詩といふものは
どんなものでも
ありうる。
けれどもそれは、
結局のところ
何ものかへの
心潜めた
呼びかけでなければ、
詩である必要もない。
〈大岡信(おおおかまこと)〉
毎日新聞｢余禄｣が、
その死を悼んだ。
店も商品も、
｢何ものかへ｣の
｢心潜めた呼びかけ｣でなければ、
存在する必要がない。
そして朝日新聞｢天声人語｣
｢朝は『天声人語』よりも
『折々』から読み始める｣
コラムニストを悔しがらせた。
朝日新聞一面の『折々のうた』
1979年1月25日に始まって、
2007年3月31日に終わった。
大岡信さんのコラム。
詩、短歌、俳句、漢詩、川柳、歌謡から、
毎日1編を取り上げて、
それに解説を加える。
1931年、静岡県三島市生まれ。
東京大学文学部から読売新聞社へ。
それから明治大学で教鞭をとって、
1970年、その教授に就任。
柿本人麻呂、藤原定家、
そして松尾芭蕉などを――。
｢すぐれた詩人は
実作者、評論家、編集者の
一人三役を兼ねる。
私も彼らを目標にしてきた｣
親友で同い年の谷川俊太郎さんが、
大岡さんに贈った詩。
おおおかぁ
早すぎるとは
もう思わない
でもおれたち二人の
肉だんごもいつかは
おとなしく
ことばと活字に
化してしまうのかな
大岡信の肉だんごは、
見事にことばと活字に化した。
ご冥福を祈りたい。
さて私は熱海。
拡大名人会の二日目。
と、思ったら、雨。
明け方から、みんなで、
侃々諤々(かんかんがくがく)。
中止となった。
左から千葉喜夫さん、宮本洋一さん、
浅香健一さん、私、土井弘さん、
鈴木國朗さん、新谷千里さん。
そのかわりに、
ゆっくり温泉につかってから、
出発して、店回り。
伊東市の、
フードストアあおき。
(株)あおきの会長は青木巌さん、
社長は榎本太治さん。
現在、12店舗となった。
伊豆の紀伊国屋といわれた。
朝10時の開店前から、
なじみのお客さんが、
入り口に並んだ。
素晴らしいお店。
｢紅の輝き｣
そして｢たまたま｣
キンカン。
もちろん名物の餃子、
みたらし団子やいちご大福。
おいしくいただきました。
次に、寄ったのが、
道の駅伊東マリンタウン。
道の駅と海の駅が合体、
今や一大観光スポット。
この道の駅は、見もの。
JAあいら伊豆のファーマーズマーケット。
レストラン街とショッピング街。
とりわけこの建物。
伊豆産の商品がずらり。
よりどり3個1068円。
試食スープは絶品。
試食アイテムは、
惜しまず食べさせる。
飲ませる。
伊東に行ったら、
寄ってみてください。
伊東マリンタウン(株)。
それから車を飛ばして、
小田原へ。
ロピア小田原高田店。
同じ商品ならより安く、
同じ価格ならより良い商品を。
現在、33店を神奈川から、
東京、埼玉、千葉に出店。
このところ毎年、16%ずつ伸びて、
来年は大台を超える。
今日の｢青果部の意地 超目玉」は、
ネーブルオレンジ99円。
大繁盛で一安心。
買物と勉強。
ありがとう。
雨の中のゴルフよりも、
断然良い、春の一日だった。
最後に｢折々のうた｣から。
ねがはくは
花のもとにて
春死なむ
その如月の
望月のころ
〈西行法師〉
――『新古今集』雑下。
西行の作中特に有名な歌だが、
『新古今集』完成の中途で
切り出し（削除）措置を受け、
異本にのみ残された。
｢如月の望月のころ｣は
二月十五日(満月)をいう。
太陽暦では三月末に当たる。
西行の熱愛した
桜の花盛りの時期に当たるが、
また釈迦入滅の日でもある。
出家の身として、
とりわけその日に死にたい
という願いをこめた歌だが、
驚いたことに、彼は願った通り、
河内の弘川寺で、
建久元年二月十六日に没した――。
驚いたことに、
大岡信さんも、
花のもとにて、春、
亡くなった。
合掌。
〈結城義晴〉
