結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年08月10日(水曜日)

月刊商人舎月号「商品前線」とイオンの「役割等級制度」

月刊商人舎8月号、本日発刊!!
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特集  All Quiet on the Merchandising Front

商品前線異常なし!

ウェザー・マーチャンダイジングの決定的新機軸

気象の世界には「梅雨前線」や「秋雨前線」があって、そこから「サクラ前線」や「紅葉前線」が登場した。そして、その延長線上に「おでん前線」や
「アイスクリーム前線」が生まれた。ならば、「豆腐前線」も「スイカ前線」も、「マスク前線」もあってよい。
そう考えると全国パネルのPOSデータと天候データを融合させて、ほとんどの商品品種に日本列島の「商品前線」を描くことができる。英語では「Merchandising Front」となる。
その「商品前線理論」を全面特集した。
それはいわゆる「ウェザー・マーチャンダイジング」の発展形の実務理論である。しかしこの「商品前線」は顧客と接する局面では、顧客心理を読み取って、個店経営のためのウェザー・マーケティングとして駆使されねばならないし、仕入れ調達のマーチャンダイジング局面では、まさに「商品産地出来ばえ情報前線」へと展開されねばならない。
その結果、製配販のサプライチェーンはデマンドチェーンと融合していって、「商品前線異常なし!」の世界を創造するのである……。

CONTENTSを示そう。

[Message of August]
良きウェザー・マーチャントたれ! 

ウェザー・マーケティング進化論
「商品前線理論」を活用するために 結城義晴

徹底議論[常盤勝美・鈴木國朗・結城義晴]
「商品前線」理論のすべて
天候MDの現在と未来を語り合う
[第1部]ウェザーMDの停滞
[第2部]「商品前線」理論の要諦
[第3部]「商品前線」の近未来

ウェザーMD体系と日本列島商品前線論
第1部 ウェザーMDの基本と実践
第2部 日本列島商品前線総まくり

[40商品前線カタログ]  
ビール・発泡酒前線/だいこん前線/木綿豆腐前線/のど飴前線/じゃがいも前線/秋季チョコレート前線/おでん前線第一波・おでん前線第二波/白菜前線・白菜ピーク前線/マスク前線/牛肉しゃぶしゃぶ用前線/タラ前線/牡蠣前線/鍋つゆ(すき鍋)前線/リップクリーム前線/風邪薬前線/ボディローションクリーム前線/使い捨てカイロ前線/緑茶前線/ヨーグルトブレーキ前線/食パンブレーキ前線/アイスクリーム前線/そうめん前線/ささみ前線/牛肉焼肉用前線/絹豆腐前線/トマト前線/麦茶前線/ナス前線/チューインガム前線/キュウリ前線/メロン前線/スイカ前線/えだ豆前線/制汗防臭剤前線/殺虫剤前線/UVケア用品前線/ドリンク剤前線/虫刺され薬前線/ブドウ前線/スポーツドリンク前線

巨匠・鈴木哲男の大提言
ウェザーMDの実践手順と応用技術
地域顧客の生活実感を胎内化する仕組みをつくれ!!

セブン-イレブンの発注力とウェザーMD
「仮説・検証」と3つの力が決定的な差をつける!!
信田洋二
・・・・・・・・・・・・・

今回は常盤勝美さんと、
半年も前から念入りに打ち合わせをして、
完成した特集です。

常盤さんとディスカッションしていて、
「商品前線」の概念が浮かび上がった。

POSデータの全国パネルを持つのが、
カスタマー・コミュニケーションズ㈱。
略称CCL、ブランドはTRUE DATA。

TRUE DATAのビッグデータと、
ウェザーマーチャンダイジングが融合して、
「商品前線」が誕生した。

今後も、この「商品前線理論」は、
常盤さんとCCLによって進化するだろう。

CCLのPOSデータだけでなく、
ID-POSデータを活用して、
「商品前線」は、さらに、
総合的で実践的に変貌するだろう。

そんな特集になった。

ご愛読を願っておきたい。

今日は午前中に、
自宅で原稿書き。
オール日本スーパーマーケット協会機関誌。
「AJSネットワーク」

原稿を送ってから、出社して、
今度はWeekly商人舎の
週刊特別企画をページアップ。
「2015年度コンビニ調査結果を評論する」

その後、石澤清貴先生来社。
特定社会保険労務士で、
㈱商業界時代からお世話になっている。

その後、税理士の宮田昇先生も登場。
創業の時からの商人舎の顧問税理士。

そして商人舎御用達の魚盛で暑気払い。

ずいぶん盛り上がったし、
新しいご提案もいただいて、
私は大満足。
DSCN7874-6

横浜駅の壁面展示。
DSCN7878-6

開港の絵柄が美しい。
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さて日経新聞朝刊一面トップ。
「イオン、地域社員を幹部に」

私は「これだなっ!!」と思った。

7月28日(木)のブログで、
岡田元也さんの言葉を紹介した。
場はイオンメディア懇談会。

「イオンには三つのコンセプトがあります。
平和産業、人間産業、地域産業。
もしわれわれが本当に、
この三つを実現できているとしたら、
いま、われわれには、
すごい追い風が吹いています」

「とりわけ地域産業という面では、
地方のミスマッチ・アンマッチに対応すれば、
相当大きなビジネスになる」

「この方針は決まった!!」

私は書いた。
「地域産業としてのイオンの戦略は、
もう変更なしで突っ走るということだ」

今日の記事は、それを証明した。
中核事業イオンリテール㈱の人事制度刷新。

「転勤のない地域社員が
店長や部長など幹部クラスの上位管理職に
昇格しやすくする制度を
2017年春に導入する」

「年収の実質的な上限も
1000万円程度にする」

地域社員の年収1000万円は、
本当に珍しい。

「保育や介護を抱える人材の離職を防ぐ」
「地域に根ざした専門性を備える人材を育成」

これが地域産業としてのイオンの、
考え方の基本となる。

イオンリテールの正社員は約2万人。
現在は「職能資格制度」を採用している。
ここでは個人の経験や能力をもとに
報酬が決まる。

しかし転勤できる「全国社員」のほうが、
地方の小型店などで管理経験を積みやすい。
だから現行制度では事実上、
地域社員よりも全国社員のほうが、
上位の管理職に就くことが多かった。

上位管理職の「部長・大型店店長級以上」は、
約800人。
そのうち、地域社員はたった1人。

新しく導入される人事制度は、
「役割等級制度」

役職や職務の内容をもとに報酬を決める。
過去の経験にかかわらず、
与えられた役割に対する成果を
評価の対象とする。

これによって、地域社員と全国社員の間の、
昇進の格差をなくす。

地域社員は現在、正社員の4分の1強。
将来的には地域社員の上位管理職は増えるし、
上位管理職に昇格した地域社員は、
取締役など役員に起用される可能性も増える。

つまり「人間産業の地域産業」になる。

今回イオンは、
店頭販売員を対象とする「専門職コース」も、
新たに設けられる。

現行制度では、
主任や課長を経験しなければ
部長や店長になれない。

それを見直して、
売場や商品に精通した人材に、
上位管理職への門戸が開かれる。

さらに約10万人の時間給従業員を、
正社員に登用する。

「職能資格制度」から「役割等級制度」へ。

古典的な人事管理制度から、
ポストモダンのマネジメント制度へ。

岡田元也さんの「決まった!!」は、
これだった。

日経一面トップにふさわしい決断だ。

〈結城義晴〉

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