結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年08月20日(土曜日)

陸上男子400mリレー銀メダルとチームマネジメントの国民

RIO2016。
残すところ2日となった。

第15日、日本にとって、
奇跡が起こった。

不思議の勝利。

といっても第2位だが、
陸上男子400mリレーで銀メダル。4snapshot

37秒60の記録は、
アジア新記録。
国別では世界歴代3位。

人類最速を証明するのが100m走。
それを4人の走者がリレーして、
400mで世界第2位。
8snapshot

優勝はウサイン・ボルトのジャマイカ。
これは別格中の別格。3snapshot

日本はアメリカとカナダを抑えて、
第2位の銀メダル。

奇跡は英語で、miracle。
超自然のものとされるできごと。
人間の力や自然法則を超えたできごと。

人間の、日本人の、
4人の男がやり遂げたこと。
7snapshot
それを超自然のことと表現するのは、
ほんとうに申し訳ないけれど、
それくらい、すごいことだ。

ありがとう。
おめでとう。

このRIO2016は、
女性が活躍していると書いたが、
それも改める。

日本人選手、
みんな躍動した。

一人ずつを見ると、
100m、10秒を切る選手はいない。
個人種目で決勝に残った者もいない。

それなのに4人で37秒60。
平均すると一人、9秒40。

ボルトの100m決勝タイム9.81を上回る。
6snapshot

チームワークとバトンリレー技術のたまもの。
もちろん一人ひとりがアスリートとして一流。
2snapshot
50mずつ8人で走ったら、
日本が世界一かもしれない。

私はチェーンストアのことを考えた。

1店舗ではできないことをやり遂げる。
それがチェーンストアのご利益。

日経MJから2015百貨店調査が発表された。
新宿伊勢丹が第1位で年商2725億円。
第2位は阪急梅田店で2184億円。

1店舗で2000億円を超える、
ウサイン・ボルトのような小売業。

しかし2016年の日本小売業ランキングで、
年商2000億円を超える企業は68社。

第1位イオンの8兆1767億円、
第2位セブン&アイHD6兆0457億円から、
第3位 ファーストリテイリング1兆6818億円、
第4位 ヤマダ電機1兆6127億円、
第5位三越伊勢丹HD1兆2872億円、
第6位J.フロントリテイリング1兆1636億円。
第7位ユニーグループHD1兆0387億円。

チェーンストアとして、
チームワークで仕事をしなければ、
1兆円を超えることはできない。

もちろん2000億円も、
1000億円も、500億円も、
300億円、100億円も、
達成することはできない。

何しろ1店舗で日本最大の存在が、
年間売上高3000億円を超えられないのだから。

ここで結城義晴「鎖の経営」

「連鎖店」と表現されたチェーンストア。
店が鎖のようにつながって、社会貢献する。
「鎖のような営業形態」には二つの意味がある。

一つは鎖の重さ。
一つは鎖の強さ。

軽くて強いものが、良い鎖である。
すなわち良いチェーンストアは、
軽くて強い。

まず、鎖の重さとは、
経費である。

すべての店が、すべての部門が、
それぞれに経費を軽くすることに
重点を置いて仕事する。

すると鎖全体は、軽くなる。
一つの輪のコスト削減は、
全体の経費を軽くするのである。

では鎖の強さとは、
なんだろう。

鎖の強さとは、
一番弱い輪の強度である。

強い力で鎖が引っ張られると、
最後には最も弱い輪のところで
切れる。

だから、
一番弱い輪の強度が
鎖全体の強さとなる。

チェーンストアは鎖である。
鎖のような営業形態で、
社会貢献している。

従って、チェーンストアの強さとは、
最も弱い店の、
顧客満足度ということになる。

チェーンストアに標準化が要求されることも、
スクラップ&ビルドが不可欠なことも、
それが鎖そのものであることを示している。

チェーンストアの日々の分業はすべて、
鎖のように絡み合って、
互いに作用・反作用の関係にある。

故に、チェーンストア運営の強さとは、
全体の中で一番弱い店の、
その「強度」ということになる。

チェーンストア全体の問題解決の焦点も、
一番弱いチェーンの輪にあることは、
その名称が示している。

話は戻って、リオ五輪から考えること。

これからの日本スポーツ界は、
チームプレーの競技に、
注力するのがいいだろう。

それが日本人という国民の特徴である。
つまりポジショニングである。

そう考えてみると、
体操の内村航平は、
団体戦にこだわっていた。

シンクロナイズドスイミングは、
チームとデュエットで銅メダルを獲得した。
そしてこのチームプレーからは、
井村雅代監督というリーダーの存在が、
必須であることを教えられた。

お家芸の柔道はいまだ、
個人戦の印象がぬぐえなかったが、
「全階級メダル」のチーム目標は掲げられた。

個人競技に見えるレスリングも競泳も、
これは完全にチーム全体で、
闘い、仕事していた。

卓球もバドミントンも、
団体やチームのほうが強かった。

それを見ている私たち日本人も、
チームの活躍に感動した。

私たちはチームマネジメントの国民なのだ。
それが私たちのポジショニング要件である。

オリンピック競技を見ていると、
チームがチェーンであることがよくわかる。

強い相手は必ず、
弱いところを攻めてくる。

だから一番弱い選手が、
そのチームの強さである。

そんなことも深く考えさせてくれた、
リオ五輪だった。

ありがとう。
おめでとう。

ただし一言。
それは「一億総活躍」のニュアンスとは、
全く違うものだ。

チームマネジメントは本来、
上から押し付けられるものではなく、
自ら行う「自己管理」である。

〈結城義晴〉

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