結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年07月12日(木曜日)

高知ハーティカード特別講演会とヤマダ・ベスト買収の「縮小拡大」

小雨の横浜シティ・エア・ターミナルから、
羽田空港へ。

ブルーチップ㈱常務取締役の松浦克幸さんと、
二人旅。

やって来ました。
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高知龍馬空港。

「ようこそ、高知へ」
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九州の熊本・大分ほどの大雨ではないが、
パラパラと雨。

「リョーマの休日」
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ダジャレだけれど、
これは許せる。

昼食は、回転寿司。
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「寿し一貫」
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高知のスーパーマーケット企業サニーマートの回転寿司業態。

店はウェットルックのピカピカの床、
クレンリネスが競争力になるくらいで、
しかも新鮮なネタと手軽な価格。
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とてもよい店で、
昼食を堪能。

待合スペースの片隅に、
ハーティカードのポイント交換機。
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ブルーチップが主催する高知県の地域ポイントカード。
その中心企業がサニーマート。
それが「ハーティカード」。

私は今日、このハーティカード特別講演会に出講。
テーマは「地域社会とマーケティング」
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15時から16時30分までの90分。

Prologueはパラダイムの転換。
まず、変わらないもの『商売十訓』から入って、
今日のお題二つ。
第一は「地域社会とコミュニティ」。
地域社会とコミュニティを私は二つの側面からとらえた。

ひとつは、商売上の地域発想。
もうひとつは、地域社会からの発想。

従来の「立地」や「商圏・商勢圏」、
そしてショッピングセンターも、
商売やビジネスから発想した地域社会の捉え方だった。

しかしアメリカのショッピングセンターが、
大きく様変わりしている。
「ライフスタイルセンター」の台頭とそれへの変貌。

ライフスタイルセンターは、
地域・コミュニティから発想したビジネスモデルだ。

私が捉える地域とコミュニティの代表例。
ハーティカードも、
この地域社会をとらえたポイントカード・プログラム。

第二のテーマはマーケティング。
ここでマーケティングの定義や、
フィリップ・コトラーのマーケティング・マネジメント、
そして田内幸一先生が主張したマーケティング・コンセプト発展段階。
1.生産志向コンセプト
2.製品志向コンセプト
3.販売志向コンセプト
4.マーケティング志向コンセプト
5.社会志向マーケティング・コンセプト

これがまさに今日のテーマ。
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マーケティングは、
マス・マーケティングから、
ワン・ツー・ワン・マーケティングへと移行してゆく。
そこからリレーションシップ・マーケティングが登場した。
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マーケティングは地域社会の視点へと、
昇華しはじめている。

ハーティカードは、
そのマーケティングの成果の一つ。

現在このカードは会員数約80万人。
今年4月段階で、
高知県の人口は80万4891人、
世帯数は34万3283。

赤ん坊から高齢者まで含めて、
全員が一枚ずつこのカードホールダーということになる。

なぜか。

一企業のポイントカードではなく、
地域の企業が集ってこのカードが運営されているからだ。

加盟店数209店。
その209店の扱い商品・サービスとそれぞれのシェアは、
食品、外食、ファストフード30.1%、
生活雑貨21.1%、交通・自動車・ガソリン13.9%、
電器・通信10.0%、本・CD/DVD8.1%、
ファッション・衣料・服飾雑貨6.2%、
美容・健康5.3%、スポーツ・アウトドア・レジャー・趣味2.9%、
そして不動産・建築1.0%となる。

地域の消費産業がこぞって、
このカードに参画している。

優待提携店数は79店、
そしてハーティお買得券提携店が549店。

顧客それぞれに溜まったポイントは、
これらの店舗のいずれでも使うことができる。

ある種の地域マネーの機能を果たすことになる。

約80万人のカードホルダーのポイント発行は、
約10億超にも及ぶ。

講演会のあと、
ハーティカード加盟店会懇親会。

その後、重ねて、
ブルーチップ、サニーマートの幹部の皆さんと、
夕食懇親。
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左からブルーチップ㈱常務取締役の松浦克幸さん、
㈱サニーマート営業本部長兼商品部長の玉井宏和さん、
私の隣はサニーマート代表取締役社長の中村彰宏さん、
ブルーチップ代表取締役社長の宮本洋一さん。
そして特販第三グループマネジャーの大西久司さん。
楽しい懇親だった。

さて、日経新聞は一面トップで、
「ヤマダ、ベスト電器を買収」の記事。
夕刊でも一面トップで追い打ち。
「ヤマダのベスト電器買収、一両日中に発表」

これによってヤマダは、
年商2兆円を上回る。
2011年度年商1兆8355億円、
前年比マイナス14.8。

家電第2位は、日本小売業10位のエディオンで、
年商7590億円。

前年比マイナス15.8。

次が第11位のケーズホールディングスで、
7260億円。

マイナス5.8。

家電第4位は、小売業12位の、
ヨドバシカメラ6715億円、マイナス4.1。

そして第5位で小売り13位に、
ビックカメラ6121億円、前年比プラス0.6。

6月にはこの第5位のビックカメラが、
第7位のコジマを子会社化して、年商1兆円弱。
第2位に浮上。

そこで第1位のヤマダは家電第8位のベスト電器を傘下に収めて、
第2位以下に 倍以上の差をつける。

分かりやすい。

ヤマダはベストの第三者割当増資をき受けて、
発行済み株式の過半を持つ筆頭株主となる。

取得額100億円超。

2011年の家電小売り市場規模は
約8兆5000億円、

前年から1割のダウン。

マーケットの急激に縮小する中で、
資本の統合が進む。

新製品がすぐにコモディティ化してしまう家電小売業分野。
そのコモディティは寡占化される。

アークス横山清さんが言う「縮小拡大」。
縮小する市場の中で拡大すると、
拡大幅以上の社会的地位と効用が生まれる。

ヤマダ電機は、マーケットシェア23.5%で、
悠々とクリティカル・マスの17%ラインを達成している。

<結城義晴>

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