結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年06月11日(月曜日)

特集「2018決算解体新書」とシアトル視察のパフォーマンス

Everybody! Good Monday!
[2018vol23]

2018年第23週で6月第3週。
遅ればせながら今日は、
二十四節気の「入梅」。
しかし今年の日本の梅雨入りは早かった。

昨日夕方、帰国して、
東京成田国際空港に着いたら、
空気がムッとして、蒸し暑い。

「日本に帰って来た!」
妙にそれを強く感じてしまった。

世界では例の二人の会談が進む。
ドナルド・トランプと金正恩。
ところはシンガポール。

そして今日付けで、
月刊商人舎6月号発刊!!

[特集]
2018決算解体新書
ニッポンチェーンストアの経営リスクと
リエンジニアリングを読み取る
P
[Cover Message]
ニッポンチェーンストアの2018年2月期・3月期決算が出そろった。しかし上位企業はホールディングカンパニーだらけで、その実態は、決算書のペーパーだけでは、にわかには判明しない。だから持株会社のなかの、それぞれの業態ごとに、あるいはフォーマットごとに、店舗ごとに、売場ごとに、現場に当たって、決算数値の内容が妥当であるか否かを見定めねばならない。2万店を超えるセブン-イレブン・ジャパンの実態は、2万分の1を知っているだけではわからない。けれど、その2万分の1がチェーンストアのすべてでもある。顧客は2万分の1を見て、セブン-イレブンだと認識しているからだ。これがチェーンストアのチェーンストアたる所以である。ただし、2万店のチェーンストア決算のPLとBSを見つめることによって、経営リスクが見えてくる。これもまた事実である。そこからリエンジニアリングの方向性を導き出し、改めて実際に現場・現物に接することによって、真実を突き止めることもできる。2018決算解体新書をお届けしよう。

[Message of June] 
数字は好きですか

結城義晴の[特集のまえがき]
2017年度決算ランキングを覆すもの
[大図解]
2017年度チェーンストア営業収益ランキング  

[ニッポンのチェーンストア決算総覧]
Ⅰ日米コングロマリットチェーン編   
イオン/セブン&アイ/ユニー・ファミリーマート/ウォルマート
Ⅱ総合スーパー編 
イオンリテール/イトーヨーカ堂/ユニー/イズミ
/平和堂/サンエー/ドンキホーテ/ターゲット

Ⅲ日米スーパーマーケット編 
U.S.M.H./ライフ/バロー/アークス/ヤオコー/クローガー
サミット/いなげや/アクシアル リテイリング/ベルク

商人舎magazine[Web版]
[ニッポンのチェーンストア決算総覧]
Ⅳコンビニエンスストア編 
セブン‐イレブン・ジャパン/ファミリーマート/ローソン
Ⅴ日米ドラッグストア編
ウエルシア/マツモトキヨシ/サンドラッグ/ツルハ
コスモス薬品/スギ/CVSヘルス/ウォルグリーン
Ⅵ日米百貨店編
三越伊勢丹HD/高島屋/H2Oリテイリング/ J.フロントリテイリング
そごう・西武/メイシーズ/ノードストローム

Ⅶ日米家電チェーン編
ヤマダ電機/ビックカメラ/エディオン/ケーズHD/ノジマ/ベストバイ
Ⅷ日米ホームセンター/ホームファッション編
DCM/コメリ/ニトリ/良品計画/ホームデポ/ロウズ
Ⅸ日米カジュアルチェーン編
ファーストリテイリング/しまむら/ギャップ

[特別寄稿]
人口動態チェーンストア経営リスク論
少子化・高齢化から見る都市構造衰退と
出店戦略の一考察〈小松崎雅晴〉
人口減少・少子高齢化現象の深刻さ/小売業のCGP/
チェーンストアの店舗構成と出店都市のリスク/
リージョナルチェーンのCaseStudy/
専門店ナショナルチェーンのCaseStudy/
人口リスクへの対処とデジタル時代への対応

[特別提言]
現場視点のリエンジニアリング発展史
[Case Study]で経営・業務改革の
進化段階を解析する〈鈴木哲男〉
レジ・エンジニアリング/フォーマット・エンジニアリング/
グロサラント・エンジニアリング/ドンキ化のエンジニアリング/
MUJIブランド化のエンジニアリング/道の駅のエンジニアリング

[特集のあとがき] 
「ROAがすべてを表す!」 

[大図解]
日米主要企業ROAランキング 

今月号は大特集。
商人舎magazineのWebページに、
大量の資料と大量の分析原稿を掲載した。

普段は紙の月刊商人舎しか読まない人も、
網の商人舎magazineを見てください。
今号は、PaperとNetの融合です。

自分で言うのもなんですが、
ちょっとすごい月刊誌となりました。

帰国して、出社すれば、
今日は商人舎magazine Web会議。IMG_5092.JPG8
最新号を持って、ポーズ。
ありがとう。

右から内田憲一郎さん、
猪股信吾さんと岩田幸大さん。
そして鈴木綾子。

さて、シアトル研修の続き。

このシアトル地区のマーケット占拠率。
第1はフレッドマイヤー。
クローガーと1999年に統合している。
DSCN0534.JPG8

第2位はセーフウェイ。
かつては2012年に、
22.4%の占拠率でトップだった。
しかし弱体化してアルバートソンと統合。
だから今回は店を見ない。

第3位はQFC。クローガー傘下。
クォリティ・フード・センターの略。
1980年に私、この会社を訪れた。
まだローカルチェーンだった。
DSCN0679.JPG8

だから第1位は断トツで、
クローガーグループ。

第2位がセーフウェイ。

そして実質的な第3位がコストコ。
ニューヨーク市、シカゴ市、
サンフランシスコ市、ロサンゼルス市。
そしてこのシアトル市。
いずれも1割を超える占拠率。
ここ本社のあるシアトルでは13.9%。DSCN0455.JPG8
クローガーがマーケットリーダー、
コストコがマーケットチャレンジャー。
セーフウェイはマーケットフォロワー。
実に私の主張する理論通り、
わかりやすい。

それからマインドシェアのトップは、
トレーダー・ジョーと、
ホールフーズマーケット。DSCN0722.JPG8
今日はシェア上位企業を訪問。
シアトル2日目のことだった。
〈明日はインディペンデントを一挙に紹介〉

フレッドマイヤーは、
どんどんクローガー化している。DSCN0473.JPG8

青果部門は平台構成。DSCN0476.JPG7

葉物の鮮度もいい。DSCN0481.JPG8

フレッドマイヤーは、
「マルチデパートメントストア」と称して、
ハイパーマーケットを展開していた。
ワンフロア1万5000㎡。DSCN0485.JPG7
つまり単品大量ディスカウントと、
非食品強化型店舗である。

それでも22万5000アイテムを並べて、
ウォルマートの2倍近くの品揃えだ。

しかしどんどんクローガー化して、
デリカテッセンにも力を入れている。DSCN0487.JPG8

ピザのバックヤードには窯がある。
今や必須だ。
DSCN0488.JPG8

そして「Murray’s」(ムレイズ)のチーズショップ。
マンハッタンのチーズ専門店を、
クローガーは買収してしまった。
DSCN0492.JPG8

奥壁面の広大な精肉売場。DSCN0496.JPG8

クローガーの「Simple Truth」
オーガニックブランドで大人気。DSCN0501.JPG8

靴の売場が充実。
DSCN0504.JPG8

アパレルも上出来の売場だ。DSCN0510.JPG8

ファブリックス(布製品)売場は、
カラーコントロールが行き届く。DSCN0512.JPG8

キッズ売場もウォルマートのように、
平面的で平板ではない。DSCN0523.JPG8

もちろんレジの上には、
Qビジョンのデジタル表示版。DSCN0530.JPG8
このマルチデパートメントストアは、
2018年1月現在で132店。

このフォーマットが強いから、
シアトルではウォルマートのシェアが低い。
4.9%しかない。

次にQFC。
DSCN0683.JPG8

この地のローカルチェーンの、
古い古い店。
DSCN0677.JPG8

地上1階から地下へ降りる。DSCN0675.JPG8

すると採光の中の青果部門。
美しい。
DSCN0673.JPG8

デリカテッセン売場が充実。DSCN0671.JPG8

ここでも「ムレイズ」のチーズショップ。DSCN0654.JPG8

そして「ボアーズ・ヘッド」
デリカテッセンの超有名店。
デリと言えばまず加工肉とチーズだ。DSCN0656.JPG8

「フレンドリー・デリ」と名付けて、
6時から21時までサービスをする。DSCN0657.JPG8

われわれも試食。
チキンハムからターキーハム、
ポークハムまで存分にテースティング。
そしてポークハムを買う。DSCN0659.JPG8
素晴らしいコミュニケーション。

古い店だが店内は美しい。DSCN0658.JPG8

そしてグロサリーのアイル(通路)は長い。
商品力、価格力があるから、
顧客を中まで引っ張れる。
そしてエンドの作業量が半減する。DSCN0661.JPG8

チーズとデリを強化すれば、
ワイン売場も重要になる。DSCN0662.JPG8

ワインセラーもある。DSCN0664.JPG8

ファーマシーも必須の機能だ。DSCN0669.JPG8
QFCはサービス&クォリティ型の、
典型的なスーパーマーケットだ。
クローガー化しつつ、
そのクオリティを堅持している。

それがクローガーのマネジメントレベルである。

次にコストコ。
伊藤忠商事の全面協力で、
大歓迎を受けた。
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(株)万代の中筋浩二さんからプレゼント。
ドライデイリー担当取締役。DSCN0465.JPG8

われわれは3チームに分かれて、
丁寧な店内ツアーをしてもらった。DSCN0434.JPG8

われわれに解説してくれたのは、
マイ―シャさん。
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今、コストコで一番、
伸びているのがオンライン販売。DSCN0437.JPG8
次がコト販売のギフト。

もちろん食品では、
肉が一番、酒が二番、青果が三番。
ベーカリーも最強。DSCN0425.JPG8

デモンストレーションは 、
2社に依頼して派遣してもらう。DSCN0431.JPG8

非食品で一番売れるのはテレビ。DSCN0441.JPG8

ダイヤモンドから、
トイレットペーパーまで。
それがコストコのコンセプト。
459万9999円のダイヤ。DSCN0440.JPG8

テレビの次に売れるのが、
このトイレットペーペーパー。
コストコはトイレットペーパーを、
1年に1000億円販売する。DSCN0428.JPG8

それからHBCが3番目に売れる。
その筆頭アイテムがこれ。DSCN0436.JPG8

われわれ以外の外国人チームもツアー。DSCN0439.JPG8

そしてランチはホットドック&ドリンク。
コストコ名物1ドル50セント。DSCN0443.JPG8

店の隣にコストコ本社がある。DSCN0444.JPGu

本社の受付でパフォーマンス。DSCN0446.JPG8

加藤徹さんも一緒に、
パフォーマンス。
DSCN0448.JPG8
万代前会長にして現万代油脂工業(株)社長。

ありがとうございました。
偉い方にやっていただいて恐縮。

でもしつこく門の前でも、
全員でパフォーマンス。DSCN0454.JPG8

視察とパフォーマンスが終わったら、
バスの中で講義。

芳本一樹さんは、
伊藤忠商事からICRESTに出向中。
今回の手はずを整えてくれた。
そのうえ、コストコの現状を、
豊富なデータに基づいて語ってくれた。DSCN0469.JPG8
ありがとう。

最後は、
ホールフーズマーケット。DSCN0719.JPG8

入り口のデリは凄い人気。
これぞグロサラントだ。DSCN0718.JPG8

カットフルーツも見事。DSCN0691.JPG8

青果物の陳列は当代一。DSCN0693.JPG8

SeaFoodが独立部門になっているのは、
ホールフーズだけだ。DSCN0698.JPG8

そしてMeatに続く対面売場。DSCN0699.JPG8

5ステップアニマルウェルフェア。DSCN0704.JPG8

乳製品のリーチインケースは、
ホールフーズが開発した。
きわめて可視率が高い。DSCN0708.JPG8

ワイン売場は赤いラック。DSCN0710.JPG8

そして黄色のセルフデリに続く。DSCN0713.JPG8

右手が対面デリ。
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そして売場の中にイートイン。
これぞグロサラント。DSCN0715.JPG8

ただし、アマゾン・ロッカーがある。DSCN0685.JPG8

アマゾンでオーダーして、
このロッカーからピックアップできる。DSCN0687.JPG88

自分のコードを打ち込むと、
商品を取り出すことができる。DSCN0688.JPG8
アマゾンの傘下に入ったのが、
昨年8月28日。

それからホールフーズには、
試練がやってきた。

アマゾンのオンラインで、
ホールフーズの商品が、
売られるようになった。
するとその分の売上げは立つが、
その分、店に顧客がやって来なくなった。

店の賑わいがちょっと欠けた。
それが店にとっては、
致命傷になりかねない。

怖ろしいことだ。

今、その試練と、
ホールフーズは闘っている。
この店は闘いに勝っている。
それがうれしかった。

シアトルの上位企業視察。
実に深い勉強ができた。

パフォーマンスも楽しかった。
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ありがとうございました。

amazon goだけではない。
DSCN0177.JPG8

では、みなさん、
今週も、Good Monday!

〈結城義晴〉

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