結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年06月21日(火曜日)

三越伊勢丹8月定休日設定を評価し、商業経営問題研究会RMLCで「フォーマットとポジショニング」を語る

菅直人首相に対する新聞各紙の物言い。
尋常ではない。

テレビ雑誌も同様。
週刊誌となるともう、異常を通り越している。

みんなサド侯爵か?!

しかしこれは、
国民の総意に近いものとなった。

朝日新聞社説。
「はっきりしていることがある。
首相に長期続投の目などないという現実だ」

そして提言する。
「最後の使命を明らかにして、理解を求めるのだ」

しかしこれとても、飛び切り優しい。
父が子を、兄が弟を、
諭すような言い回し。

それも仕方ない。
何しろ、昨日20日、
やっと復興基本法が成立した。
東日本大震災の発生から3カ月以上、14週と4日。102日。

ただし復興政策の企画立案と実施態勢の大枠が固まっただけで、
復興財源や復興庁の制度設計などは未定。

そのうえ、国民のマインドは、
菅直人から完全に離れた。

「おやめなさい」

父でもないし、兄でもないが、
これしか言えない。

悲しいことに。

それでもうれしいニュースもある。

スーパーコンピューター国際会議で、
計算速度を競う世界ランキング「TOP500」が発表され、
日本のスパコン「京(けい)」が第1位となった。

ドイツのハンブルクで開催されているが、
京は理化学研究所と富士通の共同開発中のスパコン。
1秒当たり8162兆回の計算能力が示された。

京とは、「一、十、百、千、万、億、兆」の次の単位。
1億の1億倍、兆の1万倍、10の16乗。

「京」はその目標をネーミングされるという宿命を持った。
そして「1兆の8162倍」を1秒間に計算した。
つまり自分の名前にもう一歩ではあったが、
それでも第2位の中国の「天河1A」を大きく引き離した。

現在672台のコンピュータのラックで構成され、8162兆回。
2012年には800台以上をつないで、
自分の名前「1秒に1京回」を達成する。

日本が首位に立ったのは、
2004年の「地球シミュレータ」以来、7年ぶりという。
この開発企業はNECだった。

それから大きな夢が描かれた。
そして夢に向かって、
一歩ずつ歩んできた。

ピーター・ドラッカー先生は、
「自分の強みを知れ、その分野でトップになれ」と諭したが、
スパコンで世界1というのは、
日本人としてことのほかうれしい。

東日本大震災も、こうありたい。

復興・振興の夢を描きたい。
その夢への道筋を展望したい。

さて日経新聞に、
「三越伊勢丹、8月に首都圏3店舗定休日」の記事。

伊勢丹新宿本店が8月16日を除く火曜日、
三越日本橋本店は8月1日と29日、
三越銀座店は22日を、
定休日にする。

目的は、定休日を設けた代わりに、
「営業日に店員を手厚く配置」し、
「顧客サービス向上」を実現させる。

大いに評価したい。

同社が首都圏の店舗に定休日を導入するのは約8年ぶりだとか。

アメリカのトレーダー・ジョーは、
1万平方フィート(280坪)の店に、
60人から70人の人員を配置する。

そのうえ、店舗での仕事は主に3種類。
①キャッシング(レジ)
②補充陳列
③クレンリネス
この3種類の仕事に全員でかかる。
全員がこの仕事をマスターしている。

「あとは全員でフレンドリーサービス!」
「キャプテン」と呼ばれる店長が胸を張る。

これがトレーダー・ジョーの「強み」だ。

現場の仕事の種類を削減する。
現場の仕事を軽減する

そのうえでホスピタリティ・レベルを上げることに集中する。
その設計をする。
リードする。

それがマネジメントの役割である。

「サービスの向上、ホスピタリティの実現」
スローガンに掲げ、現場に強いていて、
「休暇は取れず、人員はギリギリ」
これでは実践躬行とはならない。

万にも億にもならないのに、
京を口にすることと似ている。

さて昨日の午後は、
商業経営問題研究会(通称:RMLC)の6月例会

会場は港区虎ノ門の日本チェーンストア協会会議室。
歴代の会長の写真に見守られての研究会。
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初めに和田光誉さんの報告。
「2011年度主要食品スーパーマーケット決算概況」。

和田さんは、自ら取材・集計した詳細なデータをもとに、
上場企業39社の動向を解説してくれた。

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先月報告してくれた総合スーパーとはずいぶん異なっている。

39社中増収増益企業は24社。
ライフコーポレーション、
バロー、オークワ、サミット、ヤオコーなど。

一方、減収減益企業は7社。
ヨークベニマル、マルエツなど。

食品スーパーマーケットは、下半期からの好調さを維持し、
総じてよい決算内容だった。

その後、結城義晴による「アメリカ最新報告」。
5月に視察した主だった企業の写真を紹介しながら、
「フォーマット論」と「ポジショニング」について解説した。

20110622104554.jpg

いま、自分でも最も関心を寄せているテーマ。

20110622104226.jpg
終了後、月曜日はいつものように立教大学へ。
大学院ビジネスデザイン研究科F&Bマーケティングの授業。
今回は「世界の食品トレンドとヨーロッパの内食産業」
こちらは3時間。

「疲れたら休め」

自分に当てはまる言葉のようだが、
私の場合、講義やレクチャーは苦にはならない。

語りながら、中身を深く考えている。
話しながら、聴き手の反応を観察している。

そこから新しい考え方やアイデアのヒントがつかめる。
むしろ充実した時間である。

それを月曜日から与えられていることに、
心から感謝しつつ、今週が始まった。

<結城義晴>

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