結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年03月31日(木曜日)

「売上げ・利益を超えた何か」を求めて「個人も企業も覚悟を決める」

横浜の桜、いよいよです。
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商人舎オフィス、
私のデスクの後ろの桜。
このあたりでは、毎年、
いちばん先に咲きます。

それが花を開かせはじめた。
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今日で2011年3月が終わります。

この1カ月は、
長かったか、
短かったか。

私は、ひどく長く感じた。

被災された人たちは、
地震が来て津波に襲われたのは、
「つい二日三日前のようだ」と、
述懐します。

時間が短かった。

それだけ、実際の「被災者」と、
あえて言えば「傍観者」との間に、
意識や感覚の違いがあるのでしょう。

それでも明日から、
新しい4月に入ります。

「ひとつずつ、
すこしずつ、
一歩ずつ」

元気を出そうよ、
それがあなたの仕事です。
それが私の仕事です。

朝日新聞の最終面に、
瀬戸内寂聴さんが寄稿。
「東北人は不言実行の辛抱強い性質である。
一度心を許しあったら決して裏切らない」

「私は『無常』を、
この世のはかなさを示す語と考えず、
『この世は常ならず』と
自分流に判断してきた。

この世では同じ状態は決して続かない」

「私の『無常観』によれば、
現在のこの世の地獄も、
必ずどん底からの反動として、今に立ちあがり、
希望の見える世の中に変わると信じて疑わないのである」

「私たちはどんな不幸の中でも
決して絶望してはならない。
暗闇の空に希望の星を見出す力を
人間は与えられてこれまで生きてきた」

「無常――どん底は続かない」
タイトルが物語るように、
寂聴さんの言葉が心にしみる。

日経新聞一面の「東日本大震災 今何をすべきか」
編集委員の西條都夫さんが、「今後の課題」を整理する。
「個別企業、個別工場の『点』の復旧をつなぎあわせ、
サプライチェーンという『線』の復興に持って行くということだ」

「ものづくりの力」を発揮し、
「日本ブランド」を立て直すことの提案。

しかし、私は、
日本の「サプライ&ディマンド・チェーン」の力を信じたい。
日本の流通小売業の目覚ましい活躍こそ、
製造業の「ものづくりの力」を活かすものだ。

これから、東北関東で、
ものすごい需要が生まれる。
それを信じて、仕事に臨みたい。

「企業も個人も、
覚悟を決めて向き合うしかない」

西條さんの言うとおりだ。

この提案記事の最後に出てくる話。
「トヨタグループの創始者、豊田佐吉が、
自動車事業に興味をもったのは、
関東大震災がきっかけだった。

復興の進む東京の街で、
米国製のトラックが活躍する姿を目にして、
『自動車はすごい』『いつか国産化を』と、
気持ちを固めたという」

さてその日経新聞スポーツ欄のコラム。
「豊田泰光のチェンジアップ」
考えてみると私は、
このコラムがほんとうに好きだ。

「野球とともにあった人生のなかで、
これほど白けた気分になったのは初めてだ」

今日のコラムは、こう始まる。

セ・リーグの「開幕強硬騒動」のこと。

豊田は「何か違う」と感じる。それは、
「プロ野球が勝ち負けのみにとらわれているという『違和感』」

「選手をかき集めてでも、とにかく勝てばいい」
そんな色が濃くなり始めた。

「見る側もどこか勝ち負けのみに目を奪われてきた」

「セ・リーグが開幕を強行しようとしたのもその流れで、
144試合をこなし、勝ち負けを決めて、
ビールかけをしておしまいというサイクルに
とらわれていたのかもしれない」

「そういう惰性の世界から脱し、
今こそプロ野球は、
勝ち負けを超えた何かを
持たなくてはならない」

私が感動したのは、
プロ野球の「勝ち負けを超えた何か」。

小売流通業・サービス業でいえば、
「売上高・利益の増減を超えた何か」

そのために「惰性の世界から脱する」。
その機会を私たちは与えられた。

寂聴さんの「この世は常ならず」
豊田佐吉の「ひらめきと決意」
そして豊田泰光の「勝ち負けを超えた何か」

滋賀県彦根市に本部をもつ㈱平和堂は、
売上げを『ご奉仕高』、
利益を『創造高』
と考えて、
地域と顧客への奉仕に励む。

これは、売上高や利益に関して、
それを「超えた何か」を表現したものだ。

短かったか、長かったかにかかわらず、
2011年の3月が終わる。

堺屋太一さん言うところの第1段階の「救助」と、
第2段階の「救済」が一段落し、
第3段階の「復旧」から、
第4段階「復興」への新しい日々が、
本格化する。

「ひとつずつ、すこしずつ、一歩ずつ」
「希望の見える世の中になると信じて」

<結城義晴>


2 件のコメント

  • 「無常」「考えなくなり、闘わなくなった」
    3/24の日経文化欄には、「かつては、形あるものは滅びるという死生観や無常観も培われた」というコラムや、3/31の安藤忠雄さんの「自分で考える体験が絶対的に不足しており、緊張感も判断力も、自立心もないまま成人し、社会を支える立場に立つ。」などなど。あると思うものがなくなるという現実。一方では、リーダー不在の感もある現実。企業も国も、すっかり平和ボケしてしまったようです。でも、人が求めるものを、いえ、「だれのために」をしっかり受け止めて、行動に起こす人々の姿には誰もが感動します。どんなときにも、まずは「自分のため」に行動を起こしたものの末路は寂しいものです。あらためて、過酷な被災地で復旧に当たる人々に頭が下がります。

  • inoueさま、賛成です。
    自分のためではなく、
    楽な方ではなく、
    使命感に忠実に行動する。
    それが結局、一番です。
    過酷な現場で働く人々には、
    頭が下がります。

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