結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年12月14日(火曜日)

関西スーパーvsオーケー問題の決着と「成長・膨張と理念」

最高裁判所の決定は早かった。

関西スーパーvsオーケー問題。
関西スーパー

関西スーパーとH2Oリテイリングとの経営統合。

その子会社のイズミヤ、阪急オアシスを、
株式交換で一度、傘下に収め、
さらにH2Oの完全子会社になる案件。

H2Oが筆頭株主だが、
第3株主のオーケーが、
これに待ったをかけた。

株式公開買い付けで、
関西スーパーを買収することを表明した。

オーケーの主張――。
わが社のビジネスモデルを採用すれば、
関西スーパーを再生できる。
それが株主利益につながる。
この点に集中していた。

そこで10月29日の臨時株主総会で、
この経営統合への賛否が問われた。

この総会に出席した株主の1人が、
事前に「賛成」の議決権を郵送で行使していた。
しかし出席した総会では白票を投じた。
これは「棄権」を意味する。

株主投票を締め切った後に、
この株主が自己申告したために、
関西スーパーは「棄権」を「賛成」と修正し、
結局、この議案は、
出席株主の66.68%の賛成で可決された。

もしも「棄権」のままであれば、
H2Oとの統合案は否決されていた。

このプロセスに対してオーケーは、
統合手続き差し止めの仮処分を、
裁判所に申請した。
11月9日のことだ。

まず神戸地方裁判所から、
大阪高等裁判所へ。
そして最高裁判所へ。

結論は一転二転した。

商人舎流通スーパーニュース。
関西スーパーnews|
最高裁がオーケーの抗告棄却/H2Oとの経営統合へ

仮処分の申し立てに関して、
最高裁は12月14日(水)、
許可抗告を棄却した。

株主の意思は統合に賛成であった。
大阪高裁はこのことが明確であるとして、
オーケー側の主張を退けた。

それを最高裁が再度、是認したことになる。

この決定を受けてオーケーは、
関西スーパーの買収を断念することを発表。

12月15日(木)、
関西スーパーとイズミヤ、阪急オアシスは、
予定通りの株式交換を進める。

オーケーの最後の表明。
「反対株主の株式買取請求権に基づき、
保有株式を関西スーパー様に売却する」

このブログで私は、
神戸地裁から大阪高裁、
そして最高裁に抗告される間、
沈黙していた。

しかしこの案件の議論は、
きちんと総括されねばならない。

次の月刊商人舎でそれを試みる。

朝日新聞のコラム「経済気象台」
経済気象台タイトル
今日のタイトルは、
「成長に欠かせないもの」

日経新聞の「大機小機」同様、
現役として活躍する経済人や学者が書く。

今日のコラムニストは山猫さん。

アンゲラ・メルケル元ドイツ首相。
任期は16年に及んだ。

政界を引退するが、
どんな政治的ポストにもつかない。

山猫さんはメルケルさんを称賛する。
「どこかの国の元首相が国会議員に居座って
影響力を行使しようとするのとは違い、
本当に爽やかな幕引きである」

「その引き際もさることながら、
首相として一本筋の通った考え方を
貫いたことは特筆すべきことだ」

講演録「わたしの信仰」
41CSO-tpH3L._SX339_BO1,204,203,200_
12月4日のこのブログでも、
引用したばかり。

「問題は政治や経済以上に、
精神的な価値観にかかっている」

コラム。
「政治や経済の論理よりも、
人として欠いてはならない価値観を大切にし、
最も弱い立場にある人々や
次の世代に寄り添った」

「この言葉に内外の批判をものともせず、
中東からの難民の受け入れを
断行した姿が重なってみえる」

「その一方で、ドイツを
欧州一番の隆々たる国に成長させた」

「これは我が国にとって大きな教訓だ」

同感。

「歴代首相は成長をメインに政策を掲げるが、
肝心の人の心を打つ理念に乏しい。
日本の将来はどうなるのかを思い描けない」

「少なくとも、メルケルさんのように
旧東ドイツで大変な苦労をし、
民の苦労を自分事として
共有できる人とは根本的に異なる」

トップに立つ人には、
この「苦労」が必須である。

私は「試練」と呼ぶし、
「艱難」と表現する。

自分にそれがあったかと問われれば、
この年になってさえも、
まだまだ足りないとは自覚している。

「戦中戦後に創業した
パナソニック、ホンダ、ダイエーといった
会社の創業者は、
水道哲学や流通革命など
独特の経営理念があった」

松下幸之助、
本田宗一郎、
中内功。
中内功

そして伊藤雅俊、岡田卓也、清水信次、
さらに北野祐次。

コラムニスト。
「その根底にあったのは
“人々の暮らしを
より豊かなものにしたい”
という強い思いだった」

「利益を出す株主受けする
ビジネスモデルを模索するより、
理念を実現しようと尽くした」

同感だ。

関西スーパーの案件にも、
根底にはこの理念が求められたと思う。
私はそれをずっと書いてきた。

山猫さん。
「成長とは、
正しい理念のもとに
努力した結果として生まれてくる。
それを忘れてはいけない」

「成長と膨張は異なる」
故田島義博学習院大学院長の考え。
成長と膨張
拙著『コロナは時間を早める』にも、
この考え方を書いた。

つまり理念なき規模拡大は、
膨張ということになる。

忘れてはいけない。

〈結城義晴〉

東北関東大震災へのメッセージ

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コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

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