結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年07月17日(土曜日)

日本列島一挙に梅雨明け、エルニーニョとラニーニャが発生する

日本列島、一気に梅雨明け。

九州北部、四国、中国、近畿、東海、関東甲信、北陸。
気象庁の発表は「梅雨明けしたとみられる」歯切れ悪し。

各地ともに例年より少し速い。

梅雨明けした今日の朝から、
青空がまぶしく広がり、
最高気温30度を超えた。
もう「真夏日」。

この後は、エルニーニョ現象とラニーニャ現象が続くという予想。

エルニーニョとは、スペイン語の「イエス・キリスト」の意味、
それが転じて「男の子」を表す言葉となった。
対して「ラニーニャ」は「反イエス・キリスト」で、「女の子」を表す。

エルニーニョ現象は、
東太平洋の赤道付近で海水の温度が上昇すること。

これによって、日本には異常気象の猛暑が訪れる。

一方、ラニーニャ現象は、
逆に東太平洋の赤道付近で海水の温度が低下すること。

これによっても異常気象が発生し、
日本では夏の猛暑となる。

エルニーニョ現象が発生する。
それが終息すると、
ラニーニャ現象が起こる。

不思議なことにどちらも、夏の日本付近に酷暑をもたらす。

いずれも詳しくは、解明されていない。

このエルニーニョとラニーニャが続いて起こるとの予想から、
予測されること。

ビールが売れる。
飲料が売れる。
アイスクリームが売れる。
クールビズ衣料が売れる。
水着が売れる。
クーラーが売れる。
扇風機が売れる。
扇子も売れる。
あっさりしたものが売れる。
土用の丑にはうなぎが売れる。
焼肉も売れる。

商売においては、
スペインの男の子も女の子も、
イエス・キリストもアンチ・キリストも、
決して拒否すべきものではない。
歓迎すべき現象と捉えるべきだ。

異常気象の中でも、
人間は生きていく。
生活していく。

小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望。

これがこの夏も、
われわれの提供するもの。

異常といえば、
為替も異常。

1ドル86円台の円高
日経平均株価は277円安の9408円。

朝日新聞の経済欄「2010新社長」のコラム。
伊藤忠商事新社長の岡藤正広さんが登場。
「現場で『売った買った』を続けたかったんやけど」
この言葉がコラムのイントロ。
まさに営業の人。

こんな人がトップに立つ時期ではある。
何しろ経済も気象も異常現象が続いているのだから。

岡藤さんの言葉。
「社長業は鵜匠(うしょう)というより鷹匠(たかじょう)。
糸の一本一本を握るのではなく、
方向性を定めて、あとは我慢や」

業種・業態によって、
あるいは企業によって、
社長のあり方は様々で、
これしかないというものはない。

しかし鵜匠でなく、鷹匠という表現、
リーダーのあり方のひとつを示している。

さて昨日は横浜の商人舎に来客あり。

朝、㈱ダイナム情報管理部長の松井英一さん(右)と、
情報管理部広報担当シニアリーダーの竹中厚一郎さん。

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情報活動や広報活動、広告宣伝などについて、
アドバイス。
やっていることは間違いありません。
自信を持って、邁進すべき。

情報は正しくつかみ、正しく伝える。
まずはそれが仕事。
その際、「ひとつの手段に頼りたいという誘惑は、
これを退けねばならない」
ただし、発信する情報は「選択と集中」。
これです。
午後は、日経BP社『日経ビジネス』編集部の小平和良さん。
2時間ほどインタビューを受け、見解を披露。

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写真をとるのを忘れていたため、
カメラマンの鈴木綾子さんと一緒に追いかけて、
「野田岩」の前で、1ショット。

小平さんは37歳の将来有望なジャーナリスト。
小売業、流通業、サービス業への理解があって、
正しい報道をしてくれる。

原稿は、うまくまとめてください。

さて、週末。
今週も商人舎ホームページと結城義晴の[毎日更新宣言]を、
ご愛読くださって、心から感謝。
今日から月曜日までは三連休。
夏のお盆の前哨戦。

梅雨も明けて、
暑いけれど、気分は爽快。

お客様のために、
小さな喜び、
ささやかな幸せ、
明日への希望を、
創り出し、提供する。

仕事に邁進する時期がやってきた。

良い週末を。

<結城義晴>

2010年07月16日(金曜日)

「人口動態デフレ論」とコモディティ、ノンコモディティの考察

奄美地方に梅雨明け宣言。

日本列島を北上して、
この1週間ほどで、全国的に梅雨は明ける。

すると真夏、夏休み。

今夏の海外旅行者数は、
リーマン・ショック以前のレベルに戻る。

その分、国内消費には影響が出るけれど。

今週もあっという間にウィークエンド。
商人舎のホームページと結城義晴のblog毎日更新宣言のご愛読、
心から感謝。

このホームページ右段の新着ブログ。

今日の金曜日は「林廣美の今週のお惣菜」
週末に向けて、1週間に1品、これとお勧めの惣菜の注意点を、
林先生が、毎週、提案。
8月の13日の金曜日のブログで、
記念すべき「100回目」を迎えます。
秋から冬にかけて、また、
林先生とセミナーをやりたいと思っています。

昨日の木曜日は「五十嵐ゆう子のWeb小説」
「Thank you~命をありがとう」
もう第26話となりました。

それから「立教大学結城ゼミ・ブログ」
ときどきゼミ生と私からの書き込みがあります。
連絡帳のようなものになっていますが、
大学院のゼミはどんなことをやっているのか、
どんな連絡をしているのか。
まあ、興味のある方はのぞいてみてください。
まだまだブログとしては、一定のリズムとレベルにはなっていませんが。

毎週火曜日には、
「二宮護の物流業界の基礎知識」

第11回を迎え、来週は最終回。

二宮さんは『物流業界大研究』(産学社刊)の著者で、
正確な情報と的確な分析には定評のある物書き。

ご愛読ください。

さらに「杉山昭次郎の流通仙人日記」。
もう43回目を迎えますが、
7月の4日に書き込み投稿がありました。

ヒロロさんからのコメント。
「休日に職場で噂に聞いていた杉山先生のブログを覗いてみました。
一気にこれまでの連載を読みました。
自分の経験不足もあり、理解の難しい話もありましたが、何となく、
スーパーマーケットを運営する上で、
考えるべき視点が分かるような気がして、
大変勉強になりました」

これに対して、杉山先生から返事が寄せられました。

こういった双方向の意見交換や質疑応答。
私は、心から嬉しく思います。
杉山先生も、2カ月ほど、
ブログが途絶えていたのですが、
83歳にして、元気回復。

かつて、私が『食品商業』の編集長だったころ、
「杉山昭次郎の辛口書評」という好評連載を続けていました。

まさしく「辛口」の書評で、
毎月、痛快な批評で、たくさんの愛読者に支持されていました。
1995年、『往復書簡 P・F・ドラッカー 中内功』という本を、
この書評で取り上げました。

しばらくすると、編集部あてに、ダイエー社長だった故中内さんから、
墨文字で書かれた巻物のような手紙が届きました。

杉山先生へのお礼が、
丁寧な毛筆で書かれていました。

今回のヒロロさんからのコメントに対しても、
杉山先生は中内さんと同じように応えてくれました。

有難いことです。

商人舎のホームページのブログ、
このほかにも 『物流クレート標準化物語』、
『浅野秀二のアメリカ寄稿』(今週からイタリア紀行がスタート)など、
充実を図っています。

ご愛読のほど、お願いします。

さて、私は昨日、長野県の軽井沢から帰ってきました。

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アウトレットモールは相変わらず大繁盛。
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東京・横浜など高温多湿状態でしたが、
軽井沢は雨上がりのさわやかな陽気。

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木々の緑も豊かで、
本当に疲れが癒された。

考えてみると、 4月からずっと、
土曜日には立教の授業が4時限分くらい入っていて、
それが先週の土曜日で終わり、
コーネル大学RMPジャパンも1年間が終了し、
仕事に一気に区切りがつき始めた。
さらに5月の米国出張の後、
講演や講義などに追われて、
気を抜いて休みむときがありませんでした。

しかも来週からコーネル・ジャパンの卒業旅行で、
ニューヨーク州に出かけます。

だから、精神的な休養をとるのは今しかなかった。
そんなタイミングでの軽井沢訪問でした。

本当に、有難かった。

成果も十二分に出たし。

信越新幹線の軽井沢駅では、
おぎのやの「峠の釜めし」ショップが、
観光客でにぎわっていました。

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「名物にうまいものなし」

果たして、断言して良いものか。
私は、否。

おぎのやの創業は明治18 年、1885年。
国鉄横川駅の開業と同時期のスタート。

峠の釜めしの登場は昭和33年、1958年。
有名な田中トモミさんの発案だとされる。
田中さんはその後、同社の副社長に就任して、
伝説的な存在となった。

栃木の益子焼の釜に入っています。
醤油味の炊き込みご飯で、
具は鶏肉、椎茸、筍、さらにささがきごぼう、鶉の卵など。
私は特に、椎茸と筍が好き。

器の釜は持って帰って、
飯ごうのように1合分のご飯をたくことができます。

荒井伸也先生のように、自宅の庭の芝生の上に二つ並べて、
ゴルフコースのティーマークの代わりに使うこともできる。

この峠の釜めしは現在、軽井沢駅、長野駅など主要な駅、
上信越自動車道や国道18号線のドライブイン、
さらに長野新幹線「あさま」の車内などでも買うことができる。
ただし車内販売は、高崎・軽井沢間の両駅に停車する列車のみ。
もちろん、百貨店やスーパーマーケットの駅弁大会でも人気の商品。
しかし私は、駅で購買して、車中で食べたり、
お土産として持って帰って、家で食べたりするのがよいと思います。

旅情と釜めしの結びつき、
その気分が大事。

「峠の釜めし」はそんなノンコモディティ商品ということになります。

軽井沢では、最後に、前原山荘で交流会。
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左から、荒井伸也先生。
ご存知、作家にしてオール日本スーパーマーケット協会会長。
コーネル大学RMPジャパン首席講師でもある。
そのお隣が、荒井令夫人の恭子さん。

私の隣が、主催者の前原章宏さん。
㈱とりせん会長。

そして㈱あづま食品社長の黒崎英樹さんと、
㈱土佐屋商店社長の中津直三さん。

写真には写っていませんが、まだまだ、メンバーは多かった。
㈱関西スーパーマーケット社長の井上保さん、
サミット㈱社長の田尻一さん、
㈱スーパーアルプス社長の松本清さん、
㈱千葉薬品社長の神﨑彰道さん、
フジッコ㈱社長の福井正一さん、
そして㈱とりせん社長の前原宏之さん。

皆さん、本当にありがとうございました。

さて今日の日経新聞コラム「大機小機」。
私の愛読するコラム。
各界の一流の人物がペンネームで順番に書いているけれど、
不思議に一貫したものがある。

今日は、コラムネーム・カトー氏「人口動態デフレ論の不思議」。

日本の「デフレの正体は人口動態だという議論」に人気が集まっている。
「少子高齢化が生産年齢人口の減少をもたらし、
それが構造的な供給過剰につながる」
さらに供給過剰が「商品・サービスの単価下落につながっている」

これが「人口動態デフレ論」。
カトー氏は指摘する。
「なぜ生産年齢人口の減少は供給ではなく、需要を減らすのか」

「人がいなくても機械化でものが多く供給されていく」
「高齢者には欲しいものがない」
こんな理由が「人口動態デフレ論」の論拠だとカトー氏は言う。
しかしこれらは「きちんとしたデータ分析の裏付けに乏しい」と一喝。

生産年齢人口減少とコモディティをストレートに結びつけるから、
私は、この論議になると思います。

世の中にコモディティの商品とサービスしか存在しないとするならば、
人口動態デフレ論になっても仕方がない。

現実はそうではありません。

峠の釜めしも、旅情が加味されるから、
「名物がうまいもの」となる。

カトー氏は、人口動態デフレ論が受ける理由を上げます。
第一に「少子高齢化への懸念や恐れが人々の間に共有されていること」。
私は「高齢社会は成熟社会」と捉えるべきだと考えています。
生産年齢至上主義は、20世紀的な「成長至上主義」から出ています。

高齢社会を恐れることはありません。

カトー氏の指摘の第二は、
「マクロ経済政策」よりも「構造改革的なもの」への欲求。
そして第三は、
おそらくマクロ経済学者であろうカトー氏自身の「マクロ経済学」に、
人口動態デフレ論者が不信や反感を抱いていること。

少子高齢化すると、デフレになる。

これは短絡でしかありません。
そんな脅しに乗ってはなりません。

カトー氏の見解に私も賛成。
ただし、人口動態が最も重要な経済要素の一つであることは、
カトー氏も私も否定はしない。

<結城義晴>

2010年07月15日(木曜日)

コンビニ&ドラッグの日本式か、フード&ドラッグの米国型か

西日本の豪雨。
福岡県朝倉市では1日の雨量が224mm。
22㎝以上。
これは観測史上最大。

土砂崩れと河川の氾濫、増水によって、
広島と島根で2人が死亡、2人が行方不明。
いずれも70歳台、80歳台の高齢者。

こういった災害のときには、
地域を上げて、高齢者の支援を実行したい。

西日本は豪雨だが、
関東や東北は真夏のような高温・多湿。

梅雨前線が日本列島に、様々な影響を与えている。

さて、国際的に、日本の財政状態が問題になっている。
朝日新聞のインタビューによって、明らかになった。
国際通貨基金(IMF)は、今週中に、
日本に対して「増税の提言」を発する。

IMFは加盟国に対して、通常毎年、
経済見通しや経済政策について分析・提言する。
これは「年次審査」と呼ばれる。
今年5月、IMF代表団が日本にやってきて、調査し、協議した。

その結果、
「日本の財政再建には今後、
歳入面の施策が中心にならざるを得ない」という見解に至った。
すなわち日本の今後の財政再建について、
「歳出削減はすでに一定程度進展している」ため、
「今後は歳入を増やす『増税』が軸にならざるを得ない」との指摘。

「提言に拘束力はない」というが、
この提言は世界中に向けて示される。

そのことで「消費税引き上げ」は確実に俎上に上がる。
税制論議にもこの見解は大きな影響を与える。

流通業界の動きは、
コンビニとドラッグストアの連携。
「流通ニュース」が連続して報じている。

まずマツモトキヨシホールディングスとローソン
今週の土曜日の17日。
ドラッグストア「マツモトキヨシ浦安東野店」の店内に、
生鮮コンビニ「ローソンストア100浦安東野店」を組み込んだタイプの店舗。

両者は2009年8月から、三菱商事の仲介の中で、
業務提携を締結し、連携を深めているが、
これは「新業態店舗開発」に先駆けた「実験店舗」。

一方は、イオングループの動き。
コンビニのミニストップと、
ドラッグストアCFSコーポレーション、タキヤの3社。

こちらは合弁会社「れこっず」を設立する。
3社は5月21日付で業務提携契約を結んでいる。

れこっずの出資金は4億9000万円。
「出資比率はミニストップ51%、CFSコーポレーション30%、タキヤ19%」。
「ドラッグストア2社の専門的知識とノウハウを、
ミニストップのFCノウハウなどと融合させ、
新業態店舗を創出し、協業で3社の成長戦略を実現する」。

コンビニとドラッグストアの融合。
「コンバイン」(結合)と呼ぶが、
新しい業態やフォーマットを開発するときの常とう手段。

それが本格化してきた。

もちろん昨年6月の薬事法改正がその引き金と なったが、
この動きは止まらない。

別に誘導するつもりはないが、
これはコンビニとドラッグストアに影響を与えるだけでなく、
スーパーマーケットにも大きなインパクトを与えるに違いない。

アメリカではスーパーマーケットとドラッグストアが結合した。
コンビネーションストアと呼ばれた。
いわゆるフード&ドラッグ。

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日本でもCFSが「ザ・コンボ」というフォーマットの実験を、
もう10数年前から展開。

イオンも、マックスバリュの第一号店は、
フード&ドラッグだった。

しかしそれらは失敗の判断。
日本ではフード&ドラッグは成立しないのか。

そんな見解が生まれつつあった。

私はそうは考えない。
旧薬事法が 邪魔をしていた。

しかし改正薬事法がトリガーとなって、
今始まっているのはコンビニ&ドラッグ。

これが成功するのか、
はたまたフード&ドラッグとなるのか。

この問題の解明は、
日米小売業の違いを解き明かすことにつながる。

極めて注目度の高いテーマだ。

アメリカでは歴史的に、
スーパーマーケットとドラッグストアが発達した。
それが合体してコンビネーションストアとなった。

アメリカのドラッグストアは日本のコンビニの機能を持つ。

対して日本ではコンビニが異様に発達した。
スーパーマーケットも発達している。
両者の間に激しい業態間競争が繰り広げられている。

そこにドラッグストアが追い打ちをかけるように発達した。
従って選択肢は二つある。

フード&ドラッグとコンビニ&ドラッグ。
後者が今、加速化しようとしている。
面白いことになってきた。
<結城義晴>

2010年07月14日(水曜日)

『メッセージ』から「あなたの評価」と「一番の人気」

今日は、西日本から東日本の広い範囲に、
雷を伴う激しい雨。
気象庁が、土砂災害・河川の増水など、
警戒を呼び掛けている。
これは活発な梅雨前線の影響。

しかし北陸や太平洋岸は高温の今日。

もうすぐ、梅雨が明け、
真夏がやってくる。

もうすぐ。

6月から7月に入って、
全体に営業状況は良化している。

雨模様の梅雨が明けると、
客足はさらに店に向かう。

それまで、もうすぐ。

私は昨日から、長野県軽井沢。
恒例のトリマス会。
㈱とりせん会長の前原章宏さん主催の研修会。

避暑のつもりが大雨になりそう。

立教は前期が終了し、
コーネル・ジャパンも第二期国内講義は終了。

久しぶりに、ゆっくりとものを考えることができる。

ドラッカー先生ではないが、
「時間をまとめる」ことは極めて重要。

ものを考えていたら、
私の著書『メッセージ』から二編が浮かんだ。

「あなたの評価」  

あなたはいったい、
何をもって評価されているのですか?
あなたの会社の評価基準は、
何ですか?

売上高ですか?

ならばできるだけ在庫を増やしなさい。
できるだけ販促しなさい。
人を増やしなさい。

「いいえ、利益で評価されます」

どの利益ですか?
利益にはいろいろあります。

「荒利です」

どの荒利ですか?
荒利益率ですか?
荒利益高ですか?

もし荒利益率を上げるのならば、
値入れ幅を大きくしなさい。
仕入原価を引き下げなさい。

「いいえ、きっと荒利益高です」

ならばまず売上高を上げる努力をしなさい。
そのために在庫を増やしなさい。
販促しなさい。
人を増やしなさい。

「いやいや、ロス率にも気をつけねばなりません」

ロス率を下げようと思ったら、
在庫を減らしなさい。
生鮮や日配、惣菜、鮮度のある商品の品揃えを縮めなさい。
品切れを起こさせなさい。

「ええい、面倒だ。
売上高と荒利益高と荒利益率とロス率です」

あなたはいったい、
何をもって評価されているのですか?

「一番の人気」
あなたの店が繁盛しているとする。
売上高の半分は実力なのだろう。
しかし、あとの半分は、人気によるものだ。
人気とは、一番の者に与えられる特権である。

あなたの店が不振だとしよう。
不振の半分は、店の実力による。
しかしあとの半分は、人気がないからだ。
二番手、三番手、四番手だからである。

では一番の人気は、なぜ獲得できたのか。
そして一番の人気は、どんなときに逆転するものなのか。

何も競争がない時代。
すばやく時流をとらえた者が、まず人気を博する。
人気は実力に決定的な影響を与え、実力はどんどん向上する。
追いかける者がいくら努力しても、この実力差は詰まらない。

どんなに消費が冷え込んだときにも、
どんなに営業不振のときにも、
一番人気の店は密かに客の支持を伸ばしている。
二番手以下は急激に落ち込む。

ただし、追う者の強みというものもある。
紙一重の差までは、努力しだいで到達することができる。
しかし、この紙一重の差が大きい。
だから、そこから先は運にめぐまれるしかないのかもしれない。

たいていの場合、幸運とは、
神から与えられるものでも、自分で勝ちとるものでもない。
相手に恵んでもらうものである。
人気も、敵の過失によって、ころがり込んでくるものなのだ。

人気を維持すること。
逆転すること。
それができるのは、
謙虚に、実力と人気の力関係を知る者だけである。

<結城義晴>

2010年07月13日(火曜日)

清水信次さん84歳とつかこうへいさん62歳の「いつか公平」

日曜日の午後8時ジャスト。
NHKは投票終了と同時に報じた。

「民主党敗北、自民党勝利」

この瞬間、有権者の楽しみは消えた。
少なくとも私は、一晩中、
選挙速報を楽しもうと思っていたが、
それが一瞬にして、霧散した。

その直後、蓮舫議員の当確が打たれた。

たった1分。

迅速な報道をモットーにしているとは言うものの、
実際に開票されてもいないのに、
勝手に「当選確実」を知らせて、
視聴者の楽しみを奪ってしまう。

このテレビの傲慢さには、
私、怒り心頭。

選挙は、マスコミ、特にテレビに誘導されている。
だからみんなの党のように、
テレビの主張と同じ政策を掲げた政党に票が集まる。

テレビ各局の「参院選特番」の平均世帯視聴率(関東地区)。
ビデオリサーチ調査。

NHKの「参院選2010開票速報」が18.8%でトップ。
日本テレビ「ZERO×選挙2010 第一部」が9.7%。
テレビ東京「池上彰の選挙スペシャル」が意外に健闘し9.3%。
TBS「乱!参院選2010 第一部」が9.2%、
テレビ朝日「選挙ステーション2010 第二部」は9.1%、
最下位はフジテレビ「FNN踊る大選挙戦2010」が8.2%。

NHKが真っ先に国民の興味を削いでしまったために、
あとはテレビチャンネルをくるくるスイッチさせつつ、
持って行きようのない気分を散らばすしかなかった。

蓮舫行政刷新担当相が各テレビ局を移ってゆくのを、
追いかけたくもないのに、追いかけてしまった。

この選挙でも、制度の矛盾が発露した。

選挙区での落選者のうち、
最多得票は私の選挙区・神奈川の千葉景子法相。
得票数69万6739。

選挙区当選者で最小得票は、高知の広田一氏。
13万7306票。

この倍率は5.07倍。

5倍以上も得票して落選、
5分の1以下の得票で当選。

これを「1票の重みの格差」と表現するが、
前回の2007年の参議院選挙は4.16倍だったから、
格差は拡大した。

ちなみに、全国最多得票は東京選挙区の蓮舫議員。
171万734票。

誰かに分けてもらいたいくらい。

もうひとつの矛盾点。
参院選比例代表の投票方式は「非拘束名簿式」。
本来は候補者名で投票するが、政党名でも可とする。
今回、党名での投票の割合は74.9%だった。
これは過去最高。

候補者名の投票割合は、24.9%。
こちらは回を追うごとに下がり続けている。
2001年35.0%、2004年30.6、2007年29.5%。

その結果、また格差が開く。

党名での投票率が最も高かったのは、共産党の91.3%。
次いで、みんなの党90.8%。
党名の票が多く、個人名の票が少ない。
結果として、みんなの党の最小得票当選者は、
3万7000票余りで参議員議員となってしまった。

候補者名での投票率が高いのは公明党の53.3%と国民新党の51.8%。
国民新党現職の長谷川憲正氏は40万票余りの得票で落選。

40万票と3万7000票。
10分の1以下での当選。

蓮舫議員の172万票と比較すると、3万7000票は2.15%。
なんと2%で当選。
日本の選挙制度は、もっともっと、
「公平」さを追求しなければならない。

昨日は朝から、東京・日本橋。
参議院選に立候補した清水信次候補の報告会。

まず選対事務局長の並木利昭㈱ライフコーポレーション常務取締役から挨拶。
「民主党比例区は結果として、16議席だった。
前回は20議席だったが、民主党を取り巻く環境が悪化していたことは否めない。
連合系当選議員の得票も、前回は20万票だったが、今回は10万票台。
選挙区での得票も今回は半分くらいと、全体に落ち込んだ」

「全国でご支援をいただいたが5万4000票ほどだった。
事務局の力不足をお詫びし、お礼申し上げたい」

そして清水信次さん。
㈱ライフコーポレーション会長にして、
日本スーパーマーケット協会名誉会長、
日本セルフ・サービス協会名誉会長。
「これが現実の姿なんですね。
現実を直視して、
いまさら敗戦の将が兵を語っても仕方ない」

「しかし、日本はこのままでいいのか。
いまの選挙制度は、戦前と変わらない。
太平洋戦争であれだけの犠牲を払っても、学習していない。
自民党は戦後、よくやったと思う。
吉田、岸、佐藤、中曽根まではよくやった。
しかし、その後、おかしくなった。
今の民主党は社会党政権に近い。
このままでいいはずはない」

「3年後は601名改選の総選挙だ。
衆議院480名、参議院121名。
私は、今回の経験を活かして、
87歳で立候補するかもしれませんが、
その時には、また、よろしくお願いします」

「私は3度、死んでいた。
その3度をなんとか切り抜けて、長生きしてきた。
今度の自身の選挙から、
気力・体力が充実してきた。
自信にもなった。
『負けるが勝ち』というが、
さらに生まれ変わって、頑張りたい」

最後は、参集者たちから盛大で暖かい拍手が送られた。

私は、清水さんの気力に、感動した。

そうは言っても日本の選挙制度。
「公平さ」を獲得しなければいけない。

「公平」といえば、
つかこうへいさんが逝った。

62歳。

なんとも、早すぎる逝去。
心から哀悼の意を表したい。

つかこうへいのペンネーム。
「いつか公平な社会を」との意味が込められているとの説がある。

福岡生まれの在日韓国人。
『蒲田行進曲』が有名だが、
私は『幕末純情伝』も好きだった。
渋谷の西武パルコ劇場で観た。

遺書が残されていた。
「友人、知人の皆様、つかこうへいでございます。
思えば恥の多い人生でございました。
先に逝くものは、後に残る人を煩わせてはならないと思っています(後略)」

恥の多い人生。

この言葉に共感しない者はいない。

84歳の清水のぶつぐさん。
62歳のつかこうへいさん。

「いつか公平」を追い求めて、
今を生き、今に死す。

心から合掌。

<結城義晴>

2010年07月12日(月曜日)

参議院選民主惨敗・自民大勝の「勝利とは敵から恵んでもうもの」

「勝利とは自ら勝ち取るものではない。
敵から恵んでもらうものだ」

(塩野七生)

そんな昨夜から今日未明の出来事。

Everybody! Good Monday![vol28]

2010年第28週です。
7月も第3週で、ちょうど真ん中。

日本列島は南から、徐々に梅雨明け。
今週末は、土曜、日曜、それにつづく月曜・海の日の三連休。

7月唯一の祭日。
ジャストミートで、各地の梅雨明け。
夏本番です。

そして翌週末から、
児童・生徒は夏休み。
学生はもう、夏休みモード。

家庭内に夏休みに突入する者がいると、
不思議に家族全員が夏休み気分になる。

さて、今日の未明、三つの出来事。
第一に参議院選挙、民主党自滅。
自民党大勝、
みんなの党大躍進。

わが清水信次候補も、残念ながら落選。
しかし大勝も大躍進も、
敵から恵んでもらったものであることを、
忘れてはならない。

民主党の昨年の衆議院選圧勝による政権交代も、
敵から恵んでもらったものだった。

それを忘れた。

鳩山由紀夫・小沢一郎、そして菅直人。

相も変らぬ選挙模様に、
うんざり感も否めない。

売れなくなったタレントや現役引退のスポーツ選手。
衆議院からのくら替え。

乱立新党の中で唯一、
存在感を示したのは「みんなの党」。
この党とても、インパクトのある政策を掲げているわけではないし、
それを実現させる力があるとは思えないが。

しかしそれでも、自分勝手で独りよがりの新党づくりや政策は、
やはりまったく支持を受けないことは明白だった。

自分勝手で独りよがりの販促や特売が、
まったく顧客の支持を得られないことと同じ。

国民新党、
立ち上がれ日本、
新党改革、
日本創新党、
エトセトラ、エトセトラ。

一方、旧来の政党も、
ライフサイクルの衰退期に入ったごとき状況。

社民党、共産党、公明党、
自民党も自ら変わる以外にない。

ほとんどの政党が、
55年体制下の自民党と社会党から発したもの。

しかしいずれも「蛻変」しきれていない。
変わりきっていない。

まだまだこれは、
政界変化の予兆にすぎない。

ただし、ねじれ国会の構図となってしまったにしても、
基本的にイデオロギー上の対立から発した政策の差異があるわけではないから、
国民のため、国家のためと考えて、
議論を尽くせば、よりよい政策が打ちたてられるはず。
時間はかかるだろうが。

私たち国民は、祭りが終わったからとて、
この高揚感を失ってはならない。

政党も政治家も、国の政策を決定し、実行するために存在する。
その使命を忘れてはならない。

今日未明の第二の出来事は、
FIFAワールドカップ決勝戦。

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オランダ対スペインの世紀の一戦。
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延長までの120分を使いきり、
世界中に感動をもたらしつつ、
無冠の帝王スペインが優勝。

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キャプテンのゴールキーパー・カシージャスが、
黄金のトロフィーにキス。

スコアは1対0。

ずっとスペインのペースだったことは、
この得点が物語っている。
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こちらは敵から恵んでもらうの図ではなかった。
実力ある者が、実力を発揮して勝った。

オランダも実力を出した。

サッカー・ワールドカップは、
世界最高の水準を見せつけた。

してみると日本の政治、
まだまだワールドカップレベルではないことを示してしまった。

かつて言われた。
「経済一流、政治三流」

それが「経済三流、政治五流」になった。
これ、清水信次さんの言葉。
私の立場からすると、
「商業一流」に向けた努力は続けたいものだと思う。

第三は、ゴルフ全米女子オープン。
ローラ・クリーマーがただ一人アンダーパーで優勝。
宮里藍も横峯さくらも、残念ながら及ばなかった。

こちらの世界最高レベルには、
日本人ももう届いている。
紙一重の違い。

多くの日本人が眠い目をこすりながら、
今日からまた仕事。

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白日夢の中でも、
常に世界最高のレベルを描いていたい。

ひとり一人が、自分の領域で、
世界最高のレベルを具体的にイメージし、
それを追いかけ、目指す。

今朝の出来事は、私たちに、
そんなことを語りかけてくれる。

今月の標語。
「選挙に行こう・投票しよう」

全体の投票率は56.07%で前回を下回った。
小売業・サービス業など、
日曜日の投票日に店を開け、
仕事をする業種の従業者の投票率は、
どのくらいだったろうか。

従来同様に38%くらいだったか、
40%を超えたか、
あるいは全体平均の56%に至ったか。

私の関心は、そこにある。

少なくとも投票率レベルでも、
他の産業に負けないところまで、
私たちは行かねばならない。

祭りは終わった。
仕事に勤しむ。

「今日も一日、元気と勇気」  
真夏がそこまでやってきている。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2010年07月11日(日曜日)

ジジのひとくぎり[2010日曜版vol28]

よのなか、ずいぶん、
につまってきました。

ボクのなまえは、ジジ。

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おなかすいたら、たべる。
ねむくなったら、ねる。

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定位置のいすのうえで、ねる。
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つゆだけど、ねる。

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おとうさん、いないけど、ねる。

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ユウキヨシハルのおとうさんは、
リッキョー大学へ。

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キャンパスも、
ミドリが、こくなってきた。

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木も高くなった気がする。

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F&Bマーケティングの講座で、
コストコにいった。

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ユーキ・ゼミのメンバーもいっしょ。

でも、きょうは、まだかえってきません。

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キャンパスに灯がともって、
夕方になる。

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おとうさん、
はやくかえってきてよ。

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やっと、かえってきました。

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リッキョーの前期がおわって、
コーネル・ジャパンの第二期もおわって、
おとうさんは、ひといきついています。

ボクも、そろそろ、
ひとくぎり、つけるときです。

来週を、たのしみにしてください。
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よのなかも、
ひとくぎり、
つきそうです。

ワールドカップも、
4年にいちどのひとくぎり。

おとうさんも、
ひとくぎり。

ボクも、
ひとくぎりです。

<『ジジの気分』(未刊)より>

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