結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年07月31日(金曜日)

「五季説の災害季」と「想像力のなさが人に刃を向ける」

今日で7月が終わる。
全国の小学校・中学・高校も、
明日から夏休みのところが多い。

今年の夏休みは12日くらいだそうだ。

梅雨明けは、
九州南部が28日。
九州北部と中国・四国地方が、
昨日の30日。
近畿が今日の31日。
東海・北陸、関東甲信地方は、
まだ梅雨明けせず。

中日新聞の巻頭コラム、
「中日春秋」
「春夏秋冬に加えて、日本には
梅雨というもう一つの季節がある」

「五季説」と言われる。

「そんな五季説に、
これほど説得力を感じる年もなさそうだ」

今年の長い梅雨の所為である。

「今回の長雨は作物から日照時間を奪った」
そのための収穫減で、
野菜が値上がりしている。
昨年の2倍ほどの値がつくこともある。

高値はしばらく続く。
だからといってこの高値で、
儲けようとしてはならない。

コラム。
「思えば一昨年は梅雨に続き、
“災害級”の暑さが訪れた。
昨年は台風の災害が十月まで続いた」

結語。
「”災害季”という長い季節が
定着していないか。
用心をしつつ、
普通の季節感が恋しくなる」

しかし普通の季節感は戻ってこない。
この「災害季」は定着する。

たとえば今年の7月は、
台風の発生がゼロだった。
1951年の観測開始以来、初めてのこと。

月刊商人舎1月号特集。
[極端気象]
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2020年の初頭に、
「リスクマネジメント」を提案した。
そうしたらCOVID-19感染拡大。

「災害季」も新型コロナウイルス感染も、
「リスクマネジメント」の出番となった。

そしてそのこころは一言。
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

今日のCOVID-19新規感染は、
東京都が463人で最多記録を更新。
全国では1548人で最多。

今日の[商人舎流通SuperNews]も、
コロナウイルス感染ニュースの連打。

スーパーマーケット業態では、
ヤオコーnews|
ライフnews|
キョーエイnews|

百貨店業態では、
そごう・西武news|

家電チェーンでは、
ノジマnews|
ケーズnews|
エディオンnews|

コンビニ業態では、
ファミマnews|
ローソンnews|
ミニストップnews|

ホームセンターでは、
ジュンテンドーnews|

そして、
ユニクロnews|
ニトリnews|
ダイソーnews|

アスクルnews|は、
物流センターで新規感染者が出た。

市中感染が拡大してくると、
店内感染も増えてくる。

しかし、
リスクマネジメントの前提として、
事件が起こったら隠してはならない。

朝日新聞巻頭コラム、
「天声人語」

「カギよし、財布よし、スマホよし。
以前ならこの三つを確かめれば
外出できたのに、当節は、
マスクも欠かせない」

わかる、わかる。

私にも方法がある。

朝、出かけるとき、
玄関で歌を歌う。
「チンチロリンのカックン♪」
のメロディーに乗せて、
「サイフにテイキにケイタイ♪」
とやる。

最近は字余りだが、それに、
「マスク♪」
と、付け加える。

天声人語。
「スペイン風邪が猛威をふるった大正時代、
本紙の記事は”覆面”や”口覆”と表記している」

当時のマスクは白い布製で
鼻からあごまで覆う大判だった。

「今般、各戸に配られた布マスクは、
大正時代より格段に小さい。
計1億3千万枚」

「だがサイズへの不満のほか、
見た目のやぼったさ、
届いた時期の遅さもあって、
評判はさえなかった」

「アベノマスク」とからかわれた。

「政府はきのうから予定していた
施設向けの8千万枚の一律配布を
断念した」

そしてコラムニスト。
「きのう通勤の電車内を探してみたが、
政府支給の現物は一枚も
見つけられなかった」

「口や鼻を覆うのではなく、
目を覆うばかりの官邸と民意のズレ」

口や鼻を覆うのではなく
目を覆うばかりの
アベノマスク。

座布団、一枚!

今日も一日、
横浜商人舎オフィス。
クルマで出社し、クルマで帰宅。

月刊商人舎8月号の執筆、編集。

無印良品のマスクをして、
今月の広告はブルーチップ㈱。
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社長の宮本洋一さん、
ありがとうございます。
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最後に朝日新聞「折々のことば」
今日は第1891回。

想像力のなさは、
知らぬうちに人に
刃を向けることがある。
(田尻久子エッセー集『みぎわに立って』から)
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田尻さんは、
熊本市にある橙(だいだい)書店店主。
つまり小売業者。

「テーブルの下で寝そべる猫の気持ちに
なりたくてそこに身を横たえる」

すると、
「何が安心か、
何に怯(おび)えるか、
ありありとわかった」

「そのあと子どもの眼(め)の高さから、
車椅子の人の眼の高さから書棚を見つめ、
“想像力だけではいつでも足りない”と悟る」

「そして彼らが、
“信頼して声をかけられる”店を
めざそうと思う」

猫や子どもや車いすの人の眼の高さ。

アメリカのウェグマンズには、
車椅子の人用のチェックスタンドがある。
ノーキャンディーレーンもある。
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橙書店と同じ目線だ。

ダニー・ウェグマン会長も、
コリーン・ウェグマン社長も、
田尻久子店主と同じように、
想像力を大切にしている。
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その想像力がなかったり、
足りなかったりすると、
人に刃を向ける態度となる。

コロナウイルス禍での店の運営には、
とくに想像力が求められる。

知らぬうちに差別したり、
不公平や不公正な対応をしてしまう。

想像力のなさが表れているのは、
口や鼻を覆い、
眼も覆うばかりのアベノマスクだ。
Go To トラブルだ。
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それが国民の不幸である。

〈結城義晴〉

2020年07月30日(木曜日)

「世田谷モデル」の「誰でも・いつでも・何度でも」PCR検査を!

今日は一日中、
横浜商人舎オフィス。

クルマでやって来て、
クルマで帰る。

月刊商人舎8月号の執筆と編集の追い込み。IMG_81130

大量の書籍や資料に当たって、
内容を深めていく。IMG_81080
家やオフィスの中にこもっている限り、
資料を読み込むことは、
私にとって有意義な時間だ。

家やオフィスの外では、
COVID-19が広がっている。

今日の全国の新規感染者数は、
1308人。

1日当たり最多だった昨日を上回った。

東京都は367人で、これも過去最多。
福岡県は121人で、2日連続過去最多更新。
神奈川県は76人で4月11日と並んで最多。
沖縄県は55人で過去最多。
兵庫県も53人で過去最多。

大阪府は過去2番目に多い190人、
愛知県も昨日の過去最多の167人に次ぐ160人。

振り返ってみると、
4月7日に7都府県に緊急事態宣言発出。
4月11日には1日最大感染者数720人で、
第一次のピークを迎えた。

そこで4月16日には、
全国に緊急事態宣言が拡大。

その後、5月14日に、
39県が緊急事態宣言解除、
さらに5月25日には全国で解除された。

この5月25日の新規感染者数は、
21人だった。

今日の全国1308人は、
完全に第二波と見ていいだろうし、
市中感染が起こって、
それが地方に広がっている。

東京都は今日、
小池百合子知事が記者会見。
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再び営業時間短縮の要請を発表した。
都内の酒を提供する飲食店とカラオケ店。

期間は8月3日から31日で、
営業時間は午前5時から午後10時とする。

そして要請に応じた中小事業者には、
20万円の協力金を支給する。

東京都は業界ごとに、
COVID-19拡大防止のガイドラインと、
チェックシートをつくっている。

このガイドラインに従って、
取り組みしている店には、
それを示すステッカーを掲示してもらう。

このステッカーを張った店を、
20万円の支給対象とする。
ステッカー
小池都知事は記者会見で、
何度もステッカーのことを強調した。

ステッカーで感染拡大を止める。

安倍晋三首相の「やってる感」が、
小池都知事に伝染したような印象だ。

一方、東京23区の中の世田谷区は、
保坂展人(ほさかのぶと)区長が、
世田谷モデルを開発。
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ニューヨーク州のシステムと同じで、
PCR検査を受けられる態勢を、
「誰でも・いつでも・何度でも」にする。

私はステッカーよりも、
世田谷モデルの方が断然、
いいと思っている。

世田谷区は人口約94万人で、
23区で最も多い。

昨日の29日には、
世田谷区だけで新規感染者47人で、
陽性率は約12%だった。

保坂区長のコメント。
「予算の効果的な使い方は、
PCR検査の一挙拡大です。
検査数を1桁増やして、
定期的な検査を行います」

1桁増やすというのは、
1000単位に増やすということ。

アベノマスクよりも、
小池ステッカーよりも、
世田谷モデル。

PCR検査の「誰でも・いつでも・何度でも」。

検査で陰性となった人たちが、
経済行為を活発化させる。

陽性の人たちは自宅療養や入院をして、
治療に専念する。

これが一番いい経済対策でもある。

世田谷区は、
サミット㈱のドミナントエリアでもある。
月刊商人舎7月号で取材したのは、
サミットの「コロナ感染」奮闘物語
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サミットストア東中野店は、
業界で最初に感染者が出た店だ。
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当該従業員が新型PCR検査を受けて、
3月8日に陽性と判明した時点で、
発症後2週間の休業をした。
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現在も実に丁寧な対応をして、
地域顧客と従業員の安全を確保している。202007_summit_photo_05
万一、従業員から感染者が出たとしても、
きちんとした消毒作業を終え、
保健所から営業許可が下りれば、
1日~2日で営業再開することはできる。

しかし、サミットの判断は違う。
「働いている社員に
不安な気持ちが残ったままよりも、
安全を十分に担保して、
安心感をもって
働いてもらえるようになってから、
営業再開した方がよい」

東中野店では原則、
当該者が出た総菜部門従業員は自宅待機、
それ以外の従業員は休業とした。
そして、いずれも働いたものとみなされ、
給料は支払われた。

こういったときにも、
世田谷モデルがあれば、
「誰でも・いつでも・何度でも」
PCR検査が受けられる。

そして陰性が判明した人たちで、
営業を再開すればいい。

第二波がやってきた今、
小売業にとっても、
きわめて重要な時期だ。

軽率な行動は慎まねばならない。

同じ店舗でクラスターが発生したら、
そのチェーンストアの信頼は、
一気に失墜する。

信頼や信用も大切だが、
それは命を守ることに、
万全を尽くすから生まれるものだ。

損得より先に善悪を考える。
それが今である。

〈結城義晴〉

2020年07月29日(水曜日)

時間軸を短縮するCOVID-19と「危機と絶望」と生きるエネルギー

岩手県で初のCOVID-19感染者。
1日で2人の陽性が確認された。

日本全国では新規感染者1251人と、
初めて1000人の大台を超えた。

確かに7月末の今の日本は、
COVID-19感染拡大の第2波にある。
そのつもりで仕事し、
行動し、生活しなければならない。

日経新聞電子版経営者ブログ。
㈱IIJ会長の鈴木幸一さん。

「何事も、
すべてが悪くなるばかりではない」
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「今は、世界中を深刻な事態に陥れている
新型コロナウイルスのまん延にしても、
新型コロナと闘う過程で、
旧来の世界が維持できなくなり、
革新的な新しい未来をつくるエンジンともなる」

同感だ。

COVID-19は、
新しい未来をつくるエンジンとなる。

英国の経済誌の記事から。
「新型コロナの感染を防ぐために、
今年の世界経済は成長どころか、
大きなマイナスとなり、
極めて深刻な予測数値が並ぶのだが、
にもかかわらず、
長い時間軸で見れば、
このウイルスショックによって、
足踏みをしている面もある世界の変化が
進むということなのだろう」

踊り場を迎えているこの地球が、
変化を進ませる。

地球環境問題も、
難民問題や食料危機も、
米中の冷戦状態も、
ウイルスパンデミックと、
無関係であるはずはない。

とくに鈴木さんの専門とするIT(情報技術)。
「政治、経済、産業から暮らしに至るまで、
あらゆる仕組みを変えてしまう
IT利用の勢いが一気に
増幅・加速するはずである」

「歴史を振り返ると、
悲劇的な事象が起こるたびに、
新たな歴史がつくられてきたようだ」

同感だ。

この記事の趣旨。
「20世紀最後の巨大な技術革新を
基盤とした世界への変化が、
新型コロナの脅威に対応することで、
時間軸を短縮する形で
実現していくことになる」

COVID-19は時間を早める。

「ITという技術革新を基盤として、
仕組みそのものが、
根底から変わってしまう世界は、
まだまだ、序章が始まったばかりで、
新型コロナをきっかけに、
変化が加速されることになる」

私はITばかりではないと思う。

イノベーションはもとより、
マーケティング領域でも、
マネジメントの世界でも、
変化は加速され、
時間軸が短縮される。

さて今日は横浜商人舎オフィス。
鈴木國朗さんに来訪してもらって、
昨日の千葉クリニックの総括。
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全体像を語り合ってから、
個店レベルの評価。

そして最後に再び、
小売産業の変質の全体像。
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商人舎GMの亀谷しづえも加わって、
議論は白熱し、2時間半もかかった。

ありがとうございました。
お疲れさまでした。
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最後はちょっとだけ、
Go! Go! ポーズ。
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その後、札幌ラーメンの「楓」で、
味噌ラーメンでランチ。

さらに夕方には、ZOOM会議。
染谷剛史さん(中)と柳沼克彰さん(左)。
(写真は今年1月28日撮影)
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ナレッジ・マーチャントワークス㈱。
略してKMW。
染谷さんが代表取締役社長で、
柳沼さんはユニットマネジャー。

成果は上がりつつある。

最後に朝日新聞「折々のことば」
今日の第1889回。

絶望していないこと、
換言すれば自分が
絶望していることを
意識していないことも
また
まさに絶望の一つの形態である
(セーレン・キェルケゴール『死に至る病』(斎藤信治訳)から)
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「何かについての絶望は
本当の絶望ではない。
そうした絶望に囚(とら)われている自分に
さらに絶望し、
しかもそこから眼(め)を背け、
抜け出そうとするのが絶望の定式なのだ」

キェルケゴールは、
19世紀デンマークの思想家。
「死に至る病」とは「絶望」のこと。

編著者の鷲田清一さん。
「時代の危機もおそらく同じで、
危機を危機として
受けとめる感覚の消失こそ
真の危機なのだろう」
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鷲田さんはCOVID-19と、
それへの認識のことを言っている。

いまここで、キェルケゴールを持ち出す、
鷲田さんのセンスに脱帽。

人間は誰でもいつかは死ぬ。
その「死に至る病」を自覚しないで、
このコロナウイルス禍の時代を、
生きていくことはできない。

COVID-19が時間軸を短縮することは、
確かに「絶望」への時間も、
短くなることなのだから。

それでも私たちは、
危機を危機として、
絶望を絶望として、
受け止めつつ、
生き抜いていかねばならない。

その生きるエネルギーは、
自分の「仕事」にあると思う。

〈結城義晴〉

2020年07月28日(火曜日)

1万4885歩の千葉クリニックと「新型コロナウイルス」の呼び方

1万4885歩。
スマホの万歩計が記録した1日間の歩数。

千葉県を店舗クリニック。

朝8時に集合して、
夜10時半に解散するまで、
15施設を巡った。

鈴木國朗さんと結城義晴。
事務局は亀谷しづえ。
鈴木さんは㈱アイダスグループ代表取締役。

イオンスタイル・イトーヨーカ堂、
ヤオコー・カスミ・ヨークフーズ、
マミーマート・ロピア・せんどう・ビッグA、
ウエルシア・クリエイトSD・マツモトキヨシ、
ニトリ・カインズ・ジョイフル本田、
さらに無印良品などなど。

久しぶりにアメリカ視察研修をやった。
そんな感じだった。
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このCOVID-19禍の日本で、
店舗たちは躍動していた。
働く人たちも奮闘していた。
その中から見えてきたものがあった。
それは月刊商人舎8月号に掲載する。

先週に続いて、
千葉市のワンズモールあたりから始めた。
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ジョイフル本田も、
また、訪れた。
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最後のアリオ市原についたときには、
もう暗くなっていた。
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イトーヨーカドーの鮮魚売場は、
午後7時ごろには品切れが目立った。
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しかしこれはこの場合、間違いではない。

最後の最後は恐竜。
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ご苦労様でした。

さて、そんな1日。
新型コロナウイルスの国内感染者は、
新たに982人が確認された。

7月23日が981人で過去最多だったが、
それを超えた。

明らかに第2波を迎えている。

東京都は266人。
大阪府は155人で過去最多。
愛知県も110人で過去最多。
千葉県は23人だった。

「ほぼ日」の糸井重里さん。
巻頭エッセイは「今日のダーリン」
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同感することが多い。

「アイスクリームのことを
“アイス”
と省略して言うのは、

正直言って、ぼくは、
賛成していませんでした」

まったく同感。

「アイスクリームの本質的な部分は
クリームで、
それを凍らせたものだから
“アイスクリーム”、
だと思います、そう考えてました」

スーパーマーケットも、
「スーパー」と略すと、
「超」と言う意味のことで、
内容を正しく示さない。

「マーケット」つまり「市場」が本質で、
それが超級であることを「スーパー」という。

中国では「超級市場」。

だからスーパーマーケットの本質は、
「スーパー」ではない。

糸井さんの「アイス」と同じ。

「でも、ちがってたみたいでした。
なぜなら、もともと
英語であるアイスクリーム、
英語でも省略する場合は
“アイス”らしいのです」

英米人も略すときは、
頭のところを使う。

「俺の負けだぜ、
これからはなるべく”アイス”
ということばと、
親しく付き合ってく所存です」

しかし「スーパー」に関しては、
「俺」は負けてはいない。
本質は「マーケット」だ。

しかし、糸井さん。
「コロナと省略するのは(ぼくも、でしたが)
もうやめにしたいものだと考えています」

「もともと”コロナ”って
“冠”みたいな意味の、
ステキなことばだったわけでしょう?」

だからクルマやビール、
そして会社の名前にも使われた。

「ウイルスにも
周囲が冠みたいな形状のものがあって、
そういうものを”コロナウイルス”と
呼んでたわけです。見た目が、
“コロナ(冠)”っぽいウイルスということで」
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「だから、つまり実体は、
ウイルスなんですよ」

その通り。

「スーパー」な「マーケット」も、
実態は「マーケット」だ。

「コロナのせいで、売上げがガタ落ちだよ」
などと口にする。

「実のところは”冠のせい”じゃなくて、
新型の”ウイルス感染症”のせいですよね。
“コロナ”という
ニックネームで呼んでしまうから、
イメージ的に、
やや憎めない感じになっちゃう」

「実態は感染症なんです、
正体はウイルスなんです」

「ぼくも、ずっと”コロナ”と
言ってきたのは反省します。
もっと”ウイルス感染症”なんだと
思いましょうよ」

雑誌の見出しなどにするときは、
短くしなければならないから、
「コロナ」も使うが、
それでも「ウイルス感染症」が正解だ。

「手洗いするのも、
マスクするのも、
三密を防ぐのも、
“ウイルス感染”への防御なんです」

「そんな言い換えはくだらない
とかも言われそうだけど、
“ウイルス感染症”という実感をもつためには
そのまま”ウイルス”ということばを
使いましょうよ」

賛成だ。

だから私は「COVID-19」を多用する。

マザー・テレサが教えてくれる。
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「言葉に気をつけなさい、
それはいつか行動になるから。

行動に気をつけなさい、
それはいつか習慣になるから。

習慣に気をつけなさい、
それはいつか性格になるから。

性格に気をつけなさい、
それはいつか運命になるから」

もちろん特集のタイトルや見出しでは、
短くしなければならないから、
「コロナ」も使うかもしれないけれど。

悪しからず。

〈結城義晴〉

2020年07月27日(月曜日)

松村清さん(77歳)永眠/ロイヤルカスタマーと”Staying Close”

Everybody! Good Monday!
[2020vol㉚]

2020年第31週。
7月最終第5週。
土曜日からもう8月。

しかし関東地方の梅雨明けは、
まだまだ先になりそうだ。

新型コロナウィルス感染は、
この4連休のうちに、
東京や大阪から全国に広がりつつある。

それを政府のGo To トラベルが助長する。
「ゴー・ツー・トラブル」と揶揄されている。
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沖縄県は今日、18人の新規感染者が出て、
これは過去最多を更新。

この4連休をはじめ7月に、
沖縄への旅行をした人が多いのだろうか。

このコロナ禍の初めから私は、
「人災」にしてはならないと言ってきた。
2月8日のこのブログ。
新型コロナウィルスの「人災」とてっちゃん・柳井正さんの「情報」

しかし、今や人災は明らかだ。
人災だとすれば、
人間の力で取り戻すことはできる。

政治や行政のお薦めに乗らずに、
自分自身、自分たち自身で、
情報や知見を収集し、
考察し、判断し、行動する。

人が動く。
人と人とが接触する。
それがコロナウイルス感染を広げる。

何とも皮肉な話だ。

店もイベントも観光も、
人が集まれば集まるほど、
成果を上げたとされた。

それが逆に、問題となる。

だとすれば、
できるだけ動かず、
できるだけ触れず、
しかしできるだけ楽しむ。
できるだけ人生の時間を満喫する。

二律背反の問題に立ち向かう。

それにはやはり、
頭を使わねばならない。

私は自分の仕事に専念し、邁進し、
没頭するのが一番いいと思う。

小売業、サービス業の人たちは、
自分の仕事に専念、邁進、
没頭することが、
社会の役に立つ。

コロナ禍でも迷いがない仕事となった。

それは幸せなことだ。
私はそう思う。

ここで訃報です。

デザイナーの山本寛斎さんが、
76歳で亡くなったが、
松村清さんも77歳でご永眠。
今年5月19日のことだ。
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通称「マツキヨ先生」。
流通業界のコンサルタント。
㈱ドムス・インターナショナル社長。
Excell-Kドラッグストア研究会主宰者。

慶応義塾大学法学部を卒業し、
ミズリ―バレーカレッジ経済学部を経て、
サンタクララ大学院MBAでマスター修得。

職歴は日本コカ・コーラ㈱、
ジョンソン・エンド・ジョンソン㈱を経て、
1990年からコンサルティングに専念。

アメリカ流通業の専門家であり、
特にドラッグストア業態の発展に貢献。

著書も多数刊行していて、
ほとんどが㈱商業界から発刊された。

1993年「米国ドラッグストア研究」が最初で、
その後、13冊の単行本を、
ほぼ2年に1冊ずつ書いていただいた。

しかも実によく売れた。

私は1996年に、
商業界取締役編集担当に就任して、
それから主に単行本やセミナーで、
マツキヨ先生にお世話になった。

本は時流の情報満載だし、
講演も当意即妙で絶妙。

単行本執筆でも講演・講義でも、
サービス精神満点だった。

とくに1998年発刊「ロイヤルカスタマー」。
ロイヤルカスタマー
松村清さんの最高の本だと思う。

マツキヨ先生の存在そのものが、
この本に表現されていた。

その哲学の根っこには、
出身のジョンソン&ジョンソンの、
Our Credo」があると思う。
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実務面では、
米国ウォルグリーンに詳しくて、
幹部との関係も深かった。

2006年、東京の商業界会館に、
フィリップ・バージェスさん、来訪。
ウォルグリーン社取締役。
マツキヨ先生が連れてきてくださった。
私は代表取締役社長だった。
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ウォルグリーンにはクレドがある。
“Staying Close”
「いつもお客さまそばにいて、
お役に立ちます」

マツキヨさんご自身が、
ステイイング・クロースだった。

77歳はまだまだ、
これからという年齢だ。
本当に惜しい。

謹んでご冥福を祈りたい。

しかしマツキヨさんのサービス精神と、
「ロイヤルカスタマー」の考え方は、
私たちが受け継がねばならない。

合掌。

では、みなさん、今週も、
フィジカルディスタンシングの、
ステイイング・クロースで。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2020年07月26日(日曜日)

藤井聡太棋聖の「将棋の神様と一局、お手合わせ願いたい」

COVID-19をはじめとして、
憂鬱な話題ばかり。

その中で、
藤井聡太棋聖の言動は、
心を安らかにしてくれる。

18歳となった若者が、
今、生きていて、
人生を燃やし尽くす。
それをアベマテレビなどで、
毎日、見ることもできる。
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モーツアルトの少年のころ、
パブロ・ピカソの幼少のころと、
藤井聡太の子どものころは、
シンクロしている。

私はそう思うし、そう書いた。

昨年12月8日。
将棋界のイベントが開催された。
将棋プレミアムフェス in 名古屋2019。

ファン約700人が参集し、
対局やトークショーが行われた。

イベントでは「藤井聡太クイズ!」が行われ、
ファンからの質問にクイズ形式で、
藤井聡太が答えた。

その質問の一つが、
「将棋の神様にお願いするなら、なに?」

「神頼み」と言う言葉があるが、
多神教であっても神は、
人間が一方的に崇め奉る存在だ。

とくに一神教の神は、
すべての創造主で、
侵すべからざる絶対的存在だ。

質問したイベントのファンは、
軽い気分で「将棋の神様」を持ち出した。

これに対して、
イソップ物語ならば、
銅の斧を願って、
金の斧をもらえるかもしれない。

日本のおとぎ話なら、
小さなつづらをお願いして、
大きなつづらをいただける。

天才揃いの将棋プロでも、
お願いするとしたら、
「もっと高い実力を」と言うか、
「もっと体力を」と願うか。
「もっと冷静な精神力を」と答えるか。

藤井と同じ師匠をもつのが、
中沢沙耶女流初段。
その中沢女流が藤井とともに答えた。
「すべての対局を勝てますように」

ところが藤井の回答。
「せっかく
神様がいるのなら
一局、
お手合わせを
お願いしたいと思います」

この“神回答”に対して、
会場からは「おっ~!」と、
驚きの声が沸き上がった。

藤井は不遜でもなんでもなく、
心からそう思っている。

もし将棋の神様がいるとしたら、
どんな将棋を指すのだろう?
どんな手を打つのだろう?
どんな作戦をとるのだろう?
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1週間前の土曜日の朝日新聞。
とうとう「社説」にまで藤井君を登場させた。
藤井新棋聖「感想戦」に学びたい

「新聞を愛読し、
“僥倖(ぎょうこう)””望外”といった言葉を
使いこなす高校生棋士が、
若者らしさを一番感じさせるのは
負けた時だ」

「投了後に両者が一緒に対局をふり返って、
勝因、敗因などを分析する”感想戦”では、
何度もため息をつき、うなだれる」

将棋の対局が終わると、
両棋士がすぐに駒を並べ直して、
初めからすらすらと駒を動かす。
そして考え方を披歴し合う。
あれである。

かつて好きな言葉を聞かれて、
藤井は答えた。
「感想戦は敗者のためにある」

「感想戦という行為自体が
他(の世界)では珍しいと思う。
感想戦の意義をよく表した言葉かな」と。

ここで社説は、先の、
「神様と一局」の話を盛り込んで、
結論づける。
「双方の言葉から伝わってくるのは、
勝ち負けを超えて
将棋の本質に迫りたいという思いだ」

その通り。

私は思う。
藤井聡太が探求したいのは、
「最善」である。

藤井自身、発言している。
「いつも最善を求めています」

その「最善」を「神様への質問」から、
見出したのだ。

朝日社説。
「負けたり失敗したりした時、
人はしばしば、ただ落ち込む。
あるいは、ごまかす、
言い訳を考える、忘れようとする」

「逆にうまくいった時には、
都合のいいことだけを記憶に残して、
途中の過ちにはふたをする」

しかし本来、人間はそこで、
客観的に自分を見つめ直さねばならない。

将棋界は感想戦によって、
神のような人間を次々に育ててきた。

木村義雄、升田幸三、大山康晴、
加藤一二三、中原誠、米長邦雄、
谷川浩二、羽生善治、渡辺明、
そして藤井聡太。

私も「商売の神様」という言葉を、
時々使わせてもらう。
「神は現場にあり」

サム・ウォルトンの言葉は、
“Retail is Detail”だが、
これを私は勝手に訳して使う。
「小売りの神は細部に宿る」
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こういったときの神様は、
「いちばん大切なもの」の意味だが、
それは「最善」でもある。

藤井は願わくば、
その「最善」と一局、
将棋を指して学びたいと言う。

あなたは商売の神様と競い合って、
学びたいか。

商売の「最善」と競争したいと、
考えることができるか。

私は商売の神様と議論したいと思う。

若い若い藤井聡太の志を、
少しでも追いかけたいと思う。

〈結城義晴〉

2020年07月25日(土曜日)

ドラッカーの「昨日・今日・明日」とクオモ知事の「今日の態勢」

毎日毎日、COVID-19感染の話で恐縮。
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PCR検査数が少ないことは前提として、
新規感染者数に一喜一憂しても、
始まらないことも了解したうえで、
感染者数を確認する日々だ。

今日の新規感染者は全国で754人。
国内で確認された感染者数は、
累計で3万人を超えて3万494人。
死者数は累計で1009人。

東京都は今日、295人で累計1万0975人。
大阪府も132人で3047人。

愛知県が78人と急増、累計は1019人。

埼玉県は35人で2032人、
千葉県は21人で1444人、
神奈川県は18人で2204人。

兵庫県が24人で965人、
福岡県が18人で1310人、
そして北海道が9人で1386人。

安倍晋三首相の昨日の発言。
「再び今、緊急事態宣言を出す状況にない」
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しかし新たな手立ては明らかにされない。
Go To トラベルキャンペーンの言葉が、
空しく響くだけ。

私は一昨日、「策に溺れる」と書いたが、
策を弄する気力が失せたか、
あるいは万策尽きたか。
それともダンマリで逃げるか。

4月の第一波のときの緊張感とは違う。
「慣れが一番怖い!」

日本の昨日、今日、明日。
世界の昨日、今日、明日。

日本の過去、現在、未来。
世界の過去、現在、未来。

あなたの会社の過去、現在、未来。
あなた自身の昨日、今日、明日。

一体どうなるのか。
それを深く考えねばならない。

ところで私宛に質問が来た。

旺文社マネジメントスクールが、
6月19日に今年度の開講講座を行った。
学習院マネジメントスクールが、
昨年から主宰者が変わり、
名称も変更された。

私はずっといちばん最初の、
「流通概論」の講義を担当してきた。
今年はオンライン講義となった。
その受講生からの質問だ。
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[質問]「過去」と「現在」について
今回ドラッカーの話が多くありましたが、
私は最近ドラッカー学会で、
井坂先生の講義を受ける機会がありました。
その際に、ドラッカーは
未来思考ではなく過去思考である
という話を聞き、
過去に焦点を当てることで
見えてくることがある
(=未来にフォーカスしても
何も分かることはない)
ということを学びました。
結城先生が冒頭、
「昨日の論議が
現在の視野を狭いものとしている」
とおっしゃっていて、
「過去」と「現在」に目を向ける際に
見方の違いがあるように感じました。
もし違いがあるようでしたら、
「過去」と「現在」を観察する際の
ポイントを教えて頂けますと幸いです。

[結城義晴の返事]
井坂康志さんは私が主催する、
商人舎ミドルマネジメント研修会で
講師をお願いしていて、
よく理解し合っている人です。
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私も井坂さんも、
ともに故上田惇生先生の弟子と
言ってもいい関係にあります。

井坂さんが、
「ドラッカーは未来思考ではなく
過去思考である」
と言われたのは、
ドラッカーの本質です。

ドラッカーは、
「未来を予測したり、
予言したりしてはならない」と言います。
未来のことは、
誰にもわからないからです。
だから過去から現在にかけての現象を
モニタリングせよ、観察せよ、
と教えます。そうすれば、
「すでに起こった未来」が見えてくる、
と言うのです。

「われわれは未来について
ふたつのことしか知らない。
ひとつは、未来は知りえない、
もうひとつは、
未来は今日存在するものとも、
今日予測するものとも違う
ということである」
(『創造する経営者』より)
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私もまったく同感です。

おわかりのことと思いますが、
ドラッカーが使う「昨日」という言葉は
過去を象徴しているし、
「今日」は現在を、
「明日」は未来を象徴しています。

一方、
私が講義の「パラダイムの転換」の中で
引用した言葉は、
ドラッカーの『新しい現実』からのものです。
「いまだに昨日のスローガン、
約束、問題意識が論議を支配し、
視野を狭いものにしている。
それらが、今日の問題の解決に対する
最大の障害になっている」

過去のスローガンや約束、問題意識が、
現在の視野を狭いものにしていることは
よくあります。
ドラッカーの指摘はそれです。

私は最高の名著の一つだと思っていますが
ドラッカーに
『経営者の条件』という本があります。
そのなかに、
「集中のための第一原則は、
生産的でなくなった過去のものを
捨てることである」とあります。
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生産的でなくなった過去のものを捨てる。
生産的な過去のものは活かす。
それが未来を創る。
「昨日のスローガン、約束、問題意識」
のなかで「生産的でなくなったもの」が
議論を支配していると、
視野を狭くしてしまう。

ドラッカーの最後の著書は、
『ネクスト・ソサエティ』という本です。
ドラッカーは過去や現在を
モニタリングして、
「次の社会」を見るという作業を
最後の最後まで続け、
次の時代の鍵を導き出しました。
ネクストソサエティ
その意味でドラッカーは実は、
未来に希望をもった「未来志向」の人です。

つまり私と井坂さんとは
同じことを言っているのです。
これは間違いありません。
なにしろ、ともに
ドラッカーから発想しているからです。
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私がよく講演で使うドラッカーの言葉を
最後に挙げておきます。
「未来を築くために
初めになすべきことは、
明日何をなすべきかを
決めることではなく、
明日をつくるために今日
何をなすべきかを
決めることである。」
『創造する経営者』より。
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ニューヨーク州アンドリュー・クオモ知事。
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PCR検査と抗体検査を、
誰でもいつでも、
保険がなくても、不法移民でも、
無料で受けられるような、
「今日の態勢」をつくっている。

そして1日6万件以上の検査が実施され、
その結果、ピーク時には、
1日800人以上の死者が出ていたが、
7月11日には死者ゼロと激減した。

明日をつくるために今日
何をなすべきか。

それこそが今、求められているし、
為政者はそれを日々、
明らかにしなければならない。

〈結城義晴〉

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