善二郎さんの言葉が紹介された。
かつて山形県米沢市に出店した冷夏の中の挨拶。
「今年は衣料品が売れない。
売れないということは、
お客様がそれだけ出費をしないということ。
これはお客様にとって、ハッピーなこと。
社会全体でみれば、ハッピーなこと。
しかし商売のコンディションでとらえると最悪。
だけど商売なんだから、その条件の中で、
お客様にどんなお役立ちができるかを考えよう」

2時間の熱の入った講義のあと、15分の休憩。
そして、今回のセミナーの後援企業となった
エコストア開発に協力するメーカーの製品の紹介が、
田村講師から丁寧に行われた。
㈱アースクリーン、㈱イープラット、中央化学㈱、㈱ヤマト。

最後に、NPO法人「東上まちづくりフォーラム」ビジネス助っ人隊の
メンバーが紹介された。
エコストア2

私は、今回のアメリカ視察で2店も見てきたウォルマートを
思い浮かべていた。
ダラスとデンバーでエコストア・プロトタイプを実験したあと、
HE5タイプまで開発し、普及段階に入ったウォルマート。
アメリカでは、群を抜いた展開。
リーディングカンパニーとしての自覚がある。
wal

そして、私が考えている「幸せ基準」とともに
「環境基準」「省エネルギー基準」を有する企業が、
社会的にも求められるに違いないと確信した。

田村さんも言った。
「結論は、ダウンサイジングせよ、ということ。
サービス残業は経営者の手抜きだが、
店づくり、店舗運営の手抜きからは、
環境対策は問題解決しない」

私は、思う。
「環境対策、省エネルギー対策は、規模の大小を問わない。
そしてサービス残業に象徴される従業員の幸せ基準づくりと、
経営の姿勢においては変わらない」と。

商人舎ではエコストア研究会のメンバーを募集しています。
一緒に研究しましょう。

<結城義晴>

追伸
故障しておりました結城義晴の携帯電話が
本日夕方、直りました。
皆様にはご迷惑をおかけいたしました。

2008年05月14日(水曜日)

アメリカ FMI とsupermarket 巡り⑧帰国しました、確かに。成果をあげて。ありがとう

今度こそ、帰国しました。

ご参加くださった皆様、
ご協力くださった皆様、
アメリカで私たちの要望にこたえてくださった皆様、
ありがとうございました。
心より、お礼申し上げます。

ハイアット・リゾートを早朝5時45分に出発した私たちは、
6時にはサンフランシスコ空港に到着。
今回の旅で4度目となる。

5月5日、米国到着の時、乗り換えてラスベガスへ移動。
5月9日、ロサンゼルスから3番目の宿泊地へ。
5月12日、最初の出発のため、
そして5月13日、再度の出発のため。

今回も、昨日と全く同じ機体。
一抹の不安。
機体

それでも同じ乗客が集まってきて、
同じチケットで、同じ席に着く。
集合

97番ゲートの同じ壁画が、私たちを送り出してくれた。
hekiga

私には、もうひとつ事故が起こっていた。
携帯電話が「圏外」になりっぱなしで、
繋がらないという事故。11日夜から。
携帯
本当に困った。
電話もメールもつながらない。
そこで、空港でもわざわざパソコンをアップさせて、
メールを送る。
ご迷惑、おかけしました。
原稿、テキストレジュメ、
遅れました。
すみませんでした。

今回の米国出張も、成果があった。
コーネル・リテール・マネジメント・アカデミーが、
正式に決定した。

FMIの新しい展開の節目を、この目で確認した。
そしてアメリカ小売業の転換点を、
ラスベガス・ロサンゼルス・サンフランシスコという西地区で、
検証し、熟考した。

来月6月30日からわが商人舎の第1回目のアメリカ視察がある。
今度は中部と東部。
テキサスとニューヨーク。
しかも独立記念日の7月4日を体験する。

西海岸での見聞が、さらに活きる。
変わるアメリカの社会と消費。
だから小売業も流通業も変わる。
その根底にある謎を解く。
根本の変化が認識されるから、
日本に帰って、それを活かせる。

帰国して確認したら、定員まであと5人しか枠がない。
どうぞお申込みを。

私のテンションは、高まるばかり。
どうぞご期待ください。

帰宅すると、出迎える者なし。
テーブルの下で、眠っている者あり。
携帯繋がらず、行き違いのお粗末。
迎えてくれたもの
不測の事態の多い旅行だったが、
すべて大事に至らず。
しかしそれだけに思い出も多く残った。

皆さん、ありがとう。
(書き込み、待ってます)

<結城義晴>

追申。
アメリカ報告は、まだまだ続く。

2008年05月13日(火曜日)

アメリカ FMI とsupermarket 巡り⑦突然の機体事故で、サンフランシスコにもう一泊!

「旅は終わっていない」
昨日のブログに書いた。

そのとおりになった。

私たちの旅は、終わらなかった。

まだ帰国していません。

現地時間12日朝、8時30分。
バスは、快調にサンフランシスコ国際空港へ。
私は、バスの中で最後の短い講義。
アメリカ小売業6つの総括。
最後に言った。
「あっという間に終わってしまうものなのです、
こういうツアーは。
またご一緒したいですね」
バスの中から

そして空港。
ほぼ順調に手続きを済ませて、
私たちのユナイテッド837便に乗り込む。
古いタイプのボーイング747。
747
機体は飛び立ち、ほっと安堵の空気が流れた。
1時間半ほどして、
機内放送。

「車輪が戻りません。
サンフランシスコ空港に戻ります」

ボーイング747は飛び立ったものの、
車輪が収納できず、サンフランシスコ上空を飛びながら、
対策を練っていた。
判断は、戻って、再チェックすることに決定。

しかし、車輪に故障があると、大事故になる。

そこで、燃料をすべて上空から海上に捨てた。
消防車と救急車を大量に用意した。
そして着陸。
機内
機内では、着陸して、機体チェックして、
すぐに飛び立つかのような空気が流れていたが、
全員、降ろされた。
説明
混雑と説明。
クレームとあきらめ。
説明2
必死の説明。
戻る
もう一泊して、翌日8時に飛び立つことが決定。
ロビーにもどる。

3人のファミリー。
家族

ホテルが決まるまで2時間。
日本食のファストフード店は、
大繁盛。
日本食

3時30分ころ、遅い昼食。
食べるときは和やかになる。
昼食

私は、カツカレーにサッポロビール。
カツカレー
もちろん完食。
悪いけれど、この食事が今回の旅行で一番、うまかった。
ファストフード店では、カレーが売り切れた。

4時過ぎ、再集合。
空港近くのハイアット・リゾートに全員一緒に泊まることになった。
集合

私たちは、再び、サンフランシスコ空港を後にした。
空港

旅は、終わらない。

あっという間に終わるはずのツアーにも、
こんなことがある。

ご心配かけました。
家族の皆さん、会社の皆さん。協会の皆さん。
ご安心ください。
私たちは、もう一日、サンフランシスコの空気を吸って、
無事帰国します。

多分。

<結城義晴>

2008年05月12日(月曜日)

アメリカ FMI とsupermarket 巡り⑥現時点のアメリカ小売業6つの総括

Everybody! Good Monday!

毎日の始まりの朝に、かける言葉。
Good Morning!
この言い方があるのなら、
毎週の始まりの月曜日に、かけてもよいだろう。
そう思って、このブログで使っている。
Good Monday!

アメリカからこの言葉を発信するのも、格別。

もう一度、
Everybody! Good Monday!

返事がない。

私ひとり浮いている感じ。
返事ください。
Everybody! Good Monday!

もう帰国します。

長いようで、あっという間の小旅行。
お疲れ様でした。

でも、まだまだロサンゼルスとサンフランシスコでの、
ストアウォッチングは報告していません。

ロサンゼルスでは、こちらの時間で8日、9日と、
①ゲルソンズ
②ラルフ・フレッシュフェア
③ブリストルファーム
④フレッシュ&イージー
⑤ウォルマート・スーパーセンターHE
⑥フォード4レス
⑦アルバートソン
⑧ボンズ・パビリオン
⑨CVSファーマシー
⑩ヘンリーズ・ファーマーズマーケット
と巡った。

そして、サンフランシスコに飛び、
10日、11日と巡ったのが、
①フェリーターミナル・ファーマーズマーケット
②サンフランシスコ・センター
(ブリストル・ファームが入居している)
③ユニオン・スクウェアの百貨店群
④セーフウェイ・ライフスタイルストア
⑤ドレーガーズ
⑥ノブ・ヒル・スーパーマーケット
⑦スタンフォード・ショッピングセンター
(ニーマンマーカス、ノードストローム、
ブルーミングデール、メーシーズ2店、
それにアンドロニコズが入っている)
⑧トレーダージョー
⑨ホースフーズ・クパティーノ店

これらのレポートは、帰国してから。
ご期待ください。

全体に対する私の感想。
①やはりウォルマートは、
大多数の顧客に支持されている。
wal
 何と言われようと。
 環境対策にも、どこよりも真剣に取り組んでいる。

②ホールフーズとトレーダージョーは、
ウォルマートのできないことをやる双璧である。

 この認識は、変わることがない。
 消費不況の中で、ホールフーズにやや陰りが見えるものの、
 この2社はしっかりとした顧客をつかんでいる。
 マーケットに存在する価値がある。
 トレーダージョーは相変わらず絶好調である。

③インディペンデント・スーパーマーケットは、
健在である。

 もう「生き残った」と表現してもよい10店以下の単独店群は、
 しっかりと顧客からの支持を得ている。
 ホールフーズとトレーダージョーに直接、やられない限りは。
 けしてウォルマートに押しつぶされるのではない。
 残った店には、残った理由がある。
 ウォルマートが絶対に登場しない立地にあるとか、
 ウォルマートと全く違うマーチャンダイジングを展開しているとか。
 すなわち、ウォルマートにできないことをやる者が、
 生き残るのである。

④スーパーマーケット三強は、峠を越えた。
 クローガー、セーウウェイ、スーパーバリューのアルバートソンズ。
 アルバートソンズは、三分割されて、
 もっとも大きな打撃を受けた。
 だからもっともっと悪くなるかもしれない。
 しかしどちらにしても、悲惨な店舗状態からは脱した。
 トップ2は、新しいプロトタイプを完成しつつあるが、
 まだまだ矛盾だらけ。
 顧客の囲い込みと、ロイヤルカスタマーづくりを、
 いまだに勘違いしている節がある。
 三強には、私、いつも手厳しい。

⑤テスコのフレッシュ&イージーには、
ほのかな希望が見えたか。
ファサード
 しかし、図らずも、この重大なテーゼを私たちに教えてくれた。
 「小型化はひどく難しい」
 店づくりとカスタマーづくりに、一段のアップスケールを果たせば、
 成功するだろう。
 このままでは、失敗するだろう。
 そしていま、ウォルマートがその難題に取り組もうとしている。
 この夏の「マーケットサイド」新フォーマット実験で。

⑥ショッピングセンター総模様替え。
 根本的なあり方が大きく変わってきた。
 NSC、CSC、RSC、SRSCという基準が、
 ライフスタイルセンターと呼ばれる21世紀型の中で、
 すべて被いつくされ、つくり変えられようとしている。
 したがって、すべてのショッピングセンターが、変わり始める。
 既存のものも、新しいものも。
 「ショッピングセンター総模様替え」と呼ぼう。
 その中で、デパートメントストアが新しい地位をつくる。
 もうGMSというフォーマットの呼び方はやめたほうがいい。
 シアーズとJCペニーは、ショッピングセンター総模様替えの中で、
 どんな模様の中に入るのか。
 それが問われている。
 ニューデパートメントストアとスーパーセンターのサンドイッチの中で。

以上、店舗フォーマットに関する結城義晴の感想。
これだけ写し取ってもレポートにはならないから、そのつもりで。
皆さん。

さて、11日は、今回のチームで記念写真。
日本セルフ・サービス協会の44名。
それにコーディネーターのロバート鈴木さん。
定番中の定番、ゴールデンゲートブリッジでパチリ。
金門橋
本当に、お疲れさまでした。

ご夫婦で参加の、成沢元志さん、恵美さん。
特別にツーショットをご披露。
成沢夫妻
二人とも、本当によく勉強していた。
よくチャレンジして、いろいろな体験をしていた。
必ず、これは生きる。
昔々、ヤマナカの創業者・故中野富彦さんが、
商業界箱根ゼミナールを新婚旅行にした。
その心意気をバネに、中部地方第一のスーパーマーケットをつくった。
成沢さんたちにも、必ず今回の経験は活きる。
私は、そう、信じている。

バスの中からの、サンフランシスコ・ベイの景観。
サンフラン景観

そして有名なアルカトラズ島。
アルカトラズ

夜は、全員で最後の晩餐。
中華料理。
話は盛り上がった。
最後の晩餐

そしてロバート鈴木さんと固い握手。
私より2歳年上の、硬骨漢のダンディズム。
末長いお付き合いを。
ロバート・鈴木さんと

しかしまだ旅は終わっていない。
日本に帰り着くまで、
そしてそれからも。

ティモシー・ハモンズFMI会長の言葉が胸に残る。
「走り続ければ、道は拓ける」

ラガーマンとビジネスマンの両方で成功した男・宿澤広朗の言葉。
全力疾走していなければ、失速する

しかし宿澤は54歳で逝ってしまった。

どんなスピードで、
どんなペース配分で、
走り続けるか。
それが人生である。
おのおのの。

<結城義晴>

 

2008年05月11日(日曜日)

ジジの探しもの[日曜版]

母の日です。

なのに、
ユウキヨシハルさん、
また、みかけなくなりました。

仕事でしょうか。
病院でしょうか。
ジジ、どこ?1

あっちかな?
どこ?2

こっちかな?
どこ?3

もしかして。
koko?

ここかな?
ここ?

それとも。

外かな?
では

いいえ、ここです。
みんな

ここですよ。
みんな2

写真、撮ってる。
みんな3

ビール、飲んでる。
ビール

食べてる。
うまい

食べてる。
おいしい
絶品。

夕闇、眺めてる。
うつくしい

サンフランシスコのCHAYAにいる。
茶屋

天井、見てる。
ニーマンマーカス

サンフランシスコの百貨店ニーマンマーカス。
二マンマーカス2

歩いてる。
街
メーシーズとバーニーズ。

ユニオン・スクェア。
ユニオンスクエア

ファーマーズ・マーケット。
ファーマーズマーケット

ここでも、オイスターチャウダーとシャンパン。
sara

記念写真。
朝市

なんだ、元気そうじゃん。
おいしそうじゃん。
gao
ガオ?ッ。

<『ジジの気分』(未刊)より>

 

2008年05月10日(土曜日)

アメリカ FMI とsupermarket 巡り⑤デジャヴの中のラスベガス店舗めぐり

三つの次元が交錯するような、
不思議な感覚を覚えています。

このブログを書いているのは、
サンフランシスコの5月9日、午前3時。

しかし日本を想像しながら書いているから、
日本時間は10日、午後7時。

内容は、時系列で追いかけているから、
まだラスベガスの7日、午前10時。
三つの時間と場所を意識しながら、
ものを考え、思い出し、
事実を書いていく。

不思議な感覚です。
しかし、これは海外旅行をしなければ、
味わえない感覚でもあります。

デンゼル・ワシントンの「デジャヴ」という映画、
思い浮かべます。
クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤングにも、
「デジャヴ」というアルバムがあった。
「デジャヴ」には名作が多い。

 

さて、過去が現在を追いかける展開。
5月7日の砂漠の中のラスベガスの朝。
ラスベガス渓谷の南西部のヘンダーソン地区。
典型的なサバーバン。

サバーバンというのは、単なる「郊外」ではなく、
新興住宅地が広がる地域。
だから小売業は、何をやっても比較的うまくいく。
しかしだから、次々に競合店が出てくる。
それも一番新しくて強いフォーマットで。
だから激戦区となる。
だから見どころ満載となる。

今回のコーディネーターは、
アクセス・インターナショナルのロバート・鈴木さん。
私は、あくまでエグゼクティブ・アドバイザー。
この後の記事の数字など、ロバートさんの解説に、
現地店長などのインタビューから得られた情報、
そこに私の知識・情報を混ぜ合わせたものになる。
ロバートさんに感謝。
店の見方は、いつものように私流。

①スミス・フレッシュフェア
全米第1位のスーパーマーケット企業・クローガーの、
ネバダ州・ユタ州などを担当するのがスミス。
ソルトレークシティを州都とするユタ州出身で、
いま約130店舗。クローガー傘下。
ラスベガスでは39店舗で、この地区の31.7%のシェアを占める。
ナンバー1シェアの企業。
そのアップスケール・タイプが、このフレッシュ・フェア。
フード&ドラッグ。
スミス
1999年オープンの8年目。
店舗面積は7万平方フィート(2000坪)。
週の売上高60万ドルというから年間30億円を超える規模。

青果部門は、スーパーマーケットの生命線。
この店では全体の10%の構成比になる。
ボリューム陳列も原則通り。
日本のスーパーマーケットのほとんどが放棄してしまった。
青果

青果部門のトップに来るのが、
オーガニックコーナー。
見事!
オーガニック

担当者にカメラを向けたら、ポーズをとってくれた。明るい。
成績がいいから、明るくて元気なのです。
だから成績も良くなる。
ポーズ

精肉対面売り場では、大皿盛りで、
その上に肉を盛り上げて陳列している。
ミート・シーフードも、10%の構成比。
ミート

魚の売り場。盛り付けが美しい。
魚

グロサリーの構成比は、35%から40%。
缶詰売り場は、客層ごと、用途ごとに、
ベースの部分を色分けして、プレゼンテーションしている。
缶詰

ストアディレクターのダニーさんが、インタビューに応じてくれた。
ロバートさんとともにFMIジャパンの中間徳子さんが的確な通訳を。
店長
ダニーさんによると、この店の従業員数は150人。
45%がフルタイマーと、多い。
「客数は日曜、土曜、月曜、金曜、水、火、木の順」
「テスコのフレッシュ&イージーが近隣にオープンしたが、
全く影響はない。
うちは前年比118%で伸びている」
「フレッシュフェア全体のアップスケールが、
最強のカスタマーサービスです」

店舗総合力のスケール(基準)を上げ続けることが、
最大の競争対策であるというコメント。

②ホールフーズ・マーケット
ご存じオーガニック&ナチュラル・スーパーマーケット。
昨年、この分野の第2位ワイルド・オーツを買収した。
その分、ちょっともたもたしている感じ。
米国の消費が減退していて、
ホールフーズにとって、正念場を迎えている。
ホールフーズ

年商65億9200万ドル、276店舗。
既存店の伸び率は、なんと7.1%。
それでも最近の3年間は既存店がずっと2桁で伸びていたから、
やや停滞感がある。
この日のこの店のオーガニック青果アイテム数は196だった。
青果

青果部門壁面の「ショートカット・シェフ」という対面コーナー。
野菜、果物をカットし、調理するサービス。
ショートカット

コーヒー、お茶の売り場には、おなじみのUCCな缶。
その下の段に伊藤園の500ミリリットルペットボトル。
コーヒーと茶
ホールフーズの良さは、店舗間のばらつきが極めて少ないことだった。
それが少し、崩れているように思われる。
マーチャンダイジングの問題ではなく、
マネジメントの問題に起因する。

③フレッシュ&イージー
イギリス最大の小売業は、スーパーマーケット企業テスコ。
そのテスコが5年間の調査・研究の末に、
米国に出店した話題の「フレッシュ&イージー」
現在ロス、ラス、フェニックスに65店。
ファサード
私はノブ・ミゾグチさんと一緒に、
昨年11月9日、ロサンゼルスでオープンしたばかりのこの店を、
一挙に3店、視察した。
ミゾグチさんはシアトル在住の、
「商人舎オーガニック/ナチュラル研究会座長」
その時、私は、
「50%ほどの売り場構成比を占めるプライベート・レーベルが、
いかに顧客に受け入れられるかがポイントである」
と指摘した。
すなわち、ストアロイヤルティを、
プライベートブランド・ロイヤルティは超えることができない、
という結論に至った。
7カ月後の現在、果たしてそれはどうなのか。
それが最大の関心事だった。
青果
青果部門は、ケース陳列。
これはイギリスと変わらない。
回転するか否かが問われている。
ラック

ゴンドラは、ラック方式。
アイテムが絞り込まれていて、
限定品揃え型のグロサリーストアである。
コンセプトそのものは、オープン時と全く変わらない。
ネスレ
しかし、目立つことがあった。
プライベート・レーベルのフェース数は依然、多いが、
売り場で目立つのは、ナショナルブランドの安売り。

極めつけは、店頭。
左がコカコーラ、右がネスレのパレット陳列。
コカ・コーラ
本来のコンセプトならば、ここに、
「フレッシュ&イージー」のプライベートブランドを持ってくるべきだ。
ホールフーズなど、堂々と入口でPB展開をしている。
ということは、フレッシュ&イージーが、
いまだストアロイヤルティを築き上げるのに、
典型的なナショナルブランドを前面に押し出している、
ということだ。

この店では、未だ、道遠し、の観あり。
(ロサンゼルスでは違っていたのだが)

④ウォルマート・ネイバーフッド・マーケット
ウォルマートが1998年にスタートさせたスーパーマーケット。
今年の1月決算時点で134店。
1年間に22店増。
昨年1月にニューデザインストアを開発したが、いまだ微々たる存在。
約1000坪のフード&ドラッグ。
ヘルスケア・ビューティケアに力を入れるも、
今夏、マーケットサイドというさらに小型の新フォーマットを実験し、
このタイプを止めるか、転換するかの瀬戸際にきている。
NM
フレッシュ&イージーとは、道路を隔てている。
これはフレッシュ&イージーが仕掛けてきていることを示す。
仕掛けられたからか、そんなにひどくはない店となっている。
ウォルマートは不思議な会社だ。
競争が好きな企業といえる。
odemukae
店頭入り口にも、プロモーションの仕掛けがある。

青果
青果部門も以前より少しよくなった気がする。

EDLP
そして、「オールウェイズ・ロープライス」の連発。

だが、「エブリデーロープライス」という点では、
フレッシュ&イージーも同様の政策をとっているから、
この点では、変わらない。
両店の、この時点での勝負、
水入り、再勝負となる。
それも低次元の。

しかしこの両店を視察して痛感したこと。
「店舗を小型化していくことの、難しさ」
増やしたり、大きくしたりする行為は、
比較的にやさしい。
「小さく、狭く、濃く、深く」
これは私が主張している標語だが、
この仕事が困難を極める。
米国と英国の、小売業では最高の頭脳を集めているはずの、
ウォルマートとテスコにおいて、然り。

普通の頭脳の集団は、
小型化などに挑戦しないほうがいい。

大型化は、易しいのだ。


⑤スーパーセンターHE5タイプ

ラスベガス最後の店は、王者ウォルマート・スーパーセンター。
その環境対策店舗HE5型という。
今年3月18日オープン。
ダラスとデンバーの環境対策プロトタイプ。
そのダラス型を普及版にアレンジした店。
ファサードも地域に合わせた色づかい。
wal

マーチャンダイジングは、スーパーセンターそのもの。
ただし、消費不況に対応して、
ベーシックな商品の低価格を前面に出している。
オーガニックなど絞り込んで、
ロープライスを徹底的に訴える作戦。
フロント

マグネット売場のミルクコーナーも、
御覧のように目立つ。
リーチインケースは省エネタイプ。
リーチインケースの多用そのものが、省エネルギー。
マグネット

ファションは、現在、消費環境から売れてはいないが、
商品とプレセンテーションは各段にレベルアップした。
一目瞭然。
ファッション
ウォルマート・スーパーセンターにとっての最大の問題は、
やはり、じりじりと迫っている自らの飽和だけのようだ。

ラスベガスでは、ナンバー1企業の取り組みを見た。
スーパーマーケット1位のクローガー系スミス。
オーガニック&ナチュラルスーパーマーケット1位のホールフーズ。
そしてイギリス1位テスコと世界1位のウォルマート。

みんなすごい会社ばかり。
でも第1位が、それぞれ悩みばかり抱えている。
その自分の悩みに対しては、こんなもんだ。
なんか、安心するよなァ。
皆さん?

<ロサンゼルス編に続く、結城義晴>

2008年05月09日(金曜日)

アメリカ FMI とsupermarket 巡り④FMIショーひと巡り

FMIショー2008は、エキジビター600社。
米国最大の食品展示会といううたい文句。

ざっと、会場内を巡ってみる。
ホテルのコンベンション会場を使っているため、
全体に高級感がある。
床には絨毯が敷かれ、
それが色分けされて、
分りやすく、心地よい。

今回の話題のひとつ、
「ブルーマン」登場。
マスクマン
ハーシーのブース。
展示には、楽しさと工夫が必須。
ハーシー

コカコーラは、入口のベストポジッションを得ている。

出入り口が一つのため、絶好の位置取りということになる。
入口

カラフルなファンファクトリー。
キッズ

ハスマンのデリ・マーチャンダイジング提案。
デリ

メキシコのブースが集まる。
その中のランビー。

キャンベルのブースは、ひたすら試食させる。
キャンベル

クーポンは、アメリカのスーパーマーケットの
強力な販促手段だった。
ダブルクーポンが乱発された。
しかしいま、見直しの時期に入っている。
その提案。
クーポン

日本の㈱イシダからの展示。
吉岡典生常務とばったりお会いして、記念写真。
FMIジャパンの中間徳子さんと。
私たち、吉岡さんから、夫婦に間違えられた。
この会場で、ジャーナリストの金子哲雄さんご夫妻に遭遇した。
そのせいもあるかもしれない。
石田

続いて、OKI。
生音楽入りのデモンストレーションで、
人を集めている。
OKI

サンキストもひたすら新製品を飲ませる。
サンキスト

ディマンドテック。
ソフトウェアの展示が多いのが特徴のひとつ。
商品は、ナショナルブランドメーカーが、
きちんと出展している。
ディマンドテック

コンテッサも、立派なブースをつくっている。
コンテッサ

クラフトのカラフルな展示。

ひとめぐりしての感想。
食品展示会は、主に商品の現物をプロのバイヤーに提示する。
だから新製品、珍しい商品、変わった商品、
知られていない商品、地方の商品などが、
無数に集まってこなければ、
魅力がない。
プロのバイヤーにとっての魅力。
それが必要だ。

ヨーロッパの展示会には、それがある。
世界最大のドイツ・ケルンのアヌーガ。
フランス・パリのシアル。
珍しい商品、変わった商品、
知られていない商品、地方の商品などは、
誰がつくるか。

中小メーカーや産地である。

すなわち、食品展示会は、
中小零細生産者が、
最もコスト安く、
効果高く、
自分の商品を多くの人にお披露目する場でなければならない。

アヌーガやシアルには、それがある。
最近の日本のスーパーマーケット・トレードショーにも、
それがある。

FMIは、来年、ダラスで開催されるが、
「教育」のためにセミナー中心の展開である。

それは、食品産業、スーパーマーケットにとって、
「ひと」が何よりも大切であり、
だから人の教育に力を入れるためである。

しかし、アメリカでは、
巨大メーカーのナショナルブランドが強い。
そして巨大小売業のプライベートブランドも強い。

そうなると、展示会の意味が薄れる。
中小零細メーカーの商品は、埋没しがちだからだ。

中小メーカーの商品を、
こまめに、コツコツと集めるバイヤーが、
中小スーパーマーケットに存在すれば、
その店やその企業は役割を果たし、
個性をつくることができる。

巨大小売業の真似をして、
ナショナルブランドの安さ競争と、
プライベートブランド作りに明け暮れていると、
中小という存在価値がなくなる。

FMIショーから、私はそんな感想を抱いた。

さて、これからアメリカのスーパーマーケット、
どうなっていくのか。

私は、中小スーパーマーケットによる
ノンコモディティ経営戦略を信じている。
それはアメリカではもはや、
展示会に依存できないものなのかもしれない。

それがヨーロッパや日本との違いなのかもしれない。

<結城義晴>

 

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