結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年12月10日(木曜日)

『商人舎』12月号と『私の履歴書』奥田務「道標の一冊」

月刊『商人舎』12月号、本日発刊‼

【特集】
「流通革命論」の軛(くびき)を断つ
2015脱チェーンストア経営の弁証法

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[Cover Message]

軛(くびき)とは、
「車の轅 (ながえ) の前端に渡して、
牛馬の頸の後ろにかける横木」のこと。
転じて「自由を束縛するもの」を意味する。
1962年に東京大学助教授だった
林周二が上梓した『流通革命』は、
日本の小売業・卸売業・製造業に、
決定的な衝撃を与えた。
それは小売業の近代化を促すかたわら、
一部に「問屋無用論」と理解され、
ながらく日本流通業の軛となった。

一方、2015年の年頭、
セブン&アイ・ホールディングス鈴木敏文会長が
「従来のチェーンストアのあり方を全面的に見直す」と宣言。
「脱チェーンストア経営」のロジックは
日本中の小売業を駆け巡った。
しかしそれは「流通革命論」にパワーを得た、
古典的チェーンストア理論という
テーゼに対するアンチテーゼであり、
そこには必ずジンテーゼがある。
「流通革命論」から「脱チェーンストア論」までを
弁証法的に検証し、新しい時代に向けて、
「軛を断つ」。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まったくの偶然で、私も少々驚いた。
今日12月10日の日経新聞『私の履歴書』で、
この著『流通革命』が取り上げられた。

今月の主人公は、J・フロントリテイリング相談役。
その第10回目のタイトルは、
「道標の一冊」
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「1963年(昭和38年)春のことだ」
慶応大学法学部の4年生だった奥田さんは、
『流通革命』を読んで、思い始めた。

 「就職するなら流通業界が
ええんとちがうんかな」

「大ベストセラーとなった
この『流通革命』に心酔して
この世界に飛び込んだ学生は多かった」

「私の人生を決めた一冊に違いない」

奥田さんは、序文を引用する。
「そしてこの変革の意義を自覚した者は栄え、
自覚しない者は滅び去るときが
近い将来にやってくるであろう」
林周二の名文。

奥田さんの述懐。
「どこまで理解できたかわからないが
製造業主体の世の中にあって
流通業の重要性を的確に指摘していた」

「大学に張り出される小売業の求人票は
大丸、三越、高島屋などの百貨店だった」

そこで、奥田さん。
「『流通革命」の現場である大丸に入社した」

林周二さんは、実は百貨店を、
「流通革命」の主体者とは書いていない。

しかし当時の学生からすると、
「流通革命」=「小売業革命」
そしてその「主役は百貨店」
となっても、不思議はない。

ヤオコー会長の川野幸夫さんも、
弁護士を目指していたが、
『流通革命』を読んで、
実家の小売業を継ぐ決意をする。

「流通革命論」は多くの若者たちに、
多大な影響を与えた。

しかし、53年後の今、
その多大な影響が、
いまだに「軛(くびき)」となっている。

特に「流通革命的チェーンストア論」は、
そのインパクトの強さによって、
いまだに業界の一部を縛っている。

その「軛」や「縛り」を解こうというのが、
月刊『商人舎』12月号である。

目次を紹介しておこう。

[Message of December]
自ら軛を断て。 

結城義晴の「日本流通革命」評論記
しかし革命の季節は去った?! 
革命家の条件/『流通革命』論の主題/
『流通革命』論の展開/『流通革命』論の結論/
「問屋滅亡論」の真相/革命後継者たちの季節

【対談構成】
流通科学大学学長石井淳蔵vs商人舎社長結城義晴
『流通革命』と「流通1.0⇒3.0」を語りつくす 
第1部「流通革命」とは何か
第2部流通革命は成し遂げられたか
第3部「流通3.0」は何か

【インタビュー構成】
日本アクセス田中茂治社長
「問屋無用論」の真偽を問う   
前編「日本の問屋は永遠なり」
後編「サービス価値提供業になる」

プラネット玉生弘昌の【特別寄稿】
脱流通革命「科学的問屋有用論」の要諦
卸売業の社会的有用性を数学的に証明する

【渾身Reportage】
「脱チェーンストア」本当の解
イオンリテール、イトーヨーカ堂、ユニー、イズミ――
総合スーパーは「破壊的再生」によって復権するか?

結城義晴【特集のあとがき】
「流通革命理論」と「脱チェーンストア」の弁証法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

では最後に再び、
今月の商人舎標語。
自ら軛を断て。

あなたは縛られていないか。
会社に、上司に、組織に。
あるいは観念に、慣習に、古い理論に。

牛が曳かれてゆく。
首の上に木製の棒がつけられている。
軛(くびき)である。

牛は何も言わない。
ただひたすら下を向いて、
のろのろと歩いてゆく。

  強制されているからか。
  それが自分の役目だとでも観念しているからか。
  それとも何も考えていないからか。

商人はもともと自由である。
一人の顧客と対面するとき、
一人の商人は奔放である。

ところがその自由な商人のなかに、
いつのころからか軛につながれる者が出てきた。
社畜と堕す者が生まれた。

ひたすら命令に従う者、
顧客や市場よりも体制に迎合する者、
権力や理論に従属する者。

  強制されているからか。
  それが自分の役目だとでも観念しているからか。
  それとも何も考えていないからか。

2015年が終わろうとする今、
そんな軛を、自ら断ちたい。
正々堂々、顧客や市場と向き合いたい。

組織人でありつつ、
独立自営商人の気概をもちたい。
自分で考えぬく脱グライダー商人でありたい。

あなたは今も縛られていないか。
会社に、上司に、組織に。
あるいは観念に、慣習に、古い理論に。

是非手に取ってみてください。
読んでください。
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今号は単行本のような一冊です。
正月休みの読書に、
1963年に奥田務さんが感動した、
この『流通革命』解説本をどうぞ。

〈結城義晴〉

2015年12月09日(水曜日)

万代熊取店・大和田店と阪急オアシス箕面船場店訪問

朝、目覚めると、堺港。
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昨日の講演は、うまくできたし、
満足感に浸った。

さて、ワタミの「過労自殺」訴訟。
東京地裁で和解が成立。

経緯はまず、2008年4月、
森美菜さんがワタミフードサービス入社。
神奈川県内の店舗に配属。
休日もほとんど取れず、
連日、午後から深夜、あるいは早朝にかけて、
長時間勤務を強いられて、
6月に自殺。

残業は月140時間以上、
過重労働が原因。

適応障害を発病したとして、
2012年2月に労災認定された。

森さんの遺族は12年9月に、
ワタミに対して協議を申し入れる。

13年、遺族は提訴。
ワタミ側は当初、
「法的責任はない」として争っていた。

2013年5月、ワタミ創業者の渡辺美樹氏、
自民党から参院選への立候補表明。

2014年3月、渡辺氏は東京地裁で、
「法的責任は見解に相違」と陳述。

しかしこの2015年12月、
ワタミ側が法的責任を認め、和解。

ワタミ側は約1億3000円を支払い、謝罪。
社員らの長時間労働防止策も盛り込んだ。

至極、当たり前のことだが、
研修会などを労働時間と認定する。

これは意外に重要なことで、
内部、外部の研修会への参加も、
労働時間である。

渡辺美樹氏の著書の言葉。
「365日24時間、死ぬまで働け」

朝日新聞によると、
裁判で明らかになった、
ワタミの実態はすさまじい。

店の営業は深夜に及ぶ。
終電以降もタクシーは使えないため、
始発まで店内で待機した。

仕事を終えて深夜帰宅した同じ日に、
東京の本社で早朝研修があった。
研修では、渡辺氏の理念集を丸暗記する。
満点をとるまでテストが繰り返された。

休日にはボランティア名目の研修。
渡辺氏の著作を読んで感想を書く課題もあった。
これも勤務時間外にこなさないといけない。

ワタミの労働環境の詳細も、
裁判で明らかになった。

「就業規則を労基署に届けていない」
「法定の休憩時間を与えていない」
「残業代を支払っていない」
「1日8時間を超えて働かせるときに
必要な協定が結ばれていない」
「始業・終業時刻を書面で示していない」
「健康診断を受けさせていない」

これらは労務管理の基本ばかり。

裁判で当初、渡辺氏は争う姿勢を見せた。
「道義的責任はあるが、法的責任はない」
しかし和解に際して、渡辺氏は認めた。
「自らの経営理念が過重労働を強いた」
「最も重大な損害賠償責任がある」

遺族代理人の玉木一成弁護士、
「広範な過重労働対策を認めさせた。
判決を得る以上の成果があった」

つまり、今後、こういった過重労働は、
判例に基づいて取り締まられるということだ。

ワタミや外食産業のこと、
他人事だととらえてはならない。

ただし、働く人たちが、
自分の意思で勉強することまで、
規制するわけにはいかない。

これが大事なところだ。

さて、朝一番で、
万代熊取店へ。

泉南郡熊取町に位置する。
昨日8日にオープンした、
万代2015年の集大成の店。
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1階が万代、2階にセリア、しまむら3業態が揃う。

案内してくれたのは
第5運営部長の塩崎芳弘さんと、
店長の竹中天志さん(右)。IMG_1532-1

売場面積580坪で、
レジの外側には、
インストアベーカリーと不二家ショップ。
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どちらも万代の直営部門だ。

ペコちゃんがお客を迎える。
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青果の導入部には、
地産地消の「近郊野菜」コーナー。
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鮮魚売場は対面式。
魚種が多く、加工度も高い。
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精肉売場では、
牛肉はもちろんのこと、
豚肉の品揃えが圧巻。
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昨日のオープン初日は、
3100万円を売り上げた。

2日目の今日も朝から、お客でにぎわう。
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熊取店の不二家は、
直営で運営していることもあって、
店舗外装にペコちゃんのイラスト。
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万代の600坪クラスの威力を見せつけた店だ。

次に向かったのは門真市、
万代大和田店。
熊取店の3日前、12月5日のオープン。
大和田商店街の中の、こちらは293坪。
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この300坪型が万代の「強み」。
300坪20億円が目標だが、
それも達成しそうな勢いだ。

万代では今、立ち売りを強化している。
売場にスタッフが出て、
お客に試食をすすめ、声掛けし、
商品を推奨販売する。

この日、鮮魚部門では、
マグロの解体ショーと立ち売り。
マグロのカブトを持って、
大きな声でお客に呼びかけるスタッフたち。IMG_7290-1

次々にお客が寄ってくる。
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そして試食しては、
次々に買ってゆく。
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惣菜売場では、
シシャモフライの試食と立ち売り。
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私の隣から、
第2運営部エリアマネジャーの楠誠司さん、
大和田店店長の田村将吾さん、
そして取締役の黒田久徳さん。IMG_7317-1
楠さんは10月に、
サンフランシスコ社員研修の団長を務めてくれた。

黒田さんはコーネル大学ジャパン実行の三期生。
黒田さんも10月にアメリカ視察をご一緒。
皆さん、丁寧に説明してくれて感謝。

黒田さんには、忙しい中、
急きょ、朝からずっと、
付き合ってもらった。

そして話題のもう1店。
阪急オアシス 箕面船場店。
11月18日にグランドオープン。
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1階が阪急オアシス、2階、3階がエディオン。
阪食が2年がかりで仕上げた渾身の店舗。

突然の訪問だったが、
志水孝行さんとバッタリ。
取締役執行役員店舗統括部長
兼店舗企画部長。

志村さんが店内をくまなく説明してくれた。
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キッチンスタジオでは、
チーズ、オリーブ、ハムソーを対面販売。
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育成商品は、人手をかけて販売する。
これが阪食のポリシーだ。

志水さんが店にいた理由。
それは青森からやって来た、
紅屋商事のお二人を案内していたから。

その紅屋社長の秦勝重さんと竹谷尚敏さん(右)。
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竹谷さんは私のFacebook友達で、
SM事業部営業企画部兼新規事業部マネージャー。

この店は阪食らしいオリジナル商品満載の
そして店づくりに趣向を凝らした意欲作。

万代、阪急オアシスの新店は、
『Weekly商人舎』で詳細を報告しよう。

しかし、万代も阪急オアシスも、
それぞれにしっかりと、
ポジショニングを確立している。

「業態の確立」の時代は、
とうの昔に終わった。

「業態確立」ができていない企業は、
生き残ってはいけない。

これは「労務管理の基本」と同じこと。
当たり前のことだ。

そのうえで、独自のポジショニングを築く。

それは同時に独自の教育体系と、
社員・従業員の「ハイコンシャス」に、
基づいていなければならない。

〈結城義晴〉

2015年12月08日(火曜日)

日経連載「流通第三極」と万代ドライデイリー会の報告/講演

今日は朝から、東海道新幹線。

残念ながら、富士の姿は見えない。DSCN9922

裾野は見えるが、
上のほうには、雲がかかる。DSCN9925

そしてすぐに、富士川。
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さて日経新聞総合欄の『迫真』
連載「動き出す流通第三極」
その第1回。

第三極とは、
ファミリーマートと、
ユニーグループホールディングス。
統合会社の国内店舗年間全店売上高は、
単純合算で約3兆8000億円。

ファミリーマートはコンビニの三番手、
ユニーは総合スーパーの三番手。

来年9月と発表されているから、
経営統合すれば、
三番手同士の第三極。

記事自体は「幻の人事」がイントロ。
「ユニーGHD会長兼最高経営責任者
ファミリーマート会長・上田準二」

ただし、この話、
あまり愉快ではない。

特に現場の店長や店員、
本部のバイヤーたちにとって。

さらにこの件に関してはずっと、
どこからか日経にリークがあって、
記者がそれに飛びついて、
その都度、記事にしているところがある。

これも現場の人間にとって、
おもしろい話ではない。

経営統合は速やかに行うべし。
そして次の方針を鮮明にすべし。

新聞報道が先行すべきではない。

現場が仕事しやすい環境を作る。
それが意思決定をするトップの、
義務だし、責任だ。

さて新幹線は、
ユニー本部のある名古屋を過ぎ、
新大阪へ。

すぐにホテルアゴーラリージェンシー堺へ。

万代ドライデイリー会総会。
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㈱万代の取引先の会。

万代副社長の山下和孝さんが、
直近3カ月の業績報告。DSCN9932
29カ月連続予算達成中。

私は聞き逃したが、
「ブリの立ち売り」の話が、
よかった…らしい。

その後、11月の米国勉強会の報告。DSCN9934

9つに分かれた各班から、
それぞれのテーマに沿って、
調査と観察と行動提起がなされた。

1班はエビを中心に水産部門の報告。DSCN9943

2班はカットフルーツと青果の調査報告。DSCN9959

3班はライブ感のある売り場づくりをテーマにした。DSCN9973

4班は調味料やスパイスを調べ、
アメリカの豊富なアソートメントを考察した。
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5班は住関連チームで、
「食とのコラボ」を提案した。DSCN0033

6班は、店舗からの情報発信の重要性を確認し、
それを実現する決意表明。DSCN0055

7班も現場から「商品に主張させる」提案。DSCN0068

8班はミート・チームで、
「アメリカ-日本=可能性」とまとめた。DSCN0084

そして最後に9班は、
HEBから「これやな!」と感じ取り、
自分たちの商売のやり方に、
自信を深めたと報告。
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9班までの報告が終わると、
間をおかずに、
結城義晴の総括と講演。DSCN0125

毎回90分くらい講演しているが、
今回は全チームの報告に時間を割いて、
私は45分ほど。
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各班ごとに、一言ずつ、
コメントして総括。
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メーカーや卸売業の人たちと、
万代の店舗、商品部のメンバーとの、
コラボレーション。

この「経験の共有」が、
本当のコミュニケーションを生む。

そのあと、私の講義の結論は、
マーケット・リーダーの戦略の本質。DSCN0158
ご清聴を感謝したい。

講演が終わると、
分科会に分かれて、報告会。

そして全員着席の懇親会。

開会の挨拶は、山名昇さん。
この会の副会長で、
ケイ低温フーズ社長。
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山名さんは、
私の「自ら、変われ‼」を引用して、
スピーチしてくれた。

そして怒涛の懇親。

あっという間に、時間がやってきて、
中締めは畑中秀太さん。
㈱あらた関西支社長。
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全員で三本締め。
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私は加藤徹さんと写真。
もちろん万代社長。IMG_7218-5

アメリカにご一緒した黒田久一さん。
㈱三晃社長。
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黒田さんは、
商業界スパークルで学んだ、
超のつく勉強家。

㈱アドバンス社長の磯田雅人さん。IMG_7221-5
同社は万代グループのメーカー。

そして常務取締役の阿部秀行さん。IMG_7223-5

最後はやはりMiracle前田。
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今日の会も前田さんが仕切った。
ご苦労様。

マーケット・リーダーは、
イノベーションが途切れると、
すぐにマーケット・フォロワーになってしまう。

おそろしい。

〈結城義晴〉

2015年12月07日(月曜日)

「ちゃんとやったほうが、おもしろくなる」と「モダンの逆走」

Everybody! Good Monday!
[2015vol49]

2015年第50週です。
12月第2週。
あと3週間と5日で、
今年が終わる。

師が走る「師走」。
今年も忙しかった。

しかし忙しさに、
ありがとう。

今週木曜日10日は、
公務員のボーナス支給日。
一般企業も、この時期にボーナスを出す。

そして来週火曜日15日は、
年金の支給日。
年金受給者の人たちも、
ちょっと懐が温かくなる。

Weekly商人舎の日替わり連載、
月曜朝一・2週間販促企画が、
そのことを指摘している。

商人舎magazineの日替わり連載は、
月曜日が2週間販促企画、
火曜日が2週刊天気予報。

どちらも「グライダー効果」がある。
引っ張ってもらうことの効用。

グライダー商人になってはならない。
しかし日常的な行動レベルでは、
『グライダー効果』は活用すべし。

さて糸井重里の『ほぼ日』
巻頭言は「今日のダーリン」

「年の暮れになると、
なにかと1年を振り返るよね」

「生き急いでいるわけでは
決してないのだけれど、
すいぶん、いろいろやってきている」

「仕事でも遊びでも同じなんだけれど」と断って、
ちゃんとやったほうが、おもしろくなる。
ちゃんとやらないと、おもしろくならない。

「これは、人がなにかするときの
『法則』みたいなものだ」

まったくの同感。

木枯や生き急ぐ手をふと止めて
〈朝日俳壇より オランダ・モーレンカンプふゆこ〉

今日は朝から横浜商人舎オフィス。
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窓のそとは、紅葉。
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午前中に當仲寛哲さんが、
やってきた。
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USP研究所所長。
お供は久保田大樹君。

ポルトガルにITの会社をつくった。
相変わらず、精力的な天才だ。

そのポルトガルの凄い商品を、
日本に普及させようという相談。

おもしろい。

さてさて日経新聞のオピニオン欄に、
「止められるか『近代の逆走』」

日経きっての論客・芹川洋一さんが、
世界の情勢について分析し主張する。

「秩序がくずれ混迷してしまうのか、
それとも新たな秩序づくりに動いていくのか」

私も関心を持つテーマ。

「イスラム国」(IS)によるパリ同時テロ、
そのISの本拠地シリアへの空爆、
そこで欧州に押し寄せるシリア難民、
一方で、ロシアのウクライナ侵攻、
波立つ南シナ海……。

芹川さんは、一本の補助線を引く。

ピーター・ドラッカー先生、
「20世紀の原理や原則を補助線とせよ」

そこで「モダン」を3区分する。
プレモダン、モダン、ポストモダン。

英国の外交官ロバート・クーパーの提唱。
著書は『国家の崩壊』。

第1は、権力がばらばらで、
国の体をなしていない混沌とした
「プレモダン」(前近代)の世界。

第2は、国民国家による
「モダン」(近代)の世界。
安全を保障するものは軍事力と考える。
国の主権が何より優先する。

第3は、相互信頼が尊重され、
国という枠組みを超えていく
「ポストモダン」(脱近代)の世界。
欧州連合(EU)がいちばん進んだ例。

クーパー・モデルは欧州統合を念頭に、
21世紀の国家の進むべき方向を示した。

芹川さんは、
理想型で魅力的な議論だが、
「どうにも一本調子では進んでいない。
むしろ逆走している」と否定的だ。

「ク―パー・モデルの逆回転こそが、
世界の現状ではないか」。

ISはまさにプレモダンの世界。
パリの同時テロも9・11も、
プレモダンからポストモダンへの攻撃だ。

それに対するフランスの行動は、
ポストモダンの態度ではない。
モダン国家そのもの。

さらにモダンからポストモダンへの挑戦の例。
ロシアのウクライナ介入、
中国の南シナ海「9段線」の自国領化。

新潟県立大の山本吉宣教授。
「08年のリーマン・ショック以来、
モダン国家の力が相対的に強くなった。
ポストモダンが引っ張られて
モダンの世界に逆戻りしているものの、
なくなったわけではない。
プレモダンを含めて3つが併存している」
これが正しい認識だ。

Forbesのグローバル500。
世界の企業ランキング。

最新版のトップは、
やはりWalmart、年商4857億ドル。
第2位は、Sinopec Group、4468億ドル。
第3位はRoyal Dutch Shell、4313億ドル。
第4位China National Petroleum、4286億ドル。
第5位Exxon Mobil、3826億ドル。

2位と4位が中国の石油会社。
アメリカは1位のウォルマートと、
5位のエクソン。

第6位BP、3587億ドル。
第7位State Grid、3394億ドル。
第8位Volkswagen、2686億ドル。
第9位Toyota Motor、2477億ドル。
第10位Glencore、2211億ドル。

7位に中国の電力会社。
日本は9位のトヨタ、
ドイツは8位のフォルクスワーゲン。

モダン国家の中国が、
グローバル企業ランキングを、
近代に引き戻している。

モダンによるポストモダンへの挑戦の結果、
「ポストモダン国家は再近代化し、
近代国家は近代秩序からはみ出そうとし、
プレ近代は国際秩序そのものを否定する」。

これを「常態」ととらえて芹川さんは、
「ニューモダン」(新しい近代)と名づける。

芹川論説委員長の結論。
「だからこそ、うまく管理し
近代の逆走をとどめることを考えないと、
世界は無秩序の淵に追いやられる」

ん~、最後が惜しい。
どう「うまく管理」すればいいのか。

「ニューモダン」の新語も、
もう一歩か。

ここはフリードリヒ・ヘーゲルの弁証法を信じつつ、
やはりポストモダンの理想を、
追い続けるしかないだろう。

私はそう思う。

ストーブに話煮詰めてをりにけり
〈同 北海道鹿追町・高橋とも子〉

年の瀬には、
世界のことを考える。

もちろん、
ちゃんとやったほうが、
おもしろくなる
ことも。

ではみなさん。
最後の3週間と5日間。
ちゃんとやりましょう。
その方が断然、おもしろい。
Good Monday!
〈結城義晴〉

2015年12月06日(日曜日)

ジジとおとうさんのパット[日曜版2015vol49]

ジジです。
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おとうさん、
アメリカからかえってきて、
はじめての日曜日。

でも、ボクがおきたら、
もういませんでした。
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朝日をあびて。
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田んぼのなかを、いった。
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だから、ボクは、
ねてました。
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一日中。
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そうして、夕方。
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おとうさんは、
もどってくる。
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ジェットプレインがみえる。
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おうちのなかも、
くらくなる。
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部屋のあかりをつけて、
まちましょう。
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はやく、かえってきてください。
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ランプもつけました。
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あれれっ?
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ボク、しらない。
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あれれ、れれっ?
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あれれ、れれ、れれっ?
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おとうさん。
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いたずらしないでください。
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パットは、うまくいきましたか?
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「うん、すっごく、よかった‼」

そう。
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それは、よかった。
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でも、つかれたでしょう。
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ゆっくり、やすんでください。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2015年12月05日(土曜日)

ライフ「セントラルスクエア押上駅前店」グランドオープン‼

昨日で月刊『商人舎』12月号が終わり、
今日は早朝から渋谷経由で、
半蔵門線に乗って押上駅へ。
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スカイツリーはやはり巨大だ。
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東京ソラマチも好調。
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北野エースが入っている。
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しかしこちらは観光スポット。

スカイツリーの真ん前に、
ライフ「セントラルスクエア押上駅前店」が、
グランドオープン。
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京成電鉄のビルで、
1階と地下1階にライフ、2階がニトリ。
3,4階が駐車場。

5階からはホテルが入る。

オープン前の開店セレモニー。
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ライフコーポレーションの幹部のみなさんが、
豪華に勢ぞろい。
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ライフ社長の岩崎高治さんと、
ニトリホールディングス社長の似鳥昭雄さん。
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セントラルスクエアのフォーマットは、
首都圏では初の出店。

関西圏ではすでに5店、出店している。

地下1階は生鮮3品とグロサリー、冷凍食品。
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フラワーから始まる青果部門。
回遊性を意識した動線。
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曲線を描く、見事なイチゴの陳列。
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1階にはインストアベーカリー、惣菜、
リカー、ドラッグストア、そしてカフェ。

量り売りのライフバッフェ。DSCN0089-1

フレッシュジュースを提供する、ジュースバー。DSCN0086-1

ライフカフェでは、
パスタ、ピザ、飲料を提供。
もちろん購入した商品を持ち入り食べることもできる。
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正面入口左翼に設けたライフドラッグ。
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実はこのコンセプトが面白い。
〈謎解きはweekly商人舎にて〉

地下1階では清水信次会長と、
岩崎社長を囲んでの記念撮影会。
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女性社員たちは、うれしそうだ。
岩崎社長が床に座っているが、
これが実にいい。
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9時のオープンを迎える。
清水さんもお客を出迎え。
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開店前に並んだお客が、
どんどん入店する。
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地下1階に向かうお客が多い。
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スタッフが入場制限をしつつ、
お客を迎え入れる。
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店内を回っていると、
取締役の堤はゆるさんとバッタリ。
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月刊『商人舎』6月号、
「女性が働きたい店・会社・産業」特集に、
登場いただいた。

そして同じビルにある、
ホテル会場で記者会見。
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初めに首都圏ストア本部長の村田哲也さん。
押上店のコンセプトを丁寧に説明。
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岩崎さんは記者からの質問に、
的確にこたえる。
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清水さんは、
店については多くを語らず、
「岩崎社長に任せてある」と、
にこやかな顔。
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ところが記者から、
軽減税率について質問が投げかけられると、
一気に顔つきが変わった。
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これまでの売上税反対の経緯から、
消費税導入とその増税の経緯を、
すべてにわたって記憶力よく語り、
そして改めて軽減税導入への反対を表明。

「生鮮食品は毎日、相場変動がある。
それは2割に及ぶこともある。
そんな生鮮を2%分、軽減しても、
顧客には何のメリットもない。
政治家や官僚という商売の素人が、
法律を決める権限を持っているが、
それにはきちんと話をして、
反対していきたい」

まさに正論。
私ももろ手を挙げて、
賛成です。

会見後のホテルのロビーで、
岩崎さんと話をした。
専務の並木利昭さんとも、
ずっと話をしていた。
だから3人で写真。
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岩崎さんは、実に、
スーパーマーケット経営者が、
板についてきた。
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私にはそれが、
ことのほかうれしかった。

間違いなく、日本のチェーンストアを、
けん引する、ひとりは岩崎さんだ。

ライフ「セントラルスクエア押上駅前店」も、
ちょっと注文はあるけれど、
メルクマールたる、いい店になるだろう。

〈結城義晴〉

2015年12月04日(金曜日)

林周二『流通革命』とビックカメラ・国美電器集団の提携

月刊『商人舎』12月号最終責了日。
いい雑誌ができました。

今月は『流通革命』をテーマにした。
重すぎる命題だけれど、
一度は決着をつけておかねばならない。

しかし毎月毎月、こうして、
1冊ずつ仕上げることの喜び。

幸せです。

ご期待ください。

さてその最終日に、
午前中から来客。

前田仁さんと小阪裕介さん。
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そうミラクル前田と、
レジェンド小阪。

アメリカで2週間、
一緒だった。

来年の打ち合わせにやってきてくれた。

中国に行こう。
そう思った。

それ以外のもろもろも含めて、
意見交換し、決めることは決めた。

2016年も、ものすごく忙しくなりそうだ。
ありがたいことではあるけれど。

その後、夕方から、
忘年会。

そういえば、もう、
忘年会シーズンに入っている。

これからそれが続く。

しかし、1年が充実していれば、
年忘れといっても、
楽しいことばかり。

ブルーチップの面々と、
東京・赤坂のねぼけ。
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見事な玉龍。
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名人・松本勉作。

外国人観光客も、
この玉龍を目指して来店する。DSCN7681-5

宮本洋一社長と、
ブルーチップ幹部の面々。
右から金田正勝さん、中野茂さん、
左から菊池二郎さん、鍋島丈夫さん。
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仕切りは真ん中の松井康彦さん。
商人舎エグゼクティブプロデューサー。

金田さんはこのたび、
ビーコミュニケーションズグループ㈱の
取締役財務部長に就任。
同社はブルーチップの持ち株会社。

今年、宮本さんが、
阿波踊りに行ったという話から、
ずいぶん盛り上がった。
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その後、銀座で二次会。

と思ったら、ばったり、
本庄大介さん。
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ご存知、㈱伊藤園社長。

楽しい夜は、
楽しい人と出会う。

さて、ビックカメラが中国企業と提携。
日経新聞企業欄。

中国の小売業界は、
家電チェーンが上位を占める。

2011年までは、
第1位が蘇寧雲商集団。
第2位が国美電器集団。

現在は第2位に、
ネット通販の「天猫」(T‐mall)が躍り出た。
これがアリババ集団。

国美電器はその分、下位に下がって5位。

ビックカメラはその国美と組んで、
中国でインターネット通販をスタートさせる。

国美にとっては、天猫への対抗策となるし、
ビックカメラは中国進出の足掛かりになる。

「国美の通販サイトにビックが出店し、
デジタルカメラや理美容家電など
商品450点を取り扱う」

物流は国美が担当。
PRも国美が店頭で展開。

中国人の「日本の家電への関心」は、
極めて高い。

今年の流行語大賞に入った「爆買い」。
その対象の一つも家電。

個人向け通販は、
輸入に伴う税率が低い。

国美の通販サイト「国美在線」。
なんと1億2000万人の会員を有する。

ビックカメラは同サイトの「日本館」に出店。

小型家電はもちろん、
腕時計や紙おむつなど、
日用品までを取り扱う。

ただし、当然のことながら、
国美が中国店舗で販売する商品を、
ビックカメラが通販で扱うことはないし、
「ビックは通販の売り上げに応じて、
国美に手数料を支払う」

その仕組みと手順。
「商品購入の注文を受けると、
ビックが国美の大阪の倉庫に商品を配送。
国美が週1回の船便でまとめて
中国国内の保税倉庫に持って行き、
通関手続きを終えた後で
消費者の自宅まで届ける」

つまり物流は国美。

注文から配達までに、
2~3週間かかるが、
それでも日本製の家電を欲しい中国消費者は、
それこそ、ごまんといる。

ジャパン・テクノロジーは、
中国では高い評価を受けている。

その中国の消費者が、
海外の商品をネット通販で購入する場合、
個人輸入扱いとなる。
この個人の「行郵税」は低い。

一方、企業が輸入する場合には、
関税と「増値税」がかかる。

増値税が一般に言われる消費税。

例えば、炊飯器の場合、
通常は約50%の税金がかかる。
しかし通販なら20%。

さらに国美在線は、出店費用が安い。
中国最大のネット通販サイトは、
第2位小売業のアリババ集団の天猫。

もちろん国美在線は、
天猫よりも安い。

ビックカメラの訪日外国人向けの売上高は、
現在、全体の12%程度まで上昇中。

さらんに同社は2016年8月期に、
ネット通販の売上高(連結ベース)を、
750億円に増やす計画。
前年同期比1割増。

国美電器との提携、
実に大きな足掛かりとなる。

私も来年は、
中国を訪れる。

そして中国の流通を学ぶ。

林周二著『流通革命』は、
いまの中国でこそ、
有益な理論だとも考えられる。

〈結城義晴〉

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