今日は七夕。
ラッキーセブンというが、
その「7」のぞろ目の日。
五節句の一つ。
1月7日の人日(じんじつ)の節句、
3月3日の上巳(じょうし)の桃の節句、
5月5日の端午(たんご)の菖蒲の節句、
9月9日の重陽(ちょうよう)の菊の節句。
そして7月7日の七夕(しちせき)の節句。
織姫と彦星の恋物語もあって、
ロマンティックな節句だが、
あいにく全国的に雨。
それどころか、
連日の豪雨。
熊本、鹿児島から始まったこの豪雨は、
長崎、佐賀、福岡へ、
そして宮崎から大分へ。
私の故郷も含まれている。
だからというわけではないが、
心からお見舞い申し上げる。
イオンもセブン‐イレブンも、
ローカルスーパーマーケットも、
営業休止した。
それでも地域のライフラインとして、
奮闘してほしい。
さらに四国や中国地方を北上して、
近畿、東海・北陸、関東甲信へとやって来る。
このところ毎日書いているが、
気象の最高権威が、
東京大学大気海洋研究所。
木本昌秀教授の警告。
[極端気象]
木本教授は強調する。
「気象庁が観測を始めたのは、
1951年(昭和26年)ですから、
たかだか70年前のことです。
30年に1回の頻度で起こるのが
異常気象だとすれば、
70年間でせいぜい
1、2回観測される程度です」
「北海道に台風はやってこないと
教科書に書かれてありましたが、
2016年には台風10号も含めて
3つの台風がやってきた。
河川が氾濫して、
大変な被害が出ました」
「直近の気象観測や短い経験に
頼っていてはだめなのです」
「6000年分のデータを入れ込んで見ると、
東北地方に上陸した台風の数は
たくさんありました」
「したがって気象庁が、
“○○記録””観測史上初めて”と言っても
驚くことはありません。
これからそうした事象は
どんどん出てきます。
ですが、それが異常かと言えば、
決して異常ではないのです」
「異常気象」が毎年のように続く。
これが[極端気象]だ。
「ほとんどすべてのシミュレーションは、
温暖化すれば水蒸気の量が増える、と、
結論づけています。
これは間違いのないことです」
「台風は水蒸気が凝結して、
その時の熱がエンジンになって、
回っています。
したがって水蒸気の量が増えれば
エンジンの強さは増しますから、
強い台風になる」
温暖化して、
水蒸気の量が増えるから
大雨が降る。
そしてこれも毎日書いているけれど、
必要なことは2つ。
リスクマネジメントと、
ゼロエミッション。
前者は「適応策」、
後者は「緩和策」。
会社全体、業界全体、
行政や国全体で取り組まねば、
ゼロエミッションは絵に描いた餅だ。
それ以上に危険区域では、
緊急避難をしなければならない。
セブンーイレブンnews|
新宿市谷台町店の従業員が新型コロナに感染
トライアルnews|
スーパーセンター東開店(鹿児島市)従業員感染
新型コロナウイルスも、
まだまだ感染が拡大している。
豪雨による河川の氾濫や土砂崩れで、
多くの人が被災し、亡くなった。
コロナよりも優先されねばならない。
だからコロナは二の次にして、
避難を優先する。
このことは徹底しておきたい。
故堺屋太一さん。
非常時対策を5段階で整理している。
①救助
②救済
③復旧
④復興
⑤振興
河川の氾濫やがけ崩れは、
救助最優先。
この非常時の5段階の原則がある。
それは、
「軽いものから先に」
第1に、最も急ぐ軽いものは「情報」。
第2は、「生活物資」。
まず飲料と医薬品の配布。
その次が緊急の食料。
そしてその次が燃料と衣料。
小売業が貢献できる生活物資である。
第3は「安全な生活空間の準備」と、
そこへの「搬送」、「仮設住宅の提供」
この第3段階までが、
①の救助である。
そのあと救済、復旧が待っている。
そして復興、振興。
東日本大震災も、
まだまだ第4段階、第5段階である。
今回の豪雨は、
極端気象によって、
毎年のようにやって来る。
そのことへの覚悟と準備が、
国家レベル、行政レベルで求められる。
もちろん小売流通業も、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。
最後に三句。
七夕の雨よりつづきけふも降る
〈山口青邨(やまぐち せいそん)〉
七夕なのに今日も雨が降り続く。
山口は、工学博士の鉱山学者で東京大学名誉教授。
1892年~1988年。
松尾芭蕉の若いころの七夕の句。
七夕の逢はぬ心や雨中天
織姫と彦星の逢瀬。
逢えれば「有頂天」になれるが、
雨で逢えねば「雨中天」。
「雨中天」は芭蕉の造語。
けふの雨願ひの絲のきれやせん
〈正岡子規〉
そうはいっても、
願いの糸が切れませんように。
〈結城義晴〉