結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年12月15日(金曜日)

パック寿司の「裏ワザ」と「コンビニ限界論の限界」

「ふたご座流星群」が、
「極大」を迎えた。
昨日の晩のこと。
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〈NAOJ(国立天文台)ニュースより倉敷科学センター・三島和久学芸員提供〉

ふたご座流星群の学名 はGeminids。
ふたご座アルファ星「カストル」付近を、
放射点として出現する流星群。

12月5日ごろから12月20日ごろ出現。

流星群の「極大」とは、観察場所や時刻、
月の条件などは考慮せず、
流星群自体の活動が最も活発になること、
またはその時期。

「三大流星群」はほかに、
毎年1月初旬のしぶんぎ座流星群と、
7月下旬~8月下旬のペルセウス座流星群。

今年最後のふたご座流星群、
この日曜日くらいまで続く。

忙しくとも、
冬の夜空くらいは見上げてみよう。

横浜は寒気団に覆われ、
ちらりと雪が舞った。
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商人舎のそばの相鉄本社ビルの彫刻。IMG_3843.JPG7

堀内正和の1988年の作「動きだす球」
抽象彫刻の先駆者。
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しかし関ケ原のあたりはこの程度。25189036_1565342110213094_2208861552968979796_o.jpg7
日本海側には大雪。
北朝鮮の漁船群にも、
雪は降りかかる。

さて、面白いブログ。
「味博士の研究所」

スーパーのパック寿司が
「お店の味」になる裏ワザを
味覚センサーで検証!

寿司屋で出てくる握りたての寿司と、
スーパーマーケットのパック寿司は、
味が異なる、劣る。
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この「味博士の研究所」が、
「裏ワザ」を教えてくれる。

その裏ワザとは、「レンジでチン」。
500Wで20秒温めるだけで、
寿司屋の味に近づけることができる。

どのくらい味が変わるのか。

冷たい寿司と温めた寿司の2つを、
味覚センサーレオを使って検証する。

ここからAISSY(株)の宣伝。
鈴木 隆一代表取締役社長。
慶應義塾大学理工学部卒業、
同大大学院理工学研究科修了の科学者。

味には基本5味がある。
甘味・旨味・苦味・酸味・塩味。

「基本5味のうち、
甘味と旨味に有意な差があることが
わかった」

「有意な差」――学者のことばだ。

「甘味は約60%の人がわかる差、
旨味は約90%の人がわかる差で、
温めた寿司のほうが強くなっている」

それだけではない。

「コクも高くなっている」
約60%の人がわかる差。
味覚のバランスが良いほど、
コクは強くなる。
温めた寿司のほうが、
深い味わいを楽しめる。

「これ以上チンするとネタが逝きますし、
あまりに温かいと違和感のあまり
気持ち悪いと感じる恐れもあります。
自宅の電子レンジが強めだったり、
冷たいお寿司のほうが好きという方は、
チンする秒数を減らしてみても
いいかもしれません」

「魚屋の寿司」と称して、
鮮魚部門で寿司を売る。
本当に売れているのか。

ネタの鮮度はいいかもしれないが、
甘味や旨味、コクは劣る。

鮮魚部門の保冷庫の温度と、
総菜部門の温度。

その温度差によって、
提供する寿司の温度も変わってくる。

持ち帰ってすぐに食べてもらう寿司は、
ちょっと高い温度で、
管理したほうがいいだろう。

そしてPOPで提案するのがいい。
「500W20秒、レンジでチン!」

ただし自社、自店の寿司の温度にもよる。
実験してみて、一番いい条件を提示する。

試してみてほしい。

さて日経新聞電子版。
「ニュースこう読む」
編集委員の田中陽さん。
「コンビニ、成長の限界」の限界論

「コンビニの販売統計は、
10月まで既存店舗の来店客数が、
20カ月連続でマイナスを記録」

「セブン-イレブンの既存店舗の売上高は、
前年実績プラスの記録が10月に、
62カ月連続でストップした」

さらにファミリーマートの沢田貴司社長。
日経ビジネスのインタビューで、
「コンビニは飽和」と発言した。

「業界の内外で『成長の限界』が、
ささやかれることとなった」

月刊商人舎12月号でも、
商人舎流通SuperNewsでも、
「コンビニの飽和や限界」を指摘した。

そこにSmall Supermarket Ageを見た。

そんなタイミングで、
ファミマのコインランドリー併設。
セブンの自転車シェアリングサービス
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「コンビニの総店舗数は約5万5000店、
売上高は年間10兆円超。
巨大なスペース産業に
飽和、限界が迫っているのだろうか」

「大きな町には小さな店を。」
Invitation or winter's card Merry Christmas and Happy New Year. Template flat design vector illustration. City life and urban landscape under the snow. Train rides around the mountains. Winter market

田中さんはそんな風潮に反論する。

「1990年代前半にもコンビニ全体の、
店舗数と売上高の伸びが鈍化した」

「しかし、そんな指摘を撥ねのけて、
コンビニは成長し続けた」

「理由は簡単だ」

「既存の小売業やサービス業から
市場を取り込むだけでなく、
おにぎりのように、
家庭で作っていたものまで
商品にしてしまう力だ。
コンビニは何でものみ込む力がある」

田中さんの視点は、
「何でものみ込む力」

「酒類や医薬品の販売は規制緩和によって、
コンビニの店頭に並べることができた。
一方、たばこのように自販機の
成人識別カード「タスポ」導入の規制強化で
コンビニでたばこを買う成人が急増した」

これは政治・行政による規制の問題だ。

酒類や医薬品の規制は、
スーパーマーケットものみ込んだ。

しかし医薬品は緩和されて、
奪い取られる側にいるはずの、
ドラッグストアが伸び続けている。

これは薬局・薬店から、
顧客をとっているからだ。

「100円の淹れたてコーヒーは、
ファストフードや喫茶店から顧客を奪った」

これは正しい指摘だ。

「急激に品揃えを強化している冷凍食品は
スーパーの顧客をとるためだ」

これはスーパーマーケット側の努力不足。
メーカーに任せっぱなしではいけない。

製造業と協力して、
コンビニを超える商品開発に挑むべきだ。

「コンビニATMの登場は
銀行に行く頻度を減らした」

しかしセブン銀行に対して、
イオン銀行も成長し続ける。

「行政サービスすら代行する」

「店舗数の多さと精緻な情報システムが
新たなイノベーションを繰り返し、
生活者にとって
身近で便利な存在となり続けている」

商品やサービスを、
行政や他の小売りサービス業から、
奪い取る。

奪い取る業態と、
奪い取られる業種業態。

私は言い続けている。
「既存の市場が大きければ大きいほど、
それにとって代わる新マーケットの
市場サイズは大きくなる。
既存勢力の衰退のスピードが
速ければ速いほど、
とって代わる新勢力の
成長のスピードは速い」

コンビニはこれまで、
常に奪い取る側だった。

それがいま、
奪い取られる側に、
回ろうとしている。

私はそう思う。

田中さん。
「とはいうものの、さすがのコンビニも、
ネット事業を取り込むことには
苦労している」

その通りだ。

イオン岡田元也さんの「2020年計画」でも、
本格的なマーケットプレイスへの挑戦が、
一番大きなテーマなのだと思う。

田中さんの提言。
「『成長の限界』といってしまえば
そこで思考が停止をしてしまい、
コンビニに求められる商品やサービスとは
何かという本質にはたどり着けない」

「コンビニに限界論はない。
スペースは無限と考えるべきだ」
これはコンビニ業態に対する、
強いエールだろう。

しかし、それはコンビニに限らない。
すべてのビジネスに限界論はない。

「スペースは無限と考えるべきだ」
だから、これには同感。

パック寿司も、
立ちの寿司屋や回転寿司から、
顧客を奪い取るために、
彼らから学ばねばならない。

〈結城義晴〉

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