結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年11月09日(水曜日)

[2011帰国後の米欧報告記①]ハード・ディスカウント・ボックスストア「アルディ」フォトレポートといなげやina21

まず、お知らせを三つ。
宣伝ではない。
ご報告。

今夜10時25分からNHKのEテレで、
「仕事学のすすめ」が放映される。
大久保恒夫さんが出演して、
「こうして企業は再生する」の第2回目。
ご存知、㈱セブン&アイ・フードシステムズ社長。

是非、ご覧下さい。

それから、通称「ハンドブック」に、
4ケタ台の一括お買い上げ。
東洋経済新報社刊『1秒でわかる! 小売業界ハンドブック』
1秒ではわかるはずはないけれど、
ありがとうございます。

通称「店ドラ」こと、
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』には、
台湾での翻訳本出版オファーがきています。
これも、嬉しいこと。

さてオリンパス。
1990年代からの含み損1000億円超。
朝日新聞『天声人語』の表現を借りると、
「見て見ぬふりで20年も放置し、
切るに切れぬ病巣にした」
つまり粉飾。

過去のものであろうと、
粉飾を押し隠しつつの健全経営など、
絶対にあり得ない。

だからマイケル・ウッドフォード元社長は、
それを質した。
そしてこのイギリス人経営者は、
突如、解任された。

その気持ち、よくわかる。

故倉本長治商業界主幹は、
『商売十訓』で言い切った。
「損得より先に善悪を考えよう」
「欠損は社会のためにも不善と悟れ」

粉飾を知りつつ、
経営を続けていると、
経営者も社員も蝕まれていく。
やがてそれが組織の風土となり、
企業は腐っていく。

誠に残念なことだし、
本当に恐ろしいことだ。

膿を出し尽くして、
再出発するしかない。

私はいつも、そう考える。

日経MJ『消費見所カン所』に、
㈱いなげや社長の遠藤正敏さん登場。
「高齢者を中心に食品を自宅近くで購入する傾向が強まり、
コンビニエンスストアとの競争が激しくなっている」

そう、業態間競争の激化。

アメリカでもヨーロッパでも、
そして日本でも。

「非食品専業業態が、
生鮮やデリを扱い始めて、
チャネル間競争が起こる」

コーネル大学ジン・ジャーマン名誉教授の指摘。

遠藤さんは述懐する。
「消費マインドは見通せない」

だから確かなことをやる。
エブリデー・ロープライスの小型店フォーマット。
「いなげや ina(いーな)21」

やりきりさえすれば、
いつの時代にも、
確かなニーズはある。

しかしこれをやりきるのは、
本当に難しい。

イオングループの小型ディスカウント・フォーマットの「アコレ」は、
現在13店舗だが、
どちらもモデルは、
ドイツの「アルディ」のはず。

ご本家は小型ボックスストアで、
「ハード・ディスカウンター」と呼ばれる。
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現在、グループ全体(Aldi Nord & Aldi Sud)の年商(2010年)は、
470億5600万ユーロ(1ユーロ110円換算で、5兆1762億円)
ドイツ(Aldi Nord & Aldi Sud)の業績(2010年)は、
年商219億9900万ユーロ(1ユーロ110円換算で、2兆4199億円)
国内マーケット・シェアは13.54%。

アメリカのアルディも、
1978年にシカゴ郊外に第1号店を出してから、
200店、500店、そして1000店を超えて、
やっとディスカウントの効果が出始めた。
1000店までに30年かかった。
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アメリカでの業績(2010年)は、
年商83億6200万ドル(1ドル100円で換算で、8362億円)、
売上げの伸び率は12.1%。
店舗数は1135店で、
こちらの伸び率は7.0%。

両者を比較すると、
既存店が伸びていることもわかる。

2011年全米チェーンストア・ランキング17位。

店舗面積は1万平方フィート(281坪)に標準化されている。
入り口から入ったコンコース。
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取扱アイテムは、1,300SKU。
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限定品揃えのリミテッド・アソートメント。

95%がプライベートブランド。
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コーラもPBで、
常時2リットルを59セント販売。
1ドル100円換算ならば59円、
為替換算の80円ならば48円。

店内は明るくて、
売り場は、簡素でノーフリル。
徹底して、金をかけないローコスト運営。
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店舗左サイドの壁面。
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パン売り場の商品もよく売れている。

レジ手前の冷凍食品売り場。
リーチインケースだが、
見通しがいい。
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冷凍食品やアイスクリームも、
平ケースでしっかり品揃えされている。
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生鮮食品が充実してきた。
「悪かろう、安かろう」では、断じてない。
それが、最大のポイントである。
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パレットに積まれて入荷し、
そのまま陳列・販売され、
そのまま購入されていく。
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卵は奥主通路の主役。
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リーチインケースで売られ、
ラージAの1ダースが、
常時99セント。
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これにはウォルマートすら、
大いに手を焼いている。

住関連商品のコモディティグッズも、
安くて、充実。
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天井からカラフルな垂れ幕が下がり、
什器は移動式の省力型。
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省力機器の下段には滑車が付いている。
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商品は単品大量陳列。
その陳列の上部にボードがあり、
プライスカードには、
商品名と価格のみ。
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このダラスの新店の天井は、
最新流行のむき出し型で、明るい。
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スローガンは、
「Unbelievable Quality…Incredible Saving…Guarantee」
「信じられない品質、途方もない節約、保証します」

レジは4台。
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チェッカーは座って作業する。
これ、ヨーロッパ方式。
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アルディは、
エブリデー・ロープライスを貫徹している。
それは今や、コストコと並んで双璧。
ウォルマート以上といってよい。

その理由は、リミテッド・アソートメントにある。
単品大量販売は、これこそウォルマートをしのぐ。
私は、総合スーパーとしてのハーパーマーケットは、
このリミテッド・アソートメント・ストアに、
価格では勝てないと思うに至っている。

つまりウォルマートもアルディには、
コモディティ・ディスカウントではかなわない。

だからウォルマートは、ノンコモディティ開発とホスピタリティ、
そして生活総合コンプリートストア構築を目指している。

いなげやina21は、イオン・アコレとも共同で取り組んで、
店数を増やし続ける覚悟で取り組まねばいけない。

さて、いなげや遠藤さんのコメントのもう一つは、
「買い物客の無料送迎サービス」
これは「高齢者の来店を促す取り組み」

なんと、埼玉県飯能市のサビア飯能店での試み。
わが商人舎最高顧問の杉山昭次郎先生が、
この商圏内にお住まいになっている。

「飯能の流通仙人」
当年とって85歳。

いなげやの無料送迎バスが、
「流通仙人」を出迎え、送り出す。

想像するだけで、嬉しくなる。
ありがとうございます。

韓国の「割引店」と称される総合スーパーにとっては、
必須のサービス。

高齢化が進む地域ならば、
そして採算が取れれば、
日本でも、大いに広めてほしいものだ。

<結城義晴>

2011年11月08日(火曜日)

セブン&アイ鈴木敏文会長の「”顧客のために”と言うことを禁じている」

今日の立冬、横浜は温かった。

2011年のスポーツ界も、
大詰めを迎えている。

そのスポーツ・ネタを三つ。

大阪の27年組田中さんのリクエストに、
ときどきは応えて。

まずプロ野球セントラル・リーグのクライマックスシリーズ。
東京ヤクルトスワローズの最後の打者畠山和洋が、
三塁横にファールフライを上げた。
それがキャッチされ、ゲームが終わった瞬間、
落合博満監督の眼鏡の奥に涙が見えた。

落合は昭和28年生まれ。
今現在、プロフェッショナル監督の最右翼。
いい涙だった。

そのプロ野球界のポスト・シーズン。
横浜ベイスターズが売却された。

買ったのはゲームソフト「モバゲー」を運営するDeNA。
春日真会長は、商品の「モバゲー」を球団名に入れたかった。

しかし、以下の「一声で消えた」と朝日新聞。
「モガベーという名前で
一つの球団とるってのは無理だよ」

渡辺恒夫読売巨人軍会長の言葉。

「モガベー」とは、
「モバゲー」のこと。

球団名は、「横浜DeNAベイスターズ」になるらしい。
私も横浜在住だから、本当は「横浜ベイスターズ」がいい。

アメリカでは「テキサスが勝った」などという。
これはテキサス・レンジャーズのこと。

州の名や市の名でチームを呼ぶのが、
なんとなく心地よいし、カッコよい。

「茂ヶ兵衛」は「モバゲー」より、
日本的語感であることには違いないが、
「茂ヶ兵衛」は球団名になり難いし、
「横浜」とつなげて「横浜茂ヶ兵衛ベイスターズ」は、
勘弁願いたい。

日経新聞『スポートピア』で樋口久子さんが書く。
「ゴルフに『引退』ある?」

「9月に今季限りの引退を発表した古閑美保さん」
「過去には大迫たつ子さん、村口史子さんも
『引退宣言』している」

樋口さんはそれが気に入らないらしい。

「自分の心にケリをつけたいという思いからか。
潔くもあるが、私はプロゴルファーに
『引退』という言葉はそぐわない気がする」

そして、言う。
「ツアーへの出場資格がなくなったりして
“フェードアウト”していくのが自然な流れ」

「フェードアウト」
ゴルフは人生そのものである。
プロの道も人生そのものなのだ。

TPP反対論議が喧しい。
日経新聞『人こと』
らでぃっしゅぼーや 緒方大助社長。

「安心・安全を求める消費者の意識の高まりは、
生産者にとって大きなチャンス」

食品宅配業で、有機野菜などの契約農家を全国に持つ。
「生産コストの3割程度を占める人件費負担に加え、
人手不足も長年の課題」として、
「農業に従事する人材派遣事業への参入も検討中」

「コストと人手の両課題を解決できる成功モデルを作りたい」

日本農業そのもののイノベーションが、
いまこそ求められる。

しかし朝日新聞のコラム『経済気象台』
コラムニスト龍氏が「本当に日本農業は弱いのか」と問う。

「筆者は、日本のコメ農家の生産性は
世界一級であるとの実感を持っている」

私の一族はもともと、
福岡市早良区で農業を営んでいた。
だから日本農業の生産性の高さを評価してもらうと、
素直に嬉しい。

「苗、田植え、草取り、水位調整、防虫、
収穫の一連の作業を観察すると、
機械化その他の技術の進歩で大幅に省力化され、
実際の投入時間当たりの生産性は極めて高い」

だから「むしろTPPを、
この高い潜在性を顕在化させる政策を
論議する好機とすべきだ」

まさに正論。

最後に『世界経営者会議』で、
㈱セブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文会長が講演。

1982年に始めた「業務改革」の話が役に立つ。
時代を超えて有益な話だ。

「手掛けたのは、
売れる商品と売れない商品を見極める単品管理。
非常に地味な作業で社内に異論があった。
ただ、会社全体でやらなくては意味がない」

そこで「業務改革委員会」を立ち上げる。
この事務局に大久保恒夫さんが抜擢される。

「営業担当だけでなく、
すべての役員・幹部を出席させて、
問題の解決に乗り出した」

「一つのことを改革するには、
あらゆる部門が手を携えないといけない。

一部の部門だと、部分的な改善はできても、
改革にはつながらないからだ」

カルロス・ゴーン日産社長は、
「クロス・ファンクショナル・チーム」と呼んだ。

私もかつて会社の大改革の方法に、
「クロス・ファンクションによる改革」を選んだ。

「しばらくやっていくと、売れない商品、
いわゆる『死に筋』が多いことが判明した」

そこで「死に筋を排除することから始めた。
不良在庫を減らす。在庫を徹底的に少なくする」

小売業や卸売業の改革の根本。
派手なことや目立つことが、
イノベーションにつながるのでは、
断じてない。

セブン銀行立ち上げについても言及。
「銀行を立ち上げようと思ったのは、
セブン‐イレブンが銀行の代わりを務められたら
どれだけ便利になるだろうかと考えたからだ」

「銀行は3時までしか営業しておらず、普段着では行きにくい。
一方、セブン‐イレブンは24時間営業している」

つまりは顧客のニーズを優先したわけだが、
鈴木さんは面白い言い方をする。
「私は社員が
『顧客のために』ということを
禁じている」

なぜか。
「顧客のためにということは結局は
自分の立場でものを考えることにほかならない」

「顧客のためというのは、
顧客の立場でものを考えることとは
全く意味が違う」

ここが鈴木敏文の鈴木敏文たる所以だ。

最後に次の時代を予見する。
「これからはインターネットを制する者が
リアル(店舗)を制し、
ビジネスを制することになる」
これもまったくの同感。

「ネットスーパー」事業は10年間で
「売上高は350億円に達した」
「利益を出しているのは我々だけではないか」

コンビニに対しても、
「業界は飽和しているとの意見に対し、
私はしていないと言い続けている」

「他のコンビニがセブン‐イレブンになるなら飽和だが、
質に差があれば飽和はない」

イオン㈱名誉会長相談役の『岡田卓也の十章』。
私の㈱商業界への置き土産のひとつだが、
「建物が多いだけで店は少ない」が第1章。

鈴木さんと岡田さんの市場の見方は、
通じている。

最後の最後に、
「我々は常にリードし、
差異化しなくてはならない」

違いを出すことを「差異化」という。
すなわちこれが「ポジショニング」。

商人舎USA研修会メインテキストより。
「ポジショニングは自店と競合店との差異を明確にするために行われる。
最も効果的な戦略は
『容易に模倣できないポジション』を占めること。
〈ピーター・ドラッカー教授強調するところの「自らの強み」こそ、
ポジショニング戦略の要になる〉」

鈴木敏文さんの基本的な思想も、
このポジショニングにある。

<結城義晴>

2011年11月07日(月曜日)

帰国後の「聞く、見る」総決算「10月の総括は11月に」と「飛び出すゆでガエル現象」

Everybody! Good Monday!
[vol45]

2011年第45週、11月の第2週のはじまり。
今年も、あと8週間。

毎年、毎年、
時間が速くなっている感じがします。

私の講演は、
ゆっくり入って、
すこしずつスピードアップし、
トップスピードで終了するというスタイル。

私自身がもうすこし枯れてきたら、
講演もなだらかな山型になるのかもしれませんし、
私の人生も、
そうあってほしいものだと感じるものです。

昨日の夕方、帰国しました。
ロサンゼルス時間で6日午前8時、
宿泊の京都グランドホテル&ガーデンズのロビーに集合。
林廣美先生とお別れ。
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商品戦略マーチャンダイジング・コースは、
林先生と私に浅野秀二先生が加わって、
トリプル・コーディネーター。
ありがとうございました。

林先生はニジヤ・マーケットのコンサルティングで、
まだ4日ほどロスに残る。
ご苦労様です。

林先生に見送られ、
バスに乗り込んで、
ロサンゼルス国際空港へ。
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MDコースの団長格だった原田政照さんと固い握手。
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㈱むすんでひらいて社長にして、
商業界同友会福岡県連合会会長。

お世話になりました。

それから㈱万代の惣菜部から、
シニアマネジャーの芳川英樹さんとマネジャーの入江正徳さん。
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最後にみんなで写真。
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私がディレクションして、
両手を開いて、「10回」を表現する。
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キマリました。
商人舎第10回記念USA研修会、
ありがとう。

この時、ロサンゼルス空港ロビーで、
㈱三晃社長の黒田久一さんとバッタリ。
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黒田さんも忙しい人で、
10月のヨーロッパでは、ご一緒した。
黒田さんのブログもすごい。
「〝総菜のわかる八百屋”のオヤジのブログ」

この間、
成田空港周辺での前泊を入れると、
11日間。

ダラスからワシントンDC、ニューヨーク、
そしてロサンゼルスと全米巡り。

商人舎を発足させてから4年。
米国視察を主事業にするつもりはなかったのですが、
ご要望にお応えしつつ仕事に邁進していると、
いつの間にか欧米への訪問が増え、
今年は7回。

それも全部、成功裡に終わり、
満足感でいっぱいです。

ピーター・ドラッカー先生
「ポスト・モダンの七つの作法」。
その第一にくる「見る、聞く」。
その実践が「取材」です。

35年前、㈱商業界に入社してから、
給料をもらいながら、
あるいは自ら会社経営をしながらやってきたこと。
つまり私が、プロフェッショナルとしてやって来たこと。
それが「見る、聞く」です。

そのあとに「考える、書く」がありますが。
考えずに書くことは、
ありません。
「見る、聞く」をせずに、
考えることもあまりありません。

「取材」とは、
「記事や制作の材料となることを、
人の話や物事の中から集めること」
(大辞林)

見て、聞いて、集めて、考える。

モノやサービスをつくったり、
その方法を編み出したり、
問題解決したりする仕事のコツは、
ここにあります。

小売流通業・サービス業のなかでも、
優秀な経営者や秀でた仕事人は、
取材能力に長けていますし、
独特の取材眼をもっています。

今回、同行してゲスト講師を務めてくださった大久保恒夫さんは、
確実にその一人。
㈱セブン・フードシステムズ社長。
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大久保さんは常に、
自分の仕事にいかに活かすか、
そして実行するかを強く意識して、
「取材」していました。

その「見る、聞く」の旅。
今年7回、ご一緒したすべての皆さんに、
感謝したいと思います。
ありがとうございました。

明日から、この1カ月余りの欧米の「取材」報告を、
展開したいと思います。

例えば、ニジヤ・ファームの詳細レポート、
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テスコ・フレッシュ&イージーの最新動向、
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ニューヨークとパリのユニクロの奮闘、
イータリーの融合コンセプト、
ホールフーズ、ウェグマンズ徹底紹介、
HEBダラス進出店の戦略解剖、
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さらにヨーロッパを思い出しつつ、
ドイツの小型スーパーマーケット競合、
カルフール・プラネットの大実験、
などなど。

合言葉は、
「10月の総括を11月に」

乞う、ご期待。

といったところで、
今週のスケジュール。
明日が立冬。
冬が立つ。
いい季節です。

そんなときの商売は、
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」
今月の商人舎標語。
私は今秋、本当に久しぶりに、
ゆっくり。

ただし立教大学大学院結城ゼミのゼミ生諸君は、
修士論文・調査研究レポートの仮提出締め切り。
今週土曜日です、確か。

土曜日12日は朝10時からゼミをやります。
「お土産もあるでよ!」

今日は朝から、
PTB有識者懇談会。
和田裕座長のもと、
議論がどんどん進んで、
第4弾メッセ―ジを発信します。

さて今朝の讀賣新聞一面コラム『編集手帳』が面白い。
「ゆでガエル現象」について。

「カエルをいきなり熱湯に入れるとビックリして逃げるが、
水からゆっくり熱すると気づかずにゆで上がり、
死んでしまうとか」

「少しずつ進む危機は見過ごされやすく、
早く手を打たないと取り返しがつかなくなる」
たとえ話。

これ自体珍しい話ではない。

ところが。
「実際にある学者が
水を張った鍋にカエルを入れてゆっくり熱したら、
お湯が煮える前に暴れだして、
外へ飛び出した
という」

これ、本当に面白い。
「カエルをゆでて確かめるまでもなく、
追いだきしながら湯船につかった経験からみて
『逃げ出す説』に分がありそうだ」

この話のように、
アナロジーやたとえ話を聞かされると、
すぐにうんとうなづいて、
納得しまいがちだ。

しかし、それは危険。

自分で確かめる。
または確かな筋が検証した結果を、
確認する。

このコラムは、ゆでガエルから、
「産業空洞化」に展開する。

「企業のやせ我慢も限界」で、
町工場など「モノ作りの主役がみな、ゆで上がってしまう」

工業の空洞化は由々しき問題だとは思うが、
ある部分は商業が埋め合わせる。

そしてそれが産業構造の転換を促し、
商業基幹産業化への道が、
さらに大きく開かれる。

私は、そう考える。

などとのんびりしていたら、
帰国早々、待ち受けたように、
『週刊文春』の和田泰明記者から電話。
「TPP」(環太平洋戦略的経済連携協定)に関する見解を聞きたいとか。
Trans-Pacific Partnership。
これにも私は、
参画すべきだと考えている。

保守的な思考態度、
守旧派既得権益派の立場、
そして「飛び出さないゆでガエル」。

「飛び出すゆでガエル」の方が、
なんぼも、おもろい!

では、みなさん、
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

だから、Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2011年11月06日(日曜日)

ジジとアメリカ巡り[2011日曜版vol45]

かえってきました。
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ユウキヨシハルのおとうさん。
アメリカめぐりから。

ジェット機で。
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空港で、MDチームと写真。
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どうも。
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おかえりなさい。
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まっていました。

でも、このたびは、
めまぐるしかった。

まず、ダラス。
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ワシントンDCのリーンカーン像。
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ここではハロウィンの日にあたった。
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そしてニューヨーク。
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スチュー・レオナード。
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夜はタイムズ・スクェア。
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最後は、ロサンゼルス。
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そのオーガニック・ファーム。

もちろんシゴトです。
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第10回キネンUSA研修会。
SPチームとMDチームの合流。
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なんどもなんども講演や講義をしました。
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ボクは、かえってきてくれて、
あんしんしました。
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とりあえず、無事でした。
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あしたからも20111106195448.jpgよろしく。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2011年11月05日(土曜日)

ロサンゼルス2日目・3日目の駆け巡りとニジヤ・ファームのオーガニック農場

ギリシャのパパンドレウ政権が、
国会の信任投票で153対145で信任された。

ギリギリ。

これで、解散総選挙となって、
金融市場大混乱の事態だけは、
一応、回避。

2009年10月、ギリシャ政権交代ののち、
財政赤字が公表数字よりも大幅に膨らむことが明らかになった。

企業でも新しい社長の体制になって、
前時代までの粉飾が判明したりする。
それと同じ。

そこからヨーロッパの経済危機が始まった。

金融市場で、財政の持続性への懸念が強まり、
主に南欧諸国の国債利回りが上昇し、
一部は資金繰り難に陥った。

金融システムが揺らげば、
危機が深刻化する。

肝心な情報が隠され、粉飾されたりする。
ここに根本の問題がある。

さて一昨日、ニューヨークからロサンゼルスに到着。

まず、ニジヤ・マーケットに直行。
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ロサンゼルスを中心に、
サンフランシスコ、ニューヨーク、ハワイにも出店。
13店舗年商7000万ドルのスーパーマーケット。
日本人を中心にした客層をコア・ターゲットにしている。

入り口のトップ・アイランド。
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そして右壁面の青果部門。
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アメリカではどんな店も、
青果部門は見事。

ニジヤももちろん、
お見事。

ニジヤ・ファームという直営農場で作っているサツマイモ。
オーガニック商品だ。
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これが優れもの。

惣菜部門がとりわけて強い。
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日本食メニュー。

そして対面のフードサービス部門。
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イートイン・コーナー。
ここで私たちは昼食。
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ニジヤの皆さんには、
この後ずっと、ロサンゼルスでお世話になった。

ニジヤの駐車場に、
カレーのケータリング・バン。
新しいビジネス。
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西海岸で大流行のビジネスモデルで、
ニジヤは日本食のカレーで勝負する。
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次に向かったのはホールフーズ・マーケット
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ただしこの店、あまりよろしくない。
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もちろんホールフーズの基本は徹底されている。
しかしロケーションが的確でないと、
競争が激しいエリアでは、さすがに苦戦。

そしてフレッシュ&イージー。
ヘッドオフィスに近いこの店では、
さまざまな実験が行われる。
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フレッシュ&イージーに関しては、
帰国してから詳解の予定。

英国発の小型店に隣接する
米国産小型店のトレーダー・ジョー。
目と鼻の先での競合になる。
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この店はフレッシュ&イージーのイノベーションにあおられていて、
珍しく、大繁盛というわけではない。

ロスの競争も面白い。

最後にブリストルファーム。
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私は30年も前に、この企業の第2号店のときに訪れた。
元気な二代目専務がインタビューに答えてくれたが、
その後、アルバートソンに買収され、
さらにそのアルバートソンが解体売却され、
現在はファンドの支配下にある。
だから店はほぼ死にかけている。

ホテルに着くと、荷物を置いて、
すぐにセミナー。
前半は林廣美先生の仕切りで、
ニジヤ・マーケット経営幹部の皆さんとの質疑応答。
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辻野三郎丸社長。
もともとはカメラマン。
メキシコで苦労し、
ビジネスを起こし、
ロスでスーパーマーケットを始めた。
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その相棒の副社長アルフレッド・ブランケンシーさん。
イギリス人。
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辻野&アルフレッドの二人三脚で、
ニジヤ・マーケットは、
アメリカと日本の虹の架け橋となっている。

そして営業を一手に仕切る土井仁司さん。
コーポレート・オペレーション・ディレクター。
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こちらのスーパーマーケットの仕入れ事情や経営数値を、
特別に披露してくれた。

後半は私の講義。
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商品戦略マーチャンダイジング・チーム向けのレクチャー。

終わったのは夜の9時過ぎ。
3時間時計を逆戻したので、
実際には夜中の12時ということになる。
長い長い一日だった。
参加者の皆さんのご協力に感謝。

そしてロス視察最終日の昨日。
ニジヤ・マーケットの
オーガニックファーム
を視察。
MDコースの主目的のひとつだ。

朝からくもり空で心配していたが、
途中から怪しい雨模様。
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辻野さんからファームの全貌の説明を受ける。
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そして現場視察、
まずサツマイモの畑。
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ハウスのなかで野菜栽培。
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農薬を一切使わず、
虫退治と自然態系との闘い。
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辻野さんの執念がこの事業を続けさせている。
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私も見た、聞いた、食べた。
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大根のオーガニック畑。
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ニジヤ・ファームについても、帰国してから報告の予定。
乞う、ご期待。
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さてニジヤ・ファームに続いて、
研修会最後の店舗視察。
まずはおさらいのためのウォルマート。
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古いタイプのスーパーセンターだが大繁盛。

入り口でボンズとの価格比較をやっていた。
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ボンズの商品を購入し、
レシートを対比させる。
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そして31ドル83セントのお得、と表示する。

泥臭いが、
それが本来のウォルマートらしい。

その後、スプラウツ・ファーマーズマーケット。
MDチームにはこの新しいフォーマットを見てもらっていなかった。
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スーパーマーケットという業態と、
ファーマーズマーケットというフォーマット。

そのセグメンテーションとターゲティング、
そしてポジショニングを理解してもらうのに、
これほどいい素材はない。
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大型八百屋、そしてベジタリアン・スーパーマーケット。
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いかがだろう。

最後に新しい企業。
マザーズ・マーケット&キッチン。
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7店舗のインディペンデント。
惣菜が主力。
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家庭の味で、おいしそう。
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しかしきちんとしたスーパーマーケット。
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最後に深夜、フレッシュ&イージー・エクスプレス。
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11月2日にオープンしたばかりの超小型店。
この店、いい。

詳細は力を入れて、帰国後に報告。
アメリカでは新しいチャレンジが、
次々に行われる。

ものまね、猿まねのオンパレードではない。
自分の強みがある。
他との違いがある。
ポジショニングがある。
これです。

最後の最後に交流会。
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浅野秀二先生得意の「中国人の女性」の話で、盛り上がった。
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しかし私は疲れから居眠り、熟睡。
㈱万代惣菜部シニアマネージャーの吉川英樹さんは、
まだまだ元気。
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良い日だった、
と夢の中で思った。

<結城義晴>

2011年11月04日(金曜日)

ニューヨークからロサンゼルスへ、ホールフーズの「製品を伴うサービス」への進化の過程を学ぶ

私は今、ロサンゼルスに来ている。

今回は、テキサス州ダラスから始まって、
ワシントンD.C.、ニューヨーク、
そしてカリフォルニア州ロサンゼルス。

中西部、東部、西海岸と、
全米を巡ることになった。

その最後の地がロサンゼルス。

それにしても疲れた。
両足にはジンマシンのようなものができて、
痒い。

林廣美先生に教わって、
塩をまんべんなく塗って、
一晩、放置する。

すると塩の殺菌作用で、
ぶつぶつが消えるという。

塩はトレーダージョーのプライベートブランド。
「シー・ソルト」
これはグラインダー入り食卓塩。
1ビン1ドル99セントの優れものの商品だが、
食卓に置いて食事に使うにはいいかもしれないが、
ジンマシン治療には向かないのか。

アメリカやヨーロッパに1週間以上滞在すると、
食生活に異変が起きる。

野菜が足りなくなる。
ビタミン不足。
そのうえ、寝る時間が減る。
睡眠不足。

そんなことから体調に異変が生じる。

とはいっても、足のジンマシン程度なので、
動き回ったり、講義したり、議論したりには、
何の支障もない。

だから目いっぱいやる。
手を抜かない。

それが私の主義。

ジンマシンも帰国して1週間ほどで治る。
ただし、旅行中はちょっと辛い。

しかし目いっぱい。
手を抜かない。

それに、もう少しで、
この旅も終わる。

ご一緒している人たち、
商品戦略MDチームの皆さんと、
目いっぱい学びたい。

ダラス、ワシントンD.C.、ニューヨークと帯同した経営戦略チームとは、
ニューヨークのジョンFケネディ空港で別れた。
大久保恒夫講師はじめ、全員無事で、成田に帰国。

まずは安心。
お疲れ様でした。

さて、午前7時、
明けきらぬマンハッタンから、
朝日に向かって空港に向かう。
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早朝の空港は閑散としている。
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SPコース、MDコース全員で最後の記念ショット。
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商人舎第10回記念USA研修会だから、
両手を広げて10本の指で「10」を示した。

SPコースの皆さん、お疲れ様でした。

SPチーム・MDチームそろってチェックイン。
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私の本を持ってきてくれた崎グリコ㈱東根聖賢さん(右)と、
㈱ユニバース石橋秋次さん(左)
にサイン。
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初参加してくれた㈱マルト社長の安島浩さんとは固い握手。
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安島さんにとっても、今年は大変な年だった。
東日本大震災で被災し、
その後の奮闘はご承知の通り。

その2011年の秋に、
安島さんと共に学んだことには、
感慨深いものがある。

前夜は部屋にワインを持ち寄って、
参加者と遅くまで語り合った。
安島さんもその一人。
安島さんは、その場を仕切って盛り上げてくれた。

大久保恒夫さんともここでお別れ。
㈱セブン&アイ・フードシステムズ社長。
SPコースのゲスト講師として参加し、
講義をしたうえで、最後には、
7つの総括をしてくれた。
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心から感謝しつつ、
固い握手。

次は12月2日、
「ふたりのビッグ・ショー」です。

互いに、まったくの個人的活動ですが。

SPチームは東京・成田へ。
私は林廣美先生、浅野秀二先生、
MDコースの皆さんとロサンゼルスへ。

6時間のフライトでロスに着いたのは、
13時30分。
時差で、時計は3時間逆戻り。
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3時間分得した気分。

しかし長い長い1日。

そのロサンゼルスは暖かい。
すぐにニジヤマーケットに。
林廣美先生のアメリカの指導先。
自社生産のオーガニック野菜を使った惣菜部門は、
売上げの30%を超える。

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13店舗で7000万ドルの年商。
辻野三郎丸社長をはじめ、
幹部の皆さんが歓待してくれた。

辻野社長と固い握手。
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その後、全員で記念撮影。
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全員、まだまだ燃えている。

さてブログは昨日に戻って、続き。

ニューヨーク・マンハッタンに隣接するブルックリンで、
トレーダー・ジョーを訪れた。

エブリデー・ロー・プライスの話がちょっと長引いて、
ブログはそこで中断したが、
その後、フェアウェイマーケット・レッドホック店を訪問。
トレーダージョーのブルックリン店から車で10分ほどのところにあって、
彼の店が出店するまでは独占状態だった。
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八百屋出身だけに、
青果部門の陳列は圧巻。
全米ナンバーワン。
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店は朝8時開店で夜10時閉店だが、
青果部門は50人態勢で、夜を徹して作業する。

根菜類など比較的日持ちのする商品、丈夫なものは、
1週間に1回とか、3日に1回ほどだが、
葉物や果物などは、毎晩、
全商品を一度撤去し、1品ずつ検品しながら、
すべて並べ替える。

その結果、朝には、この売り場が出来上がる。
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新鮮で、定価で、品質の良い青果。
「新しい、安い、良い」
それが最大の売り物。

今回は浅野秀二先生の尽力で、
ジョン・マネジャーにインタビュー

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ここでは自由の女神をバックに写真を撮るのが恒例となっているが、
今回は店長を囲んでの記念撮影。
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インディペンデント企業は、
店長が経営の根幹にかかわることを知っている。
そして自分の判断で話してくれる。
だから本質に迫ることができる。
心から感謝。
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最後に訪れたのは、ホールフーズ
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ここでも1時間以上のレクチャーを受けて、
店内ツアー。
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まず青果部門。
オーガニックとローカル、
そしてアンディスコア
について、
丁寧に説明してくれた。
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アンディスコア1000と最高のケールを、
みなで食べる。
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説明して、食べさせる。
そして買ってもらう。

「学び、食べ、買う」

これはイータリーと全く同じコンセプト。

まさに知識商人のシゴトだ。

鮮魚部門も全米最高。
ここではオーガニックはない。
オーガニックはあくまでも、
植物を中心にした有機生産物の体系。

だから鮮魚は関係ない。

しかしこの分野でも、
漁獲体制の面で、
長い目で見て環境破壊につながらない運動はある。

それがMSCやフィッシュワイズ
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ホールフーズは先頭を切って、
そんな運動を展開している。
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さらに精肉部門。
グラスフェッド牛肉を中心に販売。
さらに肥育中にストレスを掛けない段階を設定している。
ストレスのない牛は、味も良いとか。
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その100%グレンフェッドの牛肉を、
大量に50人分用意してくれて、全員で試食。
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食べて、学んで、買う。
イータリーと同じ。
最先端のスーパーマーケットは、
この世界に入っている。

最後に「ウェルネス・クラブ」
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健康に関連したスクール形式のクラブ。
現在、ホールフーズの5店舗で、
実験的に展開中。

私たちもその学校で仮想授業を受けた。
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ホールフーズの社員が講師となって行われるカリキュラムは、
毎日、数時間ずつ用意されている。
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そしてウェルネスクラブの会員は、
カリキュラムに関連する商品を購入する際、
10%の割引を受けることができる。

これはフィリップ・コトラーの
製品を伴うサービスである。

コトラーは企業や店が提供するものを4つに分ける。
①純粋な有形財
②サービスを伴う有形財
③製品を伴うサービス
④完全な無形財

①から④へと進化しているが、
ホールフーズは③の段階を始めた。

今回のテキストでも、
私のサービス・マーケティングの講義に入っている。

レクチャーをしてくれた店舗マーケティング・メンバーに感謝。
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そして「食べて、学んで、買う」フードサービス部門で昼食。
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この後、5番街のユニクロ、ザラ、H&M、ギャップ、
アバクロンビー&フィッチを訪問。
ユニクロとアバクロが勝ち組。
それは次の機会に。

最後の晩は小林泰清先生とニューヨーク・ステーキ。
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私はプライムリブのローストビーフ。
ワインはカリフォルニア。
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満足、マンゾク。

そしてタイムズ・スクェアに繰り出す。
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商人舎チーフ・コーディネーターの鈴木敏さんも一緒に、
最後の晩の最後のショット。
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この後、部屋に帰って、
懇親。

大久保さん、安島さん、林先生、浅野先生も参加してくれて、
熱い絆を確認。

充実した1日が、
「惜しい惜しい」と言いながら、
去っていった。
(続きます)

<結城義晴>

2011年11月03日(木曜日)

マンハッタン視察2日目、スチューレオナードの停滞とトレーダージョーのEDLP&イノベーション

アメリカにいて、
日本時間に合わせてブログを書いていると、
曜日の感覚は完全に失われる。

日本の祝日に関してはもう、
完璧に実感できないが、
今日は「文化の日」。

その趣旨は、
「自由と平和を愛し、文化をすすめる」こと。

「自由と平等」ならば、
アメリカやヨーロッパが本場だし、
文化を進めることなら、
日米欧、変わりがない。

だから今日はニューヨーク・マンハッタンから、
自由と平等を愛し、文化をすすめよう。

さて日経新聞に、
EDLP(エブリデー・ロー・プライス)の話。

日経の定義は、「毎日一定の低価格で売る手法」

ここに付け加えなければいけない。
「1年間売価を固定して売る方法」

「毎日一定の低価格」って、いつまで?
「ずっと、ずっと」

それでもいい。

しかしインフレもあるし、デフレもある。
原材料費の高騰も低減もある。

だから1年で見直す。

日経の説明は、続く。
「米ウォルマート・ストアーズが推進してきた。
加工食品や日用品を中心に通常の食品スーパーと比べて
1~3割安いケースが多い。
チラシ代など販売促進費や人件費などのコストを削り、
浮いた分を値下げの原資に振り向ける」

ここで「コストを削り、浮いた分を値下げの原資に振り向ける」とある。
そう見えるかもしれないが、
無駄なコストを削減するのは、
どんな業種業態でも、
どんな企業でもやっている努力。

浮いた分を「値下げ原資」にするか、
利益にするかはそれぞれの企業の勝手。

当たり前のこと。

「日本ではメーカーなどが提供する販促金を
原資とした『特売』が主流だったが、
価格志向の強まりから
平均購入単価が下がるEDLPを導入する店が増えてきた。
ただ仕入れコストを下げるため、
商品数は減り、選択の幅が狭くなる面もある」

ここも、逆だ。
商品数、ブランド数を
絞り込んで大量に売るから、
仕入れコストを下げる交渉ができる。

例えば一つの品種の品ぞろえを1社に絞り込むと、
その1社の商品の売上げは数社分のものになる。
その1社に1品ずつの利益を小さくしてもらう。
その1社は売上げは増える。
総利益も増えるギリギリのところで、
仕入れ原価を決める。
店側も小売業側も、
1品当たりの粗利益はギリギリにして、
安く売る。

そうすると1品当たりの売れ数は爆発する。
それがEDLPの本質。

あえて「選択の幅を狭くする」のが、
エブリデー・ロー・プライスのポイント。

なぜか。
なぜ、あえて「選択の幅を狭く」するのか。

コモディティ化現象が進んでいるから。

どの商品も似たり寄ったり。
品質や機能が同質化してくる現象。

だから数品目も品揃えする必要はない。
ならば1アイテムに絞って、
EDLPをする。

客は喜ぶ。
1社だけのメーカーも利益は増える。
小売業も利益は増える。
ただしここで重要なのは、
その品種がコモディティ商品なのか否か。

日経になぜこんな定義が出てきたのか。
それはダイエーがEDLPを導入するというニュースから。
「ダイエーは食品や日用品を
恒常的に安く販売する『毎日安売り』手法を本格導入する。
チラシの削減など店の運営費を約1割抑える分、
店頭価格を通常より2~3割下げる仕組みで、
来年2月末までに30店、2~3年で60店に拡大する」
いなげやは既存店を業態転換。
EDLP型の「いなげや ina(いーな)21」のフォーマットを開発。
30店と1年で4割増やす。

ヤオコーもEDLP導入店を増やしている。
3月末時点で25店だったが、
10月末までに全体の3分1に当たる35店まで増やした。

コモディティ化現象が広がると、
EDLPは増える。

ヤオコーまでやっているというのは、
その証拠。

こちらこそ、
強調されねばならない。

さてEDLPの本場アメリカ。
第10回記念USAスーパーマーケット研修会は、
マンハッタンでの2日目を迎えた。

経営戦略SPコースにとっては、
視察最終日。

朝7時半にホテルを発って、
まずはヨンカースのスチューレオナードに向かう。
バスは渋滞もなく順調に走り、あっという間についた。

ニューヨーク州には3日前に、季節外れの大雪警報がでた。
その雪が駐車場のいたるところに残っている。
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8時過ぎのスチューレオナード。
スタッフが黙々と品出し作業に励む。
お客でごった返す、いつものスチューレオナードではないが、
これもまた、学ぶによし。
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ただし、スチューレオナードに、
イノベーションはあるのか。

店数が4店舗で、単位当たりの販売効率が高い店。
しかしそれはよほどの意識改革を続けなければ、
イノベーションは起こらない。

理念や哲学の素晴らしさは、変わらない。
問題はイノベーションだ。

2番目の視察店は、
トレーダージョー・ブルックリン店。
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キャプテンのジェイソン君、34歳にインタビュー。
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「トレーダージョーはフェアな会社、オネストな会社」
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なぜ、フェアな会社か。
「私たちはEDLPをやっている。
売価を変えない。
こんなフェアなことはない」

トレーダージョーのEDLPも、
メーカーを絞り込んでいる。
ただしほとんどすべてがプライベートブランドだが。
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そのプライベートブランドが、
魅力に満ち溢れている。

しかも売価をくるくる変えないEDLP。
トレーダージョーの場合は、
1年間変えないのではなく、
「ずっとずっと」変えない。

ジェイソン・キャプテンが淡々と、
しかし胸を張って「フェアな会社」と言い切るのは、
コモディティ化現象のなかで、
ノンコモディティのEDLPを全面展開する、
トレーダージョーのポジショニングが際立っていて、
他の追随を許さないからだ。

そしてこの会社は毎年10数店から30店の新店を出す。
成長のスピードのなかにこそイノベーションが起こる。

インタビュー後の記念撮影。
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お礼と感謝をこめて固い握手。
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いいインタビューだった。
イノベーションの本質が見えた。
(続きます)

<結城義晴>

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