結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年02月07日(木曜日)

「流通の未来を自分たちでつくる会」と「虫・鳥・魚の目」「心の目」

サッカーの国際親善試合キリン・チャレンジカップ。
日本代表がラトビア相手に3対0で快勝。

国際サッカー連盟ランキングは、
日本21位、ラトビア104位。

負けるはずがないとは思っていても、
国際ゲームは何が起こるかわからない。

今年最初の試合で、
気分よくファイトしていたし、
その勝ち方もよかった。

国民に希望を与えてくれる勝利だった。

こういったことは、
消費や景気のマインドにも、
いい影響が出る。

いいぞ、いいぞ

そんな気分になってくる。
それが大切だ。

さて糸井重里の『ほぼ日』。
その巻頭言の「今日のダーリン」。

「人間に、上等も下等も、上品も下品もない。
と思いたいけれど、『なくはないよなぁ』とも思います」
これが糸井重里の問題意識。

「ただ、他人に『品格』を要求したり、
下品だの上品だの品定めしようとするというのは、
なんとも品のいいことではないような気がします」

「品格」というのは、
本当に難しい概念だし、
難しい行為である。

「人は、どこで生まれて、
どんな育ち方をしてきたかによって、
行動やら物腰やら価値観やらが変わってしまいます」
これは仕方のないことだと、
私も思う。

しかし。

「『品格』のある生き方をしている人が、
別の場所で生まれて、別の育ち方をしていてもなお、
その『品格』であったかどうか、
それを、『自身に問いかける』ことこそが、
ほんとうに大事なことなのだと思います」

すべてを失って、
生まれ変わっても、
私たちには品格があるのか。

これこそ人間の「アイデンティティ」である。

糸井さんは結論づける。
「あっちのほうがだの、こっちがややだの、
そんな比べっこするような上品下品を、
いったん抜け出してしまった地平
で、
ぼくにとって『上等』に思えるのは、
やっぱり、ものごとを平らに見ている人かもしれません。
それは、上下を超えて、上という気がします」

公平、公正に、
全てを評価する。

それが「品格」となる。
私も賛成。

人間のアイデンティティにかかわることだからである。

個人的に、恣意的に、独断で判断することなく、
ものごとを「平らに見る」。

私も「平らに見ること」が最も重要だと考えるものだが、
だとすれば、個人的・恣意的・独断は、
まったく信用できないことになる。

ノーベル賞やアカデミー賞、
日本文学の芥川賞・直木賞、
どんな賞も複数の客観的判断で決定される。

それは「平らに見る」ことを貫くためだ。
それが「品格」ある選考であることを保証する。
そしてそれが人類が考え出した民主主義の大原則である。

さて日経新聞に、
「小売業、値下げ広がる」の記事。

「えっ」という感じ。
自民党政権に転換し、
日経平均株価は1万1447円。
円は1ドル94円。

消費は回復、
デフレ脱却。

そんな空気の中、
「値下げが広がる」。

まず「無印良品」の良品計画。
2010年12月以来、2年ぶり。
対象は同社の全取扱品7500品目中、
食器や雑貨など約200品目。
値下げ幅は、1~3割。

なぜか。

良品計画の認識。
ニトリホールディングスなど競合に比べ、
消費者には割高に映っていると判断。
その兆候は、
2012年4月以降続く既存店客数前年割れ。

だから「利益を削ってでも新規客を増やしたい」
狙いは客数増。

これは正しい。

デフレ脱却だろうが、
消費回復だろうが、
商売の基本は客数にある。

もうひとつの事例は、
ホームセンターのカインズ。
3月に日用品を中心に値下げ品目を2割増。
メーカーと連携して価格を継続的に引き下げる。

「スーパーロープライス」商品を、
現在より2割多い800品目に増やす。

スーパーロープライスとは、
日用品のナショナルブランド商品を中心に
通常より2~3割安い価格で販売する商品群。

「競合他社の安売りや消費者の節約志向の強まりに対応する」
これが狙い。

良品計画とカインズ。
ポジショニングを確立した企業の判断。
「為替と株価が好況だから
高額品も売れるに違いない」
そんな短絡に陥らないことこそ、
学び取らねばならない。

さて今日は、
午後から田町のホテルJAL シティ。
「流通の未来を自分たちでつくる会」。
その第1回目の会合での講義。
イオンリテールワーカーズユニオン主催。
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昨年の第2期から彼らの趣旨に賛同し、
アドバイザーとして活動をサポートしてきた。

今年第3期は、アメリカ視察セミナーも担当する。
その事前ガイダンスの講義。

はじめに、 主催者の挨拶や、
昨年のアメリカツアー参加者の報告が行われた。
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その後、私の事前ガイダンス講義。
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日米で共通する小売業のミッション、
「鳥の目・虫の目・魚の目・心の目」で、
アメリカ小売業を学ぶことの意味。
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全米チェーンストア・ランキングとスライドによる解説。
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ポストモダンを実現させるために、
知識商人がカギを握ることなどを、
100分を超えて語った。
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そして質疑応答。
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なかなかに、
現場に立脚した鋭い質問ばかりで、
まことによろしい。
そんな感想を抱いた。

そのあとのグループディスカッションと発表が終わると、
昨年の第2回メンバーのコメント。
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19時からは場所を移して懇親の食事会。
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乾杯の挨拶は、森部達也さん。
イオングループ労働組合連合会副会長。
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「当事者意識を持て」と激励。
いい励ましの言葉だった。

初めて会った仲間と、今日一日を振り返り、
春のアメリカツアーを楽しみにしつつ、
参加者たちの会話は弾んだ。

今日の感想を求められて再び、登壇。
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私は、社会に貢献しようとするすべての人を応援したい。
それが企業だろうと、経営者だろうと、労働組合だろうと。
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今日一日、清聴してくれたみなさんに感謝。
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締めは、坂口浩一さん。
イオンリテールワーカーズユニオン中央執行副委員長。
アメリカセミナーの団長を務める。
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皆が丸く手を合わせ、「エイ・エイ・オー!」
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坂口流の締め、よかった。
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最後に、坂口さん、森部さんに、
東海グループ議長の上山功樹さんが加わって、
一緒に写真。
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皆さん、お疲れ様。
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外はすっかり暗くなったが、
気分は良かった。

サッカー日本代表の勝利の気分と似ていた。

〈結城義晴〉

2013年02月06日(水曜日)

伊藤園大陳コンテスト審査と2月決算予測特集のポジショニング戦略

今日は東京・横浜に雪。

玻璃窓(はりまど)に来て大きさや春の雪
〈高浜虚子〉

気象予報士の常盤勝美さんが言ったとおり、
成人の日のように積もりはしなかった。

朝方の雨が、
みぞれに変わって、
大きめの雪が舞う。
しかし立春のあとの雪で、
積もりはしない。

私は朝から、
東京・清水橋の伊藤園本社に向かう。
秋の大陳コンテストの審査会。

東急東横線で渋谷に出て、
山手線で代々木を経由して、
地下鉄大江戸線に乗り換え、西新宿5丁目駅へ。
これが通常のルート。

しかし、今日の関東圏は大雪注意報が発表され、
朝から交通機関が遅れ気味。
成人の日の1月14日は関東に大雪が降った。
だから私も、30分ほど早めに電車に乗りこんだ。
予想通り、電車は遅々として進まない。
それでもなんとか、渋谷までたどり着いた。

ところが、秋葉原駅で人身事故発生。
環状山手線が直前に全面ストップ。

仕方がないので、地下鉄副都心線で、
新宿三丁目駅へ向かった。

ところが山手線利用の客が一気に押し寄せ、
ホームは押すな押すなの大混雑。
地上に上がるまでに、15分ほどかかった。

山手線が止まると、なんて不便なのだ。

そんなことを思いつつ、
舞う大きめの雪の中、
伊藤園に到着。

会場は本社の地下1階。

いつものように、
本庄大介社長、
江島祥仁副社長、
本庄周介副社長。
三人の審査委員。

商人舎からは私と、
エグゼクティブ・プロデューサーの松井康彦、
そして㈱商業界の三浦美浩『食品商業』編集長。
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参加店舗数は今年も増え、プラス2074店舗。
その中から厳選された各コースの応募写真がテーブルに並ぶ。
それを審査員が1点ずつ丁寧に吟味し、
各自が入賞作品を選ぶ。
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最後にコース別の大賞と優秀賞を選考。
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その後、企業賞の大賞と優秀賞を選ぶ。
これは全員の議論。

今回は参考までに、
受賞辞退企業の優秀写真も並べられた。
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受賞は辞退しているが、コンテストに参加。
「参加することに意義がある」とする企業だが、
店舗は頑張って、本当にいい売場づくりをしている。

すべての審査を終えて、
このプロジェクトにかかわった全員で、
記念写真。
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ご苦労様でした。

本庄大介社長とは、
立教大学池袋キャンパスに昨年、
オープンしたタリーズの話をした。
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タリーズ・コーヒーは現在、
伊藤園傘下にあって、好調。

審査会が終わると、
江島祥仁副社長の部屋で、
抹茶と緑茶をいただきながら、
恒例の情報交換。

4月1日の月刊『商人舎』発行、
「紙(雑誌)と網(ネット)の融合」へのチャレンジなど、
商人舎6年目の施策をご披露しながら、
1時間半も話しこんでしまった。
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江島さんが持っているのが、
現在の月刊『商人舎』。
毎月のブログを編集し、
30ページほどの冊子にまとめ、
お世話になっている方々にお送りしている。

4月1日からはさらに誌面を刷新、充実させ、
商人舎ホームページと連動させて、
新しいメディアに仕上げる所存。
江島さんの評価も好感触。
ありがたい。

さて時間は遡って、昨日。
商人舎に来客。

まず三井物産㈱食品営業本部のお二人。
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右が、食品流通部加工食品営業部部長補佐の品田哲也さん、
真ん中は、同加工食品チームの中野真樹さん。

品田さんとは何度も一緒に仕事してきたし、
中野さんは昨夏、アメリカにご一緒した。

今年、三井物産と組んでまた、
海外の勉強会をやろうかという話になった。

夕方、やってきたのは、
立教大学大学院結城ゼミ第1期生ゼミ長の名古屋文彦さん。
名古屋さんは結城ゼミOB会長でもある。
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真ん中は、同じく第2期生ゼミ長の渋木克久。
渋木は現在、㈱商人舎チーフエディター。

名古屋さんは、OB会長として打ち合わせにやってきた。
来年度の結城ゼミのキックオフミーティング。
今年2年次を迎える大学院生は、
すでに履修希望届を提出済みだが、
4月に最終決定が出る。

そのゼミ候補生に向けて、
わが結城ゼミはOBがほとんど全員参加して、
キックオフ・ミーティングを開催する。

この打ち合わせのあと、
池袋で、各年度の責任者が集って、
OB会としての最終決定がなされた。

2013年度結城ゼミ
キックオフミーティング。

日時:3月9日(土) 午前10時~午後17時半
場所:立教大学池袋キャンパス 14号館

キックオフミーティング終了後、
18時より懇親会。

今から楽しみだ。

さて今日の日経新聞に、
「2月決算予想特集」
珍しく小売業が中心の記事となった。
タイトルは「消費減速、収益に格差」

コメントは、
「コンビニエンスストアは堅調だが、
値引き競争が激しいスーパーは苦戦が目立つ」

「最大手のイオンも、
総合スーパーの既存店売上高が前年を下回る。
ただ、クレジットカードなど金融事業の成長が
業績を下支えする。
調理済み食品の強化などで
年明け以降はGMSの売り上げは回復基調だ」
総合力がモノを言い始めた。

そのイオンリテール社長に、
梅本和典イオンディライト社長転任の新人事。
今日、発表。

「セブン&アイ・ホールディングス
品質にこだわった製品を割安で提供するPBが人気で、
既存店売上高が前年を上回って推移」
これはセブンプレミアム・ゴールドのこと。

イオンのコンペティティブブランドに対して、
セブンはクォリティブランド。

この対比的政策は全体として見て、
よろしいし、戦略的だ。

「同じくPB効果で
ローソン、ファミリーマートの業績も堅調」

記事はコメントする。
「コンビニは利便性の高さと総菜など中食の強化で
食品スーパーの顧客を取り込んでいる。
あおりでスーパーでは
消費者の低価格志向が強まり
苦戦が目立つ」

このコメントが、
食品スーパーマーケットの全体像を
表わしているとは断言できないが、
ポジショニングの観点のない企業に、
堪えていることは確かだ。

記事は、百貨店を「堅調」とする。
「高島屋は不動産事業の好調が、
J・フロントリテイリング
パルコの子会社化が寄与し営業増益を見込む」
しかし地方百貨店は、
見るも無残な状況。

総合スーパーと百貨店は、
衰退業態とみていいと思うが、
そうなるとほんの一握りの好調組と、
大半の絶不調組に分かれる。

個別企業で記事に取り上げられたのはまず、
ニトリホールディングス。
「機能性や耐久性を高めた家具、雑貨の販売が好調。
高価格帯の客層の開拓が進み客単価が改善する」
ニトリはディスカウンターではない。
独特のポジショニングが確立されている。

「為替の円安は海外生産家具の輸入採算悪化要因だが、
為替予約で悪影響を回避」
今後どこまで円高が進むか。
ニトリの心配事は、日本経済とは逆になっている。
しかし今期、「純利益は14期連続で過去最高へ」。

良品計画は、
「春夏は麻、秋冬はウールの衣料品販売が伸びる。
旅行をテーマにした販促で関連商品の売れ行きも好調。
好採算の衣料品の販売比率高まり、利益率改善。
経常最高益を更新する」

わが道を行く。
すなわちポジショニング戦略の好例で、
過去最高の経常利益。

最後に吉野家ホールディングス。
「牛丼が振るわず既存店売上高が苦戦。
焼鳥つくね丼など新メニューは堅調も補えず。
原材料の大半を占めるコメと牛肉の価格高騰で採算が悪化。
コスト削減を進めるも営業減益に」

来期の吉野家は、
米国産牛肉の輸入緩和という朗報がある。
本来の力が発揮され、採算は改善されるに違いない。

日経の見立ての通り、
収益格差が広がる。

ユニークな商売、
ユニークな経営、
ユニークな思想。

すなわちポジショニング戦略。

それが2013年を生き抜く道である。

〈結城義晴〉

2013年02月05日(火曜日)

人間の「利他行動」と人を集める「魔法」と駅ナカ・郊外SC開発

横浜商人舎オフィスの席替えをして、
私のスペースができた。
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6年目に突入ということで、
シンビジウムなど贈ってもらって、
気分はよろしい。

壁にかかっているのは、
私の好きなジャン・ジャンセン。

席移動した日の環境と比べると、
ずっと快適になった。
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気分は爽快だが、
天気はいまいち。

今夜から明日は雪になるらしい。

昨日は夕方から立教大学。
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仕事を終わらせると、
暗くなっていた。

そして今日からキャンパスは閉鎖され、
入学試験シーズンに入る。
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立教大学の入試は、
明日6日の経済学部・法学部などから始まって、
14日の社会学部とコミュニティ福祉学部・現代心理学部まで。
9日間で一応、大学入試は終わる。

ちなみにコミュニティ福祉学部・現代心理学部は、
社会人入試の対象学部。

受験生諸君には、
全力を出し尽くしてほしい。

さて「Harvard Business Review」日本語版2月号。
「ビッグデータ競争元年」の大特集を組んだ。

大量のデジタルデータの有効活用が、
競争のカギを握る。

そのための考え方と戦略を大特集したものだが、
アマゾン・ドットコムやシアーズ・ローバックが、
ケーススタディされている。

シアーズがビッグデータを活かして再生されるとは、
とても考えられないが・・・。

この号の巻頭に小田亮さんが、
「利他学のすすめ」と題して書いている。
名古屋工業大学大学院准教授。

「利他行動とは、行為者が損をして
その相手が得をする行為である」

人間に一番近い霊長類はチンパンジー。
「チンパンジー同士が協力し合わなければ
問題が解決できないような状況を実験的につくってやると、
彼らは相手が手助けを要求した時のみ、
相手に協力する」

しかし私たち人間。
「困っている人を見ると、
頼まれなくても手を差し伸べる」

これを利他行動という。
そしてこれを研究するのが「利他学」。

実験結果から得られた知見。
「人間は外見や身振りだけで
相手の利他性をある程度見極めることができるし、
利他的ではない人の顔を
無意識のうちによく記憶している」

小田准教授は、
人間が進化によって身につけたこの利他性は、
「経済活動」に重要な意味を持つという。

労働契約の多くは、
「不完備契約」である。
「労働者がすべきことを
こと細かに明記していない」からだ。

だから「労働者はなるべく
余計な仕事をしないほうが
自己利益になる」。

ところが、経済実験によって、
面白い結果が得られている。
「『雇用者』が賃金水準を高めに設定すると、
『労働者』の努力水準は最低値よりも少し高くなった」

雇用者の利他的態度に、
労働者が利他的態度で、
お返しをしたことになる。

人間の、チンバンジーとの違いこそ、
マネジメントの根幹にあるものだ。

もうひとつ面白い巻頭言。
おなじみの『ほぼ日』の糸井重里。

「何かがある、
そしてそれが魅力的であれば、
人は動き出すものです」

「ある時代にはアメリカ西海岸で金が出ました。
そしたら、それを掘ろうとたくさんの人が動きました。
ゴールドが、ラッシュを起こさせたわけです」

今年の米国スーパーボウルで、
惜しくも負けたフォーティナイナーズ。
そのチーム名は、ゴールド・ラッシュに由来する。

「ある時代には、鉄道会社の創始者が、
女性ばかりの歌劇団をつくりました。
これが人気でたくさんの人びとが動きました」

ご存知、小林一三と宝塚歌劇団。

「ある時代には、大量仕入れて大量に安く売る店が、
スーパーマーケットという呼び名で人気になりました。
それまでのように駅前や繁華街などではなく、
人通りの少ない安い土地に、大きな店が建てられました。
そこに、人びとは動いて行きました」

「人の集まる場所には、
さらに人が集まります。

集まる人を相手にする商売が成り立つからです。
そして、その人たちを相手にする仕事もできてきます。
人が集まるというのは、すごいことです」

しかしここからが糸井重里の真骨頂。
「人が集まるの根っこのところには、
かならず『魅力(チャーム)』という『魔法』があります」

「人が動き、人が集まるということは、
あらゆるものごとの活力そのものです」

「何もしないよりも失敗したほうがいい、
という言い方がありますが、
それも、まったくその通りだと思います。
失敗の方が、人が動くもの」

「そして、何もしないところには『魔法』もない。
「『魔法』つまり『チャーム』を生み出すことをやめたら、
ただ痩せて枯れていくだけだと思うんですよね」

さてさて日経新聞東京・首都圏経済版に、
「SC、駅前出店が続々」の記事。

日本ショッピングセンター協会の調査。
「2013年中に1都3県で開業するSCは
2012年比6割増の26施設」。

2007年には、29施設の出店があったが、
この時は、出店規制強化に伴う駆け込み出店。
それに次ぐのが今年。
3年ぶりの増加。

ただし、昨年12月に自民党が政権を奪回したから、
SC出店が増えたわけではない。

二つの傾向がある。
第1は、都市型の駅前店舗。
いわゆる「駅ナカ・駅近」。
3月21日、東京駅丸の内口、
旧東京中央郵便局の建物に、
商業施設「KITTE(キッテ)」が開業。
超高層オフィスビルJPタワー低層部に、
テナント店舗数98店。

これは丸の内ビルディング、
新丸の内ビルディングに次ぐ規模。
3月15日には、
小田急線相模大野駅前の「ボーノ相模大野」オープン。
これも駅北口と直結。
店舗占有面積を拡げるために、
北棟と南棟も分けて、3万3000㎡とした。
総事業費587億円。

昨2012年には、
渋谷ヒカリエや東京駅内の商業施設など、
駅と直結した大型施設が開業し話題をさらった。

3年前と昨年の2度、立教の結城ゼミでも、
「駅ナカ・駅近」の研究が進められ、
それが立派な修士論文となった。

開業が増える第2の理由は、
自治体のSCに対する姿勢の変化。

2007年に「改正まちづくり3法」が完全施行された。
これは商店街の再生を目指した法律で、
規制対象となった郊外型SCの出店は落ち込んだ。

しかし、商店街の衰退は止まらないし、
円高で工場の閉鎖や縮小などが相次ぐ。

大型SCは数千人の雇用吸収力を持つ。
「自治体にとって魅力的」。

今春開業予定の「イオンタウン新船橋」は、
旭硝子の工場跡地に立地。

4月開業予定の酒々井プレミアム・アウトレットは、
人口約2万1000人の町で、1000人の雇用。

自治体には、固定資産税や法人税などの税収が見込まれる。
「年間350万人の来場で観光の活性化にもつながる」。

埼玉県春日部市にはこの3月に、
イオンモール春日部が開業。
売り場面積は5万6000㎡。

初年度に1000万人の客数予定。
従業員数2400人のうち半分が地元雇用。

鉄道が主導する大型の駅ナカ・駅近と、
地方自治体が誘致する郊外SC。

人が動き、集まるところには、
魔法がある、活力が生まれる。

それを止めたら、
ただ痩せて枯れていくだけ。
多くの商店街のように。

人という「利他的」霊長類を集めると、
そこには「利他的」な現象が起こる。

自民党が政権に戻る前から、
この現象の予兆が現れていたのだ。

〈結城義晴〉

2013年02月04日(月曜日)

旧暦の大義名分・早仕掛けと三連休・月曜祝日10回の今年の作戦

Everybody! Good Monday!
[2013vol6]

2013年も第6週。
2月の第2週と相成りました。

昨日が節分で、
今日が暦の上では、
春立ちぬ。

しかし、まだまだ寒い。
東北・北海道はさらに寒い。

寒声の福島弁の乱れざり
〈朝日俳壇 鴻巣市・佐久間正城〉
寒中鍛錬の音声は凛と響く。
その福島弁が、いい。

寒稽古必ず一つほめてやり
〈日経俳壇 総社・尾関當補〉
指導者の姿勢が表れている。

日本列島は東西南北に長い。
沖縄と北海道は別の国のようだ。

明日5日からさっぽろ雪まつりが始まり、
1週間後、11日の月曜日に終わる。

沖縄県那覇市の今日の気温。
最高が25度で最低が20度。

しかし暦はひとつ。
カレンダーの暦こそ、
国民を繋ぐ絆だ。

現在、使われている暦は、
太陽暦で、グレゴリオ暦と呼ばれたり、
そして「新暦」と言ったりする。

地球が太陽を一周する周期を、
1年365日とし、
4年ごとに閏年366日を設ける。

これは1872年(明治6年)1月1日に始まった。

その前は、604年、推古天皇12年1月1日から、
旧暦を使っていた。

旧暦は中国4000年の歴史がある「農暦」。
そして農暦は「太陰太陽暦」。

太陰暦とは、月の満ち欠けを、
見たまんまに使う。
わかりやすい。

新月から始まって、
上弦の月、満月、下弦の月、
そして新月に戻る。

月が地球を一周する周期は29.5日。
だからひと月を、
30日の「大の月」と29日の「小の月」に分けて、
1年は354日。

しかしこれでは農業の科学的作業には適さない。
農業は太陽の日照を頼りにしたリアリティある産業で、
ロマンティックな月の太陰暦では用を足さない。

そこで季節の節目として、
太陽と関係の深い二十四節気を合わせて使った。

冬至から次の冬至までを4等分して、
冬至、春分、夏至、秋分、再び冬至とする。
さらにその間を6等分して、24分割。
それぞれがほぼ15日ずつで、1年となる。

「立春」はまさに二十四節気のひとつ。
次の「雨水」までが24分の1の一区切り。

従って旧暦は太陰暦を基本に、
二十四節気の太陽暦を併用して、
「太陰太陽暦」と呼ばれることとなった。

私はこのブログで、
二十四節気を多用する。
ここには意味がある。

まず、生活に潤いをもたらしてくれる。
毎日のブログには暮らしの潤いが必須。

さらに二十四節気には、
「早仕掛け」の意味がある。

旧暦と新暦は1月のスタートが異なる。
旧暦は立春の頃を元日とする。

つまり旧暦は新暦よりも約1カ月遅れて始まる。

しかし旧暦の春は1月から3月、
夏は4月から6月、
秋は7月から9月、
冬は10月から12月。

二十四節気も、それに準じる。

二十四節気のそれぞれの名称は、
中国の華北地方の季節感で名づけられている。

だから立春は華北の季節感を表わして、
日本とは異なる。

一方、新暦では、
春は3月から5月、
夏は6月から8月、
秋は9月から11月、
そして冬は12月から2月。

旧暦は1年が1カ月遅れて始まるけれど、
季節感は新暦に比べて2カ月早い。

だから実質的には、
太陽暦に比べて1カ月早い。

二十四節気は1カ月ほどの早仕掛けと、
生活の潤いとを与えてくれるわけだ。

これが現代のプロモーションでも、
大義名分の「早仕掛け」となる。

ちなみに中国や韓国では現在も、
旧暦を採用している。

立春と言えど、
まだまだ日本も寒い。
横浜でも今週水曜日は雪の予報。

日常を問ふしんしんと雪の降る
〈朝日俳壇 松阪市・奥俊〉

日常の一つひとつの生活が問われている。
そしてしんしんと雪が降る。

さてさて日経新聞に、
編集委員の田中陽さんが新連載。
タイトルは「新次元のPB」

第1回の今朝は、
「メーカー品に並ぶ存在感」

「スーパー、コンビニなど主要10社の
今年度のPB売上高は2兆円超の見通しで、
5年で約2倍に急拡大」

田中さんは指摘する。
「景気低迷と急激な円高が重なると
PB開発は盛んになる」

理由は大きく二つ。
「消費者の低価格志向への対応」
「輸入原材料の調達コストの引き下げ」

だから従来は、
「景気の持ち直しと円高が一服すると
開発熱は冷めた」

しかし2008年に金融危機が訪れる。
「金融危機前後から始まったPB戦略は
一過性のブームの域を越え、
消費社会に浸透した」

そしてこの序論の結び。
「最近はテレビCMを流し、
NBよりも高価格帯の商品も数多い。
PBは新たな次元に入った」

世の中のすべてが愛であふれてる
開けた冷蔵庫をすぐ閉めた

〈日経歌壇 潟上・渡辺崇晴〉

冷蔵庫の中には、
PBも入っていたに違いない。

田中陽さんの今週の連載に期待しよう。

異次元のPBの中には、
ウォルマートの「World Table」が、
紹介されるに違いない。

最後に今月の商人舎標語。
「志定まれば、気盛んなり」
吉田松陰。

ここでいう志は、
何も大仰なものでなくともよろしい。

小さな決意、小さな意思決定。
それが1週間で終わってもよい。

1週間の決意が52回。
それが新暦の1年となる。

どこぞの誰かのような三日坊主は困るけれど。

「志定まれば、気盛んなり」

では、みなさん。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2013年02月03日(日曜日)

ジジと風呂番[日曜版2013vol5]

きょうは節分。
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冬と春を分ける日。
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まめまき、恵方巻き。
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でも、ユウキヨシハルのおとうさん、
きのう、熱をだしてしまいました。
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37.8°。

今朝はさがった。
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36.3°。

よかったですね。
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おとうさんは、
熱をさげるほうほうを
しっているんです。

熱がさがったので、
おふろ、はいります。
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だからボクが、
おふろをわかすのを、
おてつだい。
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まず、おみずをぬきます。
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ボクは、これが、
だいすきなんです。
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おふろのお水が、
ぬけていくのが。
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どんどん、お水が、
へっていきます。
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そして、さいごには、
グルグルまきになる。
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もうすぐです。
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ほらね。
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ねえねえ、おとうさん。
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お水、なくなりました。
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そうしたら、おそうじをして、
ここを押すんですよね。
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おふろにはいって、
ゆっくりしてください。
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おふろにはいれば、
元気になるでしょう。
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節分は、
季節を分ける日。
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冬の元気と、
春の元気は、
ちがいます。
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熱がでたけど、
もっともっと、
元気になってください。
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大丈夫でしょ?
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おとうさんなら。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2013年02月02日(土曜日)

節分の恵方巻きからバレンタイン・チョコまで、販売数量を競いたい

2月2日、ゾロ目の土曜日。
東京・横浜は4月の陽気。

しかしちょっと体調がよろしくない。
熱があるわけではないし、
喉が痛いとか、咳やくしゃみが出るのでもない。

何というか、だるい。
背中や肩、首が凝っている。

風邪の前兆。

ここで丁寧に処置をすると、
すぐに元気になる。

それでも、午前中から、
何やかやと出かけて、その間に、
立教大学大学院のシラバス仕事をこなした。

今週は後半にオフィス模様替えをした。
事務所内がごった返すなか、
青山永さんが横浜を訪ねてくれた。
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SMO㈱代表取締役社長。
一言でいえば、ブランディングのコンサルティング会社。
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科10期生。

結城ゼミではなかったが、
私のF&Bマーケティングを履修してくれて、
とてもいいレポートを書いていた。

日米小売業界の動向などレクチャーして、
青山さんの仕事を支援した。

こういった要望には、時間が許す限り、
できるだけ応えるようにしている。

さて明日2月3日は、節分。
節分とは「季節を分ける」という意味。
大寒の冬と、立春の春を、分ける。

江戸時代以降、節分は、
立春の前日を指す場合が多くなった。

煎り豆を撒いて、
年齢の数だけ豆を食べ、
厄除けを祈願したりする。

最近では恵方巻き
食べると縁起が良いとされ、
「招福巻」「幸運巻」「開運巻き寿司」とも呼ばれる。

発祥はいろいろあるが、
ひとつは、大阪船場の旦那衆が、
遊女に巻きずしを「丸かぶり」させて遊んだというもの。
ひとつは、江戸時代の終わり頃、
大阪の商人たちが商売繁盛と厄払いを祈願し、
「幸運巻寿司」を食べたという説。

粋なお大臣遊びもいいが、
私は商売繁盛祈願をとりたい。
その商売。
コンビニやスーパーマーケットの店頭では、
先月から積極的に、
恵方巻きの予約を受け付けている。

ここでも忘れてはいけない。
「早仕掛け・早仕舞い・際の勝負」。

ぜひとも、今日明日のウィークエンドは、
お客でにぎわってもらいたいものだ。

そのためにゲーム感覚で、
どの店が何本売った、
どの店はいくら売った、と、
互いに競ってもらいたい。

第2土曜日の11日は、
建国記念の日。

趣旨は「建国をしのび、国を愛する心を養う」。

元旦、成人の日に次ぐ三番目の国民の祝日。
しかし、他が「祝日法」に定められているのに対して、
建国記念の日だけが政令で定める日。

明治時代の初期「紀元節」が、建国記念の日となった。
その紀元節は『日本書紀』の神武天皇即位の日に由来。

私は今、梅原猛『古事記』を読んでいるが、
梅原は日本書紀よりも古事記のほうが、
断然、文学作品としての価値があると力説する。

今年の建国記念の日、
安倍晋三首相と自民党は、
どんな対応を見せるだろうか。

個人的意見だが、
国際感情を刺激するような対応は、
今年は避けた方がいいと思う。

私たちも2月の国民の祝日として、
この日を粛々と過ごしたい。

そして2月14日木曜日は、
バレンタインデー。

雪が積もればクリスマス
想いが募ればバレンタイン♪

〈山崎眞幹作詞・作曲〉

節分と立春が終わると、
建国記念の日を挟んで、
想いが募る14日に向けて、
バレンタイン商戦が本格化する。

2月前半はこの14日までが勝負。

今年のバレンタインデーのトレンド。
「義理チョコ復活」と日経新聞。

好きな人や恋人への「本命チョコ」、
ご褒美として購入する「自分チョコ」。
それらに押されて「義理チョコ」は減っていた。

しかし義理チョコの中身が変わった。
従来は職場の上司・同僚・部下に社交辞令で配った。
最近は、「日ごろのお礼を込め、
相手に合わせて贈るのが主流」。


プランタン銀座
の調査。
今年のバレンタイン関連の予算は軒並み増加。
「本命」「義理」「自分」の中で、
特に顕著なのが義理チョコ。
女性が用意する個数は前年比2.8個増の10.4個。
これは2002年の調査開始以来最も多い。

江崎グリコの予算調査。
独身の会社員女性、
義理チョコを渡す相手1人あたり820.9円。

「彼氏」向けの予算は、
昨年の実績よりも200円近く安い。
義理チョコは40円以上高い。

日経の記事は百貨店の売り場からトレンドを探る。

西武池袋本店は1月25日に、
バレンタイン特設会場を開設。
27日の日曜までの売上げは、
計画比28%増。

35歳のOLへのインタビュー。
「今年は仕事とプライベート、男女と関係なく、
日ごろお世話になっている4~5人に渡す予定。
それぞれ違うものを探している」。

「従来の儀礼的な習慣は消えつつある」
マーケティングライターの牛窪恵さん。
「歳暮や誕生日プレゼントを渡すほどではないけれど……
という相手にお礼を伝えるチャンス」。

価格帯。
東急百貨店東横店、
500~1000円の価格帯を、
昨年より1~2割増やした。

小田急百貨店新宿店、
1000円以下の商品が約1割増える。

「1つのブランドで複数購入するのではなく、
渡す人に合わせて選んで買い回る人が増えている」
(小田急百貨店)。

売り方は、試食。
大丸梅田店は1月30日から2月8日まで毎日、
特設会場で試食イベントを開催。
ただし人数限定。

さらにプレゼント対象顧客の変化。
贈る相手は男性だけではない。
高島屋東京店では、
職場の女性同士でのやりとりを念頭に置く。
90ブランドを展開するが、
「女性の先輩・上司」「同僚」「後輩」向けに、
セグメンテーションして紹介。

百貨店のこの動き、
スーパーマーケットやコンビニ、
ドラッグストアでも、
活用すべきだ。

「早仕掛け・際の勝負」は、
バレンタインデーにも活きる。

さてバレンタインが終ったら、
2月後半は、売り場をがらりと変え、
春のプロモーションへ。

つまりは、3月3日のひな祭りに集中。

2月は冬から春へ。
顧客の気分が高揚してくるような売り場を、
つくってもらいたい。

それには、自分でも、
気分を高揚させたい。

あなたはバレンタインチョコレート、
いくつ貰えるだろうか。

あなたはバレンタインチョコレート、
いくつプレゼントするだろうか。

これも競っていいが、
店では、
チョコレートいくら売った、
何個売った、
ゲーム感覚で、
競ってほしい。

今月は恵方巻き、バレンタインチョコ。
競う月だ。

雪が積もればクリスマス
想いが募ればバレンタイン
赤いリボンで結ばれた
贈り物が待ってる♪

良い週末を。

私はいま、37度8分まで熱が上がってきた。
想いが募っているわけではない。

〈結城義晴〉

2013年02月01日(金曜日)

商人舎第2クール突入と平成24年経済センサス「商工農士」の逆転

2013年2月1日。

私たちの㈱商人舎は、
6年目の新しい年度に入る。

2008年2月1日に設立し、
4月17日に発足の会を開催。

「商業の現代化」を標榜した。
そのために「知識商人の養成」を誓った。

それから5年。

主催する海外研修会は都合12回を数え、
業界内でも定評をいただいている。
この5年間で、467名の参加者。

今年は春の第13回basicコース、5月14日~20日、
秋の第14回Specialコース、10月22日から29日、
2回の開催となる。

さらに昨年から、
商人舎ミドルマネジメント研修会をスタートさせ、
これも年2回開催で定着。

お陰様で今年も、
春の第3回(5月28・29・30日)、
秋の第4回(9月24・25・26日)と、
回を重ねる。

もちろん結城義晴自身は、
昨2012年、9回の海外セミナーをコーディネートし、
海外研修会参加者はトータルで380名。

一昨年の2011年も同じく9回の研修引率で379名。

この5年間に、豚インフルや東日本大震災で、
海外渡航が中止となった期間があるにもかかわらず、
海外研修会で私の講義を聴き、解説を受けた人数は、
延べ1162名に及ぶ。

アメリカだけでなく、ヨーロッパや中国を加えて、
この9回が1年のスケジュールとなっていて、
これは限界に近い。

そして商人舎事業として、
今年新たに取り組むのが、
出版、Publishing。

1977年に㈱商業界に入社し、
30年間、結城義晴は出版人として、
「読んでいただく」活動をしてきた。

商人舎ではむしろ、
大学院教授や研修会指導者として、
「教える」仕事を中心に展開してきた。

もちろん単行本は書いたし、
雑誌や新聞にも寄稿したし、
ネット上では毎日更新宣言を発信してきた。

これらの役割は今後も、
さらに充実させ続けたいと思っている。

しかし今年からの第2クールで、
㈱商人舎として出版事業を展開する所存。

まず、3月1日に、
『マス・カスタマイゼ―ション』を、
㈱商人舎刊として発売。
著者は商人舎最高顧問の杉山昭次郎先生。

ご期待いただきたい。

次に、4月1日、
待望の月刊『商人舎』発刊予定。

実は2011年5月1日から、
非売品の月刊『商人舎』を発刊している。

今日も2013年2月号を発刊し、発送した。
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それを市販しようという構想。

逆転の発想、
内容の刷新。

商人舎と結城義晴にしか、
つくれない月刊誌。

ご期待いただきたい。

さらにその後も、順次、
単行本などを発刊し、
出版事業を細く長く続けていく。

私の目指すものは、初めから、
ネットとリアルのフュージョン。
つまり「アミ(網)とカミ(紙)の融合」。

小売りサービス業の経営に対しても、
そして商人舎の事業においても、
コンセプトはシンクロナイズしている。

そのために今日から、
㈱商人舎にチーフエディターが加わった。
渋木克久。

よろしくお願いしたい。

私は5年周期で、
商人舎経営を考えている。
中期計画といってもよい。

最初の5年は、助走。
コーネル大学RMPジャパン副学長や、
立教大学大学院教授という仕事が入ったこともあって、
商人舎事業は緩やかに展開。

しかし、
5年ずつの計画を、
6回連続させて、
30年。

私は85歳になっているが、
そこまで続けるつもり。

㈱商業界で30年、
編集記者から始まって、
代表取締役社長で終わった。
㈱商人舎でも30年。
5年サイクルの6巡。

もちろん、毎日更新宣言ブログは、
1年ごとに更新しながら、継続される。

常に、体と脳の活性化を繰り返す所存。

小売りサービス業全体、つまり、
商業の現代化を標榜しつつ、
その歴史の証人として一生を捧げる。

これまでの5年間を感謝しつつ、
これからの5年、そして終点までの25年を、
あらためて、よろしくお願いしたい。

さてその2月の商人舎標語。
「志定まれば、気盛んなり」
ご存知、吉田松陰の言葉。

2008年に商人舎を発足させたときの、
年間標語として使った。

しかし心新たに第2クールに入るその2月の、
商人舎標語にしたい。

(こころざし)が定まれば、
気力・気持ちは盛んになる。
今、私の心境そのもの。

商人舎Special Member、
最高顧問・杉山昭次郎、
特別顧問・萩原政利、
海外特別顧問・浅野秀二。

エグゼクティブ・プロデューサー松井康彦、
エグゼクティブ・コーディネーター川勝利一、
チーフ・コーディネーター鈴木敏。
顧問税理士・宮田昇。

それにゼネラルマネジャー亀谷しづえ、
チーフエディター渋木克久、
エディタースタッフ鈴木綾子。

そして代表取締役社長・結城義晴。

いざ、2017年へ。

と、力んだところで、
「平成24年経済センサス‐活動調査」速報。
1月29日に発表され、
私はその日の立教サービスマーケティングで、
講義に使った。
20130131232441.png
経済センサスとは、
日本の全企業・全事業所を対象とする統計調査のこと。
いわば「経済の国勢調査」。
総務省・経済産業省が実施する。

これまでに存在したのは商業統計調査や工業統計調査。
私はこの「商業統計」をベースにして論述を展開してきた。

サービス産業が大きく発展したいまの時代、
商業統計、工業統計では実情に合わなくなっていた。

そこで、平成17年6月21日、
「骨太の方針」が閣議決定され、
「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」において、
「経済センサス」の実施が提言された。

「センサス」とは、
古代ローマで行われた人口登録調査のこと。
ローマが共和政、帝政と変わってゆく前の、
第六番目の王セルビウス・トゥリウスが始めた。

紀元前500年代半ばのこと。

後に、国勢調査や、
それに類する大規模な人口調査、
さらに大規模な悉皆(全数)調査のことを、
センサスと呼ぶようになった。

今回は日本の「経済センサス」の記念すべき第1回調査。
企業・団体に対する悉皆調査。
ただし、その速報値の報告。
だから日本標準産業分類の大分類での集計となる。

日本の企業の年間売上高は、
1302兆2523億円。

うち卸売業、小売業の売上高は、
400兆3043億円。
今回は大分類だから両者の分類分けは、
今年11月の発表となる。

小売業態別統計は、
来年2月を待たねばならない。

しかし小売り・卸売り業、
すなわち商業の売上高は、
全産業の30.7%を占め、
堂々のトップ。

従業者数も1198万4000人で、
全産業の21.3%。
こちらもトップ。

これは多くの国民が、
卸売業、小売業の恩恵にあずかっているということ。
つまり、基幹産業であることを証明している。

ちなみに製造業の売上高は、
342兆4426億円(同26.3%)
従業者数は942万2000人(同16.7%)で、
ともに第2位。

農業は売上高3兆4354億円、
従業者数35万0347人。

国家や地方自治体の政治家・役人は、
実質的な生産をしないから売上高はゼロ。

つまり経済センサスでは、
「士農工商」はすでに、
「商工農士」となっている。

声高に、
それを言っておきたい。

商業現代化の数値面は、
もう満たされている。

私たちがそのことを強く自覚することが、
現代化の第一歩となる。

日本の企業等の数は、
409万6578企業。
平成21年に行われた「経済センサス-基礎調査」と比べると、
8.6%のマイナス。

卸売業、小売業は92万9386企業。
平成21年基礎調査比で12.3%のマイナス。

日本全体で企業数は減少していて、
卸売業、小売業は、
全産業合計より減少率が大きい。

それでも卸売業、小売業の企業数は、
全産業の22.7%を占め、
ダントツのトップ。

第2位は宿泊業、飲食サービス業で、
54万1375企業(全産業の13.2%)

製造業は43万6646企業(同10.7%)で、
建設業に次ぐ第4位だ。

最後にもう1つ重要な数字。

「付加価値額」。
これは企業の売上高から原材料費を引いた残りの金額。
つまり、働く人の賃金と企業の利潤ということになる。

日本の企業等が生んだ付加価値総額は、
242兆6658億円。
対して平成24年度の国家予算は、
90兆3000億円。

私たちが一生懸命働いてつくりだした価値は、
国家予算の約2.7倍ということになる。

こうしたスケール感を、
常に意識すべし。

知識商人必須の心得。

そして卸売業、小売業の付加価値額は、
42兆3484億円。
全産業の17.5%で、
これは製造業に次いで第2位。

製造業の付加価値額は、
53兆2607億円。

その差、10兆9124億円。

たいへんな数字だが、
ここに商業現代化のポイントがある。

一方、売上高に対する割合「付加価値率」は、
商業が10.6%。

こちらは残念ながら、
全産業合計の18.6%を下回り、
最下位。

社会のインフラ機能を果たしているから、
付加価値率が低いとも考えられるが、
ここにも重要な視点がある。

付加価値率トップは、
教育、学習支援業の46.9%。
第2位は宿泊業、飲食サービス業の37.8%。

確報は今年の3月から来年の2月にかけて、
順次公表されていく。

商人舎30年計画の間に、
こういった数値は、
どう変化していくのだろう。

経済センサスも、多分、
5年おきに調査発表されるはず。

商人舎の5年サイクルと、
偶然にもシンクロしている。

歴史の証人・結城義晴としては、
商人舎経営を充実させつつ、
この経済センサスのサイクルごとに、
「商業現代化」を一歩一歩、
実感していきたいものだと考える。

〈結城義晴〉

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