Everybody! Good Monday!
[2016vol32]
2016年第33週。
8月第2週。
昨日の立秋が過ぎ、もう、
残暑お見舞いします。
広島原爆投下の8月6日(土曜)が終わり、
長崎投下の「原爆の日」9日(火曜)がやってくる。
そして15日(月曜)は終戦の日。
今週木曜の11日が山の日の祭日。
それから13日(土曜)から16日(火曜)まで、
2016年のお盆。
『広辞苑』では、
「盆」は「盂蘭盆(うらぼん)」の略。
「種々の供物を祖先の霊、神仏、
無縁仏に備えて冥福を祈る」
一般には「墓参・霊祭を行い、
僧侶が棚経にまわる」
現代社会では、
先祖の霊や神仏を、
信じるか否かは別にしても、
よく知る先祖には感謝し、
今、生きている人々が、
様々に交流を重ねる。
だからこの時期、
人々は故郷に帰省する。
〈朝日俳壇より 船橋市・藤井元基〉
日本にとって、特別なときだ。そして甲子園では夏の高校野球。
その高校野球出身のイチローは、
大リーガー30人目の3000本安打を記録して、
珍しく涙を見せた。
南米リオデジャネイロでは、
オリンピックが序盤の盛り上がりを見せる。
〈同 菅沼ひろし〉
朝日新聞『折々のことば』
選んだ孤独はよい孤独
(フランスの言い習わし)
編著者の鷲田清一さん。
人々から見捨てられていると感じること、
世評を気にせず自己の内に深く沈潜すること。
前者は「ロンリネス」(ひとりぼっちの寂しさ)、
後者は「ソリチュード」(孤独)。
両者はまったくの別ものである。
「町なかで人々と一緒に暮らしながら、
ひっそりとした一人の時間を
大事にする生き方」
評論家・川本三郎は、
これを「市隠」という。
日本中が、世界中が、
盛り上がるときにこそ、
「市隠」のソリチュードには、
価値があると思う。
先祖の霊や神仏を信じるか、
市隠を選ぶか。
いずれにせよ、
日本の夏はそんなときだと、
つくづくと思う。
さて月刊商人舎8月号特集。
「一・十・百・千万代スタディ」
おかげさまで、大好評。
ありがとうございました。
スタディの中で取り上げたのが、
兵庫県尼崎市の万代塚口店。
JR福知山線塚口駅前再開発エリアに、
今年2月9日にオープン。
複合施設「ミリオンタウン塚口」の核店舗。
売場面積は674坪でワンフロア。
万代では西宮前浜店の750坪に次ぐ広さ。
商圏は半径1km内を設定しているが、
その世帯数は1万7000世帯、
人口は3万7700人余り。
この基礎商圏のうえに現在、
周辺にマンション群の建設が進む。
3年後にはすべてが完成し、1271戸。
この万代塚口店のコンセプトは、
「生鮮強化」。
「農水畜で合計45%の売上構成比をとる」
藤本誠次店長は語る。
現状の売上構成比は、
農産15.66%、水産10.76%、畜産13.91%で、
合計40.33%。
それを45%までもっていく。
農産部門では、
野菜売場はオープンケース24尺、平台128尺、
地場野菜コーナー20尺。
合計172尺で450~480アイテム。
水産売場では壁面とオープンの2カ所に、
対面キッチン売場を配置する。
オープンの島型対面キッチンでは、
常時、従業員が商品づくりを行う。
豚肉は140~150アイテムで、
牛肉を上回る品目数。
その豚肉は「さつま極味豚」を全面に訴求。
左翼のコーナーに設けられた惣菜部門。
家庭の味を出すことがテーマで、
そのために徹底して素材や調味料を、
家庭用でつくる。
We Cook what we Sell,
and we Sell what we Cook.
イータリーのコンセプトが、
現在の万代の惣菜部門の戦略だ。
惣菜と日配をゾーン化した第3コーナー。
万代は関西ダントツを標榜する。
つまり売上高ナンバー1を意味する。
それはつまり「安売り屋」と、
誤解を受ける要因のひとつでもある。
しかし、現在の万代は、
全く違う。
表面だけ見て、
真似しようと考えても、
それができない。
繁盛店であればあるほど、
セミセルフレジ導入はメリットが高い。
ジェイ・B・バーニーが説くのが、
VRIO分析。
競争を優位に展開するには、
その源泉に企業独自の経営資源がある。
その経営資源や組織能力は、
4つのフレームワークで分析できる。
第1は経済的価値(Value)、
第2は希少性(Rarity)、
第3が模倣困難性(Inimitability)、
そして第4が組織力(Organization)。
万代の塚口店には、
この4つの観点からみた競争優位性がある。
この分析なしに、
表面的な真似をしても、
それは第1の経済的価値の模倣に過ぎない。
そして模倣は、
第2の希少性を生み出さないし、
第3の模倣困難性は、絶対に実現できない。
それは長続きしないし、
なによりイノベーションが起こらない。
塚口店の今期予算は日販850万円。
足元商圏のマンション戸数が増えていくと、
来期は900万円、来々期は1000万円。
企業経営においても、
選んだ孤独はよい孤独となるべきだ。
常にそれを志向すべきである。
お盆のこの時期にも、
それを忘れてはならない。
では、みなさん、
今週も、Good Monday!
〈結城義晴〉