結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年05月28日(土曜日)

サンフランシスコ地区の典型的な小型店とそのポジショニング競争

カリフォルニア州サンフランシスコ。
私の大好きな街です。
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浅野秀二先生は、このサンフランシスコ在住。

若いころ、ある大手企業の入社面接のとき、
「私はこのサンフランシスコの街と結婚したい」と、
言い切ったそうだ。
素晴らしい。

この街が今回の旅の最後になる。

私はできるだけ、
旅の最後の訪問地として、
海辺の街を選びます。

なんというか、それが、
私の心を落ち着かせてくれるからです。
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もちろん、ほんとうは、
あっちこっちと移動するのは好きではありません。
ひとつところで落ち着いていたい。

だから商人舎第9回ベーシック・コースは、
ネバダ州ラスベガスに居座った。
それがとても良かった。

私も7日間ラスベガスにいました。
それも良かった。

今回は居座って、最後にサンフランシスコ。
すべて良かったと思います。

さて、そのサンフランシスコでの視察と研修。
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万代ドライデイリー会のメンバー。
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ちょっと元気がないので、
もう一枚「グー!」
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少し古いか?

トレーダージョーでのインタビュー。
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熱心にメモをとる。
万代惣菜部チーフバイヤーの入江正徳さん以外、
全員がメーカー、卸売り会社の役員・社員。
それがこの研修の特徴。
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浅野先生も絶好調。
大和魂を持つ国際人。
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この店は95人~200人の従業員が働く。
大学生が多く、自分の授業に合わせて、
仕事の時間を調整しているから、
人数は多くなるが、うまくシフトが組まれて、
オペレーションが成り立っている。

そのうえ、トレーダージョーの店舗での業務は、
主に三つしかない。
①キャッシング(レジの仕事)
②クレンリネス(掃除)
③商品陳列

あとは全員でフレンドリーサービスとホスピタリティ。
実にシンプルなシステムで、
チェーン・オペレーションのお手本のような会社。
これを本当のチェーン・オペレーションという。

1万5000平方フィート(280坪)のアメリカ最強の小型店。
(この店については来週詳細の報告の予定)

そのトレーダージョーに対して、
ホールフーズ・マーケットが取り組んだ小型店実験。20110528221326.jpg
3月にこのブログで詳細にレポートしたが、
この店が、順調に、オペレーションをこなし、
地域になじんでいる。
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トレーダージョーにホールフーズ。
どちらも健康・安全・環境対応型小型店。
かたや低価格、かたや高価格でも胸を張る。
ターゲティングの違い、ポジショニングの確立。

見事な経営ぶりに、心から嬉しくなる。

二者に対してセーフウェイの「ザ・マーケット」。
ご存知、米国第2位スーパーマーケットの小型店。
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まだまだ問題点多し。
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ただし立地は抜群。
だから客数は多い。

しかし寿司コーナー、サンドイッチの対面販売コーナーなど、
課題だらけ。

そして生鮮食品に関しても、
まだまだ小型のハンディキャップを克服していない。

そのセーフウェイのレギュラー店。
しかも「ニューライフスタイルストア」。
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この店は見事な繁盛店となっている。
同じ店づくりでも、こうも違うかと考えさせられる。
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小売業のポジショニングの中に、
コミュニケーション、プロモーション、
そしてパーソナリティやイメージがある。

この店はそれが際立ってよろしい。

それがよろしいから、客数が増える。
すると、さらに従業員のモチベーションが上がるし、
商品回転もよくなる。

「小売業は売れれば売れるほど、
易しくなる」

その典型の店だ。

そしてスプラウツ・ファーマーズマーケット。
サンフラワー・マーケットと同じフォーマット。
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スーパーマーケットという業態が分化してきた。
その分化の中のひとつのフォーマットとして、
「ファーマーズマーケット」はポジショニングが確立された。
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これは米国スーパーマーケット産業の大きな特徴である。

私は、まさに「フォーマット」の時代が来たことを、
この店が象徴していると思う。
(ファーマーズマーケットに関しての考察は来週)

最後はバークレー・ボウル。
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その圧巻の青果部門。
他の追随を許さない。
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この店ほどポジショニングが際立つ存在はない。
だから大商圏の超繁盛店舗となる。
(この店の詳細も来週紹介の予定)

最後の講義2時間と15分ほど。

いったい何度講義をしただろう。

バスの中でも、浅野先生と交代で語り続けた。
いったい何時間講義をしたのだろう。

それでもまだ足りない。
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メーカー・卸のみなさん向けに、
業態とフォーマットのこと、
ポジショニングのこと、
わかりやすく話したつもり。

そしてコモディティ化現象とプライベートブランドの関係。
これは欠かせない。

ゲータレードとパワーレードを引き合いに出して、
コモディティ化とプライベートブランドを解説した。
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ピーター・ドラッカー先生の「見る・聞く」
この姿勢を貫いた研修となった。
私は満足した。

すべてのスケジュールが終わったら、
自由時間。

浅野先生と連れだって、
フィッシャーマンズ・ワーフ。
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金曜日だが休日で、
大にぎわい。
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海辺のマーケットの陳列も、
このように美しい。
これが商売の原点であり、
農産国アメリカのスタンダード。

だからアメリカのスーパーマーケットは、
どの店も美しいプレゼンテーションとなっている。
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もちろん、プレゼンテーションは、
売るために美しくするのではない。
店のポジショニングを確立する要素のひとつなのである。

メンバーと出会って、
アルカトラズ島を背景に記念写真。
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夕方からお別れパーティ。
イタリア料理の「T・ピアセッラ」。
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みんな、自由時間も満喫し、
満足顔。
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お疲れ様、お元気様。
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団長挨拶は㈱ケイ低温フーズ社長の龍首文昭さん。
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そして万代からたった一人参加した入江正徳さんの乾杯の音頭。20110528222256.jpg

充実した研修会だった。
すべてのみなさんに感謝。
事務局の前田さん、小阪さん、佐藤さんにも、
そして誰よりも浅野秀二先生に、
心から感謝。

いい旅でした。

<結城義晴>

[追伸]
すべてが終わった夜10時過ぎ、
ヒルトンホテルの一室に向かった。
㈱たいらやの新入社員研修のみなさんに合流。
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村上篤三郎社長自らが率いている。
コーディネーターはノブミゾグチさん。
私は、スーパーマーケットの仕事に就いた皆さんに、
心からのエールを贈った。

2011年05月27日(金曜日)

ラスベガスからサンフランシスコへ、イノベーションを学ぶ旅続く

ネバダ州ラスベガス。
ホテル・モンテカルロ

私がずっと居座っている馴染みのホテル。
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しかしその隣にできた最新ホテル「アリア」
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金持ち老夫婦がリムジンで、
乗り付ける。
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ショッピングセンターも店も、
レストランもホテルも、
拠点産業はすべて、
最新設備の後発者の登場を、
想定しておかねばならない。

だからアメリカのショッピングセンターは、
開設の時から第3次計画までつくっておく。

敷地プラン、増床プラン、テナント入れ替えプラン。
資金計画、人員計画。

「後進の先進性」
「後発の優位性」

後進・後発の者こそ、
最新の設備や技術を導入するから、
むしろ先進的で、優位に立つことがある。

先進する者は、
常にそれを想定して、
そのうえ謙虚に、
仕事に励まねばならない。

ただし、後発する者は、
先進する者に対して、
敬意を払いつつ、
謙虚でなければならない。

それが、あるべき競争の、
もっとも重要なところだ。

アリオとモンテカルロは、
通路で直接つながれていて、
顧客が簡単に行き来できるようになっている。

超近代的なアリアのロビー。
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そして、エルビスシアターの前、
エルビス・プレスリーの胸像。
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万代ドライデイリー会31名を迎えての第二次研修会。
絶好調で進んでいる。
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メーカー、卸売業の若手精鋭。
小売業の人間と違う。

専門を持っているから、
そこからものを見る。
「虫の目」が備わっている。

それがまた、いい。
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講義にも熱が入る。

同じアメリカのことを話しているが、
強調する点はまったく違う。

だから私も面白い。
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52週の謎を解いているところ。
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ピーター・ドラッカー先生の言うように、
「いつも時間は赤字」
だから話は急ピッチ。

それでも充実した講義。
ご清聴感謝。

その後は、リムジンにのって、
レストランへ。
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リムジンは気持ちいい。
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右から㈱万代惣菜部チーフバイヤーの入江正徳さん、
ケイ低温フーズ㈱代表取締役社長の龍首文昭さん、
浅野秀二先生、
そして㈱エスアールジャパンの村橋茂斉さん。

そして到着。
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老舗のローリーズ。
プライムリブのローストビーフが名物。
私は35年前から大好き。

夜はショー。
シルクド・ソレイユの「ズーマニティ」
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シルクド・ソレイユは、
チャン・キム&レネ・モボリュニュ著『ブルーオーシャン戦略』の、
ケーススタディでも有名。

素晴らしいステージ。
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内容は書かないが、
五十嵐ゆう子さんのお薦め通り、
とても良い。

昼は店舗を駆け巡り、
夜はショーを楽しむ。

極楽極楽。

チームはラスベガスに3泊。
次に向かうはサンフランシスコ。
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新しい街から、
古い街へ。

砂漠の街から、
海辺の街へ。
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太陽の街から、
霧の街へ。
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どちらにも人間が生きていて、
生活がある。
そして店があり、
店員がいて、
顧客を創造している。

それを見て、
感じ取り、
学ぶ。

こんなうれしい旅はない。
こんなうれしい仕事もない。

だから私はまた感謝したくなる。

アメリカのすべてに学ぼうという気持ちになる。
謙虚になる。

店にも、売り場にも、商品にも。
人にも、組織にも、会社にも。

そして理念やビジョン、思想にも。

「創意を尊びつつ良いことは真似ろ」
倉本長治が残したイノベーションの極意。

この時、偏ってはいけない。
それが一番愚かで、
恐いことだ。
(まだまだつづきます)

<結城義晴>

2011年05月26日(木曜日)

日本の業態別4月販売実績とホールフーズ、ボーダーズに深く関連していること

5月26日、ラスベガスの朝。
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日本を発って7日目となる。
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昨日は40度に近い熱帯日。
ホテルのプールには人があふれていた。
しかし朝6時にはさすがに人影は見られない。
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今日でラスベガスともお別れ。
サンフランシスコに向かう。

やっとこの旅も、
終点が見えてきた。
もうひと頑張り。

昨夜は8時間くらい寝て、
すっかり元気が戻った。

さて日本の状況。

パリにいる菅直人首相。
フランスのサルコジ大統領と会談。
エネルギー政策に関して、
「一層の安全性を確保したうえで、
原子力を活用する考えだ」
と明言。

サルコジ大統領は、
「原子力か、原子力なしかという議論は適切でない」
二者択一ではない、という主張。
まさしく現代化の焦点となる考え方。
菅首相も同意。
G8首脳会議での連携も申し合わせた。

一方、朝日新聞の世論調査。
日米仏ロ韓独中の7カ国で展開。
原子力発電の利用に関して。
①賛成が反対より多いのは米国とフランス。
米国は賛成55%、反対31%、
フランスは51%、44%。

②賛成反対が拮抗しているのは韓国と中国。

③反対が多数なのは、ドイツ、ロシア、日本。
ドイツは、反対81%、賛成19%
ロシアは賛成36%、反対52%、
日本は賛成34%、反対42%。

連合は、原発の新増設について、
「着実に進める」としていた従来の方針を凍結することを決定。
読売新聞の記事。

古賀伸明会長は、「事故の検証を待たなければ、
原発をどう位置づけるかという選択肢が広がらない」

これが日本国民一般の正直な感想だろう。

さらに経済産業省の今夏の節電対策。
企業の大半や家庭に電力使用を、
昨夏ピーク比15%削減を求める節電策。
しかし今夏は例年以上の暑さの予想。

「企業や個人にとって厳しい夏」と日経新聞は書く。

さて、日本の小売業・外食の4月販売実績が、
次々に発表された。
商人舎取材班からの報告をもとに、
ダイジェストしておこう。

日本チェーンストア協会。
総合スーパーを中心とする販売統計

60社、8003店舗の4月の総販売額は、
1兆0474億0470万円。
店舗調整後の前年同月比はマイナス1.3%で、
3カ月ぶりの売上げ減。

野菜の相場安や3月の東日本大震災特需の反動から
食料品の動きが鈍かったためだ。
節電意識もあり、花見需要が盛り上がらなかったことも原因。

食料品の販売額は6417億5601万円で
前年同月比マイナス1.5%

前月比マイナス1.8%と、いずれも下回った。

衣料品の販売額は1100億1893万円。
前年同月比でみると、マイナス2.3%だったものの、
前月比では21.4%増と大幅に伸びた。
4月は全体的に気温が高く、
夏物衣料に動きが見られた。

住関連は2262億0627万円。
前年同月比はマイナス2.1%ながら、
前月比はプラス12.9%と、
こちらも売上げ好調。
入学・進級の時期ということで、
文具や学習机などの動きがよかった。

日本フランチャイズチェーン協会。
「コンビニエンスストア統計データ」

既存店ベースの売上高は6044億0900万円。
前年同月比プラス1.6%で、今月も引き続き増加。

ただし、商品構成別にみると、サービスの売上高が
前年同月比マイナス15.1%。
もちろんこれは震災の影響によるところが大きい。
節電によるイベント等の自粛により、
2カ月連続でマイナスとなった。

3月は、非食品売上げの大幅な増加がみられた。
しかしそれも収まり、4月はプラス6.2%。
3月の23.8%プラスと比べると、
落ち着きを取り戻しているのが分かる。

日本百貨店協会発表の
「全国百貨店売上高概況」

86社、254店舗の総売上高は4750億2177万円。
昨対マイナス1.5%だが、
前月の大幅なマイナスからは回復。

大阪地区の売上げは4.7%増で、9カ月ぶりにプラス。
この春に増床・リニューアルを完成した店舗が押上げ効果を発揮した。
大阪駅にオープンした三越伊勢丹が、
そのけん引役を担った。
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商品別売上高は以下の通り。
衣料品は、1742億0482万円でマイナス0.5%、
身のまわり品は、606億9958万円でマイナス0.9%、
雑貨は、677億0442万円でマイナス3.5%、
家庭用品は、247億5597万円でマイナス4.4%、
食料品は、1187億4083万円でマイナス0.5%。

子ども衣料と菓子の項目以外、
すべてマイナスだった。

続いて、「スーパーマーケット販売統計調査」
社団法人新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)、
オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、
日本スーパーマーケット協会(JSA)、
3団体の合同統計発表。

はじめに、JSA専務理事の大塚明さんが統計調査の改善点を述べた。
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速報値の集計企業数が263社から280社に増加、
集計カテゴリーや集計エリアの分類を変更、
売上高の既存店昨対と保有店舗数別での売上高集計を開始するなど。
その4月の総売上高は7924億4615万円、
既存店の前年同月比マイナス0.6%。
全店ベースではプラス1.2%。

食品合計は6829億6680万円で、
マイナス0.2%(全店ベースでプラス1.7%)。

生鮮3部門の合計が2578億0792万円で、
これもマイナス0.8%(プラス0.9%)。

その内訳は、
青果が1030億6675万円でマイナス2.3%(マイナス0.7%)、
水産が727億6904万円でマイナス2.6%(0.9%)、
畜産は好調で、819億7213万円のプラス2.8%(4.7%)。

今月から一般食品の分類が変わり、
一般食品とひとくくりにされていた日配の売上げが
発表されることになった。
これは非常に良い。

その一般食品が、2231億8069万円でマイナス0.7%(プラス1.1%)。
日配は、1343億194万円、プラス0.7%(プラス2.8%)、
惣菜は引き続き好調で、
676億7625万円のプラス1.4%(プラス4.8%)。

そして、非食品が687億0949万円でマイナス1.7%(マイナス0.9%)、
その他が407億6986万円、プラス0.1%(マイナス0.4%)だった。

エリア別集計にも変更があった。
これまでは「関東エリア」と「東海・北陸エリア」で集計していたものを、
今月からは「首都圏エリア」、「北信越エリア」、「東海エリア」とした。
これにより、エリア別の特徴がより正確に、数字に表れる。

北海道・東北エリアの既存店前年同月比はマイナス0.6%、
首都圏エリアは、マイナス0.7%、
北信越エリアは、プラス1.1%、
東海エリアは、マイナス2.6%、
関西エリアは、マイナス1.3%、
中国・四国エリアは、プラス1.3%
そして、九州・沖縄エリアがマイナス0.7%。

さらに今月から新たに設けられた保有店舗数別集計。
1~3店舗を保有している企業数は44社で、
売上高の既存店前年同月比はマイナス1.9%。
4~10店舗の企業は83社ともっとも多く、マイナス0.4%。
11~25店舗の企業は72社で、マイナス0.3%、
26~50店舗が44社で、マイナス0.1%、
最後に51店舗以上を保有している企業は37社あり、マイナス0.9%。

これをみると、全項目で前年を割り込んでおり、
会社の規模によって、数値の差がないことが分かった。

4月のトレンドとしては、
日々の売上高のアップダウンが
非常に大きかった。
月初めは好スタートをきったものの、
7日の大きな余震により、落ち込んでしまった。
しかし、後半はだいぶ戻してきたので、
全体としては回復基調にある。

大塚さんは興味深い話をされた。
「とあるスーパーマーケットの方と話をしたのだが、
“被災地”と“非被災地”の境に立地している店がよく売れている」

以前は、鮭の切り身2~3切のパックが主に売れていたが、
今は6~8切パックがよく売れているのだという。
施設の人が買い出しにきたり、
親戚が避難してきて、瞬間的に家族が増えているのが理由だ。

震災後は主食素材の割合が多かったが、
今後、バラエティ化をどう進めていくのか、
いかにPRや情報を付加した売場づくりをするのかが重要になる。

続いては、JSA川野幸夫会長が、
1年を振り返っての言葉。
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「スーパーの代表はスーパーマーケット。
しかし日本では、総合スーパーが
スーパーマーケットの代表と見られている。

これはなぜなのか。
今までスーパーマーケット業界の統計数字を
きちんと出してこなかったからだ。
数字がなければ、国民生活の実態は見えてこない。
そこで、スーパーマーケット3団体が協力して、
昨年の5月から統計を発表するようになった。

正直、できるのかと心配はあったが、
お陰様で毎月2百数十社の統計がとれて、発表ができた。
これからもより正確で、より綿密な数字を示していきたい」

「ヤオコーでは3月・4月の売上げが既存店で大変よかった。
供給が滞り、特売が打てなかったため、粗利率が確保できた。
震災後、ヤオコーでも例にもれず、棚から商品がなくなった。
棚から物がなくなると、消費者は不安になり、
余計な商品まで買ってしまい、さらに品薄となる悪循環だった。

しかし、商品の確保だけに走った店より、
ヤオコー本来の提案型の店づくりに努力した店が成績はよかった。

今回の震災であらためて、
私たちはお客さんから頼りにされていて、
本当に良い、ありがたい仕事をさせていただいていると思った。

スーパーマーケットの果たすべき役割は大きいのだと認識できた。

被災された企業はこれまでより強くなって、
スーパーマーケットの使命を果たしてくれるだろうと強く感じている」

また、スーパーマーケットの店頭などで募った義援金や、
売上げの一部、従業員・役員からの寄付金など、
総額で62億2539万2213円が寄せられたことを発表した。

最後に、日本フードサービス協会の「外食産業データ」
204社、3万1421店舗からのデータを集計。

外食産業の4月度売上状況は、
過去最大の減少率だった3月のマイナス10.3%から
4月はマイナス2.8%と急速に回復した。

しかし、まだまだ自粛や節電などの影響から、
消費は鈍っているため、客数はマイナス3%。

ファストフードの前年比はマイナス1.8%、
ファミリーレストランはマイナス1.5%、
パブや居酒屋は自粛ムードがいぜん強く、マイナス11%、
ディナーレストランがマイナス2.5%、
喫茶がマイナス4.4%と、
先月よりはすこし良くなっているものの、
外食産業の不調はつづく。

アメリカでも外食はずっと不況だ。
タックス、サービス料にチップまで上乗せされると、
顧客はスーパーマーケットでの買い物を優先する。
だからスーパーマーケットの店内に、
イートインが多数設けられる。

しかし単なるイートインでは駄目。
食事する環境を整えねばならない。

ホールフーズ・マーケットやウェグマンズがその先導をする。

オーガニック・スーパーマーケットとして、
世界最高のレベルを堅持し、
イノベーションを続けるホールフーズ。
この企業を差別化戦略だの独自化戦略だのという言葉で、
軽く語りたくはない。
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1979年に始めた自然食品店、
そして1980年にスタートしたホールフーズ。
CEOジョン・マッケイの生き方そのものが、
全従業員の生き方となって、
この企業の隅々にまで息づいている。

そして今、そのオーガニックやナチュラル、ローカルの考え方を、
顧客に知らしめるために、
「売場で食事」
してもら政策が、
コアコンピタンスのひとつとなってきた。

売場はこんな展開。
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「売場で食事」の局面。
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椅子が高くて、センスがいいこと。
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歩いている買物顧客をみおろす感じ。

デリ売場、チーズ売場。
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そしてイートイン。
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鮨屋のカウンターのごときスペース。
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コーヒー&エスプレッソ、そしてケーキ。
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ホールフーズだけではない。

書店チェーンのボーダーズ。
連邦破産法11条を適用申請したが、
売場は元気で変わらない。
顧客もやってきている。
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ここではイート・インではなく、リード・イン。
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立ち読みではなく、
座り読み。
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ここでは本を読むのはタダ。

スーパーマーケットでも、
「ゆっくり座ってタダの試食スペース」は設けられぬか。

ついでに先の三越伊勢丹大阪の地下食品売り場。
優雅なイートインコーナー。
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おばちゃんはこれがすき。
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しかし三越伊勢丹はちょっと椅子が低い。
おじさんも、休憩しつつ、イートイン。
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買物客に見下ろされない。
高いテーブルと高い椅子。
そしてセンスアップされた空間が必須。

いかがだろう。

日本のスーパーマーケットのイートイン。
全体にテーブルとイスが低すぎる。
売上げのトレンドと、
小売業側の知恵と努力。

低迷続きの百貨店でも、
世界最先端のマーケティングを展開すれば、
光明が見えてくる。

このポジショニングとイノベーションこそ、
私がアメリカで学びたいことだ。
(まだまだつづきます)

<結城義晴>

2011年05月25日(水曜日)

商人舎第9回USA視察研修会ベーシック・コースの大団円レポート

『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』
書店に並んでいるようです。
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今年度の結城ゼミ・遠藤幸太郎さんが送ってくれた写真。

東京・上野エキュートの「ブックエキスプレス店」の棚。
この店は日商300万円の繁盛店だが、
3フェースの『もしドラ』の右隣に、
2フェースとって陳列してくれた。

さらに右隣りには、
柳井正さんの『わがドラッカー流経営論』がある。

そして下段には当然ながら、
上田惇生先生のシリーズがズラリ。

ありがたいことです。

遠藤さんにもお礼を言いましょう。
ラスベガスのホテルの部屋で、
疲労困憊の結城義晴を元気づけてくれました。

さて、商人舎第9回のUSA視察研修会。
大成功のうちに終了しました。
全員、無事成田空港に到着したようです。
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私はまだ、ホテル・モンテカルロの同じ部屋に5日目。

ちょっとさびしくなったけれど、
もう次のチームが到着して、
研修は始まっている。

こちらは万代ドライデイリー会。
メーカー、卸売業の精鋭が、
事務局を入れて34人。

私と浅野秀二先生が出迎えて、
今度はスーパーマーケットに関連するメーカー・卸のための、
米国小売業勉強会。

そちらの報告をする前に、
87人の大研修会となったベーシック・コースの報告。

大型バス2台に分乗して、
別々のルートを視察見学する。
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1号車に私。
2号車に浅野秀二先生。
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バスの中では、
それぞれに講義。
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アメリカの文化、ライフスタイルなど、
現地在住の浅野先生ならではの講義。
今回も絶好調。

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みんな真剣に聴いてくれる。
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午前と午後で、私と浅野先生は、
バスを交換する。

店舗に到着すると、
資料とメモを持って、
観察と調査。
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あらかじめ、17のグループに分けてある。
1グループ5人。
だから5人ずつ集団となって動く。
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違う会社の人たちと、
意見を交換させ、議論をしながらの視察と考察が、
大いに勉強になる。
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店の中でも、遠慮なく議論や情報交換。
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店を出てきて、その店のチラシの確認。
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こんなことを繰り返しつつ、
3日間で32店舗を巡る。
それがベーシック・コース。

そしてこれという店では、
インタビュー。

初日にウォルマートでインタビュー。
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ウォルマートでは店内ツアーも行った。20110521174337.jpg

次は、ご存知、トレーダージョー。
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私のチームには五十嵐ゆう子さんが通訳についてくれた。
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全員が真剣にメモをとり、
質問をする。
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対応してくれたトレーダージョーのファースト・メイトと記念写真。
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そして全員で写真。
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こんなことが2チームで展開される。

ホールフーズでもインタビュー。
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店の外で輪になって、
質疑応答。
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五十嵐さんはもろ肌脱いで、大奮闘。
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団員はこれまた真剣勝負のメモ。
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そして、全員写真。
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結城義晴とのツーショット。
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夕方、ホテルにもどり、セミナー。
今回、私は毎日、講義をした。
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初日夜はAグループに2時間30分。
二日目夜は、ホノルル経由で到着したBグループに、
同じく2時間30分。

そして、三日目の朝は、
全体に向けて、3時間15分ほど。
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最後に4日目の朝。
8時から12時まで、4時間。

ずっと、熱心に聴いてくれた。

聴き手が熱心で、真摯になると、
話し手もより熱心で、真摯になる。

好循環のコラボレーションが展開された。

三日目の夜はお別れの交流会。
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中華料理を食べつつ、
グループごとに、あるいは会社ごとに、
全員が紹介され、代表があいさつした。
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最後に浅野先生と五十嵐さん。
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最後の最後は結城義晴。
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皆さんありがとう。

一夜明けて、4日目の朝。
8時集合で、4時間のセミナーと発表。

まずは、結城義晴の講義。
350ページに及ぶテキストを全部、
解説し、説明するのが私の流儀。
だから時間がいる。
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1時間半ほど講義して、
ゲストスピーカー。
西川隆さん。
㈱プログレスデザイン代表取締役プロデューサー。

店舗デザイナーとして若手ナンバー1であることは、
誰もが認めるところ。

しかしいたって謙虚で、そのうえ超のつく勉強家。
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アメリカのスーパーマーケットのデザインに関して、
貴重な意見と感想を語ってくれた。
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私は「ポジショニング競争」が始まっていると考えているが、
店舗のポジショニングの際、
デザインは欠かせない重要な要素となる。

その専門家の西川さんの話は、
私の主張と一体となっていた。

その後、商品構成グラフの優秀賞と最優秀賞の発表。
この選考のため私は前夜、徹夜した。

アメリカに来るといつも睡眠時間は2時間から3時間。
しかし徹夜すると、さすがにつらい。
昼には動き回っているから。

しかしこの選考には手が抜けない。
優秀賞4チームが発表され、
全員が立ち上がって拍手を受ける。
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そして選考された全チームの代表が発表。
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チームリーダーが解説をし、
チームメイトが画面を指してサポートする。
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私をはじめ、みんなが真剣に聞き入る。
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最後に最優秀賞の発表とプレゼンテーション。

そして賞品の授与。
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最優秀賞は卵のエクストララージXを調べたJチーム。

サミット㈱の早川知美さん、
㈱ダイナムホールディングスの杉山一幸さん、
㈱サクラバの角田雄亮さん、
㈱万代の御堂宏司さん、
コプロ㈱の太田桂一郎さん。
おめでとう。
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優秀賞は4チーム。
初めに、ミート部門のプライムチョップを調べたEチーム。

㈱ユニバースの八木田幹司さん、
サミットの比企野智さん、
万代の安達宣裕さん、
日本アクセス北海道㈱の猪俣正道さん、
㈱高山の渡部広昭さん。
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Fチーム。
調査項目はミート部門のボンレススキンレスチキン。

サミットの小川智規さん、
㈱セブンスターの坂本明弘さん、
日本アクセス北海道㈱の大村克仁さん、
㈱丸高商会の中村広幸さん、
万代の國貞浩二さん。
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Kチームは、デアリー部門のオーガニックミルク。

ダイナムホールディングスの谷島一郎さん、
サミットの石井智子さん、
万代の川上政人さん、
アイディック㈱の杉原大悟さん、
㈱ランドロームジャパンの斉藤恭平さん。
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そしてまるで最優秀賞をとったかのようなMチーム。
グロサリーのコーン缶詰を調べた。

万代の小西忠治さん、
ユニバースの新岡一成さん、
ダイナムの岡崎年生さん、
アイディックの中島健太さん、
日本アクセス北海道の福島康人さん。

みんな、おめでとう。
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全体に、今年の商品構成グラフは、
よくできていた。
私は誇りに思った。

実務に活かしてほしい。

表彰式が終わると、最後の最後の講義。
1時間30分ほど。

私はイノベーションを説いた。
そしてそのために「自ら、変われ!」と訴えた。

涙が出るほどうれしかったのは、
拍手がしばらく鳴り止まなかったからだ。

心から感謝したい。

講義が終わると、自然に握手会。
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みんな列になって、
順番に力強い握手。
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私は、感動した。
みんな、ありがとう。
ほんとうにありがとう。

<結城義晴>

2011年05月24日(火曜日)

アメリカ非食品業態に鮮明な「複占・三占」状態を俯瞰する

ネバダ州ラスベガスで、
もう5日目の朝。

商人舎第9回USA研修会ベーシック・コースの87名は、
これから帰国します。

その全体写真撮影風景。
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ウォルマートの広大な駐車場に集まって。

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全員が写るように並んで。
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そして全体写真。
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みんなの顔がコメ粒大で、恐縮。
ご家族、ご友人、会社のみなさん、
探してください。

誰がどこにいるか。
どんな満足顔をしているか。

ツアーのスタートから、航空機の欠航で、
Bグループがホノルル経由となってしまった。
それでもハワイのウォルマートやホールフーズを、
オプションで視察し、プラス・アルファの成果を得た。

全体でも、これだけの人数でしかできない、
コラボレーションの果実を獲得した。

なにより、活気とエネルギーがあった。

帰ったら、やるぞ!
自ら、変わるぞ!

そんな気概に溢れた人間集団と化していた。

これこそ奇跡だと、私は思った。

さて、ブログはラスベガス滞在3日目にさかのぼる。
視察は、いよいよ最後の日。

この日の朝は、結城義晴の第2回セミナー。
ベーシック・コーズはたっぷりとセミナーの時間をとる。

ホテル2階の会議会場には、
7時半ごろから参加者が次々に集まってきた。
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前日、17チームが視察店の商品調査を行った。
調査内容を商品構成グラフにまとめ、分析するために、
会場のあちらこちらでディスカッションが始まった。
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広い会場に、17チームがそれぞれに集まり、
真剣な議論が展開されている。
その姿をみると、なんだか、とてもうれしい。
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その真剣さに10分講義開始時間を延長し、
8時40分、講義をはじめる。

トラブル発生のため、
参加者87名が一堂にそろうのはこの講義が初めて。
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私も、力が入る。
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アメリカ小売業の業態の変遷、
最新のチェーンストア・ランキング、
業態論からフォーマット論まで、
重要なテーマを2時間にわたって語った。
「鳥の目」「魚の目」がなければ、
「虫の目」は生きてこない。

もちろん虫の目は、調査・研究を、
科学的にチームごとにすることによって、
客観化される。

それに私の講義で「鳥の目・魚の目」を補強する。
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朝早くからのご清聴を感謝。

さて、アメリカ小売業
今日は非食品企業のチェーンストア・ランキングを見ていこう。
<フォーチュンなどから商人舎が作成したランキングに基づいている〉
食品を扱う会社も、
非食品を知らなくてよいとは言えない。

非食品小売業が、
真剣に食品を研究していることは、
周知の事実だ。

しかし食品小売業は、非食品の研究が足りない。

アメリカの非食品小売業第1位は、
ウォルマート。

ウォルマートは食品小売業としても第1位で、
アメリカのスーパーマーケット関係者は、
いつもウォルマートを研究しているから、
日本よりも非食品の理解が深い気がする。

私はいつも、ウォルマートを基準にして、
アメリカを見る。
年商4050億4600万ドル。店舗数4304。
この数字が、ウォルマートを基準にせざるを得ないことを、
如実に表している。
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第2位はコストコ。
年商762億5500万ドル、540店。
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ウォルマートが唯一かなわないジャンル、
それがメンバーシップホールセールクラブの業態。
コストコに対して、ウォルマートはサムズというバナーで対抗しているが、
まったく足もとにも及ばない。
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そこで、サムズはなりふり構わず、
コストコのコピー作戦に出た。
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コストコの会員費が16億9100万ドル、
純利益が13億0300万ドル。
つまり会員費で利益を出している業態。
その会員費も、いつでも返金を了解しますと謳っている。

その緊張感がコストコ全店に満ち溢れている。

第3位はターゲット。
673億9000億ドルで、1750店舗を展開するディスカウントストア。
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赤のターゲット、青のウォルマートいわれるほど、
店舗のカラーリングは対照的。
店づくりも、ウォルマートと対象的。
生い立ちも対照的。
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ウォルマートがバラエティストア出身なのに対して、
ターゲットはデイトンハドソンという百貨店出身。
何からなにまでウォルマートと正反対のポジショニング。
だから存在の意味がある。

ウォルマートとターゲットの中間のポジショニングだったKマートは、
だから衰退し、没落した。

第4位はドラッグストア1位のウォルグリーン。
年商633億3500万ドル、7397店。

第5位はホームセンター1位のホーム・デポ。
591億7600万ドル、1966店。

第6位はCVSケアマーク。
ドラッグストア第2位。
年商553億5500万ドル、7025店。
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第7位はホームセンター2位のロウズ。
472億2000万ドル、1694店舗。

4位から7位までは、
ドラッグストアの2強とホームセンターの2強。

ドラッグストア第3位のライト・エイドは256億6900万ドルで、
アメリカ小売業ランクの13位だから、
まだ2強に食いついていて、
3強とも考えることができる。
これを「三占」と呼ぶ。

対してホームセンターの第3位メナードは、
チェーンストアランキング43位で、年商78億9700万ドル。
ホームセンター産業は「複占」の様相が顕著だ。

第8位は、シアーズ・ホールディングス。
シアーズのGMS、
そしてKマートのディスカウントストア及びスーパーセンターを展開する。
年商440億4300万ドル、3519店。
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要は没落したシアーズと破産したKマートを、
ホールディングカンパニーのもとに統合し、
生きながらえている会社。

第9位は家電専門手のベスト・バイ。
年商373億1400万ドル、1192店。
しかし家電の1位はウォルマート。
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第10位はGMS業態のJ.C.ペニー。
175億5600万ドル、1101店。
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リージョナル・ショッピングセンターに入って、
メイシーやコールズ、ディラードなどの百貨店と並んでいると、
JCペニーは紛れもない百貨店だと見えてくる。

荒井伸也さんが指摘した「大衆百貨店」こそ、
GMSと呼ばれた業態の正体だったことは、
今や明らかである。
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第11位は百貨店第1位のコールズ。
年商171億7800万ドル、1058店。
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この店はもう、シアーズやペニーとそっくり。
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ジュニア・デパートメントストアと位置付けられている。

百貨店の3位は、有名なノードストロームの82億5800万ドル、184店。
伝説のサービスは健在で、
メイシーズへの対抗勢力の筆頭。

百貨店4位はディラードの58億9000万ドル、309店。
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ディラードは1店当たりの売上高は少ないが、
百貨店業態としては低コストの運営でしっかり利益を出している。
その意味でポジショニングの明確な企業だ。

百貨店業界も淘汰が進み、メイシーズのガリバー状態。

非食品小売業第12位は、
オフィスサプライ業態のステープルス。

年商163億4300万ドル、1555店。

オフィスサプライ業態の2位は、
オフィス・マックスの59億5300万ドル、918店。
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3位は、オフィス・デポの51億1400万ドル、1124店。

この業態も三占になっている。

非食品第13位はオフ・プライス・ストアのTJX。

年商158億4500万ドル、2154店。
TJマックスとマーシャルの二つのバナーを持つ。
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ブランド品のディスカウンターという特殊な業態。
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この業態の2位はロスで、71億8400万ドル、1004店。
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この分野も複占状態。

そして非食品13位はアマゾン・ドット・コム。
店舗数0。
年商は128億2800万ドル。
インターネット小売業。
ここまで伸びてきた。

最後に第14位はダラージェネラル。
バラエティストアだが最近はダラーストアとも呼ぶ。

そしてこの業態の2位はファミリーダラー、
74億10万ドル、6655店。

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3位はダラーツリー。
52億31万ドル、3806店。

この業態も三占。

GMSが王者で、
何でも売っている。

そんな世界はもう30年前に終わった。

GMSという総合業態が没落し、
バラエティ豊かな業態ごとに、
複占・三占になっている。

それがアメリカの非食品小売りマーケットである。

さてこの状態、
食品マーケットに波及してくるのか。

ここに大きな知的興味がわくが、
それは、明日に続く。

<結城義晴>

2011年05月23日(月曜日)

ラスベガス2日目には商人舎特有のハードワーク視察と徹底商品&価格調査が展開された

Everybody! Good Monday!
[vol21]

2011年の21週目。
5月は第4週に入る。

最初にお知らせ。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』の申し込みボタンができました。
本ホームページ右段。
よろしくお願いします。

さて商人舎ホームページの月曜連載、
常盤勝美の2週間天気予報」では、
もう昨日、カロリン諸島に台風2号発生を伝える。

台風のことが話題になると、
完全に春がおわり、
夏になった気がする。

一方、こちらは年中、夏気分のネバダ州ラスベガス。
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毎年書いている気がするが、
このネバダ州の州都はカーソンシティ。
ラスベガスは最大都市であるが、
州都ではなく、
さらに世界有数のカジノ都市だが、
今やこの面でも一番ではない。

マカオにトップの座を譲った。

1840年代末、カリフォルニア州でゴールドラッシュが起こる。
サクラメントなどその中心地。

ラスベガスは砂漠の中の重要な中継地点となるが、
金鉱ブームが去った頃、1929年の大恐慌。

ここで産業がほとんどないネバダ州は、
税収確保のために、賭博を合法化。

1931年のことだった。

さらにこの1931年、ラスベガス南東48Kmに、
フーバーダムが着工。
1930年段階の人口5165人。
これがラスベガス発展の第1段階。
このころを「ギャンブリングの時代」という。。

第2段階は、1970年以降。
「ゲーミングの時代」と呼ばれる。
人口は12万5787人。

第3段階は、1990年代から2000年後。
「エンターテインメントの時代」
人口は2000年に47万8434人に飛躍する。
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そして第4段階の現在。
新たに「コンベンション&リゾートの時代」を迎えている。
2010年の人口58万3756人、21万1689世帯。

ラスベガスという都市自体が、
「業態転換」を図ってきた。

大事なことは、ギャンブリングもゲーミングも、
エンターテインメントも、
リゾート&コンベンションが伸びる時代となっても、
なくなってはいないということ。

つけ加えられ、厚みを増してきている。

だから郊外には新興住宅地ができ、
新しい小売業態やフォーマットが登場してくる。

ただし、リーマンショック以降、経済が冷え込み、
開発スピードは停滞。
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それでも私たちにとって、最新の業態やフォーマットは、
視察し、勉強する価値をもつ。

第9回商人舎USA視察研修会第2日が始まった。
大アクシデントで急遽、ホノルル経由でラスベガス入りしたメンバーも、
朝から元気に顔を見せてくれて、
8時からさっそく、バス2台に分かれて出発。

この日の目的は、
店舗視察しつつ、商品調査を展開する。

参加者87名は17チームに分かれて、
17カテゴリーの価格と陳列量を、
品種別・あるいはカテゴリー別に調査する。
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それによって、企業の商品戦略・価格戦略が明らかになる。

まず、スミス・フード&ドラッグ。
クローガーの傘下にあるがこのエリアでは、
47店、25.9%の食品小売業シェア第1位企業。
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そのフレッシュ・フェアという比較的新しいフォーマットの店。

青果部門、デリ部門を強化し、
グロサリーはクローガーの強みを活かした。
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シェア第2位は、ボンズ。
南カリフォルニアとこのネバダに展開するボンズは、
1996年にセーフウェイに買収されてしまった。
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この地での展開は24店舗、16.1%の占拠率。

この店は「ニューライフスタイルストア」という新しいフォーマット。
2005年からセーフウェイがチャレンジする企業再生プロジェクト。
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一言でいえば、旧来の店を、
ホールフーズやウェグマンズに近づけようという試み。

第3位は、アルバートソン。
41店、14.8%のシェア。
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2006年に3分割されてしまったかつてのエクセレントカンパニー。
現在この地のアルバートソンは、
食品卸売業最大のスーパーバリュの傘下にあるが、
ほとんどの店の状態は良くない。
従って、視察と調査の対象からはずした。

第4位が、Wal-Mart Supercenterで、
11店でシェア13.9%。
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言わずと知れた全米ナンバー1小売業にして、
世界最大企業。

この店はその2900店の中でも繁盛店のひとつ。
年商1億2000万ドル(1ドル100円で換算すると120億円)。

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ウォルマートの「プロジェクト・インパクト戦略」から、
いち早く元に戻していて、アクション・アレーと呼ぶ島陳列が復活。
顧客の支持は高い。

第5位は、メンバーシップホールセールクラブのコストコ。
4店舗で、シェア8.4%。
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どこの店も大繁盛で、
例外を見たことがない。

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今回の調査によって、
際だつ差異を見せた。

第6位のシェアは、
ウォルマートのSam’s Clubが5店舗で、6.2%。

最近は店舗の見直しを図って、
コストコそっくりの店をつくっている。

そして第7位に、
これもウォルマートNeighborhood Marketが入ってきて、
11店舗で、シェア5.3%。

スーパーセンター、サムズ、ネイバーフッドマーケット、
3フォーマットを合わせると25.4%のシェアとなって、
ウォルマートはラスベガス第2位の企業として、
クローガー系のスミスを急追している。

その次の第8位に、Whole Foods Marketが入ってくる。
4店舗でシェア2.7%。
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オーガニック&ナチュラルスーパーマーケットで、
ウォルマートができないことを展開する代表格。
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青果部門をはじめとして、
オーガニック商品が店舗に満載されている。
この店の価格と商品調査がどんな結果を招くか。
大いに関心が高まる。
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この店ではインタビューがあった。
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第9位は、スマート&ファイナルで、
7店、1.6%の占拠率。
今回は立ち寄らず。
そして第10位がTrader Joe’s。
4店舗、1.6%のシェア。
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トレーダー・ジョーは2010年度、
売上高850億ドル(100円換算で8500億円)、365店舗。
ドイツのアルディの傘下にある小型のスーパーマーケット。
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世界中から商品を集め、PB商品が9割を占める。

アンサム店は2万スクエアフィートの売り場に、
3000アイテムを品ぞろえする比較的大型の店。

ここでもインタビューに応じてくれた。
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インタビュー後に、1号車グループは店頭で記念撮影。
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第11位が、99 Cents Only Storeで、
11店、0.6%のシェア。
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ダラージェネラル、ファミリーダラー、ダラーツリーに次ぐ、
バラエティストア。
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何の変哲もない店だが、
低コストオペレーションを展開しながら、
一定以上の客数を持っていて、
確かな営業歴を生み出す。

そして最後に、サンフラワー・マーケット。
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アメリカでは、スーパーマーケット業態のジャンルのひとつに、
ファーマーズマーケットのフォーマットがある。
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店舗中央奥に青果物の立体陳列があって、
その前面は平台の青果部門。
レジの前は広いバルク販売コーナー。
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このタイプの店が、確実に顧客に支持を得ている。
マーケットで「ポジショニング」を確立している。

私の「業態・フォーマット論」の発見に、
きっかけをつくってくれた店のひとつ。

この店の調査結果はどうなるか。
これも楽しみだ。

2日目は、こういった店舗群以外にも、
ラスベガス・ギャラリアのスーパーリージョナルショッピングセンターも訪れた。
その紹介は明日に譲るが、
2日目は、とにかく、たくさん見る。
そしてたくさん調査する。

鳥の目と虫の目を、
物量作戦で叩きこむ。

それがとてもいい結果を導き出す。
最後に訪れたのはやはりトレーダージョー。
参加者にとっても、ホールフーズとともに、
人気を二分する店。
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店頭には「エコバッグ」の宣伝。
トレーダージョーのエコバッグは大人気。
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店内は楽しくて、清潔で、
商品は健康的で、安い。
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1日の最後に訪れると、
「みんなで買い物」の気分になる。
しかしそれが良い。

自分が一番買い物したい店こそ、
学びの宝庫であるからだ。

夕方、ホテルに帰り、
午後7時半から9時まで、
ホノルル組に対する本当に駆け足の特別講義。
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講義では、鳥の目、魚の目を、
私の全力を挙げてレクチャーする。
それが自分の調査の「虫の目」と一体となって、
一人ひとりの考え方、見方が確立していく。

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私はいつも繰り返す。

「虫の目」とは、現場を見る力。   

細部まで丁寧に「見極める能力」。
これを支えるのが、専門性と現場主義。

「鳥の目」は、大局を見る力。   

全体像を俯瞰しながら、「見渡す能力」。
これを支えるのが、情報量と知識。

「魚の目」は、流れを見る力。  
時間の経過の中で、現在と未来を「見通す能力」。
これを支えるのは、経験と見識。

そして、「四つ目の目」は、
謙虚で、真摯で、真っ正直な「心の目」である。

この4つの目を身につけることこそ、
「知識商人」への道である。

疲れ切っているにもかかわらず、
真剣なご清聴、心から感謝。

今回の参加者87名。
全員が日本を代表するナレッジ・マーチャントになってほしい。
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ナレッジ・マーチャントは、
肉体労働もできるし、
知識労働もできる。


ブレインズ〈脳〉とハンズ〈手〉を使いこなす。

ハードワークによって店回りをし、
同時に調査しつつ頭を使い切る。

今日の研修がすべて、
知識商人につながっている。

みなさんも、
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2011年05月22日(日曜日)

ジジとラスベガス[2011日曜版vol21]

ユウキヨシハルのおとうさん。
うちにいません。
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ヒコーキにのって、
そらのうえをとんで。
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アメリカへ。
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ひろいひろいアメリカ。
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ことしは、3月と5月、6月、7月、
それから10月。
もう1回、ふえそうです。
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雪をかぶった山もとびこえて。
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砂漠のまんなかの街。
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ラスベガス。
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おとうさんは、ここで、
しごと。
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今回は90人もの人があつまってくれた。
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みんなでVサイン。
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ボクは、ねてますが。
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それから、ふた組にわかれて、
セミナー。
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ボクは、ダンボールのうえで、
ポカポカと、ひるねしてますが。
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おとうさんの講義。
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熱がはいってる。
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ボクは、ポカポカと、
ねてますが。
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いいきぶんで、
ねてますが。
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夕ご飯は、
デザイナーのニシカワさんと。
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チーフ・ディレクターのビンさんとも。
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ボクも、ごはん、
たべたくなった。
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たべるときは、
いっしょうけんめい。
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かおをつっこんで。
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しんけんに、たべます。
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おいしい。
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まんぞく。
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おとうさんは、
噴水ショーをみる。
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ボクは、みあげるだけ。
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ラスベガスの街は、
にぎやか。
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でも、勉強にもいい街です。
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アサノ先生が写真をとってます。
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とまるホテルは、
モンテカルロ。
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なんだかたのしそうですが、
ボクはおなかいっぱいたべて、
ぐっすり、ねむって、
まってます。
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こんかいも、
ぶじにかえってきてくれることだけを、
ねがっています。

<『ジジの気分』(未刊)より>

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