結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年08月19日(木曜日)

日経MJ「2009年百貨店調査」にみる233店中たった3店の増収店舗と「現状否定」

㈱商人舎、今日から夏季休業があけて、
営業再開。

よろしくお願いします。

その商人舎秋の事業。
10月5日~10月11日。

第8回商人舎アメリカ視察スぺシャル・コース。
10月開催の研修会ですが、
締め切りは8月20日金曜日。

商人舎定番の大好評「経営戦略コース」。
対象はトップマネジメント、幹部、幹部候補生。

テキサス州オースティン&ダラスとニューヨーク。
徹底的にウォルマートを裸にし、
その原理原則を習得しつつ、
それへの対抗策を考察する。

そのうえで、HEバット、ホールフーズ、トレーダージョーなど、
先進ローカルチェーン企業やスペシャルティ企業の経営戦略を学ぶ。

セグメンテーション、ターゲティング、
そしてとりわけポジショニング。
アメリカでしか理解できない、体験できない最重要概念と経営戦略が、
明らかにされる。

その学習において、現在、全米で最適の地テキサスで学び、
その後、最もエキサイティングなニューヨークにわたって、
様々なニッチの在り方を知る。

ウェグマンズ、スチュー・レオナード、
ゼイバーズ、フェアウェイマーケット、エトセトラエトセトラ。
ここには「働きたい企業」の真実が存在する。

研修と学習満載の7日間。
結城義晴、浅野秀二、メリッサ・フレミング女史。
三人の講師がめいっぱいの熱演。

あなたは必ず、
「自ら、変われ!」を体験することができる。

是非のご参加を。      [㈱商人舎]

*****************************************

昨日も新幹線の帰省客は、多かった。
それぞれの夏休みが、
それぞれに展開され、
それぞれに非日常の楽しさを満喫した。

このところの残暑は、並みの残暑ではなかった。
日経新聞『春秋』では、
「炎夏」なる言葉を引き出してきて、
「よくよく念の入った残りの炎である」とまとめる。

元西武ライオンズ監督で現評論家の東尾修さんまで、
ゴルフ中に熱中症にかかり、二日間入院した。

高齢者の方々の熱中症には、
周辺がよほど気を配らねばならない。
東京23区では100人の死亡者が出た。
ほとんどが高齢者ばかり。

その一方で、モノは売れた。
これが現代の社会の特徴。

デメリットがあれば、必ずメリットもある。
メリットが拡大されれば、デメリットのリスクも大きくなる。

その中で、リスク・マネジメントを機能させつつ、
全体最適を求める。

難しい「オクシモロン」の問題が横たわる。
「二律背反のテーゼ」。

しかし商人舎5月の標語。
「むずかしいからおもしろい」

商人舎6月の標語。
「やさしいことから手をつけよ」

昨日の日経新聞コラム『大機小機」。
「アジアに日本は魅力的か」のタイトル。

コラムニスト石巻氏の結論は、
「謙虚に経済大国意識から脱却して、
アジアに魅力的なインフラやシステム、
知的財産、行政のレベルアップのための知的支援など、
セールスポイントを自ら認識して向上させたい」

①セールスポイントを
②自ら認識して
③向上させる

いい考え方だ。

そうすれば「日本は社会システムと文化の豊かな国として、
光を放つだろう」
「日本人の勤勉さと公共心を、
もう一度取り戻したいものだ」

まったくもって、同感。

昨日18日発行の日経MJ。
「2009年度百貨店調査」

調査対象233店。
そのうち増収はたった6店。
6店の半分の3店はすでに閉店している。
つまり閉店セールで売上げが前年を超えた。
従って、通常の増収店舗は3店だった。

①西武旭川店(増収率18.0%)
②新宿マルイ(15.2%)
③大丸札幌店(1.6%)

増収の理由は、競合店の撤退。

しかし3割以上の店が、コメントする。
「競合店が消滅しても売上げ維持が精いっぱい」

さて、ランキング。
第1位と第2位が逆転した。

第1位、伊勢丹新宿本店 年商2236億円(マイナス9.1%)
第2位、三越日本橋本店 
2157億円(マイナス14.8%)

マイナスが少なかったから第1位になった伊勢丹本店。
2000億円を超える2強は、三越伊勢丹ホールディングス傘下。

以下、
第3位 西武池袋本店 1606億(マイナス5.1%)
第4位 阪急うめだ本店 
1441億(マイナス16.7%)

第4位までは「本店」が占めた。
この意味で、日本の百貨店はチェーンストアではない。
アメリカの百貨店はノードストロームやニーマンマーカスまで、
間違いなくチェーンストアであるけれど。

第5位  横浜高島屋 1355億(マイナス9.1%)
第6位  日本橋高島屋 
1308億(マイナス10.7%)
第7位  東武百貨店池袋本店 
1129億(マイナス7.7%)
第8位  松坂屋名古屋店 
1106億(マイナス10.2%)
第9位  高島屋大阪店 
1079億(マイナス13.2%)
第10位 東急百貨店本店 
1028億(マイナス17.3%)
第11位 そごう横浜店 
1018億(マイナス8.8%)
ここまでが年商1000億円以上。

昨年は1000億円以上の百貨店が13店あった。
近鉄百貨店阿倍野本店と小田急百貨店新宿本店が脱落。

年商500億円以上の百貨店は35店。
昨年は39店。

年商300億円以上は63店。
昨年は67店。

そして200億円以上は95店。
しかし95位の伊勢丹吉祥寺店は閉店している。

昨年200億円以上が107店あったから、
200億円規模以下の百貨店が厳しい。

私の仮説は「百貨店120店説」だが、
残存百貨店数の規模は、
このあたりまでではないか。
厳しい百貨店業態。
衰退業態は、
立地や規模が限定されてくる。

138位に位置する西武百貨店有楽町店。
年商139億円、売り場面積1万6191㎡。
2万㎡ぎりぎりの百貨店は、成り立ちにくい。
伊勢丹吉祥寺店は、2万0758㎡。
伊勢丹のマーケティング力・マーチャンダイジング力を持ってしても、
2万㎡では苦しい。

「オクシモロン」といっても、
ビジネス・モデルや業態のライフサイクルを、
乗り越えることはできない。

厳然とした事実や理論の前には、
努力や執念も歯が立たないのである。

この時求められる姿勢は、
商人舎8月の標語。
故渥美俊一先生からいただいた
「現状を否定せよ」

炎夏のなかで、現状否定。
どこか、ふさわしい生き方であると思う。

<結城義晴>

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.