結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年06月22日(水曜日)

日経MJの「2011上期商品番付」と「底流を読む」のセンターフィー問題への「きっぱり」

「延命、居座り」そして「ドタバタ劇」。
菅直人首相の現状に対する形容。

日経新聞は社説で言い切った。
「国政が停滞する前代未聞の人災は、
もういい加減にしてもらいたい」

その菅首相と民主党執行部、
今国会会期の延長を70日間に決めたようだ、
8月31日まで。

何しろ首相が「うん」と言わない。
「首に鈴をつける」といった表現が使われるが、
そんなニュアンスではない。

「居座り・居直り」なのだから。

ただし首相や大統領には、
むしろそのくらいの権力は、
与えられてしかるべきだ。

根本的に問題なのは、
この絶大なる権力を行使する人間の品性に、
欠陥があることだ。

さらにこの下品さは、
私たち日本国民全員の品性のレベルを映し出している。

新聞もテレビも、政治も政党も、企業も組織も、私自身も、
すべての品性が映し出された鏡でもある。

さて昨日も書いたスーパーコンピュータ「京」。
開発した理化学研究所は、
世界最速の計算性能を、
営利目的での使用に供する。

その場合、計算の成果を公開するならば無料。
非公開ならば実費を徴収。
この実費は大半が電気代。
年間約12億円。
通常利用の基準の3日間ならば、1000万円超。

来年11月から本格稼働の予定。

もともと1120億円の政府予算が投じられて開発されているが、
民間企業への利用を促進させ、「産業競争力向上」を狙う。

夢のもてる話題だし、
リアリティがあってよろしい。

単に計算能力世界1を誇っても、
それ自体には意味がない。

実用化されてこそ、
機械の意味が出てくる。

さて日経MJ恒例の「2011年上期商品番付」。
当然ながら、東日本大震災の影響が出た。
何よりも「横綱不在」。
これはバブル崩壊直後の1991年通期以来のこと。
まさに20年ぶり。

新製品の発表・発売が次々に先送りされた。
その代りに、被災地支援や節電に関連した商品とサービスが、
番付に位置付けられている。

東の大関「節電ツール」。
省エネ型家電、「緑のカーテン」など。
西の大関「『アフター4』販促」。
企業がサマータイム導入を図ったことによる“午後4時退社”を狙った販促の数々。

東の関脇は「フェイスブック」。
これはソーシャルネットワーク時代を象徴させて、
東の横綱くらいに位置付けてもいいと、私は思う。

西の関脇は「涼感衣料」。
ユニクロ、イオン、イトーヨーカ堂など、
このブログでも取り上げた。

東小結は「アンドロイド端末」、
西小結は「駅ウエ百貨店」。

これらもトレンドをとらえた商品や業態。

東前頭筆頭が「メードイン東北」。
被災地東北製を謳った商品。
西は「ボランティアツアー」。
これも被災地支援サービス。

前頭筆頭は、被災地シリーズ。

日経MJの2011上期ヒット商品番付。
マーケットでいかにヒットしたか、
いかにインパクトがあったかよりも、
選考委員の頭の中に、
過剰に東日本大震災への意識があったように思う。

だからはっきり言って、
今回の商品番付は、
つまらない。

マーケットが停滞、縮小したのではなく、
選ぶ側が自制した。

大震災からの復興・振興に、
この点こそが障害となる危険性がある。

その日経MJの月曜日版『底流を読む』に、
消費産業部次長の白鳥和生さんが書いている。
5月19日に設立された「製・配・販連携協議会」のこと。

この協議会は経済産業省が「旗振り」し、
大手の製造業・卸売業・小売業40社が参加。
しかも設立式には「大半の経営トップ」が出席した。

「EDI規格である流通BMSの普及に弾み」がつくことは間違いないし、
返品問題にも改善の機運」は生まれそうだ。

しかし白鳥さんは提言する。
「高いハードルは取引慣行の是正だ」。
その通り。

例として「センター・フィー問題」を指摘。
①小売りへの卸価格の基準を「店着」から「センター着」に切り替える。
②売価決定を「コストオン」方式に転換する。
すなわち取引コストや利益など必要経費を積み上げて売価を決める。
そのためにリベートの透明・簡素化を図る。

書きにくいことをきっぱり。
拍手、拍手。
私も白鳥さんの意見に大賛成。
コーネル大学ジャパンの講義でも、
私たちはこの問題にきっぱりとした態度をとっている。

そしてこういった課題に対しては、
書き続け、言い続けねばならない。
「商品番付」はいまいちだったが、
「底流を読む」は良かった。

菅首相の居座り、居直りに対しても、
身近な人間、彼が信頼する人物による「不退転のきっぱり」が必須。

それでも居座るとしたら、
品性も落ちるところまで落ちたということになる。

<結城義晴>

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