結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年05月27日(金曜日)

小嶋千鶴子「大切なこと」と伊藤園陳列コンテスト審査会

小嶋千鶴子さんの訃報を書いた。
新聞各紙もそれぞれに報じた。

使われた写真はいずれも、
ご著書『あしあと』に掲載されたもの。
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そこで私も遺影として、
掲載させていただこう。
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この『あしあと』は、
1997年4月29日に初版が刊行されている。
非売品でいろいろな人に配られた。

じわじわと反響がひろがって、
2003年11月に再版となった。

この第二版の最後に、
「大切なこと」と題して、
短い文章が加えられている。

「危険は絶えず繰り返す。
兆候は先づ在庫の過剰に現れる」

すごい一言だ。

小売業も製造業も卸売業も、
悪い兆候は過剰在庫に現れる。

「利益が商品にあるのではなく、
利益は回転の速度によって
決まるのである」

「回転の速度は、
お客様の心をよく読むことによって
維持される」

商売の真髄がここにある。

「簡単なことが一番むつかしく、
そして努力の要ることなのである」

素晴らしい言葉。
ありがとうございます。

合掌。

さて今日は東京・清水橋。
新宿の西側。

伊藤園本社。
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ロビーの社是。
お客様を第一とし
誠実を売り
努力を怠らず
信頼を得るを
旨とする
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今日は伊藤園陳列コンテストの最終審査会。

司会はマーケティング本部の伊東泰山さん。
販売促進部第七課課長。IMG_30582
審査員が参集して、
概要の説明を受ける。

それから審査員はそれぞれに、
コースごとに優秀作品を選考する。IMG_30602
もちろんソーシャルディスタンシング。

ここの選考が終わったら集計されて、
優秀賞と最優秀賞を決める。
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これは推薦の多い作品ごとに、
最後は話し合いとなる。IMG_30722

決まりました。
おめでとう。

最優秀賞賞金100万円!!
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4コースの店舗賞が決まると、
最後の最後に企業賞の決定。

これも資料を確かめつつ、
話し合いで決まる。

最後の最後にそれぞれが総評を語る。IMG_30802
本庄大介社長のコメント。
伊藤園の濃茶は、
機能性表示食品のお茶部門で、
圧倒的なトップだ。

この値上げラッシュの中でも、
こういった商品は伸び続けている。

審査が終わると記念写真。IMG_30822

この写真が雑誌に載ります。IMG_30862
右サイドが伊藤園のトップ陣。
真ん中から本庄大介社長、
本庄周介副社長、神谷茂専務。

左サイドは、
松井康彦商人舎上級プロデューサー、
毛利英昭食品商業編集長。

そのあとで、スタッフ全員が揃って、
このブログ用の写真。IMG_30892
ふざけている人が一人、います。

これで審査はすべて終了。

そのあとは、
江島祥仁最高顧問の部屋へ。

いつものように抹茶をいただいて、
そのあとから煎茶まで出てくる。

江島さんの話を聞き、
大介さんや周介さんの情報を聞き、
私も最近の食品産業のことを話す。
1時間も情報交換をした。

去りがたい気持ちになる。

ありがとうございました。IMG_30972

伊藤園には社内に、
何人も「陳列名人」がいる。
年度別に最優秀名人も選ばれる。

もう30年も前になるか。
伊藤園の現場の人たちのために、
「陳列名人」という手帳をつくった。

それが今も生きているのだろう。

伊藤園の陳列コンテストでは、
全国の営業マンが陳列のサポートをして、
優秀な作品が出来上がっている。

「お客様を第一とし
誠実を売り
努力を怠らず
信頼を得るを
旨とする」

利益は商品にあるのではなく、
回転の速度によって決まる。

そして回転の速度は、
お客様の心を読むことで維持される。

「簡単なことが一番むつかしく、
そして努力の要ることなのである」

ふたたび合掌。

〈結城義晴〉

2022年05月26日(木曜日)

訃報/小嶋千鶴子さんご逝去。ロピア岐阜進出当日模様。

小嶋千鶴子さんが永眠された。
5月20日。

1916年3月3日生まれ。
享年107。

『LIFE SHIFT』の人生100年時代を、
圧倒的に先取りしたモデルのような方だった。

ご本人は「私は私や」と言われるだろうが、
イオン㈱の岡田卓也さんの次姉。

イオン名誉顧問。

四日市の岡田屋に生まれ、
1939年5月、23歳のときに、
㈱岡田屋呉服店の代表取締役就任。

1946年に岡田卓也さんが、
あとを継いで代表取締役社長に就任。

1969年2月に3社合併で、
ジャスコ㈱が設立されると、
小嶋さんは取締役に就任。
1972年6月には常務取締役となって、
おもに人事を担当した。

1977年5月、
自ら60歳定年制を貫いて、
監査役に退く。

1981年5月、相談役、
1988年8月、名誉顧問。

小嶋さんが監査役に就任された1977年、
私は㈱商業界に入社して、
販売革新編集部に配属された。

そして、ある特集企画で、
小嶋さんにインタビューした。

私の最初の出会いだった。

特集の企画書と依頼状を郵送し、
そのあとで電話をかけて、
直接、お願いした。

その電話で、
小嶋さんから叱られた。

「あんた、
モラルとモラールの意味の違い、
わかっとんのか?」

今もその時の声が、
耳の中に残っている。

叱られたけれどインタビューには、
きちんと対応していただいた。

ひどく緊張しながら話を聞いたが、
優しく対応してくださった。

他社の新入社員を叱りつけてくれるのが、
小嶋さんだった。

今でも、感謝している。

そんな小嶋さんがつくった人事風土が、
ジャスコからイオンへと貫かれた。

小嶋千鶴子さんの著書『あしあと』は、
非売品だが、真の名著だ。
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こんな一節がある。

「人事は人間を知ることから始まる。
人間を知ることは
人間を愛することから始まる。
愛することは理解することである。
よりよく知ることである。
個々人は個々に違う。
違うことを知ることである」

「一人一人について、
過去どのように生きてきたかを知り、
今後どのように生きていきたいかという
希望を知り、
今どうしているかを知り、
目標をもたせることである」

文章書きの真髄は、
一文を短くすること。

小嶋さんの文章は、
見事な名文だ。

小嶋さんは言い切る。
「人事担当者は知ることから始める。
そのためには、聞くことから始める。
注意深く見ることから始める」

「基本は、愛情である」

泣けてくる。

心からご冥福を祈りたい。

さて私は岐阜。

早朝、モレラ岐阜に到着。IMG_31432

ロピアモレラ岐阜店オープン当日。

8時から全体朝礼。
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シンプルに注意点とチーフの紹介をして、
接客7大用語唱和などやらないし、
責任者の訓示なども一切ない。

そして開店作業。

道場六三郎さんの推奨商品を、
この店ではじめて、
大々的にエンド展開する。

その最終仕上げ。
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㈱道場六三郎事務所は、
昨12月28日にロピアの子会社となった。

雨模様ながら、
開店前から顧客が並び始めた。IMG_30442

「Lopia Open!」の手作りクッキー。
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私も特別にいただいて、
1日中、胸ポケットにさしていた。

何度も何度も開店前の店内を歩く。
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ピーター・ドラッカー。
「良い工場は静かだ」

そして試食。
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新製品のミルフィーユローラー。
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9時45分には売場が完成。
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行列が300人を超えて、
そのために10時開店を早め、
9時45分オープン。
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ピークには屋外駐車場に600人が並んだ。IMG_30902
ロピア中京圏進出、
大丈夫だ。

その後、買物して食事。
一貫ずつチョイスできる寿司。
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大トロ、中トロ、ノドグロ、
金目鯛、マアジ、ウニ巻、イクラ巻。

絶品。

入場制限をかけたが、
すぐに惣菜売場はこの状態。
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ロピアの売場を確認して、
私は近隣のクリニックに出発。

バロー本巣文殊店。
スーパーマーケットを中心に、
ドラッグストアとホームセンター。
グループの総力を挙げた商業集積。IMG_31552

2005年、そのバローグループに入ったタチヤ北方店。IMG_31582

バローのホームセンターが隣接している。IMG_31592

それからカネスエ北方店。
実に原則に忠実な店をつくっている。IMG_31622

さらに直接競合しているのは、
アピタ北方店。
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昨日も訪れ、今日も視察。
ロピアオープンの日には、
力が入っていた。

さらに西に走って、
ラ・ムー穂積店。
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大黒天物産㈱のディスカウントスーパーマーケット。
これも徹底したローコストオペレーション。

そのラ・ムーと競合するのは、
イオンタウンのザ・ビッグエクストラ。IMG_31852

イオンビック㈱の運営だが、
日本で一番いいザ・ビッグだと思う。
(マックスバリュ東海の運営ではありませんでした。訂正して関係各位にお詫びします)

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ロピアの岐阜進出1号店は、
ディスカウント競争の真っ只中である。

さて、ロピアの違いは出せたのか。
ポジショニングは構築できるのか。

月刊商人舎6月号で解明する。
乞う、ご期待。

小嶋千鶴子さんの口癖。
「あんた、今、何の勉強してるん?」
「何の本読んでるんや?」

勉強する者が、
優れた店をつくる。

そして競争に勝ち、
社会貢献する。

小嶋千鶴子さんは、
ドラッカー主義者だった。

合掌。

〈結城義晴〉

2022年05月25日(水曜日)

ロピア岐阜進出1号店オープンに先乗り!

ウクライナ戦争。
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ロシア軍はウクライナ東部地域で、
少しだけ息を吹き返している。

ルガンスク州のセベロドネツクなどで、
ロシア軍の侵攻が激しくなっている。

2月24日から3カ月を超えた。

予想を覆す長期化のなかで、
プーチンは膠着を打開しようとしている。

戦争が長引くことに、
社会的な意味は何ひとつない。

昨日はアメリカからお客さんが来訪。
五十嵐由布子さん。
TSワールドエンタープライズ㈱取締役副社長。
それから取締役部長の柴沼良さん。
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五十嵐さんはロス在住のツアーコーディネーター。
商人舎主催の視察研修会でもお世話になった。
新会社を設立して、新たなスタートを切った。

今日は午前中、
オンライン会議を二つ。
㈱True Dataの役員会と、
営業のアドバイス。

そのあと、急いで、
新横浜から新幹線。
久しぶりにひかり号。

小田原を過ぎ、三島のあたり。IMG_28432

富士の頂がちょっとだけ見えた。IMG_28472

名古屋を過ぎて、岐阜羽島駅。IMG_29422

円空生誕の地。
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円空は江戸時代前期の修験僧。
各地に独特の作風の木彫り仏像を残した。
「円空仏」と呼ばれる。
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駅前でレンタカーを借りて、
30分ほど走ると、
「モレラ岐阜」
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2006年4月29日オープン。
敷地面積約18万5000㎡、
延床面積11万5800㎡、
届出店舗面積5万7653㎡。
テナント店舗数約240。

2フロア型リージョナルショッピングセンターだ。
核店舗はエディオン、
ユニクロとGU、
ニトリ、ダイソー、
タワーレコード、ラウンドワンなど。
シネマコンプレックスもあって、
平日でも1万人を超える客数。
ウィークエンドは3万人を超える。IMG_29452

食品の核店舗はバローだったが、
今年2月に撤退し、
5月26日にロピアが開業する。

商人舎流通スーパーニュース。
ロピアnews|
中部エリア初出店となるロピアモレラ岐阜店5/26開業IMG_29642

首都圏、関西圏に続いて、
第3のドミナントエリアである。

到着すると柴田昇さんが出迎えてくれた。
㈱中部ロピア執行役員営業本部長。

それから古家裕さんは、
㈱ロピア取締役神奈川エリア営業本部長。IMG_28632

さらに相川博史さんは、
ロピア取締役千葉埼玉営業本部長。IMG_28692
幹部もずらりと揃って、
中京圏出店を支える。

店全体を回って、
柴田さんから説明を受けた。

大胆な試みだ。

そのあと、夕方になったが、
近隣の大型店を視察。

アピタ北方店。
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箱形の2フロア店舗。IMG_29652

まだメガドン・キホーテには転換していないが、
このあとどう対応するか。IMG_29662

2階衣料品フロアは苦戦している。 IMG_29672

それからPLANT6瑞穂店。
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1フロア6000坪級。
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やはり週末型の店舗となっているが、
プラントの強みをしっかり表現している。IMG_29722

ノンフード売場はいつ見てもすごい。
まだまだ改革の余地も残っている。IMG_29752

さてロピア岐阜の陣。
どんな展開となるか。

ザ・ビッグ、ラ・ムー、
バロー、カネスエなどなど。

激しい競争が展開されている。

ウクライナの戦争と違って、
小売業の正々堂々の競争はいい。

国民が喜び、
地域が活性化し、
経済が回転する。

戦争にいいことなんて、
ひとつもない。

〈結城義晴〉

2022年05月24日(火曜日)

成城石井の「株価売上高倍率」と「四季プロジェクト長崎離島編」

日経新聞電子版。
「成城石井はユニクロになれるか」

田中陽編集委員が書く。

㈱成城石井は、
ローソンの完全子会社である。

ローソンはその成城石井を、
上場させようと検討に入っている。

上々の際に重要になるのが、
時価総額だ。

時価総額は、
「株価×発行済株式数」。

株価は上場してみなければわからないが、
その予測はできる。

報道ベースでは成城石井の時価総額は、
2000億円超と見込まれる。

売上高は1092億円、店舗数は約170店。
純利益は73億円で、
利払い・税引き・償却前利益のEBITDAは、
約137億円。

ローソンは2014年に成城石井を買収した。
550億円だった。

当時の売上高は約544億円、
店舗数は約120店、
純利益は約20億円。
EBITDAは約2.4倍になった。

田中陽さんは、
この時価総額2000億円の根拠を明らかにする。

エクセレントスーパーマーケットのヤオコー。
2022年3月期の連結売上高5360億円、
時価総額は2584億円。

時価総額を年間売上高で割った指標が、
PSR(株価売上高倍率)だが、
ヤオコーも0.5倍程度。

そこで唐沢裕之ローソン上級執行役員の評価。
「食のブランド化に成功している
唯一無二の存在」

詳細は日経電子版を読んでほしいが、
セントラルキッチンから提供される惣菜、
すなわち「食の製造小売り」が挙げられる。

田中さん。
「強力な商品を数多く持つと、
それを目がけて店を訪れる消費者が増える」

「この循環が、
“成城石井らしさ””世界観”を
醸し出している」

さらに成城石井の店舗戦略は、
店舗規模と品ぞろえを立地によって最適化する。
そして各店舗のROI(投資利益率)を上げる。

成城で生まれた成城石井。
創業者の石井良明さんが去り、
経営権は幾度もファンドの手に渡る。
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「そのたびに社内は動揺したが、
“成城石井らしさ”を守ろうと、
逆に組織が一丸となった」

「いつしか独自の進化を遂げ、
経営権が変わろうとも
“らしさ”に磨きをかける風土が養われた。
見渡せば唯一無二の存在に」

今、PSRが1倍を上回る小売業。
ファーストリテイリング、ワークマン、
丸井グループ、エービーシー・マート。
スーパーマーケットには見当たらない。

ファーストリテイリングは、
売上高の3倍超の時価総額を誇る。
上場の初値は公募価格の2倍強。
時価総額は売上高の3倍強だった。

田中さんは最後に言う。
「成城石井はユニクロになれるだろうか」

私は 上場のあとが大事だと思う。

商人舎流通スーパーニュース。
成城石井news|
「四季プロジェクト」で長崎離島の商品55品を5/20から販売

その成城石井が、
「四季プロジェクト〈長崎離島>編」を開始した。
長崎県の離島の食材など約55品を、
成城石井197店舗全店で販売する。

「四季プロジェクト」は、
成城石井創業95周年記念の企画。
“食” を通じて日本の “四季の魅力” を届ける。
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その中で長崎離島編がスタートした。

日本各地の四季折々の旬の食材を取り上げ、
さまざまな商品やレシピとして紹介する。

一昨年の10月29日。
離島振興地方創生協会理事長の千野和利さんと、
成城石井社長の原昭彦さんが会った。
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千野さんは元阪急オアシス社長・会長。

それから話はずんずんと進んで、
昨年、原さんは自ら長崎離島を訪れた。
それが「四季プロジェクト」につながった。

成城石井の社風は、
この「スピード」である。

石井良明、大久保恒夫と受け継がれて、
最後にプロパーの原昭彦が、
「艱難の挙句につくり上げた社風」と、
評していいだろう。

朝日新聞「折々のことば」
第2388回。
くだものが 
やさいになったり、
やさいが 
くだものになったりして、
うられます。
だから、
たいせつなのは 
おいしくなること!
(なかやみわ『やさいのがっこう』から)
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編著者の鷲田清一さん。
「双子のイチゴは野菜の学校で、
おいしい野菜になるために
いろいろ習うが、
自分たちは果物かもと思い直し、
果物の学校に移る」

「そして野菜は畑、
果物は木の上というふうに、
どこで育ったかで区別されると教わる」

「でもお店では味ごとに
一緒に並べられる」

イチゴは考える。
「所属よりも生き方が大事なんだ」

成城石井は、
自分らしい生き方を目指している。

〈結城義晴〉

2022年05月23日(月曜日)

「冷蔵庫vsテレビ」と「民主主義」の勝利

Everybody! Good Monday!
[2022vol㉑]

2022年第21週。
そして5月第4週。

ジョー・バイデン米国大統領来日。
バイデン来日
日米関係、日米中関係、
日米韓関係、そしてウクライナ。

この79歳の第46代大統領が、
そして世界最大の民主主義国家が、
人類の未来に大きな責任を負っている。

われわれの日本国も、
同じように人類の未来に責任をもつ。

それが強く認識されたバイデンの来日だ。

一方、ウクライナに侵攻したロシア。
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5月12日の日経新聞コラム「大機小機」
タイトルは、
「冷蔵庫はテレビに勝てるか」

「テレビと冷蔵庫の戦い」
ロシアの民意をめぐるたとえだとか。

「テレビ」は国営放送が垂れ流す、
官製プロパガンダを象徴する。
「冷蔵庫」は人々の生活実感を表す。

「冷蔵庫がいっぱいのうちは
人々はテレビの言うことを信じるが、
冷蔵庫の中身が乏しくなれば、
官製情報を疑い始める」

現在はまだテレビが勝っているか。

しかし西側による制裁が長引けば、
生活必需品の不足や値上がりが顕著になる。
そうすれば、冷蔵庫が巻き返す。

テレビ対冷蔵庫の構図は、
言論統制が厳しい中国にも当てはまる。

北京冬季五輪開幕式当日の2月4日。
習近平主席とプーチン大統領は、
共同声明で西側を強く非難していた。
「民主主義保護の名目で
他国に内政干渉している」と。

コラムニスト。
「民主主義にも山ほど欠陥はあるが、
民意をないがしろにし、
独裁者の面子(メンツ)のために
多くの人の命が失われたり、
理不尽な都市封鎖で
自由を奪われたりする体制よりは、
はるかにマシだ」

「ここは旗色を鮮明にしておきたい。
がんばれ冷蔵庫」

「頑張れ冷蔵庫」と訴えても、
冷蔵庫の中身が乏しくなって、
冷蔵庫の重要性が高まるように頑張れ!
というのだから淋しいことだ。

その意味では日本はまだまだ、
大抵の家庭で冷蔵庫の中は豊かだ。

それを小売業が支える。

街には「冷蔵庫替わり」の業態も満載だ。

だからだろうか、
テレビの言うことを盲信する傾向がある。

冷蔵庫満載であっても、
自分で調べ、自分で考える、
そんな国民でありたい。

それが真の民主主義だ。

そしてわが小売業、サービス業は、
民主主義の中で花開く。

今日は午後から、
横浜商人舎オフィスに、
林廣美先生、ご来訪。
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惣菜マーチャンダイジングの第一人者。
85歳。

林の前に林なく、
林の後に林なし。

その林先生と3時間近くも、
話し合った。
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月刊商人舎6月号で、
たっぷりと語ってもらう。

ご期待ください。
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今週は明日の火曜日もオフィスに来客。

水曜日は午前中、オンライン会議。
午後は岐阜に出かける。

そして木曜日1日、
レンタカーを借りて店舗巡り。

金曜日の5月27日は、
伊藤園陳列コンテスト最終審査会。

その間にも、
冷蔵庫とテレビの闘いは続く。
ロシアで、中国で、
日本で、アメリカで。

そして私は民主主義が、
勝利することを信じている。

「民主主義は
最悪の政治形態と
いわれてきた。

他に試みられた
あらゆる形態を除けば」
It has been said that democracy is the worst form of government except all the others that have been tried.
〈ウィンストン・チャーチル〉
チャーチル⑵

かつて荒井伸也さんが言っていた。
サミット㈱社長・会長。
「スーパーマーケットは、
デモクラティック(民主的)な組織です」

だから冷蔵庫の中を豊かにすることができる。
顧客を賢くすることもできる。

では、みなさん、今週も、
デモクラティックに。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年05月22日(日曜日)

「ポスト・コロナ」が見えた企業と見えない企業

日曜日の日経新聞一面トップ記事。
「外食4年ぶり出店増」

「外食主要各社が2022年度に
店舗数を大幅に増やす」
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この記事は45社の比較。
新規出店数の合計は1220店。
18年度の1396店をピークに、
21年度まで前年割れを続けていた。

一方、閉店数は、
22年度に486店の計画だ。

20年度1762店、21年度875店。
コロナ禍による不採算店の閉店が一巡する。

出店数から閉店数を差し引いた店舗増加数も、
コロナ禍前の19年度の2倍の水準。

計画通りになれば、
年度末の店舗数は45社で2万2134店。
19年度末の2万1616店も上回る。

店舗数が増加傾向を示すだけでなく、
業態も変わってくる。

「持ち帰り業態」が強化される。
中食のテークアウトである。

半面、居酒屋業態は新規出店は増えそうもない。

日本フードサービス協会の調査。
フードサービス協会21年度
売上高と客数、客単価の年度別前年比。
2020年はひどく落ち込んだが、
2021年は持ち直す傾向を見せた。
さらに2022年度には浮上しそうだ。

外食産業の売上高は、
21年12月から22年3月まで、
4カ月連続で前年同月を上回った。

この外食の増加は、
内食に影響を与える。

それでも日経の調査も協会の調査も、
外食産業の総体を表してはいない。

厚生労働省の調査で、
飲食店営業施設数の中の、
一般食堂・レストラン等施設数は、
2015年度が最近のピークで81万9022店。
その後、19年度に79万3261店と、
80万店の大台を切って、
20年度78万2120店、
21年度77万5377店と、
減り続けている。

外食産業の大企業や新興企業には、
ポスト・コロナ時代が見えてきたが、
それ以外の大半の飲食店はもう、
減る一方だと考えていいだろう。

ただし外食産業の特長は、
新陳代謝だ。

毎年、1割の店が閉店し、
1割の店が新規開店する。

内食産業も中小企業をはじめとして、
閉店や企業閉鎖などがあった。

こちらは新陳代謝がわずかしかなくて、
全体に企業数と店舗数が減り続けている。

フードサービス業の復活は、
スーパーマーケットなど内食産業に、
大いに影響を与える。

外食は巣ごもり大不況だった。
内食は巣ごもり特需に見舞われた。

その特需の恩恵を受けた業態も、
故田島義博学習院大学院長が言ったように、
この間の「膨張」か「成長」かによって、
大きく色分けされる。
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「技術が革新され、
マネジメントの質が高まる。
その結果、会社が大きくなる。
それが成長である」

「一方、革新はないけれど、
売上げが増え、会社が大きくなる。
大きくなるほどに経営は難しくなる。
これは膨張である」

イノベーションを起こせず、
マネジメントの質も高まらないのに、
売上げ規模や店数が増えると、
「大きくなるほどに経営は難しくなる」

実に厳しい指摘だが、
本質を突いている。

朝日新聞「折々のことば」

自分は
知っていると考えるのは
自惚(うぬぼれ)にすぎません。
……自信は
自分が
何を知らないか
というかたちで

知っていることです。
(戸井田道三『生きることに○×はない』から)
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「ものごとを知れば知るほど、
このことが分かっていなかったとか、
それがまだ不明だというぐあいに、
疑問はむしろ増えてゆく」

「科学者はその意味で
“自分が何を知らないか”を、
よく知っている」

戸井田は能芸の評論家。

「とすれば、
“生きるためには死を知っていることが
自信となる”のではないか」

死を考えて、考え抜く。
その端緒でも知ることができれば、
それが生きるために自信となる、
ということだろうか。

革新やイノベーションも同じだろう。

何がその本質かは知らないけれど、
イノベーションでないものはわかる。
だから「まだまだ」と、
イノベーションを追求する。

何を知らないかという形で知っている。
それがイノベーションにつながっていく。

ドラッカーは書いている。
「イノベーションとは、
顧客にとっての価値の創造である」

「それは科学的・技術的重要度ではなく、
顧客への貢献によって評価される」
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ドラッカーだけではない。
シュンペーターも、
クリステンセンも、
ヒントを示している。
示唆を与えてくれる。

しかし彼らの言葉だけでは、
本質を知ることはできない。

だから私たちは、実践するばかり。
“Practice comes first!”である。

そこからわずかな自信がわいてくる。

〈結城義晴〉

2022年05月21日(土曜日)

「復職とリスキリング」の「時間に対する愛情ある配慮」

「復職おめでとう。
いや、ありがとう、ですね」

オイシックス・ラ・大地の「復職式」
高島宏平社長の感謝の言葉。
高島宏平

日経新聞の巻頭コラム「春秋」

同社には育児休業から復帰する社員を、
歓迎する式がある。

今年は6回目で、
男女12人が復職した。

女性は産休からの復職、
男性は育休からの復職。

単なる儀式ではない。

目的は「復帰者の不安を取り除く」ことだ。

社長や先輩社員から、
助言や失敗談が披露される。
「仕事も家事も満点ではなく合格点で良し。
部屋なんて散らかっていてもOK――」

いい試みである。

高島さんは中学高校の後輩だ。
「紳士たれ」が校風だったが、
それがこういった形で生きている。

私にとっても、とてもうれしい。

産業医の矢島新子さんの著書、
『ハイスペック女子の憂鬱』
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新書のベストセラー1位になっている。

この本で矢島さんは、
セクハラなどとともに、
「復職恐怖症」を挙げる。

小学校や中学・高校のときには、
長い休みのあとに学校に行くのが、
ちょっと嫌だった。

全員が同じように休んでいたのに。

それが仕事となって、
自分だけ職場を離れていたとなると、
「復職」は本当に憂鬱なことだろう。

会社や職場には、
そういった憂鬱を取り除く、
温かさが必要だ。

オイシックス・ラ・大地の復職式も、
その温かさの表れの一つだ。

同じ日経新聞の「大機小機」
タイトルは、
「リスキリングは企業の責任」

Reskillingは、
職業能力の再開発、再教育のこと。

コラムでは「一般に」と断って、
「デジタル人材への転身に必要なスキルを
再教育で身に付けること」

しかし小売業、流通業では、
デジタル再教育は可及の問題だ。

外部からスカウトするだけでなく、
ITやDXの再教育をして社内で登用する。

これこそリテールのリスキリングだ。

岸田文雄首相が英国で講演して、
「リスキリングに力を入れる」と力説した。

コラム。
「企業が従業員のために取り組めば、
リストラを最小限に抑えて、
レガシー部門から成長部門へ
労働移動ができる」

終身雇用の慣行が根強い日本企業の、
「解雇なき構造改革」と奨励する。

しかし産業レベルだけではなく、
企業内でこそリスキリングは、
必要だし、可能だと思う。

コラムニストは、
望ましいリスキリングのあり方は、
浸透しているのか、と警告する。
「オンラインの学習サービスを契約したり、
資格取得の学費を補助したりする企業は多い」

「しかし、いつどう学ぶかは
従業員任せになっていないか」

「帰宅後に、週末に、
疲れた体にむち打って
机に向かわなければいけないのか」

その通り。

ジャパン・リスキリング・イニシアチブ。
一般社団法人。

その説明では、
海外の成功例の底流には、
「リスキリングは業務の一部」の発想がある。

例えばスウェーデンでは、
「国と企業、労働組合が連携し、
従業員が時短を取得して
リスキリングに取り組む企業に対し、
政府が給与や受講費を支援している」

コラム。
「リスキリングを果たした従業員に
ふさわしい仕事があるかどうかも重要だ。
努力したのに望む職場で働けないなら、
モチベーションが続かない」

「年功序列の人事制度を改革し、
従業員にキャリアアップの道筋を
提示できるかどうかが問われる」

一方、経営者からは警戒感の声。
「スキルを身に付けた従業員が転職してしまう」

コラムは「本末転倒」と切って捨てる。

「デジタル人材が
流動化する動きは止められない。
デジタルトランスフォーメーションを進め、
やりがいと成長機会がみえる企業になれば、
入れ替わりに中途採用で
よい人材が入ってくるはずだ」

これは正しい。

しかし、
DXに取り組んでいない企業が、
DXに取り組むために、
デジタル人材を採用しようとしても、
人は集まらない。

「卵が先か鶏が先か」である。

そのなかでリスキリングは、
重要な役割を担う。

例えば産休や育休の間に、
リスキリングの一環として、
デジタルの知見を高めてもらう。

そんな考え方はどうだろう。

私が教授をしていた立教大学でも、
社会人が自分の時間を工面して、
大学院で学んだ。

イオンからもマルエツからも、
日本マクドナルドからも、
結城ゼミ生が生まれて、
彼らはリスキリングを試みた。

ピーター・ドラッカーは、
『経営者の条件』の中で語っている。
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「私の観察によれば、
成果を上げる者は仕事からスタートしない。
時間からスタートする」

リスキリングは突き詰めると、
企業としての職場としての、
そして知識商人としての、
「幸せの時間管理」の問題である。

月刊商人舎2019年2月号。
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ドラッカーは言う。
「おそらく、
時間に対する愛情ある配慮ほど、
成果を上げている人を
際立たせるものはない」

高島宏平の「復職式」にも、
岸田文雄の「リスキリング」にも、
立教の結城ゼミにも、
「時間に対する愛情ある配慮」が、
なければならない。

〈結城義晴〉

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