結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年03月03日(水曜日)

桃の節句の「官界の新たな悲劇」と谷川俊太郎「うそとほんと」

2021年、コロナ禍の中の桃の節句。
菜の花の季節でもある。
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桃色と黄色は妙に合う。

そのひな祭りの句。
紙雛や恋したさうな顔許(ばか)
〈正岡子規〉

子規の盟友、夏目漱石の句。
端然と恋をしてゐる雛(ひいな)かな

子規も漱石も、「恋」を詠む。

今日も1日中、横浜商人舎オフィス。
原稿書きと入稿。

良い雑誌になりそうですよ。

その今日の夕方の、
菅義偉首相。
1都3県の緊急事態宣言を、
2週間程度延長すると、
ぶら下がり記者会見で表明した。
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アベマTVでビデオを見た。

断言したわけではないけれど、
金曜日に2週間の延長を決定するらしい。

しかし、そうなると、
今日のぶら下がり会見には、
何の意味があったのだろうか。

記者会見をするならば、
正式にやればいい。

トップマネジメントは、
自分の発言が周辺にどう影響を与え、
その影響が社会や組織をどう変えていくかを、
深く考察し、鋭く洞察しなければならない。

山田真貴子前内閣広報官が、
東北新社の接待問題で辞任し、
外務省の小野日子外務副報道官が、
その後任となる人事は、
持ち回り閣議で決定されている。

しかし現時点では内閣広報官が不在だ。
だから正式な記者会見にならなかったのか。

ただしそれでもやはり、
中央官庁には人材がいるものだ。

それを感じさせる人事で、
私は山田さん、小野さん、
どちらも悪くないと思う。

これからもガラスの天井を、
突き破ってほしいものだ。

昨日の朝日新聞、
「天声人語」

城山三郎の代表作『官僚たちの夏』
高度成長期の旧通産官僚を描く。
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「おれたちは国家に雇われている。
大臣に雇われているわけじゃない」

主人公の風越(かざごし)信吾。

大臣が自室に来ても座ったまま迎え、
堂々と論争した。

風越には実在のモデルがある。

強烈な自負と熱意をもつ、
「国士」のような官僚たち。

この国士型官僚に代わって、
「調整型」、さらに「吏員型」が増えていく。

元財務官僚の田中秀明さんは、
著書『官僚たちの冬』の中で、
いまはもはや「下請け型」だと嘆く。
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天声人語は山田内閣広報官に関して、
「官界の新たな悲劇か」と書く。

「本来、政界と官界は、
車の両輪たるべきだろう」

「いまは政と官の均衡が崩れ、
官界に生気が感じられない。
霞が関は冬を通り越し、
氷河期に入ったように見える」

同感だ。

最後に「谷川俊太郎詩集」より。谷川嘘とほんと
うそとほんと

うそはほんとによく似てる
ほんとはうそによく似てる
うそとほんとは
双生児

うそはほんととよくまざる
ほんとはうそとよくまざる
うそとほんとは
化合物

うその中にうそを探すな
うその中にほんとを探せ
ほんとの中にほんとを探すな
ほんとの中にうそを探せ――

本来の官僚も、
本物の政治家も。
優れた経営者も、
真のジャーナリストも。

うその中にほんとを探すし、
ほんとの中にうそを探す。

〈結城義晴〉

2021年03月02日(火曜日)

ヨークベニマルによるライフフーズ併合の「結城義晴的解釈」

今日は横浜商人舎オフィス。
1日中、原稿書きと入稿。
月刊商人舎3月号の責了が迫る。

いつもいつも原稿に追われている。
若いころから私の信条は、
「追い詰められること」

追い詰められると、
予想を超えた強みを発揮する。
いわゆる「火事場の馬鹿力」

しかしそれが私にとっては、
一番、早いし、効率的でもある。

何度か書いているが、
ビル・ゲイツも同じことを言っている。
もちろん、マイクロソフト創業者。

「なんでもギリギリにすると、
一番スピードが上がって効率がいい」
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すべての人にお勧めできる方法ではないが。

さて日経新聞東北版の記事。
わざわざ送ってくれた人がある。
ありがたい。

「ヨークベニマル、
子会社のライフフーズと合併」

内容はタイトル通り。

商人舎流通スーパーニュースでも、
ヨークベニマルnews|
ライフフーズを吸収合併/製販一体ビジネスモデルへ

東北の雄㈱ヨークベニマルが、
その惣菜子会社の㈱ライフフーズと合併する。
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その合併の日は1年後。
つまり来年2022年3月1日。

ヨークベニマルの真船幸夫社長。
記者会見で合併の狙いを語った。
「デリカッセンの製販一体の体制を強化し、
惣菜をコア事業にするため」
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「デリカテッセン」と、
正確に言葉を使うところは、
真船さん、とても好ましい。

私はどうも、
「デリカ」と略すのが好きではない。

「惣菜」あるいは「デリカテッセン」が正式だ。
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「デリカ」は日本ローカルの言葉遣いだ。
略すとすればアメリカ流に「デリ」だろうか。

日常的には「デリカ」でもいいかもしれない。
マクドナルドを「マック」と略すか、
「マクド」と言うか。

しかし正式に部署名などに使うときには、
「デリカ」にはどうも違和感がある。

別に批判しているわけではないけれど。

ライフフーズの創業者は、
大高喬樹(きょうじゅ)現会長。
ベニマルの創業者・大高善雄さんの四男。
現ヨークベニマル会長の善興さんは三男。
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長男の故善兵衛さんが社長、
次男の故善二郎さんが副社長、
善興さんが専務。
そして喬樹さんが子会社の社長。

この4兄弟態勢は最強と言われた。

それでも善雄さんは物足りず、
㈱イトーヨーカ堂の伊藤雅俊さんに、
後ろ盾になってもらうために、
資本業務提携をした。

ここからヨークベニマルの快進撃が始まった。

ライフフーズも日本一の惣菜会社となった。

生鮮食品とグロサリーのベニマルと、
惣菜のライフフーズとは、
ある意味のグループ内競争をしながら、
絶妙のコンビネーションで、
日本スーパーマーケット業界をリードしてきた。
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私は一度、喬樹さんに頼まれて、
幹部とミドルマネジメントに対して、
講演をしたことがある。

実にいい社風の会社だった。

しかしここへきて、
独立色の強かった子会社を、
親会社と合併する。

ライフフーズは、
21年2月期売上高478億円、
営業利益39億円の見込み。
営業利益率8.16%。

ヨークベニマルは、
売上高4641億円、
営業利益160億円の見込み。
営業利益率3.45%。

コロナ禍キャズムの特需で、
日本のスーパーマーケット企業、
とくに大都市圏のチェーンは、
どこも飛躍的に収益性を高めてきた。

㈱ライフコーポレーションをはじめ、
㈱ヤオコーやサミット㈱などなど。

比較すると、
地方にドミナントを築くベニマルは、
もちろん収益性の高さは変わらないが、
普通の会社に近くなってきた。

セブン&アイの中では、
高収益性の存在感は重要だろう。

真船社長は付け加える。
「グループ各社に惣菜やパン類などの供給を
拡大することを計画している」

つまり自分の商勢圏だけでは、
成長の可能性は限られている。

だからイトーヨーカ堂や㈱ヨークにも、
デリカテッセンやパンを提供する。

それにはライフフーズのパワーアップを、
加速させねばならない。

ベニマルとの合併によって、
人財も資金も増強されて、
ライフフーズ部門はおそらく、
日本最強のデリカテッセン部門になるだろう。

そのライフフーズは、
現在の第2工場を刷新して、
ベーカリー中心工場にする。
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投資額は60億円。

今年11月に着工し、
来年5月に稼働する予定だ。

それに先立って本社併設の第1工場は、
37億円を投じて増設工事中。
今年6月に稼働する見通しだ。
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さらに日経の記事では、
郡山市富久山の東北新幹線沿いに用地を確保して、
新工場を建設する予定らしい。

ヨークベニマルは、
ライフフーズの併合によって、
本格的で圧倒的なデリカテッセン部門を、
このキャズム期間に確立しようとしている。

それは全く正しい意思決定である。

〈結城義晴〉

2021年03月01日(月曜日)

三月弥生の「冷静に恐れる」と鈴木健吾の日本記録

Everybody! Good Monday!
[2021vol⑨]

2021年第9週。
今日から弥生三月。

一月、往ぬる。
二月、逃げる。
三月、去る。

1年の最初の四半期は、
昔から時間軸が短かった。

それにCOVID-19が加わって、
人間の意識の時計の針は早まる。

ワクチン接種の時間こそ、
早まってくれればいいが、
それもままならない。

2月期決算の企業は、
今日から新年度。

しかしコロナ禍はまだまだ続く。
それによる巨大な溝「キャズム」の真っ只中。

その中での新年度スタート。

大久保恒夫さんも、
今日から西友のCEO。
しばらくは一緒にゴルフもできない。
頑張ってほしいところだ。

昨年の3月初めに訴えたのは、
「いつもの生活をつづけよう」 

イタリアのミラノにあるのが、
アレッサンドロ・ヴォルタ高校。
そのドメニコ・スキラーチェ校長の言葉。
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イタリアの高校も、昨年の今頃、
休校となった。
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「冷静さを保ち、
集団のパニックに巻き込まれないこと。
予防策を講じたうえで、
いつもの生活を続けてください」

「せっかくの休みだからこそ、
散歩をしたり、
良い本を読んだりしてください」

そう、良い本を読んだり、
モノを考えたり。
散歩をしたり。

それから1年、
見えなかったものが、
少しだけ見えてきた。

マスクを着用し、手洗いを励行し、
他者との距離を置いて三密を避け、
まず徹底して飛沫感染を防ぐ。
その基本的なことが、
かなり有効であることがわかった。

予期せぬ効果も生まれた。
インフルエンザの発生状況が激減した。

2020/21年のインフルエンザシーズン。
8月31日から2月14日までの、
全国の累積患者数は1011人だった。

過去5年間の同期間平均患者総数は、
約111万人だから、
なんと0.1%未満。

凄い効果を発揮した。

そのうえ驚異的なスピードで、
ワクチンが開発され、
世界中でその接種も始まった。

けれどもキャズムはいましばらく続く。

やれること、
やるべきことを、
やる。
やってはいけないことは、
やらない。

そして、
冷静に恐れる。

この態勢は堅持しなければならない。

さて3月のスケジュール。

1都3県の緊急事態宣言は、
3月7日の日曜日まで継続される。

その後は、解除されるだろうけれど、
基本的な生活態度までが、
解除されるわけではない。

水曜日の3月3日はひな祭り。
金曜日の3月5日が二十四節気の啓蟄。

3月11日は東日本大震災から10年目の日。
いまさらながらに、
亡くなられた方々のご冥福を祈りたい。

3月14日のホワイトデーは、
今年は日曜日。

啓蟄から半月後、15日後が、
春分の日。
今年は土曜日の3月20日。

残念ながら三連休とはならない。

春分の日を中日として、
3月17日(水曜日)が春の彼岸の入り、
3月23日(火曜日)が彼岸の明け。

このころから花見のシーズン。

今年は花を愛でることに徹したい。
花見の宴会は避けたい。

そちらのほうが、
本当に桜を愛でることになる。

昨年は安倍晋三首相のもと、
急遽、「桜を見る会」は中止となった。
菅義偉総理も同じように開催しない方針だ。

もともとは1952年に、
当時の吉田茂首相が始めた公的行事である。
それ以来、日本の内閣総理大臣が主催して、
新宿御苑で開催されていた。

安倍首相の「桜を見る会問題」で、
開催されないことになった。

今年は桜の盛りのころに、
入場料500円を払って、
新宿御苑で桜を愛でようか。

こんなことを言っていると、
三月もさっと去ってしまう。

さて2月最終日に明るいニュース。
びわ湖毎日マラソン。

鈴木健吾選手が日本新記録で優勝。
2時間4分56秒。
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これまでの記録は、
大迫傑の2時間5分29秒。
昨年3月の東京マラソンのタイム。

大迫は賞金1億円をもらったが、
鈴木は残念ながら10万円だそうだ。

それでも2時間5分を切った選手は、
世界で59人しかいない。

そのうち57人がアフリカ系のランナーだ。

鈴木健吾はアジア人で二人目の、
2時間5分を切る記録保持者である。

愛媛県の宇和島東高校から、
神奈川大学へ。

箱根駅伝は4年間代表として走り、
3年生のときの花の2区では区間賞を獲得した。

社会人となって富士通へ入り、
このびわ湖毎日マラソンには、
一般選手として参加。

これまでの自己記録は、
2時間10分台だった。
それを5分25秒も縮めて、
日本最高記録の更新。

日本陸連の瀬古利彦は、
「日本の歴史を変えるレース」と評した。

私は執筆の仕事をしていて、
レースを見ることができなかった。
しかしその力量は申し分ない。

7月の東京オリンピックには出場できないが、
まだ25歳だから2024年のパリでは、
日本代表として走ることができる。

鈴木健吾のコメント。
「世界との距離は、
すごくあると感じている。
その差を埋めて強い選手になりたい」

世界を冷静に恐れながら、
向上心を失わない。

そこが素晴らしい。

では、みなさん、今週も、今月も、
冷静に恐れよう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

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