結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年07月05日(金曜日)

「法人税パラドックス」とビッグC物流センターを見る、聞く、考える

商人舎magazine
今週のDaily商人舎を新しい順に。

07月05日
①セブン&アイ 四半期最高益とコンビニの飽和

②米国チェーンストア・ランキング2013発表

07月04日
ファミマ海外伸びず第1四半期微増収減益

07月03日
①ユニー第1四半期純利益▲88.4%の理由

②米国、昨年の干ばつの影響で食糧物価上昇

07月02日
イオンのアジアシフトは現地幹部育成から

07月01日
①文具チェーンStaples、グロサリー販売開始

②ヤマダ電機ウェブドットコムで最低価格保証

日本国内では、
第1四半期の決算が話題となる。
3月・4月・5月の成績。
最高益組と減益組に分かれた。

海外ニュースは、
『ストアーズ』発表のチェーンストアランキング。
これは見ておいてください。

ウォルマートの前年同期比伸び率は4.0%。
これが基準。

大幅に上回った二桁増企業は、
4位  コストコの10.6
10位 アマゾンドットコムの30.4%
19位 アップルストアの34.6%
20位 TJXの11.6%
そして35位 ホールフーズの15.6%

これだけでも、
米国チェーンストアの最新傾向が見える。
13位 シアーズ・ホールディングスは▲9.2%
16位 スーパーバリュ▲6.3

落ち目になったら、
それが止まらない。

恐ろしい。

商人舎magazine。
是非、ご購読願いたい。
まだまだ、改善改革を進めています。

7月10日リニューアル予定。
ご期待ください。

さて日本経済新聞『大機小機』
重要な問題提起。
「政権の真価問う法人税改革」

現在の税制改革を批判。
「一部の製造業に恩恵が偏る投資減税の
経済効果は限定的である」

「成長戦略に欠かせないのは
抜本的な法人税改革だ」

モデルがある。
1987年の法人税改革。
レーガン大統領政権2期目。
「税制改革の金字塔」と称される。

「加速度償却の縮減、
投資税額控除の廃止などによって
課税ベースを拡大しつつ、
所得税改革も含めて
税収中立のもとで
法人税率は46%から34%へ
大幅に引き下げられた」

「重厚長大産業の
設備投資に偏った減税を
縮小廃止」

これがとてもよかった。

「全産業・全業種に恩恵が行きわたる減税」
それが米国を支えるIT産業を生んだ。

先のチェーンストアランキングでも、
アマゾンとアップルストアが成長著しい。

「欧州では法人税引き下げ競争の結果、
この20年間で法人税率が
十数%も下がった」

しかしその一方、
「国内総生産に占める法人税収の割合は
逆に上昇」

これは「法人税パラドックス」と、
褒め称えられている。

今年3月8日のこのブログでも取り上げた。
「ポリアンナ効果と法人税パラドックス」

ポイントは2つ。
税率引き下げと同時に課税ベースが拡大されたこと、
税率の引き下げにより起業家精神が発揮され
経済が活性化したこと。

だから今の政策は、
「課税ベースの拡大と成長戦略を
組み合わせた法人税改革」

ここで、「課税ベースの拡大」のためには、
既得権益への切り込みが必須。

安倍晋三政権がそれができるか。
参議院選にその決意で臨むか。

真価が問われる。

さて、タイ3日目。
今日は遠出した。

バンコクを北にワンノイへ。
ビッグCの物流センターへ。
タイ第2位の小売業
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ゲートを入るのにも、
厳重なチェックを受ける。
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そして見えてきました、
広大な物流センター。
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サイドもこの広さ。
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入り口で、待っていてくれました。
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DHLのセンターを使っている。
DHL(ディーエイチエル)は、
世界最大の国際輸送物流企業。
航空機を主体とした国際宅配便と、
運輸・ロジスティクスサービスを扱う。
本社はドイツ・ボン。
事業展開国・地域数228。

ビッグCはDHLの協力で、
物流展開している。

会議室に入ると、
ウェルカムボード。
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レクチャーをしてくれたのは、
クリット・タイヨーさん。
DCオペレーション取締役。40歳。
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ココアと水、ケーキ、クッキーなど用意してもらって、
そのうえで講義を聴く。
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通訳は阿部俊之さん。
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実に中身の濃いロジスティックス論だった。
テスコ・ロータスと対照的。
そしてそれぞれの哲学が違っていて、
だから2強による「複占」が実現されている。
それがよくわかった。

その後、全員、
黄色いジャケットを着て、
安全靴を履いて、
クリットさん自ら、
広大なセンター内を案内してくれた。

その模様と内容は、
テスコ・ロータスと比較して、
商人舎magazineのWeeklySpecialで、
レポートする予定。

もしくは月刊『商人舎』の特集にするかもしれない。

そのくらいいい取材と勉強だった。

クリットさんからプレゼントされた。
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中身は親会社カジーノのPB。

こちらからは、
団長の安倍義典さんからプレゼント。
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㈱万代営業企画シニアマネジャー。

安倍さんは万代の堺センター開設の時、
店舗運営側からプロジェクトリーダーとして参加し、
物流センターには詳しかった。

安倍さんの質問が鋭い所をついていて、
とてもよかった。

後でバスの中で、
安倍さんから見解を発表してもらった。

充実の視察のあと、
全員で写真。
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ビッグCのみなさんの歓待に、
心から感謝したい。

その後、昼食。
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タイ料理のバイキング。

食事が終る頃、
稲光と激しいスコール。

そこで2階の部屋を借り切って、
急きょ、1時間弱、私の講義。
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コミュニケーションについて、
丁寧にレクチャーした。
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もしかしたら、この講義が、
いちばんよかったかもしれない。

雨が上がって、
アユタヤ遺跡に寄った。
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世界歴史遺産。

首を切られた仏像。
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合掌。

全員で写真。
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その後、希望者は象に乗った。
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今日も充実した一日だった。

物流には、
法人税パラドックスのような、
パラドックスがある。

パラドックスとは、
間違っているように見えるけれど、
正しい考え方・方法。
その逆に、正しく見えるけれど、
正しいとは認められない考え方・方法。

これを知り、見極めるためには、
ドラッカーが言うがごとく、
「自分の目で見、

自分の耳で聞く」
そして、
「自分で考える」。

明日もよろしく。

〈結城義晴〉

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