結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年07月24日(火曜日)

大リーガー・イチローのヤンキース移籍と「Retail is Detail」の哲学

まったく突然の話。
メジャーリーグ・シアトル・マリナーズのイチローが、
ニューヨーク・ヤンキースに移籍。

プロの世界にはこんなことがある。

イチローは移籍会見から2時間後、
シアトル・セーフコ・フィールドで行われた試合に、
「8番・ライト」で先発出場。

もちろんヤンキースの選手として。

第1打席でセンター前ヒット、
すかさず二盗、三盗を決めた。

イチローらしい意地が表れた瞬間。

この3回裏の初打席では、
シアトルのファンから、
スタンディングオベーションで迎えられた。

お客様は本当にありがたい。
「ここでは長い時間にいろいろなことがあった。
ああいう反応を目の当たりにすると、真っ白になる。
あの瞬間に感激した」

「一番勝っていないチームから一番勝っているチーム」への移籍。
現在最下位のマリナーズから、
ほんとうの常勝軍団ヤンキースへ。
イチローにはこれで、
ワールドシリーズ出場の新しい道が開けた。

ワールドシリーズ制覇27回、
アメリカン・リーグ優勝40回。

そんなヤンキースにイチローは、
「怖い。不安です」

率直過ぎるが、
「それを断ち切れるように進んでいきたいし、
その覚悟は持っているつもり」
あくまで謙虚。

イチローの哲学。
「小さなことを重ねていくことが、
とんでもないところへ行くただ一つの道だ」

まったく小売りサービス業に通ずる哲学。
ウォルマートの創業者サム・ウォルトンの言葉。
「Retail is detail」
小売りの神は細部に宿る。

そして商人舎標語。
「細かく・厳しく・しつこく」

これは「徹底すること」の意味。

イチローの野球人生はまさに、それだ。
ところで、2011年度コンビニエンスストア調査。
日経新聞が毎年、行っている。

コンビニの市場規模が、
9兆1771億円。
9兆円を突破し、10兆円間近。
前年度比伸長率8.2%。

総店舗数4万8139店、
こちらの前年度比は4.3%プラス。

売上高の伸び率が、
店舗数の伸長率を上回る。

つまりは1店ごとの伸びも大きくなっていることになる。

セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマートの3強、
それにサークルKサンクス、ミニストップを加えた大手5社。
その店舗純増数は、1780店。
これは過去最高。

比較可能な43社の伸び率は、
近年では10%増の97年度に次ぐ。

市場規模は百貨店の6兆1525億円の1.5倍の拡大。
単体企業では、
第1位セブン-イレブンが、
年商3兆2805億円。

日本最大の小売業。

コンビニ業界の35.7%を占める。

第2位のローソンも、
年商1兆8258億円で、
19.9%。

第3位のファミリーマートは、
1兆6612億円。
こちらも18.1%。

断トツのセブン-イレブンはもとより、
3強がいずれもクリティカル・マスの17%を超えている。

日本のコンビニは世界最高の小売業で、
上位三社の寡占状況が続く。

その意味でコンビニはグローバル・ビジネスの水準にある。

その証拠にプライベートブランドの売上げは、
上位3社で年商5000億円規模に成長。

本格的に生鮮食品のうちの野菜を扱う店も、
2013年3月期には上位5社で2万4000店になる。

スーパーマーケットの最大の競争相手は、
コンビニである。

この調査では、性別の客数が出ている。
男性客数の伸び率は5%増、
たいして女性客数は12%増。

つまりはスーパーマーケットの顧客を、
コンビニが奪っていると解釈することができる。

さらにセブンーイレブンでは、
60代以上の比率が17%。
これは1年間で2ポイントの上昇。

2012年度の新店・改装投資は、
セブン-イレブン1100億円、
ローソン、ファミリーマート500億円以上。
上位5社で2541億円、
前年比22%増。

出店数の見込みは約3700店で、
純増数は約2100店の予定。

イチローではないが、
「小さな店の積み重ねが、
とんでもないところへ行くただ一つの道」

それが日本のコンビニである。

最後に昨日の行動日記。
朝から埼玉県川越へ。
3店のスーパーマーケットを視察。
まずヤオコー川越的場店。
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今年3月22日オープンの新店。
売場面積2676㎡(809坪)と、
23年連続増収増益のヤオコー最大の意欲店舗。

広報の内藤さんに対応していただいて、
視察・研究。
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心から感謝。

その後、歩いて400mのところにあるベルク的場店へ。
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こちらは1992年オープンの1573㎡(477坪)。
極めてオーソドックスな伝統型スーパーマーケット。

さらに車でオーケー川越店。
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島忠ホームズ川越店の1階左翼に入居している。

2010年オープンの2414㎡(730坪)。
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こちらはディスカウントタイプ。

三者三様のポジショニングで、
極めてアメリカ的な競争を繰り広げている。

分析は機会を見て。

その後、昨日は池袋の立教大学に戻って、
フード&ベバレッジ・マーケティングの補講。
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18時30分から21時過ぎまで、
前期最後の講義で、力が入った。
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講義終了後、有志が集まって、懇親会。
20120725012552.jpg

楽しいひと時で、帰宅は午前様だったが、
炎天下、店回りをして、ちょいと疲れ気味。

「健康法は?」と問われたが、
「これといって、ありません」と答えた。

「小さなことの積み重ねです」なんぞと、
カッコよく即答できればいいのだが、
イチローの域にはまだ達していない。

<結城義晴>

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