結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年01月24日(月曜日)

セブン&アイ鈴木敏文会長の「2011業態認識」と日本チェーンストア協会での怒涛の懇親

Everybody! Good Monday!
[vol4]

2011年が始まって、
1月も最後の週。

新年の会合が続く半面、
もう2月を視野に入れている。

今日から第177通常国会。

2011年度予算案の審議が始まる。

通常国会は、「常会(じょうかい)」とも呼ばれる。
日本国憲法の第52条で定められているのは、
毎年1回の召集。

そのうえで、国会法第2条の規定で、
召集時期が「1月中を常例とする」となっている。

国会の仕事始めのようなもので、
今年こそ本質的な論議を期待したものだ。

さて今週。
大寒にもかかわらず、
東京・横浜をはじめ太平洋岸は、
暖かいというか、寒くはない。

店や売り場はもう2月はじめの、
節分をイメージしているが、
昨今は「恵方巻」の事前プロモーションに余念がない。

日本人全体の今週の気分をみると、
明日25日火曜日のサッカー・アジアカップ準決勝で盛り上がる。
ナショナリズムに火がついて、
一億総応援団&一億総評論家と化す。

相手が韓国と決まったからだが、
もしこの韓国戦に勝てば、
土曜日の29日の決勝がさらに盛り上がる。

期待も込めて、今週は、
「フットボール・アジアカップ・ウィーク」と、
決めつけてみてもよい。

さてさて今朝の日経MJ。
三面のマーケティング欄「売り手の考え」に、
鈴木敏文さん登場。
ご存知㈱セブン&アイ・ホールディングス会長。

日経新聞編集委員の田中陽さんが聞き手で、
とても良いインタビューに仕上がっている。

一面では今、話題の「フェイスブック」の特集をしているが、
マスコミに関係する人間としてみれば、
「鈴木敏文もの」を一面に持ってきてもよかったと思う。
最先端の情報と最も説得力のあるインタビュー。
その都度、どちらかを選択しつつ、
特集を組んだり、一面に持ってきたり。

鈴木さんのこの内容なら、
ちょっと古いスタイルながらも、
今朝は一面が正解だと思う。

そのくらいの柔軟性はあってよい。

もちろんフェイスブックは、
来年の私のゼミ候補生も、
研究したいと考えているくらいで、
重要なテーマ資源だが、
鈴木さんの洞察力を共有するというのは、
すべての知識商人やマーケッターにとって有益であると思う。

白鳥さん、いかが?

そのインタビューの全文は、
日経MJを読んでいただくこととして、
面白い視点が語られている。

セブン&アイ総帥による現在の業態別の認識。
「コンビニエンスストアが非常に好調です」
これは当然。

「中期的な視点ではデパートが
伸びてくるとみています」

この見方が、いい。

「3番目が食品スーパーマーケットで、
今、踊り場にあるのが総合スーパーです」

「鈴木敏文の業態認識」が良く出ている。
①コンビニ
②百貨店
③食品スーパーマーケット
④総合スーパー(国際的にはハイパーマーケットと称する)

鈴木さんは、もともと「業態論」には積極的ではなかった。
しかしその鈴木さんが「業態」ごとの現段階を分析する。

すなわち鈴木さんによる2011年初頭の業態の認識が、
明らかにされたことになる。

私は、「業態」という概念そのものが踊り場を迎え、
フォーマットという考え方に分化・進化しているとみている。

「デパートはやがて行き詰ると見る人たちが多いようですが、
そうではない」

百貨店という業態が同質化してきた。
従って百貨店業態そのものは、
立地が極めて限定され、
その立地の一番手、二番手までは、
これまで以上に繁盛する。

しかしそれ以外は、壊滅的な状況になる。
だから百貨店という業態が行き詰るわけではない。

これが私の見解。

「GMSは成長期に様々な商品やサービスを包含して伸びましたが、
それがいまは専門店として市場が独立していったため、
大きな曲がり角を迎えています」

「しかしデパートは違う。
得意として持ってきたものは
外に流れていないと考えます」

この観察と考え方は、鋭い。

「商圏は広く、よいものがほしいと思っている消費者が
わざわざ足を運んでくださいます」

「ただ今のままではだめです。
店の数は多く、並んでいる商品はどこも同じ。
改革は必要です」

この改革を私は、
フォーマットへの転換だという仮説を立てている。

神戸大学名誉教授の田村正紀先生は、
「業態」を最重視する学者である。
「業態」を、
「それなしには流通を語ることができない基礎コンセプト」とする。

「店舗がその小売流通機能を遂行する基本的な様式である」
このように定義し、
「戦略に共通したつくりを持つ企業の集りを認識するためのコンセプト」
とする。

百貨店という共通したつくりをもつ企業群。
それが共通する要素のうえに様々な分化を見せる。
企業ごとだけでなく、
企業の戦略ごとに、
あるいは立地特性ごとに。
それがフォーマットだ。

私には鈴木敏文さんも、
「フォーマット」を論じているのではないかと思えたが、
これは我田引水か。

さてさて、先週21日金曜の夜は、
ホテルニューオータニ赤坂鶴の間で、
日本チェーンストア協会の新年賀詞交歓会が行われた。
会合の冒頭の様子は、土曜にお知らせしたが、
今日は、結城義晴怒涛の懇親の模様を写真構成でご報告しよう。

まずは、小売業の大御所お二人。
㈱セブン&アイ・ホールディングス名誉会長の伊藤雅俊さんと、
イオン㈱名誉会長相談役の岡田卓也さん
へのご挨拶から。
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重鎮のお二人が座っていると、
だれも近づかない。

しかしそれではまことにもって、失礼。
そこで結城義晴の出番となる。

なにしろお二人とも㈱商人舎発足の会当日、
わざわざご参加くださった。
伊藤さんは発起人に名を連ねてくださったし、
岡田さんは、「自分はいいが社長が発起人」として、
岡田元也社長が発起人となってくださった。

私は㈱商業界の最後の仕事として、
『岡田卓也の十章』という本を残してきた。

お二人とも、日本商業の恩人であると同時に、
私自身の大恩人でもある。

私は毎月、32ページほどの小冊子を約200名のトップにお贈りしている。
このブログをダイジェストした『月刊・毎日更新宣言Review』。
お二人とも熱心なご愛読者。

伊藤さんは「あの雑誌は、いい」
何度もお褒めくださった。
この春、ドラッカー本を発刊することになったことをお二人にご報告。
「本ができたら必ず送ってください」と口を揃えて仰った。
「もちろんです。
推薦人になってください」
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お元気なご様子のお二人と記念のショット。
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次は、日本チェーンストア協会会長の亀井淳さんを囲んで、
理事の皆さんと。
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亀井さんはご存じ㈱イトーヨーカ堂社長。
開会のごあいさつは、ことのほか素晴らしかったと申し上げ、固い握手。
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ここからは、商人舎発足の会の発起人の皆さんとのツーショット。

㈱平和堂社長の夏原平和さんも発起人のお1人。
商人舎へのご協力はもちろん、
コーネル・ジャパンにも三期連続で受講生を派遣くださって心より感謝。
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㈱ヨークベニマル社長の大高善興さん
とは、
コーネル・ジャパン第一期事務局長だった大高愛一郎さんが、
仕事で活躍されている話で大いに盛り上がった。
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愛一郎さんは、大高社長自慢の甥。
私にとっては、フラットな司会をする「親友」。
陰ながら応援しています。

協会副会長を務められている㈱ニトリ社長の似鳥昭雄さん。
故渥美俊一先生の一番弟子。
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大創産業㈱社長の矢野博丈さんも発起人のお一人。
昨年末、テレビ朝日系列の「シルシルミシル」でダイソーが放映される際、
矢野さんから携帯電話に直接ご連絡いただき、びっくり。
その時のお礼をしたら、いつものように照れくさそうにされた。
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日本スーパーマーケット協会会長で、
㈱ヤオコー会長の川野幸夫さんと、
ニッコーレン会長の本間健伍さん
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本間さんはコーネル・ジャパン立ち上げの影の功労者。
そして川野さんには、毎年、コーネル・ジャパンで経営哲学を話していただく。

㈱ライフコーポレーション社長の岩崎高治さん
仕事には厳しいだろうが、いつも笑顔が絶えない。
スーパーマーケットの産業化、商人の現代化のために、
ともに頑張りましょう。
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㈱いなげやの皆さんと肩を組んで。
私の隣は社長の遠藤正敏さん
もちろん発起人のお一人。
その隣が常務の藤木勇さんと、専務の成瀬直人(右)さん。
藤木さんは昨年の米国視察Special編に参加いただいた商人舎ファミリー。
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UIゼンセン同盟の落合清四会長も発起人のお一人。
流通部会副事務局長の木暮弘さん(右)は、私の担当者。
来月2日の講義ではお世話になります。
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日本水産㈱社長の垣添直也さんも発起人。
コーネル・ジャパンでは毎年、グローバルな視点で講義をしていただく。
その情報量と分析力にはいつも圧倒される。
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第一屋製パン社長の細貝理栄さん。
いつも私に憩いと安らぎを分けてくださる。
ありがとうございます。
今年も楽しみにしています。
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商人舎発起人の最後を飾るのは、
ブルーチップ㈱専務の宮本洋一さん。

今週末の高知出の店舗視察をコーディネートしてくれた。
今からワクワクしている。
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協会副会長で㈱フジ社長の尾﨑英雄さん(右)と、
協会専務理事の井上淳さん(左)。
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日清フーズ㈱社長の池田和穗さんは、
コーネル大学卒業のコーネリアン。
コーネル・ジャパン設立以来、懇意にしていただいている。
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㈱伊藤園の江島祥仁副社長と、
商人舎エグゼクティブ・プロデューサーの松井康彦さんとの、
いつものスリーショット。
今年は、茶畑と工場を必ず視察します。
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協会活動を支えるお二人。
井上専務理事と小笠原壮一常務理事(右)
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日経新聞社編集局消費産業部編集委員の田中陽さん。
今日のブログの冒頭で、
セブン&アイの鈴木さんに鋭くインタビューしていたのは、
この田中さん。
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いつもブログで田中さんの記事を取り上げさせていただいているが、
お会いしたのは実は初めて。
これからも、末長いお付き合いを。

商業の基幹産業化、
私流にいえば「現代化」。

それが押しも押されもしない段階に至るまで、
お力を貸してください。

白鳥和生さんともども。

そして、最後は、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱
のみなさん。
私が非常勤取締役を務めている通称CCL。
社長の西川明宏さんと営業スタッフのみなさん。
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この賀詞交歓会では、若いスタッフが私の後に付いて歩き、
多くの方々と名刺交換をさせていただいた。
ご協力に感謝。

ともあれ、伊藤雅俊さん、岡田卓也さんのお元気な姿に接して、
私も80代後半、いや90代まで頑張ろうという気概が生まれた。

元気こそ、いつまでも若くあることの源です。

では、今週も。
Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

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