結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年08月25日(木曜日)

村営スーパー「かあべえ屋」とセブン-イレブン「欠品の見える化」

Weekly商人舎週刊特別企画公開。
[短期集中連載]
首都圏最新店舗研究②
サミットストア羽衣いちょう通り店
546坪の第4次新MD型フォーマット
DSCF5663

サミット㈱の2016年3月期決算、
売上高は2663億円、
経常利益は64億6900万円。
店舗数は114。

田尻一前社長の最後の実績。

竹野浩樹新社長の最初の仕事は、
この店のオープン。

服部哲也取締役常務執行役員と、
星野郁夫取締役執行役員が答えてくれた。
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ぜひ読んでください。

商人舎IDホルダーしか読めませんが、
悪しからず。

今日は雑誌が2誌届いた。
DSCN8362-6
月刊コンビニと月刊MD。

月刊コンビニは現在、
㈱アール・アイ・シーが主催している。
昨年末、㈱商業界から売却された。

しかし、毛利英昭発行人兼編集長、
なかなかのもので、いい出来栄え。

メイン特集は、
「予約商品」獲得の仕組み

編集委員の梅澤聡さんが、
頑張って、雑誌づくりも丁寧だ。
梅澤さんは㈱商業界前取締役で、
私の後輩。

ただし一言。

書評欄「Books Review」で、
『コンビニ人間』を取り上げているが、
この芥川賞作品は、
今月号のトップに、何とか、
緊急でもいいから取り上げてほしかった。

わが月刊商人舎では、
8月号の巻頭論文で、
この小説のフレーズを使った。

そんなタイミングが、
雑誌づくりには求められる。

もう一つの月刊MDは、
ドラッグストアの経営誌。
特集は「元気店長列伝」 
5人の店長の取材記事。
スギ薬局、トモズ、杏林堂薬局、
ココカラファインとツルハドラッグ。

それだけ。

店長のマネジメント理論もないし、
統計資料もない。

ただの2ページ取材記事の羅列。

ちょっと、がっかり。

主幹の日野眞克さんも、
編集人の宮﨑文隆さんも、
㈱商業界時代の後輩なので、
頑張ってほしいところだ。

コンビニやドラッグストアの、
店づくり、商品づくり、人づくりと同様、
経営専門誌づくりも、
ドキドキワクワクが必須だ。

そして一誌一誌、
子供を育てるように、
愛でながら、つくりあげたい。

さて、朝日新聞は最近、
経済や流通に弱い。

とくに日経新聞には大きく離された。
しかし今朝の『天声人語』

東京都の檜原村に今夏、
初の「村営スーパー」が開店。

これを全日食チェーンがサポートした。
ご存じ、日本最大のボランタリーチェーン。

「地元にコンビニかスーパーがほしい」
過疎化していく村民の年来の声。

かつて6000人を超えた人口が、
現在は2300人。

商店も今や10店。

コンビニ各社に出店打診をしたが、
毎日の客数300人、月商900万円が、
損益分岐点で、それに満たない。

そこで資金9500万円で、
第3セクターを立ち上げ、
全日食チェーンに加盟して、開店。

全日食は全品供給をする。

店の名は「かあべえ屋」

「村の人の使う言葉『買うべえ』から付けた」

村職員の藤原啓一さん。
「新鮮な肉や魚、卵や牛乳が買える拠点は
村に欠かせないインフラです」

そのとおり。

記事の最後の一文。
「レジに列をなす人々の表情は
とびきり明るかった」

全日食チェーンにも期待しよう。

がんばってくれ。

同じく朝日新聞『日々のことば』
鷲田清一編著。

毎日、いいので、
毎日、引用している。

礼は、頭を下げるときでなく
顔を上げるときこそ丁寧に。
(老舗の女将)

京都の旅館の女将に鷲田さんが教わった。
「顔を上げるとき相手の姿に
ゆっくりと目をやること。
一期一会のご縁を大切にしたい、
心をほどいてごゆっくり、とのメッセージか」

「すると客も『こちら様』ではなく
『あなた様』として迎えられたと思う」

「もてなしとは、客人に
普段とは違う時間を用意してあげること」

すべての商売、
すべてのビジネスに、
共通すること。

大朝日の一面が、
商売の極意で埋まった朝だった。

日経新聞は一面で、
「コンビニ、欠品ゼロへ」

要は、セブン-イレブン・ジャパンが、
10年ぶりに情報システムを刷新する話。

投資額は過去最高の520億円。
「店舗に配る新型の発注端末に
売り切れ間近の商品を
従業員に知らせる機能を持たせる」

ご存じ、コンビニの4大原則。
品揃え(欠品しないこと)
②鮮度管理
③クリンリネス
④フレンドリーサービス

フードサービス業は、
三大原則でQSCという。
Quality、Service、Cleanliness。

コンビニの鮮度管理は、
Quality管理でもあるから、
三つの原則は同じ。

だから品揃え(欠品しないこと)は、
外食と小売りの違いを示す重要原則。

今回はそのコンビニ第一原則に関する、
システム刷新。

今秋までに発注端末・パソコンなど、
機器の更新を完了し、
2017年度から順次、
新システムの運用を始める。

「新型の発注端末は
飲料や菓子などの加工食品、雑貨について、
各店の発注個数や販売個数、
売れ行きから見た適正在庫の情報をもとに、
追加すべき商品を液晶画面に表示する。
警告音でも注意し、
欠品をゼロに近づけることをめざす」

スーパーマーケットなどで大流行の、
「自動発注」と呼ばれる仕組みも、
各社の考え方によってずいぶん異なるが、
セブン-イレブンは人による発注を、
あくまでも基本とする。

その人間の判断を助け、
欠品防止に貢献するのが新システムだ。

新型端末では、
「弁当や総菜についても、
いつ売り切れになったかを
従来より簡単な操作で
確認できるようにする」

このシステムの刷新により、
約2900品目に上る店頭商品の大半で、
「欠品状況の『見える化』が実現」する。

すばらしい。

井阪隆一セブン&アイHD社長、
古屋一樹セブン-イレブン・ジャパン社長。

なかなかいい線をついてきた。

来2017年夏からは、
「クレジットカード決済端末」を組み込んだ、
新型レジも導入する予定。

多分、月刊コンビニも、
この記事の特集を組むだろうが、
「スピード」は何よりも大事だ。

もちろん「記事の欠品」も許されない。

雑誌づくりも店づくりも、
全く同じなのだ。

今日はちょっと、
先輩ぶってみた。

お許しを。

〈結城義晴〉

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